ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
基本的に乱発はしませんが、デート・ア・ライブにつきもののアレです。彼女ならこのタイミングでやらないわけないです。
フィンさん達が突撃して行った後、残ったのはわたくし達とガレスさん、ラウルさん、椿さん。そして、魔力が切れたリヴェリアさんです。相手は数十数百のイモムシと
「これを耐えろとか無茶言ってくれるわい」
「なら逃げるか?」
「馬鹿を言うな、いけ好かないエルフ! お前こそ魔力が切れておるだろ。寝ておれ」
「黙れ……野蛮なドワーフめ……クルミ、マジックポーションをありったけ寄越せ」
「こっちは斧だ」
「畏まりましたわ」
箱ごと武器を取り出して渡していきます。
「ふむ。クルミよ」
「なんですの?」
「ここでならアレを使っても主神様も怒らんではないか?」
「ああ、アレですわね。なるほど、やっちゃいますか?」
「切り札があるならば切れ。このままじゃジリ貧じゃ」
「あちらが戻るとは言っても、限界を超えてきているだろう。使えるなら使ってくれ。請求はロキ・ファミリアが持つ」
「だ、そうだ」
「きひっ! きひひひひっ!」
短銃に一発の弾頭がアダマンタイトで薬莢がオリハルコン。びっしりと
「高くつきますわよ、ロキ・ファミリア」
「構わん」
「まあ、問題は直撃させんとさすがに殺せんことだろう。手前が運ぶか?」
「ソイツを叩き込めば相手は殺せるのかの?」
「確実とはいいませんが、普通にやれますわ」
「なら答えは簡単じゃな。わしが道を開く。付いてこい」
「ですわね。では、その前にもう一度一掃いたしましょう」
そう言って準備をしようとした瞬間、相手も魔法を用意していたようです。
「代行者ノ名ニオイテ命ジル与エラレシ我ガ名ハ地精霊大地ノ化身大地ノ女王──メテオ・スウォーム」
「走ってください! 大丈夫ですわ! <
「行くぞ!」
「やるしかないっす!」
「付き合ってやる!」
「うむ。楽しみだな!」
全員でメテオ・スウォームの中を突撃します。わたくしはくるみねっとわーくをフルに使って降ってくる隕石の軌道と影響する範囲を計算し、未来予測と併用して
同時にほかのわたくし達も
「閃光ヨ駆ケ抜ケヨ闇ヲ切リ裂ケ代行者タル我ガ名ハ光精霊光ノ化身光ノ女王──」
「ガレスさん!」
「おうよ!」
「ライト・バースト!」
「ぐぅううううううううぅぅっ‼」
ガレスさんを盾にして
「魔剣で前方の四つを吹き飛ばしてくださいまし!」
「了解した! 手前は右二つをやる!」
「左二つっすね!」
「終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に風を巻け。閉ざされる光、凍てつく大地。吹雪け、三度の厳冬──」
魔剣とわたくしの銃撃などを利用して相手の魔法を時には防ぎ、時にはガレスさんに耐えてもらいながら突撃します。また、上空に居るわたくしが空から急降下して、接近すると同時に時間を停滞させての攻撃も行っています。無数の攻撃がこちらにも放たれて幾人ものわたくしが全身を貫かれて身体を引き寄せられ、食べられます。ですが、完全に食べられる前に停滞空間を別のわたくしが発動させ、爆発物で自らを殺します。
近距離から放たれる暴虐の嵐に何度も身体を粉砕されながらも再生して復活してくるのは脅威というしかありません。
「こんな事ならもっと
「後の祭りであるな! 次の魔剣を寄越せ!」
「どうぞ!」
「突キ進メ雷鳴ノ槍代行者タル我ガ名ハ雷精霊雷ノ化身雷ノ女王──サンダー・レイ!」
無数の雷が降ってくるので、わたくしの一部に槍を持たせて投擲させ、避雷針にします。
「我が名はアールヴ。ウィン・フィンブルヴェトル!」
吹雪によって
「アア、ナゼ! ナゼ食ベサセテクレナイノ! イッショニナリマショウ! クルミィィィッ!」
「勘違いしないでいただけます? 貴女が食べるのではなく、わたくしが食べるのですわ!」
「おいおい、コイツを喰う気か」
「腹を壊すな」
「まったくだ」
少し回避が遅れたリヴェリアさん達の身体が欠損しますが、すぐに巻き戻して戦います。そうこうしていると、敵が口から氷の塊を出してきました。
「むぅっ!」
ガレスさんが氷の塊を受け止めると、そのまま後方に飛ばされていきます。
「ラウル! ここからは手前達が行くぞ!」
「はいっす!」
前衛を二人出して、迎撃してもらいます。わたくし達も次々と死んでいく中、様々な武器を持って接近戦を仕掛けていきます。四人一組となって運用する方法で連携し、確実にダメージを与えていきます。本当にガリバー兄弟には助かりました。同じ
「いてぇぇっ! 腕が、腕がぁぁぁぁぁぁっ!」
「一本や二本で泣くでないわ!」
「無茶苦茶っす! あ、戻った!」
二人の身体の一部がポンポン飛んでいますし、わたくしの身体もそこらじゅうに転がっております。それを狙って
そんな中、壁を作り出してわたくし達の進行を塞ごうとしてきますが、そこに空からガレスさんが降ってきました。
「おりゃああああああああああああああぁぁぁぁぁっ‼」
そして、何度も攻撃して壁を破壊します。身体を貫かれながらも穴を大きく開けてくださいました。そこを通り、精霊の強化種まで数メートルという目前までやってきました。そのタイミングで他の方々、アイズさん達が追い付いてきました。
「待たせたね」
「遅いぞフィン」
「もう手前まで来てしまった」
「これは遅れてしまったか」
「まったくですわ。ですから、援護してくださいまし。それとわたくしが接近したら即座に撤退してくださいね。死にますわよ」
皆さんボロボロです。身体は再生できても精神力の問題です。魔力がなくなれば強制的にマインドダウンしてしまいますもの。
「わかった。全員で、クルミを援護する! その後、後退だ!」
「いっくよ~!」
「もう一体なんて楽勝よ!」
相手は自らの身体を崩壊させながらも新しい口を生やして詠唱を高速で二つも行ってきます。
「「代行者ノ名ニオイテ命ジル与エラレシ我ガ名ハ地精霊大地ノ化身大地ノ女王、火精霊炎ノ化身炎ノ女王──メテオ・スウォーム、ファイアーストーム!」」
自らの命を削った魔法が放たれますが、もう死ぬので問題ありません。この距離ならどうとでもなります。
「時の精霊たる
完全詠唱による世界全ての時間停止。身体が物凄く重い中、移動して停止している精霊の強化種に上って彼女の額に短銃を押し付けて引き金を引きます。弾丸は即座に発射されて止まりました。
「解除」
「エ”?」
「あっ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!」
一瞬で精霊の強化種とわたくしは金色の炎柱に包まれて一秒未満で身体が焼失します。続いて周りに炎が広がっていき、
「撤退!」
フィンさん達が逃げてある程度の距離ができたら、わたくしが
◇◇◇
「うむ。流石は主神様と炉の女神の血を使った炎だ。綺麗であるな!」
「いやいや、なんてものを作っているんだよ」
「しかし、これで終わりか」
「いや、まだだ。親指の疼きが止まらない」
「クルミ……」
「っ!? アイズ避けろ!」
「え?」
アイズさんの胸に手が生えて、引き抜かれます。そこには空洞ができていて何もありません。
「「「「アイズっ!?」」」」
「あっ……」
倒れたアイズさんにすぐに
「油断大敵ですわよ、黒のわたくし」
「白の
後ろを見ると、白く長い綺麗な髪の毛を靡かせた幼い少女。彼女の手に持つ軍刀がわたくしを貫き、もう片方の手には脈動する心臓が握られておりました。
「あむっ」
彼女はそれを食べました。
「貴様ああああああああああああああああああぁぁっ!」
「ぶっ殺す!」
「きひっ! できもしない事を言うものではありませんわ!」
白の
「
「レフィーヤっ!」
「あっ……」
アイズさんを抱きしめて泣いていたレフィーヤの胸に斜め横から空間を飛んで現れた弾丸が彼女を上下に切断しました。
「あああああああ! ああああああああああああああああああぁぁっ!」
「きひっ! きひひひひっ! 楽しいですわね、ええ、楽しいですわ!」
「お前ぇぇぇぇっ」
激情で頭がおかしくなりそうですが、冷静に冷静に対処します。
「時よ、止まりなさい。
一度、
次にこのタイミングという事は、白の
まあ、ダンジョンに来てから知られていた可能性もありますが、どちらにしろ、これはやるしかありませんわ。誰ならいける? 誰ならアイズさんとレフィーヤさんを救える? そんなの決まっていますわ。
「ああ、もう! 気持ち悪いですがやってやりますわ! フィンさん!」
フィンさんの影に潜ませたわたくしにフィンさんを掴ませます。彼は怒りで狂暴化しかけていますが、なんとかなるでしょう。
「全員! 数秒でいいのでわたくしを命を賭けて守りなさい! アイズさんとレフィーヤさんを助けます!」
「あ?」
「できるのかい?」
「できます! 二人が死んだままでいいのなら、構いませんが!」
「ふざけんな! やれ! いますぐやれ!」
「そうだよ!」
「私達が守ってやる!」
「フィンさん!」
「ぐっ……!」
フィンさんに後ろから抱き着いて
「クルミ……?」
「いいから聞きなさい。これだけは絶対に守ってください。わたくし以外に知られてはならない。自分に見つかってはいけない。これを破れば二度とアイズさんとレフィーヤさんは戻ってきません。ですが、フィンさんなら、我ら
耳元で囁いてしっかりと注意事項を伝えます。正直言ってどうなるかはわかりませんが、命を賭けるだけの価値はあります。
「何を言って……」
「時間です。よろしくお願いいたしますわ。<
「させると思っていますの! 黒のわたくし!」
「やらせるか!」
「団長を殺させるか!」
現れた<
「くっ! ああやっぱり厄介ですわね、わたくしぃぃぃぃっ!!」
ティオナさんが足を切断されながらも、白の
「
引き金を引く前に迫る白の
「手前で作った未完成品だが、持っていけ!」
椿さんが持っていた宝玉の失敗作を取り付けて大剣を振るいます。大剣は軍刀をすり抜けますが、その直前に大爆発を起こして白の
「あっ、あああ……」
「離せクルミ!」
フィンさんが暴れてわたくしを吹き飛ばします。そして、笑う白の
「ラウルっ! フィンさんを撃ちなさい! 誰も死なずに地上へ、皆が待つホームに笑顔で帰るために!」
「ああああああああぁぁぁぁぁっ!」
「どういうつもりだ! どういうつもりだぁあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!! 」
軍刀で切断されながらも、フィンさんの身体に震える身体で撃ってくれたラウルさんの姿が見えました。これで、負けが決まった盤上はひっくり返しました。勝負はわかりません。
◇◇◇
「どういうつもりだ! どういうつもりだぁあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!! 」
皆の死を受けて、戦う邪魔をしてきたクルミに怒りを募らせながら叫んだ。心の底から叫んだ。動く身体で即座に槍を振ろうとして無い事に気付く。
「ここは……」
周りは新種の
「ヘル・フィネガス!」
ヘル・フィネガス は高揚魔法だ。碧眼が紅眼に変化し、詠唱すると指先に紅い魔力が集まって槍の穂先の形となり、それで自身の額を撃つ事で戦闘意欲が引き出され、全能力が超高強化される。代償として、発動中はまともな判断能力を失ってしまうが、限界以上に怒ると冷静さを保ったまま発動することが可能だ。
沸き上がる怒りを冷静に振るうべき時に備えて敵を蹴散らして移動する。タイタン・アルムとは戦わずに離れた場所に移動し、身を隠す。何をするにしても考えないといけない。
「ん? アレは……馬鹿な……」
タイタン・アルムが居た場所の先。密林から歩いてくるのは死んだはずの皆だった。その姿を見て涙が溢れてくる。しかし、その中に僕自身が居ることに気付くと、一気に冷静になった。
『わたくし以外に知られてはならない。自分に見つかってはいけない』
クルミが魔法を発動する前に伝えてきた言葉。それと彼女が自らを時の精霊と自称し、実際に持つ時間を操る反則級の魔法。そこから冷静に考査すれば答えは見えてくる。
「はは、誰も死なずに地上へ、皆が待つホームに笑顔で帰るために、か……言ってくれるじゃないか。どっちが勇者かわからないね。本当に……」
彼女は言っていた。時間を巻き戻すのには代償が要ると。では、どれだけの代償を支払った?
決まっている。過去が改変できるほどであり、彼女が普段は絶対に使わない十番以上の魔法。その最後の魔法だ。
それに最後の彼女は顔面蒼白で消えていくように身体が薄くなっていた。おそらく、自らの時間を全て使ってでも僕をこの時間に送り込んだんだろう。
「ならば死んだ皆と女神フィオナに誓おう。僕は何度やり直しても必ずやりとげてみせる。皆でロキの待つホームへと帰って見せよう。待っていてくれ」
まずやる事は簡単だ。クルミと合流する。そして、予備の武器を受け取ることからだ。最悪、今回は捨ててもいいのかもしれない。ただ、それはクルミから情報を聞いてから判断すべき事だ。今は助け切る方向で動こう。もし、もう一度過去に戻れないのであれば今回で助けないといけないからね。
肝心の合流方法だが、見つからずに合流するには精霊の強化種が二体現れ、僕達が分かれてクルミが盛大に分身を呼び出して戦っていたところ。そこで彼女達を攻撃すれば必ず一人か二人はこちらに反撃してくるだろう。それを回避してこちらに呼び寄せる。そうすれば全てのクルミに情報を伝えられる。
相手はクルミの反転体だ。どうにかして対処しないといけない。それにはあのすり抜ける軍刀についても知らなければならない。流石に彼女とてこの状況で情報開示はしてくれるだろう。
次回予告 「レベル6勇者フィン! 時をかける冒険!」
「情報開示してくれ」
「いやですわ!」
こういうタイトルだと弱く見える不思議ー
ダンメモとデアラのコラボではベル君が過去に戻りましたが、今回はフィンさんです。
理不尽なくらい白の
くるみ<超えられない壁<白の
また、今回の襲撃はルーク化して支配下に置いた精霊の胎児を寄生させ、育てて手駒にしております。そんな彼女が居る深層に降りてきて全力戦闘をしてギリギリ勝利したら……そりゃ襲います。勝って一息ついたところが一番狙いやすいですからね。
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このまま|刻々帝《ザフキエル》のみ