ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~   作:ヴィヴィオ

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感想、高評価、誤字脱字報告、大変助かっておりますし、モチベーションアップしております。
アタランテの強さは現状では基礎レベル7+神造武器+獣の聴覚と視力、身体能力、神の技術です。
神の力(アルカナム)を解放して使用すると基礎がレベル+3されます。ゼウス・ファミリアなどはレベル10を想定。ゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリアのトップレベルの英雄達と同レベルの計算です。
神話存在ヤバイです☆
なお、神ではないので不変存在ではなくなっております。混ざりものがひどいですから、倒せます。倒せるのです。


アポロン・ファミリアとの戦争遊戯(ウォーゲーム)
アポロン・ファミリア1


 

 

 

 

「おのれ! 許さんぞクルミ・トキサキ! 貞潔を司る純潔の女神である我が姉を汚してくれおって! ましてや穢れた魔物(モンスター)との融合などもってのほかだ! 遺産を全て奴が引き受けるなども許せん!」

「アポロン様」

「ヒュアキントスか! 何かないのか! 奴とあの穢れた怪物を処分する方法は!」

「エインヘリャルであるかの者を殺す事は不可能です。我らでは神の力(アルカナム)を使われればどうしようもありません」

「ではどうしろというのだ! この怒りは! 苦しみは!」

「は。私に名案がございます。あの怪物は調べたところどうやら、ヘスティア・ファミリアに入り浸っております。そこの団長であるベル・クラネルをオリオンと呼んで慕っているのを確認しました」

「ベルきゅんか……」

「まずはあちらから落とし、追いつめてから……」

「忌々しい奴を消すか」

「はい。気を許した者と長く会えず、再会した時ならば油断も生まれましょう。そこを狙えば如何にエインヘリャルといえど、殺す事は可能かと」

「殺せはしないだろう。だが、暴走するキッカケにはなるか。それから世論を排除にもっていけばいい。何よりベルきゅんも手に入る。やれ、ヒュアキントス」

「かしこまりましたアポロン様」

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「「「「かんぱ~い!」」」」

 

 現在、リリはヴェルフ様のランクアップを祝いする為にヘファイストス・ファミリアの近くにある酒場で飲んでいます。もちろん、パーティーメンバーであるキアラとクルミ様が居ます。ダンジョンでは更に三人いらっしゃいました。タケミカヅチ・ファミリアの命さんと深層に向かわれる途中のアルテミス様……アタランテ様とクルミ様です。

 はい、中層だったのですが、明らかな過剰戦力でした。クルミ様とアタランテ様はリリ達が帰る時に深層に向かう為に竪穴を飛び降りていかれましたので、こちらには居ません。クルミ様の分身はおり、キアラと一緒にジュースを飲んでいます。この後もお仕事をするらしいのでお酒は駄目なのです。

 

「レベルアップおめでとうヴェルフ!」

「ありがとうな。やっぱりアンタレスと戦ったのはでかいわ」

「レベル2ですから、ヘファイストス・ファミリアの上級鍛冶師となりますね。作る武器の価値も跳ね上がります」

「まあな。これでますます神の名を汚すような下手な物は作れないな」

「ですが、これでこのパーティーも解散という事になりますね」

「そうなの?」

「ヴェルフさんはレベル2になるためにこのパーティーに入っておられましたから、仕方がありませんわ」

 

 クルミ様がキアラの疑問に答えながら、彼女の口元を拭っていきます。そうなんです。欲しいスキルが手に入ったら、もうリリ達は用済みになります。

 

「ヴェルフ……?」

「ヴェルフ、いっちゃうの……?」

「そんな捨てられたウサギみたいな顔をするな。用が済んだらはい、さよならみたいな事はしない。これからも一緒だ。しかし、命も一緒に来られれば良かったのにな。もう知らない仲じゃないんだ」

「ん。一緒に食べたかった」

「まあ、此花亭でならまた会えますし、こちらからお邪魔しても構いませんからね。タケミカヅチ様もよくいらっしゃいますし」

「リリさんの言う通りですわね」

「命は用があるって言ってたから仕方がないよ」

「気を使ったんじゃないでしょうか? 自分は別のファミリアだからって……」

「ここに居るのはリリスケとキースケ、クースケ以外は全員、別のファミリアだけどな」

「そういえばそうだったね」

「クルミ様、キアラが……」

 

 キアラはヴェルフ様の言葉に安心したのか、うつらうつらしだしています。眠そうに目をこすったりしているので何時寝てしまってもおかしくはありません。

 

「あ~わかりましたわ」

「リリが連れて帰りましょうか?」

「別に構いませんわ。リリさんは楽しんでいてください。それにこれから仕事がありますので先に連れて帰って寝かせておきます」

「了解です!」

 

 リリは副団長なので、ソーマ・ファミリアの財政から現状まで色々と聞いています。借金がヤバイですが、どうとでもなりますし、これから本格的にアタランテ様を深層に輸送して五〇階層の拠点を作り、素材集めをすると聞いています。

 五二階層で出てくる蜘蛛の糸は丈夫な布製防具になりますし、泉から取れる水は回復薬の原料としても重宝されます。拠点の防衛能力が問題でしたが、エインヘリャルのアタランテ様とレベル4のクルミ様が二十人、改宗予定のリュー様がいらっしゃれば問題ないそうです。

 本来は遠征で少ししか持って帰れない素材を迅速にかつ安全に大量輸送するのです。医療系ファミリアとも売り上げの何パーセントかを貰う契約を交わしています。まずはミアハ様のところですが、それでも十分です。現状で売られているエリクサーの半額以下で売れますし、価格破壊が可能です。利益が少ないのでやりませんけれど。それに借金はぶっちゃければクルミ様とリリが持っている黒ジャガ君とアンタレスを売ればすぐに回収できます。信頼できる方々にしか売りませんけれどね。

 ネックなのは前団長であるザニスさんやリリ達が犯していた犯罪行為です。こちらでクルミ様が脅されたそうですが……まあ、そちらも我々なら対処可能という判断をクルミ様と話していますのなんとかなります。

 

「それではお楽しみください。会計はお祝いという事でこちらで持っておきますので」

「ああ、ありがとうな」

「またね」

 

 クルミ様がキアラを連れて店の外に出ていきました。机の上にはお金が入った袋が置かれていますが、明らかに代金が多いです。

 

「ステーキ頼みましょう、ステーキ!」

「これ高い奴じゃねえか。いいのかよ」

「いいんですよ。どうせクルミ様のお金ですし、リリの懐は痛みません! まあ、財布をほぼ共有しているんですけどね!」

「リリ、それって結局、リリが支払う事になってない?」

「申請したらお金が貰えますし、小遣いはいっぱい貰っていますからね。というか、イフリートの値段を支払わないと後が怖いですから」

「あははは」

「そんな事より、ベル様のランクアップはまだですか!」

「まだステイタスが上がりきってないんだよね。アンタレスを倒したからかなり成長したけれど、上がり切ってからの方がいいんでしょう」

「ですね。リリはよくわかりませんが、基本にステイタスが上がらなくなったら上げてますね。いっつも力だけは馬鹿みたいに上がるんですけどね~」

「リリスケは脳筋というより全身が筋肉だからな」

「失礼ですね! ちゃんとぷにぷにですよ!」

「話を戻すが、そんなすぐにレベル3になられたらようやく追いついたってのに困るっての」

「でしたら、リリにお任せください! レベル3にすぐに上げてみせますよ! 大丈夫です。クルミ様と椿様のお二人と一緒にちょこっと熊さんやマンモス・フールとソロバトルするだけです!」

「いや、それって7,8メートルある奴じゃねえか」

「ボクでも無理だよ」

「リリはできますよ~! こないだ持ち上げて武器にしました! ネイチャーウエポンです!」

「リリ、酔ってる? 酔ってるよね?」

 

 実際に影の中でマンモス・フールという皮膚が臙脂色の魔物(モンスター)と戦いました。圧勝でしたよ。ちなみに依頼はガネーシャ・ファミリアからで、テイミングするから弱らせてくれとの事で、やりました。何度か、地面に叩きつけてあげたら大人しくなってくれました。

 

「どちらにしろ、ベル様は時間の問題でしょうね~」

「ふざけろ。そうなったら本気で追いついてやるよ」

「言いましたね~」

「な~にがレベル3だよ。レコードホルダーだかなんだか知らないけれど、インチキもほどほどにした方がいいぜぇ~!」

「あ?」

 

 ヴェルフ様が振り返った先には真っ黒な揃いの服装にアポロン・ファミリアのマークが刻まれています。つまり、アポロン・ファミリア所属の小人族(パルゥム)の方ですね。その後ろにはこちらを見ている四人が居ます。クルミ様が帰るまで待っていたのかもしれませんが……アレですね。ちっさいですね。色々と。

 

「逃げ足だけが得意なウサギが魔物(モンスター)から逃げまくって、別のファミリアのおこぼれを貰ってランクアップ~! 今度はレベル3も近いだぁ? オイラだったら恥ずかしくてホームから出られねぇよぉ!」

「やれやれ」

「ああ、なんだ。ただの僻みですか。身長と同じでちっさいですね。本当に男ですか?」

「なんだと!?」

「おい、リリスケ」

「え~と……リリ?」

 

 リリが立ち上がり、彼の前に移動して上から下までじっくりと見ます。

 

「ん~顔だけの小物ですね。ホームに帰ってお母さんのミルクでも吸ってきたらどうですか?」

「今、なんつった?」

「ああ、アポロン様は男性でした。すいません。ホームにお母さんも居ませんでしたね。でも、アレですね。貴方のような雑魚で品性もない方がアポロン様のファミリアに居るとは……恥ずかしくないんですか? アポロン様の名前を汚しておりますよ? ああ、それとあのポン……アルテミス様と違って アポロン様はそういう駄目駄目な方なんですか? 貴方のような人を眷属になさっていて、矯正すらさせないなんて品位を疑います。ほら、主神様にも迷惑をかけているのでさっさとファミリアを辞めて故郷に帰ったらどうです? 小人族(パルゥム)がレベル1を超えられるかどうかマレですけど、その性格じゃ無理です。レベル1ならインファントドラゴンに挑んで勝利すればレベル2になれますし、リリが間違っているのならやってきてください。リリはやりましたよ? ほら、どうしました? 殺してこいよ。ソロで踏みつぶされ、食べられる恐怖を乗り越えてハイになってぶち殺してやりましょう! 大丈夫、リリにだってできたんですから、同じ小人族(パルゥム)の貴方ができないはずありません。さあ、さあ!」

「できるわけがないだろうがぁぁぁ!」

「リリは出来ました!」

「嘘つけや!」

「神様の前で証言してやりますよ! 事実だったらやってくださいね! じゃあ、行きましょうか!」

「ちょ、離せ! どこに連れていく気だ!」

「その辺の神様を捕まえて証言してもらいます! それからダンジョンです! 何、一時間もかければインファントドラゴンなんて見つけられます!」

「やめ、やめて! 助けて! 殺される!!」

「リリ! 落ち着いて!」

「嫌です。こういう心根が腐った甘ったれをみると……リリと同じ目に遭わせてやりたくなります! 大丈夫! たとえ手足がなくなろうともクルミ様が居ればなおります!」

「そのクルミが居ないからぁぁぁ!」

「……わかりましたぁ! 先にクルミ様とインファントドラゴンを捕まえてきます! ガネーシャ・ファミリアにお願いして場所も用意すれば興業にもなりますね!」

「頭狂ってんじゃないのか! お前のとこの神様は糞かぁ!」

「はい、糞です!」

「「「え!」」」

「ええ、そうです。それがどうしましたか? 酒にしか興味がなく、仕事をリリ達に押し付けて神会(デナトゥス)すらでない糞神様です! どれだけ引っ張り出すのにリリ達が苦労しているか、わかりますかぁ! 更新すら満足にしてもらえないんですよ!」

「「「あぁ……」」」

「まあ、だからこそ……好き勝手にしても問題ないんですけどね。例えば別のファミリアをダンジョンに連れていって、修業をつけた結果、どうなろうが……うちの神様は関与しません。何せ団員にすら関与しませんからねぇ……」

「ひっ!?」

 

 さ~て、楽しくなってきました! クルミ様から聞いていた通りなら、仕掛けてくるはずです。それを以てリリ達も仕掛けます。何せ大切な姉を汚したファミリアが相手ですからね。戦争遊戯になったらそれはそれで美味しいです。アポロン・ファミリアの資産を貰ってアルテミス様の時に生じた負債を帳消しにしましょう。クルミ様は長期で考えておりますが、リリは短期でも借金漬けの生活は嫌です! だいたいアポロン様は……リリ達が命を賭けて助けたアルテミス様、アタランテ様に穢れた存在や怪物とか言ったそうじゃないですか。許しません。

 

「ルアンを離せ」

「なんですか? これからこの恥知らずの小人族(パルゥム)を鍛え直すんです。これは小人族(パルゥム)の問題です。引っ込んでいてください」

「そうは行くか! やっちまえ!」

「面白れぇ!」

「やらせない!」

 

 喧嘩が始まりました。ベル様とヴェルフ様の圧勝です。どうやら、レベル1しか居ないようで、こんなんでリリ達ソーマ・ファミリアに喧嘩を売るとか、正気かと疑いたくなります。もしかして、仕掛ける相手が違ったのでしょうか? 

 

「次はどいつだ!」

「相手になろう」

 

 ヒューマンが立ち上がると、ヴェルフ様に瞬時に近づいて殴り飛ばしました。次にベル様の方です。ベル様の顔に乱打を決めて首を持って持ち上げました。

 

「その程度か? まだ撫でただけだ。我が仲間を傷つけた報いは受けてもらおう」

「確かにそうですね」

「っ!?」

 

 相手の人がベル様を離して即座に下がりました。そこにリリの蹴りが入り、床が吹き飛びます。

 

「じゃあ、次はリリが相手ですね。安心してください。リリは優しいのでベル様が殴られた分だけ、顔面を殴る程度で許してあげます」

「やってみろ。小人族(パルゥム)風情が」

 

 言われるまでもなく、ゆっくりと接近します。相手の人が殴りつけてくるので、拳を受け止めて引き寄せ、顔面に一撃いれます。歯が吹き飛びました。

 

「がはっ!?」

「次」

「ぎぃっ!?」

「次」

 

 鼻が折れて顎が砕け、執拗なまでに顔面を壊してさしあげます。

 

「そこまでにしておけ。酒が不味くなる」

「ん? あ~ベート様でしたね。クルミ様とグレイ様から聞いております」

「そうか。弱い者虐めはそのへんにしておいてやれ。戦い足りねぇなら、俺が相手になってやる」

「……面白そうですね」

「だろ?」

「止めてくれ! 店が壊れる!」

「「……」」

 

 店主の悲痛な叫びに周りを見ると、血だらけの人と床が完全に破壊された酒場がありました。互いに構えをときます。格闘技を修める者同士、ちょっとやりあってみたいです。

 

「やめましょう」

「興がそがれたな。ロキ・ファミリアに来い。相手してやる」

「行かせてもらいます」

 

 ベート様が帰られたので、大人しくアポロン・ファミリアの方々からお金を徴収します。

 

「なに、しやがる……」

「迷惑料です。そちらと同じだけの金額をこちらも出します。店主さん、どうぞ」

「確かに……」

「それで修理ですけど、こちらで手配するとこれだけお金がかかりますが、一時間以内に元通りになって営業が再開できます。いかがでしょうかか?」

「迷惑料に入らないの?」

「入りません。それはそれ、これはこれです」

「……まあ、これならいいか。頼む」

「毎度ありがとうございます。では、ちょっと呼んできますのでおまちください!」

「あいよ」

「ちゃっかり自分たちの分は回収しやがったな」

「当たり前です」

 

 クルミ様を呼んで巻き戻してもらう必要もありません。贋造魔法少女(ハニエル)でクルミ様に変身し、借り受けていた銃と弾丸を撃てばあら不思議。綺麗な酒場に元通りです。

 

 

 

 

 

「意外だね。ベル君が喧嘩をするなんてね」

「仲間を見捨てるなんてしませんよ。それに僕達は一生懸命に命を賭けて戦ってきたのに、あんな言い方……許せません!」

「そうかそうか。いいんじゃないかな。でも、ちょっとリリ君は相手を挑発しすぎだね。狙ってたんだろう?」

「ええ、もちろんです。あちらが仕掛けてきてくれれば、リリ達ソーマ・ファミリアが目にもの見せてやります! クルミ様から聞きましたよ。アポロン様はクルミ様やベル様達で頑張って一生懸命に助けたアタランテ様を罵ったらしいですから」

「まあ、神からしたら確かに異物であり、魔物(モンスター)が入っているのなら怪物なんだ。そもそもアルテミスの死体を使っているからね。いくら彼女が生きているとは言っても認められないんだろう。特に潔癖の神はそうだ。もちろん、ボクは感謝しているけれど」

「動く死体って事になるんですか?」

「いいや、クルミ君自体が素体になっているから、ちゃんと生きている。だから食事もするし、睡眠も取るし、様々な生理現象だって起きる。神と子供達、どちらの子供だって産めるだろう。言ってしまえば混沌だね。全ての因子を掛け合わせて作り上げられた原初の生命だ。そういう意味では神々はクルミ君の偉業を認めている。何せ天界の術式を下界風にアレンジして改造し、作り上げたんだ。まさに天才と言えるだろう。誰も考えついてもやらないよ。ああ。神々だってやらないし、できない。そもそもなんだいあのごちゃ混ぜは……まるでボクの考えた最強のエインヘリャルだよ」

「あ~確かにそうですよね」

「カッコイイじゃないですか!」

「ベル君ならそう言うと思ったよ。まあ、どちらにしろ下界で天界のエインヘリャルと同等とはいかないまでも、かなり強い事は間違いない。レベル7は超えているとみていい。なんせ神造武器でフル装備しているアルテミスだ。街一つぐらいなら容易く消し飛ばすさ。もちろん、神の力(アルカナム)を使う前提だけどね」

 

 普通にやばいです。神の力(アルカナム)を使うとシャレにならないのがわかります。

 

「まあ、そんなんだからアポロンがアタランテを拒否するのはわかる。ボクだっていきなりベル君が無茶苦茶改造されて戻ってきたら一日ぐらいは悩むさ」

「それで一日なんですか?」

「やばいですね☆」

「ああ、やばいな」

 

 リリならもっと悩んでちょっと距離を取るかもしれません。きっと戻ってきますけれど。

 

「そんな訳で許してやってくれ。アポロンにだって時間が必要なんだよ」

「そう、ですね。わかりました。ちょっと計画を修正しておきます」

「どんな計画だったのか聞かないでおくよ」

「いえ、ただのアポロン・ファミリアを潰して資産を全部奪おうと思っただけですよ」

「怖いよ! そして恐ろしいよ!」

「リリは身内には甘いですからね!」

「ベル君、この子クルミ君に毒されすぎてないかな?」

「あははは……」

「だけど大丈夫か? リリスケはやり過ぎてないか?」

「別に喧嘩を売られたら買いますよ。ですので、安心してください」

「そうだね。それじゃあ、傷の手当も終わったし、解散としようか」

「はい!」

 

 ソーマ・ファミリアに戻ってクルミ様に報告だけあげておきます。クルミ様は執務室で机に乗りきらない量の書類を複数のクルミ様が処理しています。

 窓のところに執務机があり、左右の壁に長い机が置かれています。そこで十六人のクルミ様が左右に分かれて座り、書類を片付けていっています。

 

「アポロン・ファミリアと揉めた、ですか」

 

 こちらを見ずに答えるクルミ様ですが、仕方がありませんし、リリはなんとも思いません。

 

「はい。ごめんなさい。リリが軽率でした」

「いえ、問題ありませんよ。元から潰す予定でしたから」

「そうなんですか?」

「アポロン・ファミリアは気に入った眷属を無理矢理、改宗させています。ですので、潰して吸収するのも手かと思っておりました。ですので、襲ってきたのなら、見せしめとして潰しましょう。それ以外であればヘスティアさんとアタランテのために手出しはなしでいきましょう。慰謝料を請求されたのであればある程度は支払ってあげてください」

「わかりました。それではリリは休ませてもらいますね」

「ええ、お休みなさい。身体には気をつけてくださいね」

「クルミ様に言うセリフですよ」

「交代で休息していますから問題ありません。むしろ、深層に到着したアタランテさんが砲竜(ヴァルガングドラゴン)やイル・ワイバーンと戦いだしているので、それに付き合う方が大変です」

「一日で五〇階層を突破したんですか!?」

「エインヘリャルの肉体を舐めていました。休憩しらずでトップスピードで駆け抜けて穴を使って飛び降り続けました。ついでにフレイヤ・ファミリアと一緒になって遊んでいます」

「あの、蜘蛛を相手にするって……それにしてもフレイヤ・ファミリア?」

「降りている最中に深層に移動しているオッタルさんと合流したんです。どうやら、アレンさんがレベル7になったので、護衛を任せてレベルを上げるために一人で深層に出向こうとしていたようです」

 

ソロで深層とか、頭がおかしいんでしょうか?

 

「その、大丈夫なんですか?」

「ああ、しっかりとわたくしのサービスをフレイヤさんから依頼されているので、問題ありませんよ」

「なるほど。食料などはクルミ様が届けるのですね」

「はい。ついでに近くでオッタルさんの戦いを勉強できますから、最高の環境です。ただ、フレイヤさんからオッタルが余裕ならアタランテさんをぶつけて試練を与えるよう依頼がありました。これ、どうしましょう?」

「知りませんよ! 適当でいいんじゃないですか? 狩り勝負でもさせて余った時間でいいと思いますよ?」

「それもそうですね。アタランテさんも身体を慣らすのに丁度いいと言っていますし」

「それでなんで更に下に行っているんですか?」

「二人が弱すぎて狩り甲斐がないと、五八階層に降りられたからです。アタランテさんは神の力(アルカナム)がなくても普通にヤバイ実力です。弱点や魔石を一撃で、それも速射で射貫いていかれるので、神の経験とエインヘリャルの肉体のコンボはやばいですね☆」

 

 つまり、深層はエインヘリャルとレベル7のオラリオ最強の二人が暴れているんですね。どんな魔境ですか。行きたくありませんよ。余波で死んじゃいます。

 

「ただ、明らかに前よりも魔物(モンスター)が少ない事が気になりますね」

「それは調査するしかないかと。お任せします」

「まあ、そうですね。おやすみなさい」

「はい、おやすみなさいです」

 

 リリはキアラと一緒に寝ます。キアラと別のクルミ様が寝ているので、キアラを挟んで一緒に寝ます。明日は皆さんと一緒に中層でリヴィラを目指してできる限り下りる予定です。レベル4三人とレベル2が三人入れば余裕です。はい、明日はリューさんもキアラさんの護衛として合流予定なので過剰戦力です。

 

 

 

 

 

 




ダンジョン「ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアをようやく殺したと思ったら、また変な連中がでてきた……助けて」

アストレア・レコードの改変について

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