ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~   作:ヴィヴィオ

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感想と高評価、お気に入り登録、誤字修正ありがとうございます。後日談みたいな感じです。


地雷原でのタップダンス

 

 

 

 

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【くるみ・ときさき】

 

 レベル1

 力 I 25→I 36

 耐久 I 40→D 535

 器用 I 50→H 246

 敏捷 I 60→G 120

 魔力 I 20→D 503

 

【魔法】

 

刻々帝(ザフキエル)

一の弾(アレフ)】:対象の外的時間を一定時間加速させる。超高速移動を可能とする。

二の弾(ベート)】:対象の外的時間を一定時間遅くする。意識までには影響を及ぼせないが、対象に込められた運動エネルギーも保持される性質がある。

三の弾(ギメル)】:対象の内的時間を加速させる。生き物の成長や老化、物体の経年劣化を促進する。

四の弾(ダレット)】:時間を巻き戻す。自身や他の存在が負った傷の修復再生が可能で、精神的なダメージにもある程度有効。

五の弾(へー)】:僅か先の未来を見通すことができる。戦闘中、数秒先の光景を視ての軌道予測等に使用できる。

六の弾(ヴァヴ)】:対象の意識のみを数日前までの過去の肉体に飛ばし、タイムループを可能とする。

七の弾(ザイン)】:対象の時間を一時的に完全停止させる。

 強力な分消費する時間は多め。

八の弾(ヘット)】:自身の過去の再現体を分身として生み出す。分身体は本体の影に沈む形で待機が可能。生み出された分身体を全て駆逐しない限りいくらでも呼び出すことが可能であり、殺害されても何度も蘇る。分身体のスペックは本体より一段劣っており、活動時間も生み出された際に消費した『時間(寿命)』しか活動できない。また、基本的には天使を行使することも出来ない。情報のやり取りを通じて記憶を共有する事もできる。

九の弾(テット)】:異なる時間にいる人間と意識を繋ぎ、交信することができる。撃ち抜いた対象者と会話したり、見聞きしたものを共有できる。

一〇の弾(ユッド)】:対象に込められた過去の記憶や体験を知ることができる。

十一の弾(ユッド・アレフ)】:対象を未来へ送ることができる。進む時間に応じて消費する時間・魔力は加速的的に上がってゆく。

十二の弾(ユッド・ベート)】:対象を過去へ送ることができる。遡る時間に応じて消費する時間・魔力は加速度的に上がってゆく。歴史を改変し元の時代に戻ってきた場合、その特異点となった人物は改変前の記憶を保持、または思い出せる。

 魔力と寿命を消費して発動する。発動には基礎コストとして十日を消費する。また、発動する魔法の数字が上がるにつれて十日ずつ関数で消費が増加する。六の弾(ヴァヴ)からは百日に増加。

 

「神威霊装・三番(エロヒム)

 歩兵銃と短銃の二丁拳銃を物質化する。攻撃に使う銃弾は物質化した影で出来ている。

 

【スキル】

 

「時喰みの城(20)」

 周囲に影を張り巡らせ、自らの影に異空間を作成する。影に触れている存在の時間を吸い上げる。異空間の中に沈んで移動や潜伏ができる他、特定の人物を引きずり込んでの捕食や保護も可能も可能。作成には寿命を一年消費する。寿命を一年消費するごとに異空間の広さを拡張できる。一メートル四方、一年ずつ増やせる。

 

 

 

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 Total1,245のステイタス上昇ですわね。まあ、無理もありません。文字通り肉体がミンチにされたり、時間停止状態とはいえハムハムされていたわけですし。強敵相手に自らの死をもって戦ったのですから。魔力も時間をアレだけ盛大に使えばここまで上がるというのも納得ですわ。いえ、やっぱり納得できませんわね。どう考えても身体が精霊に近付いたせいでステイタスが上がっただけでしょう。

 

「あの、ベッドに寝転びながら足をバタバタさせるのは、はしたないですよ」

 

 リリさんがテーブルの上に置いてあるティーセットで紅茶を入れながら注意してきましたので、大人しく足をばたつかせるのを止めます。確かにワンピース一枚で、お風呂上りとはいえベッドの上で足をばたつかせるのははしたないですわね。可愛らしいのでたまにやる程度にしておきましょう。

 

「ところで、そのなんて書いてあるかわからない物はなんですか?」

「これはわたくしのステイタスでしてよ。こちらの文字はわからないので口頭で聞いて書き写したものですわね」

「そういえば文字がわからないんでしたね。勉強しますか?」

「ええ、そうしましょう」

 

 まあ、勉強は違う分身(わたくし)にやってもらえば共有できますので問題ないでしょう。武術の訓練もしかり……と、言いたいところですが、残念ながら私の分身は記憶や情報を共有できても、八の弾(ヘット)を撃った時点の私を複製するだけです。武術の知識や経験は可能ですので、そこから本体の方で訓練をしないといけません。まあ、それでも他の人と段違いで効率は良いはずですわ。技術が継承できるという点はNARUTOの影分身に負けますが、耐久力では勝てると断言できます。だって、一撃で消されませんし。

 

「紅茶が入りましたよ」

「頂きますわ」

 

 ベッドから降りて椅子に座り、リリさんが入れてくれた紅茶をいただきます。

 

「ダージリン……」

「残念ながら違います」

「無念……」

 

 というか、普通に甘くないので余り美味しくないです。ですので、壁にある戸棚からボトルを取り出して少し入れますの。

 

「ちょっ!? それってソーマですよねっ!」

「そうですわよ。これを入れるととっても美味しくなりますの」

「勝手に使っていいんですか?」

「この部屋にある物は全て私の物ですもの。問題ありませんわ」

 

 ソーマ様から鍵も貰っていますし、自由にする許可はとっています。ただし、ちゃんとお酒造りを手伝うように言われていますが。

 

「それに今日は頑張ったのでご褒美です。リリさんもどうですか?」

「……リリは結構です」

「私のお酒が飲めないと?」

「……いただきます……」

 

 セクハラならぬアルハラですが、まあ大丈夫です。一滴たらしてからボトルを戻してリリさんと二人で飲みます。

 

「「はふ~」」

 

 鼻にくる芳醇な香りと口に広がる程よい甘み。身体の疲れが取れていくようです。リリさんは両手でカップを持ちながらチビチビと飲んでいますが、表情が蕩けています。俗に言うアへ顔という奴ですわね! 

 つまり、今ならリリさんの身体に悪戯し放題というわけですが、流石にやりませんわ。やるのなら、まずはこのくるみちゃんの身体からです。自分でしっかりと勉強してからでないと傷つけてしまいますもの。分身とやるのでしょうが、これも自家発電ですわね。

 こんな馬鹿な事を紅茶を飲みながら考えていると、扉がノックされました。

 

「はい。どうぞ」

「失礼する。ギルドから連絡が来た」

 

 入ってきたのは我等がソーマ・ファミリアの団長であるザニスさん。ギルドに頼んでいたのは私達が襲われたミノタウロスについての報告が来たのでしょう。それをわざわざ知らせてに来てくれたようです。

 

「で、原因はわかりましたの?」

「どうやらロキ・ファミリアのようだ。彼等が遠征で潜った深層から帰還途中に出現したミノタウロスの群れが一斉に逃げだしたそうだ」

「なるほど。それが上層まで上がってきて、あの悲劇になったと。これはロキ・ファミリアには相応の誠意を見せてもらわないといけませんわね」

 

 こっちは寿命を十年は削りましたしね。まあ、自業自得な部分もあるのでそこまで要求はできませんが。そもそも明文化はされていないらしいですが、魔物(モンスター)を引き寄せるお香を使った狩りはグレーゾーンです。お香を使ったMPKは当然禁止行為です。

 お香を禁止したらいいかと思うかもしれませんが、これって別の使い方もできるんですよね。例えば逃げる時に遠くに投げて逃げればそちらに魔物(モンスター)が集まるので、逃げ延びる確率があがりますの。

 狩りで使われる事が想定外という事です。そもそも、そんなに大量に狩れるのなら大人しく下の階層に潜った方が時間効率も金銭効率もいいですしね。多勢に無勢で延々と戦い続けるのって集中力をかなり使いますし、普通はやりません。以上の事から、ギルドはお香の使用は禁止してはいません。

 

「交渉は私がする。お前は関わるな」

「わかりました。取り分は私が八でそちらが二でいいですわよ」

「全てこちらが貰う」

「は?」

「お前達が行っているステイタスの更新は本来、金が要る。それを特別にソーマ様が許されているだけだ。故に今回、ロキ・ファミリアから得られた金は全てファミリアの運転資金とする。これで他の者達からのやっかみも減ろう」

「……」

 

 一瞬、怒りそうになりましたが、確かに団長さんの言う事はもっともですわ。私とリリさんは特別扱いされているのですから、こういう時に資金を纏まって提供するのもいいですわね。ファミリアが潤うのなら、私にもメリットがありますし。

 

「わかりました。その方がソーマ様もお喜びになるでしょうし」

「では、私はロキ・ファミリアに行ってくる。くれぐれも大人しくしているように」

「はい」

 

 団長さんが出ていったので、暇になりました。流石に今日は疲れているのでこのまま寝ようと思いますが、リリさんが覚醒するまで少し待ちましょう。それに明日の予定を変えなくてはいけません。人為的でないなら、大人しくダンジョンに向かう予定でした。犯人のファミリアがわかればそちらに乗り込んで慰謝料を要求して装備を整えるつもりでした。ですが、団長さんのおかげで予定が変わりました。

 装備を整えるお金はありませんし、普通にダンジョンで稼ぎますか。それとも何か高値で売れるものは……ありますわね。私自身とか、結構高く売れるはずです。確か、異種族レビュアーズに出て来たデミア・デュオデクテットが私と同じような分身を作り出して経営した娼館がありました。アレと同じ事をすれば儲けられるのではないでしょうか? 客から時間も少し頂戴してお金も貰う。そして気持ち良くしてあげるなんて……あり得ませんわね。相手が女性限定なら構いませんが。男性とのエロはありえません。

 そう考えると……ふむ。妹や娘貸出しサービスなら売れませんか? くるみちゃんの素晴らしいキュートで可愛らしいスペックを活かした商売です。それにアレですよね。老い先短い方々にレンタルして身のお世話をして……遺産を貰います。病気で苦しんでいる方は老衰による安楽死を提供。これは普通に商売になるのでは? 

 馬鹿な事を考えていましたが、なんだかいけそうな気がします。寿命に余裕ができたらやってみましょう。

 問題はすぐに資金を手に入れる方法ですわね。神威霊装・三番(エロヒム)だけじゃ数も火力も足りませんし。かといって、ファミリアにお金を出してもらうのはできないですし……

 

「リリさん、お金を稼ぐ方法は何か有りますか?」

「ダンジョンに潜るしかないですね……?」

 

 虚ろな表情のまま紅茶を飲み終わり、幸福を噛みしめている彼女は今ならなんでも許してくれそうですの。

 

「もっと手っ取り早くありませんか?」

「盗みますか?」

「それは駄目です。犯罪にならない方法で……」

「それなら、アレを売ればいいんじゃないですか?」

「……アレをですか。なるほど、確かに売れるでしょうね。わかりました。ちょっとソーマ様に聞いてきます」

「はい」

 

 部屋から出てソーマ様に確認したら、少しお仕事をするだけで許可を頂きました。そのお仕事も私にとって軽いお仕事でした。樽三つに三の弾(ギメル)を撃つだけですし。

 さて、リリさんを抱き枕にして寝ましょう。部屋に戻り、リリさんをベッドに誘導して一緒に入ります。すぐに彼女が抱き着いてきて、スリスリしながら眠りにつきました。これ、私の方が抱き枕にされていますね。まあ、私が小さいので致し方無いです。これで勝ったと思わない事ですわ! 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 朝起きて井戸水で身体を綺麗にしてから、洗濯しておいた何時ものドレスを着ます。この服は常に綺麗ですが、やはり洗わないと気持ち悪いですしね。特に昨日の殺し合いの後だと。

 さて、朝食を食べて歯磨きをしてから神威霊装・三番(エロヒム)の短銃を呼び出して自分の頭に向けて撃ちます。使う弾丸は八の弾(ヘット)。分身を二体作成しますの。どちらも活動期間は一年。約六年三ヵ月分ですね。大丈夫です。だいたいの時間消費はいっぱい刻々帝(ザフキエル)を使ったのでわかってきました。後十年は大丈夫です。ですが、それ以上になると死ぬ可能性が高いですわ。

 

「召喚に応じて参上いたしましたわ。あなたがわたくしのマスター(オリジナル)ですわね」

「同じ……なんのクラスにしましょう? セイバー? ランサー? オリジナルはアーチャーですわよね?」

「というか、なんでFateネタなんですの?」

「「気分ですわ」」

「そうですか、流石はわたくしですわね。なら、セイバーとアサシンにしておきましょう」

 

 セイバー。剣を扱うクラスであり、Fateでは剣を扱う英雄がこのクラスにあてられます。アサシンはその名の通り暗殺者。これが私に一番適正が高いクラスでしょうね。私と同じ力を持つ集団のハサンとかもいますし。ちなみにセイバーには剣術を練習させ、アサシンには歩法や暗殺の方法などを練習してもらいましょう。今日は関係ありませんが。

 

「さて、それでは本日の予定をご説明いたします。まずセイバーはコレの売値と買値の市場調査を。アサシンは私の護衛をお願いしますわね」

「「了解です、わたくし」」

 

 正直、名前をつけないとややこしいですし、番号で呼ぶよりもクラス分けしておいた方が楽ですわ。

 

 

 

 

 準備が整ったので、外でリリと合流してソーマ・ファミリアから出るのですが、その途中でイライラしている団長を見つけました。なんだか、かなり怒っているようでしたが、面倒なので近付かないようにしておきましょう。

 

「あの、なんであんなにイライラしているんですか?」

「アーデか。簡単だ。ロキ・ファミリアの奴等からあんまり搾り取れなかったそうだ」

 

 酒をぐびぐびと飲んでいるドワーフのチャンドラ・イヒトさんが答えてくれました。しかし、リリがわざわざ聞くなんてどうしたんでしょうか? 

 

「ロキ・ファミリアが……」

「それと……いや、これはいいか」

「まあ、いいです。イヒト様、武器の目利きってできますか?」

「できるぞ。これでもドワーフだからな」

「クルミ様。イヒト様に選んで頂いた方がよろしいかと。それに交渉もお手伝いいただけます」

「リリさんがそう言うのであればお任せいたしますわ」

 

 わたくしよりもリリさんの方が詳しいはずですしね。それにドワーフが武器に詳しいのも定番ですから。

 

「おい。俺は報酬が無ければ動かんぞ」

「わかっています。ですから、報酬は……」

 

 リリさんが耳打ちをしていくと、イヒトさんは驚いた表情をした後、ニコニコと怖い笑顔をしてリリさんの肩を掴んできました。事案ですか? 事案ですのね。

 

「嘘じゃねえだろうな?」

「はい、嘘じゃありません。ですから、リリ達に良い武器を出来るだけ安くお願いします」

「……わかった。任せろ」

「それと高く売る方法はありますか?」

「あるぜ。少し時間がかかるが、俺に全て任せろ。だが、即金は無理だな」

「それならリリに考えがありますので大丈夫です。ただ、護衛をお願いします」

「任せろ」

 

 私が参加する間も無く決まっていきましたが、まあ大丈夫でしょう。そんなわけで、くるみちゃんはドワーフのチャンドラ・イネスさんを雇いました! 

 

 

 

 ~幼女移動中~

 

 

 はい、やって参りました。ロキ・ファミリア! そうです、ロキ・ファミリアです。ちなみに来る途中にこっそりとセイバーは影から野に放っておきました。仕事をしっかりと完遂してくれる事を願っていますわ。くれぐれも命を大事にと命令してありますので、大丈夫でしょう。後、裏路地を使わないようには言ってあります。ハイリスクハイリターンですからね。

 

「何の用だ?」

 

 門番の人が近付いていくこちらに気付いて直に話しかけてきました。実力はそこまで高くないように思えます。

 

「ソーマ・ファミリアです。主神様と団長に話があるので取次をお願いします」

「昨日来ていただろう?」

「リリ達は昨日、貴女達のせいで死にかけた張本人です。直接、クルミ様を助けて頂いたお礼と感謝の気持ちとして贈呈の品を持ってきたのです。どうか、お願いできませんか?」

「そう言う事ならわかった。少し待つように」

 

 門番の一人が中に入っていったので、私はリリさんの裾を掴んで引っ張ります。

 

「どうしました?」

「リリさん。品物は……」

「わかっております。少し小分けした物を渡すだけです」

「ああ、なるほど。試飲させるのですわね」

「はい。その方が売れます」

「俺も飲みたい」

「なら、皆さんで飲みますか」

「いいな!」

「いや、だから少しだけですよ!」

 

 話していると、門番の人が戻ってきた。彼女の他にもう一人、見覚えある褐色肌の少女がやってきました。その人はいきなり私に飛びついてきて、身体をペタペタと触ってきました。護衛達が反応する暇もありません。

 

「生きてる! 動いてる! 良かった! もう大丈夫だよね?」

「ええ、はい……大丈夫ですよ。昨日も見ましたよね?」

「いや、でもあんな長い間心臓が止まってたんだよ? 普通死んだと思うよ。それにミノタウロスに齧られたり、叩き付けられたりしていたし……」

「オノレ、ミノタウロス……コノ恨ミ、何レ晴ラシテヤリマスワ……」

「う、うん」

「あの、案内してくれませんか?」

「わかった。こっちだよ」

 

 何故か抱き上げられてそのまま連れていかれました。まあ、構わないのですが。ロキ・ファミリアのお城に……そう、お城です。財力の違いに涙が出てきますわ。

 城の中に入り、案内された応接室で少し待つと青年と少年が入ってきました。片方は寿命が見えないので、神なのでしょう。もう一人は子供にしては寿命がかなり減っているように感じる人です。

 

「マジもんの赤ロリ幼女やん! マジでかわええな! うちの眷属にならんか!」

「なりません。正直、ダンジョンの外に連れ出してもらえたとはいえ、ロキ・ファミリアの印象は最悪なので」

「だろうね。本当にすまないと思っている。ミノタウロスがあのような行動をするとは思えなかった。今まで報告もなかったしね。そこはこちらの責任だ。だから、その分も含めてそちらの団長には昨日、慰謝料を支払っておいた。それで全て水に流してくれとは言わないが、示談としていただきたい」

「ええ、こちらにも責任はありますから、わかっておりますわ」

「なあなあ、その前に自己紹介やろ。うちはロキ! ファミリアの主神や。で、こっちのが団長をしとるフィンや」

「フィン・ディムナだ。ロキ・ファミリアの団長をしている」

「私はティオナ・ヒュリテ! よろしくね!」

「ソーマ・ファミリアのくるみ・ときさきです。こちらが……」

「リリルカ・アーデです。クルミ様の世話係をしております」

「チャンドラ・イヒトだ。俺は今回、護衛としてきただけだから気にしなくていい」

「わかった。では、座って話そう。どうぞ」

 

 促されてから、座ります。それからすぐに頭を下げます。

 

「この度はダンジョンから連れ出して頂き、ありがとうございました。お蔭様で助かりましたわ」

「いや、こちらこそ済まなかった」

「いえ……」

 

 互いに何度か頭を下げた後、もういいかという事でリリさんが箱を渡してきたのでそれを受け取ってテーブルの上に置きます。

 

「これは?」

「お礼の品ですわ。ですわよね」

「はい。失礼します」

 

 リリさんが箱を開けると小瓶が出てきます。中身は透明な液体で、リリさんが蓋を取ると芳醇な香りが辺りへと漂います。

 

「これはソーマやな!」

「はい。我が主神が作られたソーマです。どうぞお収めください」

「いや、これは受け取れない」

「なんでや! ソーマやでソーマ! めっちゃくちゃ美味いんやで! しかもこれ……市販には出回らん奴やろ!」

「ええ、そうです。ソーマ様私蔵の物ですから。ですよね?」

「そうですわね。ソーマ様が手元に置いておいた物ですから間違いありません」

「マジで嘘ついとらん。値段は時価やで!」

「だから貰えないんだ。ロキ、こちらが支払った慰謝料よりも明らかに高いんだ。わかるだろ?」

「ぐっ……」

「いえ、これは関係なく差し上げますわ。条件はここで私達の前で飲む事です。ああ、もちろんロキさんだけで構いません。それと飲まないなら勿体ないので私とイネスさんで飲ませて頂きます」

「フィン!」

「……本当に関係なく貰えるのかい?」

「こちらは試飲です。それを飲んでこちらを買うかどうかを判断してください」

 

 そう言ってリリが取り出したのはソーマ様の部屋、つまりわたくしの部屋にあったボトルです。ロキさんとフィンさんの目が引きつけられております。

 

「つまり、商談というわけだね?」

「はい。ミノタウロスクラスを相手にするには現状の武器では駄目だと今回の件で理解しました。そのため、良い武器が欲しいのです。それを買うための資金としてソーマ様より頂いた秘蔵のボトルを売り出す事にしました」

「ちなみにソイツはオレ達ドワーフのネットワークでもオークションに出す予定だ」

「つまり、そっちが欲しいのは即金と武器というわけだね?」

「はい。リリ達の願いはそうなります。もちろん、現物でも構いません。そちらほどの大きなファミリアであれば死蔵されている武器もあるでしょう」

 

 なるほど、リリがイネスさんを連れてきたのはこのためですのね。確かにドワーフの目利きであれば変な物を掴まされる事はないでしょう。一級品の武器は無理でも二級品などならあるかもしれません。

 

「フィン! 買ってええやろ!」

「いや、それでも高い」

「では、こちらから更に追加条件を出しましょう」

「条件?」

「はい。私に武器の使い方や戦い方を教えて欲しいのです」

 

 ロキ・ファミリアほどの大手になれば使い手はかなりの数が居るはずですし、その人達の技術を貰えるのならばお金を払う価値はあるでしょう。

 

「教導という訳か……それなら確かに問題ないか」

「じゃあ、ええんか!?」

「どれだけ値段を下げられるかだが……」

「ねえねえ、それなら私が教えてあげる!」

「君の場合は大型武器だろう。僕や彼女のような小人族には使えないよ」

「いえ、大型武器どんと来いです。もちろん、サイズは小さくしますが構いません。小さな身体に大きな武器とかロマンですからね!」

「お、わかる口やな!」

 

 ロキさんは試供品として渡したお酒を早速飲みだしました。続いて、こちらの品も出しましょう。昨日、ソーマ様から頂いたお酒です。

 

「こちらの商品はソーマ様が新しく作られた試作のお酒です。こちらなら普通の人が飲んでも大丈夫ですよ」

「ふむ」

 

 新しいボトルを出してお酒の試飲会を行っていきます。皆さん、仲良く飲みながら値段交渉をしていきます。途中でロキ・ファミリア所属のドワーフの人達が乱入してきましたので、お開きという事を告げて、樽ごと買うか買わないかを聞くとドワーフの人達がお金を出し合って買うとの事でした。樽は影に入れてあるので取り出して渡してあげました。

 

「それは物を持ち運べるスキルなのかな?」

「秘密ですわ。残念ですけれど教えられないですわね。女は秘密を着飾って美しくなるらしいですし」

 

 唇に人差し指をあてながら上目遣いで言ってあげると、一瞬だけ彼の表情が変化した。それと同時にとんでもない殺気のような物が感じられて身体がぶるりと震えてしまいました。慌てて周りをキョロキョロと見ますと、そこに……修羅がいました。

 

 

 

 

 




ロキ・ファミリアで団長さんにそんな事をすればね……

続く? 続かない?

  • 続く
  • 続かない
  • そんなことより狂三が可愛いから書け
  • リリを曇らせて虐めたい
  • 狂三だらけの狂三ハーレム
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