ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~   作:ヴィヴィオ

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時間がとれないです。


アポロン・ファミリアと戦争遊戯(ウォーゲーム)

 

 

 

 

「ただいま戻りましたわ」

「お帰りなさい」

「お帰りなさいませ」

「お疲れ様です」

 

 お城、アイギスに戻るとキアラさんが抱きついてきますので、受け止めてしっかりと彼女の頭を撫でます。後ろにはウエイトレスというか、メイド服姿になったリューさんがキアラの少し後ろに控えています。その隣にリリさん達もいらっしゃいます。リューさんはあくまでも護衛ですが、ファミリアの最大戦力でもあります。本来は姿を隠すべきなのでしょうが、ギルドのブラックリストからも解除されたので問題ありません。

 

「お帰りなさい。怪我とかしていない?」

「戻ったか」

「どうしますか?」

 

 ベルさんとヴェルフさん、命さんや他の方々も準備の手を止めてこちらに注目してくださいます。

 

「皆さん。これでアポロン・ファミリアの方々は攻めてきます。準備はどうですか?」

「出来てるぜ。マニュアルは貰ってるからな。それの通りにはやった。後はどうなるかはわからん」

「こちらも万全だが、ヴェルフの言う通りだ。一応、事前のテストで動作確認だけはしているが……不安だ」

 

 準備してくださっていたヴェルフさんとチャンドラさんが言われた通り、皆さんは好き勝手に作られましたからね。

 

「当たりはあります」

「それもそうだがよ……」

「まあ、取り敢えずはその当たりから使うか」

「はい。やっちゃってください。アポロン・ファミリアが準備している間にです」

「了解だ」

「おうよ! ベル手伝ってくれ!」

「わかった」

 

 城の両脇に設置された巨大なカタパルト。そこに次々と滑車に載せられた巨大な物体が運び込まれて発射されていく。

 巨大な物体は空に上がり、ある程度すると起爆スイッチが押されて盛大に爆発して重ねられていた物はバラバラになって地上へと落ちて突き刺さっていく。

 

「一瞬で防壁が出来た……」

「配置はランダムですけどね……」

 

 ベルさんの言葉に答えながら次の場所を別のわたくしに指示を出して、他の団員の方々にカタパルトを修正してもらいます。そして、次弾発射。荒野だった場所に次々と防壁による迷路が造られていきます。もちろん、地形の関係や重なるところもあって防衛側の死角が出来たり、攻撃側の盾が出来たりしますが、それはまあ試作品なので仕方がないです。それにこれはこれで使えますからね。

 

「これ、把握できるんですか? かなり適当ですけれど……」

「今から把握するに決まってるじゃないですか」

「ですよね~頑張ってくださいね、クルミ様」

「わたくし達がやる予定ですが、そう言われるとムカつきますわ」

「リリはできませんからね」

「……リリさんは贋造魔法少女(ハニエル)でトラップを仕掛けましょう」

「いいですね。では……仕掛けてきましょう」

「行ってきてくださいまし、わたくし達!」

 

 リリさんとわたくし達の一部が防壁の上から飛び降り荒野に一瞬で出来た迷路を駆け抜けていきます。宝箱も設置したり、様々なトラップも仕込んでおきます。ついでに防壁と防壁の隙間を深層のスパイダーから作ったトリモチ弾を打ち込んでしっかりと封鎖しておきます。解除しようとしたら爆発する爆弾もセットしておけばよしですわ。

 次に防壁の上に作られた水路と水路の間も繋いで完成です。この水路はしっかりと燃えないようにサラマンダーウールと鉄を混ぜて神聖文字(ヒエログリフ)を刻んだ特別製です。

 

「毒の設置は完了。砲撃場所の照準も終わり。後は砲弾ですか……」

「砲弾の配置は終わった。後はぶっ放すだけだ」

「了解しましたわヴェルフさん」

「僕はどうしたらいい?」

「ベルさんは休憩していてください。万が一、到達されたら一騎討ちをして頂きますから」

「わかった。頑張る」

「はい、頑張ってくださいまし」

 

 辿り着けないようにしていますが、実験も兼ねている上にわたくしとリリさんは戦いません。ですので、普通に突破される可能性があります。カサンドラさんが居なければ不可能なのだと思いますけどね。

 

「ああ、魔物(モンスター)達を解き放ちたいですね。砲竜(ヴァルガングドラゴン)とは言いませんから、ミノタウロスやヘルハウンド達を……」

「それはギルドに許可されていませんよ」

「外ですから駄目ですか?」

「駄目です」

 

 白いメイド服姿のリューさん注意されました。彼女はキアラさんを後ろから抱きしめながらそう言ってきます。キアラさんもリューさんに関しては慣れてくれました。何度も豊穣の女主人で会っていますし、修業を見てもらったりしているからですね。

 

「しかし、本当にキアラ様を出すのですか?」

「彼女はレベル2ですから、問題ありません」

「それだと私も出れませんが……」

「あら、わたくしが約束したのはわたくしとリリさんが出ないという事であって、レベル制限ではありませんわ」

「貴女はひどい人だ」

「いえいえ、ひどくはありませんわ。ですから、リューさんにはキアラさんの護衛を任せているんですから」

「キアラ様の護衛というのがひどいのです。巻き起こされる事をわかって言っていますよね?」

「そんな簡単な試練なんて面白くもなんともありませんもの。ですから、キアラさん……全力で思いっ切り遊んでいいですわよ」

「……いいの?」

「はい。あ、ただ本体の招来は駄目ですからね。アレが出たら絶対に攻略不可ですから」

「ん!」

 

 可愛い小鳥達とのふれあいセンターです。そして、ここは外……空には見えないけれど星が広がっております。キアラさんも私達がアンタレスと戦っている間に色々としていたみたいですし、その成果を見せていただきましょう。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

 準備が出来た。死ぬ気で挑む事を了承したのは二七人。それ以外の人達は心が折れてしまった。それはそれで仕方がない。

 

「次は何をしてくるかしら?」

「こちらから仕掛けなければもっとひどくなるよ」

「あちらの目的を考えたらそうでしょうね」

 

 まさか一瞬で防壁による迷路を作り出すなんて思わなかった。アレさえなければ荒野を進めばいいだけで、攻撃されるのさえ防げばどうとでも対処はできた。何故なら考えられる妨害方法としては城から攻撃するしかないのだから。

 

「あの防壁は仕掛けがいっぱいあるから気を付けてね」

「でしょうね」

 

 カサンドラの言葉に頷いてから、私達は装備を整えて城から出る。こちらの防壁は既に壊されているので、守りにはもう適さない。

 

「団長、わかっていますね」

「わかっている! 私は力を溜める! あの舐め腐ったガキを殺してやる!」

「そっちは多分無理ですけどね」

「ちっ! 後は任せるぞ! なんとしても私をあそこに連れて行け!」

「わかっています。私達も命がかかっていますから」

 

 最初。団長はぐずっていたけれど、なんとか説得した。顔の恨みをあいつらにぶつけるために誘導し、ベル・クラネルとの戦いを承諾させた。

 話している間に驚いたことに団長はベル・クラネルを倒した後、クルミ・トキサキとリリルカ・アーデに戦いを挑むつもりみたい。勝ち目なんてないのにそこまでやろうと思えるのはかなり驚いた。

 

「それでどうするの?」

「これ、覚えているだけの事を書いたよ」

「そう……取り敢えずこれで行きましょう」

「本当にソイツの言葉が信じられるのか?」

「信じるしかないわ。どんなに疑わしくても、ね」

「ふん。私達は私達で動く」

 

 リッソスが他のエルフの団員、アルトと共に小人族(パルゥム)のルアン達と何人かが進んでいく。

 

「防壁の迷宮など防壁の上から進めば問題ない」

「だよな!」

「行きます」

 

 梯子を持ち出した彼等は防壁に設置してそこから登っていく。確かにこれなら素早く確実に進める。

 

「行かせちゃ駄目。死んじゃう」

「そうでしょうね」

「ダフネちゃん?」

「私なら確実に潰すわ」

 

 そう思っていると、彼等が少し進んだ辺りで風切り音が聞こえてきた。

 

「ひぎゃぁぁぁっ!?」

「ひゃぁああぁぁっ!?」

 

 悲鳴が聞こえてくる。確認するまでもなくわかった。何故なら私達の方まで矢が回転しながら飛んできて、城の門に複数突き刺さったから。なるほど、防壁の上に行ったら容赦なく城に設置されたバリスタが放たれてくるんでしょうね。これは正面から攻略するしかない。

 

 

アストレア・レコードの改変について

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