ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
「ふぅ……」
「ベル様。お疲れ様でした。怪我はありませんか?」
「うん。僕は大丈夫だよ。リリも援護してくれたし、使わなかったけどヴェルフがくれた保険の魔剣もあるしね」
どうやら戦闘が無事に何事もなく終わったようだ。それにしても、リリと呼ばれた女の子の方は精霊の力を感じるから戦えるのはわかるけれどベルと呼ばれた白髪の少年は人間を止めているような動きだ。まるで
彼の様子を見る限り、そんな無茶をしているようでもないし、精密機械のようなCRユニットではなくナイフのような原始的な武器を使っていることからもそれがわかる。
「それより……」
彼等がこちらに向かってきたので、まずは俺の方からお礼を言わせてもらおう。折紙達には任せられないし、こういう時は男である俺が前に出るべきだ。
「……助けてくれて、ありがとう。俺は五河士道という。それで、助けてもらったばかりで悪いんだが……ここは、なんなんだ? 教えてくれないか?」
「え?」
「あの、ここが何処か知らないんで入ったんですか?」
驚いた表情の彼と呆れた表情をした彼女の姿を見る限り、彼等にとって常識なんだろう。どうやら、本当に俺達が知らない世界なのかもしれない。
「うむ。我等はここの情報を全く持っていないのだ。だから教えてくれ」
「えっと……ギルドの人達に止められませんでした?」
「そもそも私達はいきなりここに来た」
「という事は転移トラップでも踏んだんですか?」
「転移トラップというのがあるのか?」
「滅多に無いですが、ダンジョンの中にあるとは聞いたことがあります」
「待って。今、なんて言った?」
「ですから、ダンジョンの中には……」
「ダンジョン? ダンジョンって言ったか?」
「言った。士道の言葉に間違いはない」
「そりゃ、ここはダンジョンですから間違いじゃないですよ」
「えっと、ちょっと待ってくれ」
彼と彼女の言葉を整理すると、ここはダンジョンらしい。ダンジョンというのはアレだ。RPGとかでよくある宝を求めて入り、
「もしかして、さっきのは
「そうですよ」
「そんな事も知らないでダンジョンに入ってきたんですか?」
「いや、だからいきなりきたんだって」
「……もしかして、気が付いたらここに居たんですか?」
「さっきから士道はそう言っている」
「そんな馬鹿な……」
あまりに現実離れしているので、こちらの事を説明していく。十香や折紙と学校から帰宅している最中、いきなり目の前が真っ暗になって気が付いたら森の中に居た。それを伝えると、彼はなんとも言えない表情になった。彼女の方は……何かを考えこんでいる。
「ベル様、ベル様。ありえますよ」
「リリ?」
「
「今、狂三って言ったか!?」
「は、はい」
「それって時崎狂三か?」
「はい。順番は逆ですが、クルミ・トキサキです」
「彼女なら僕達が所属しているファミリアの団長をしています」
「「「っ!?」」」
狂三がここに居るのなら、全ては彼女の企てかもしれない。狂三ならやりかねない。だけど、団長というのが意味が分からない。狂三なら対外の事は一人で全てやってのける。何か、違和感がある。
「あやつがいるのなら、会ってみればよいのではないか?」
「確かに。何か情報を握っているはず」
「そうだな。それで他にも教えてくれないか? さっき、君が使っていたのはなんなんだ? 確か、ファイアボルトとか言ってたような……」
「それは僕の魔法ですね」
「魔法……」
「そちらの質問ばかりなので少し待ってください。こちらも聞きたい事があります」
「そうだな。わかった」
「じゃあ、僕から質問ですけど……学校ってなんですか?」
「え? 学校は……学校だろ?」
「士道。ここは私達の常識とは違う。最初から説明した方がいい」
「そう、だな……わかった。学校というのは……」
俺達が普段暮らしている場所など、懇切丁寧に説明していく。互いに質疑応答をしていく事で最初からかなりの齟齬があった事が判明した。
「魔法、
「えっと、僕らも士道さんたちの世界のお話を聞いても正直、よくわからないというか……」
「ああ、悪い……お互い様ってことだよな」
彼からしたら俺達の世界の事を話されても俺と同じ状況だろう。
「なんだか、すみません……士道さんたちの力になれそうになくて……」
「いいよ、そんなの。助けてくれただけで十分さ」
それにまだ手掛かりは残されている。狂三が居るようだし、彼女が持っている琴里の霊装によくにた服装と同じくよく似た天使の<
「それと……“さん”なんてつけなくていいぞ?」
「え?」
「なんか、くすぐったいっていうかさ……あんまり同年代のやつに“さん”付けされるのに慣れてないっていうか……」
「あっ……す、すみません、士道さん……!」
「ほらまた」
「あ……ご、ごめん、士道……僕の事はベル・クラネルです。ベルと呼んでください。こっちは……」
「リリはリリルカ・アーデと言います。クルミ様の知り合いであれば無下にはできません。地上までリリ達がご案内いたします」
「ベルとリリルカといったな! よろしく頼むぞ! 私は十香だ!」
「私は折紙。この世界で初めて会った人が友好的でよかった。情報を聞き出すのに手間がないのは助かる」
「……一応聞くけど、友好的じゃなかったらどうするつもりだったんだ?」
「指を」
「止めて! 聞きたくない!」
「あはは……」
「ベル様。この人達は良い人でクルミ様のお知り合いかもしれませんから、ある程度は構いませんが……ご自身の魔法やスキルについて話すのは無しにしてくださいね。もうベル様も大手のファミリア、その一角になったヘスティア・ファミリアの副団長なんですからね。魔法やスキルなんて秘匿すべき機密情報なんですからね!」
「うっ……ごめん」
どうやら、この世界では魔法やスキルは機密情報らしい。俺達の世界でも個人情報は大事に扱われているが、ベル達の場合は直接命に係わるからだろう。ベルのように良い人ばかりじゃないだろうしな。
「んあー!! んああああああああああああああああああああああああーっ!!」
「―わっ!?」
いきなり耶倶矢が雄叫びを上げて暴れ出した。もしかして、我慢の限界がきたのかもしれない。
「やっぱり夕弦がいないと落ち着かないー! 怖い! 不安! 夕弦! 夕弦ー!」
「び、びっくりしました……どうなされたのですか、彼女は?」
両手で頭を押さえて叫びながら動き回る耶倶矢にリリルカが心配そうに聞いてくる。知らない人からしたら、確かにやばい状況だ。
「ああー……耶倶矢は双子の精霊でさ。夕弦っていうのは耶倶矢の半身みたいなものなんだけど……なぜかこの世界にはきていないみたいなんだ。異世界なんて場所も相まって、情緒不安定になっているんだと思う……さっきまでふさぎ込んでたしな」
「なるほど……まぁ、気持ちはわからなくもないですが……」
「──ん?」
耶倶矢が何かに気付いたようで、リリルカの方を見る。
「──ん?」
それはもう、じろじろと見て彼女の周りを周回していく。
「な、なんですか? リリのことを、じろじろ見て……」
「おりゃ──―!!」
「ギャア──―ッ!?」
風の精霊である耶倶矢がいきなり突風を発生させてリリルカを風の防壁で囲んでしまった。
「り、リリー!?」
ベルの声が響いた後、すぐに風が霧散して彼女の無事は確認された。いや、無事ではない、のかもしれない。
「なっ──なんじゃこりゃああああああああああぁぁぁぁっ!? 」
リリルカの姿は琴里の霊装のような姿から耶倶矢の霊装……ボンテージのような露出が多い姿に変化していた。首輪についた南京錠や手枷などもしっかりとある。
「なんですか、なんなんですかっ、何が起こったんですかぁーっ!? とりあえず、ベル様っ、士道様っ! 見ないでくださぁーい!!」
身体を抱きしめて肌を隠す彼女に俺とベルは視線を逸らす。
「ふははははは!! 他人の衣装を霊装のように弄るのは初めてだったが、上手くいったようだな!」
「なに訳のわからないことを言っているんですかぁ!? 何なんです、この恥ずかしい恰好!?」
「かか、光栄に思え! 八舞の霊装<
「だから、訳がわかりません!! なんでリリが、そんなこと!?」
「うむ……それは……ほら、あれよ。夕弦ほどでないにしても、なんか私と似てる気がしたから。声とか?」
「ふざけんな──っっ!! クルミ様みたいな愉快犯ですかぁぁっ!! 」
「おお……背格好はともかく、夕弦の装いと瓜二つだ!」
「び、びっくりしたな……十香達が自分の霊装を変えられることは知っていたけど……」
「きっと、この世界だから。霊力が溢れているせいで、あんな芸当も可能。私も試してみようと思う。士道、ちょっとそこに立って」
「いやだよ! 何の恰好をさせる気だ!?」
急いで折紙の下から逃げて、少し離れた所に移動していたベルの下へと移動する。
「ははは……大丈夫ですか?」
「ああ、慣れているからな。慣れたくないけど……まあ、でも、ありがたいな」
「え?」
「くかかかっ! 我が半身として、せいぜい邁進するがよいぞ!」
「アホなんですか、この人──っ! 離してくださーいっっ!」
落ち込んでいた時とは違い、元気ではしゃいでいる何時もの耶倶矢の姿が見える。
「リリルカ、って言ったか? あの子のおかげで、いつもの耶倶矢に戻ったみたいだ。よっぽど相性がいいみたいだな」
「確かに、似てるような気はするけど……」
「折紙じゃないけど、最初に会ったのがベル達でよかった。正直、さっきまでは俺も不安だったけれど、少しは前向きになれた」
「夕弦達も待っているだろうし……元の世界に戻る方法をみつけたい。もし迷惑じゃなかったら、力を貸してくれいないか、ベル?」
「もちろん! クルミの所に案内したらいいんだよね?」
「ああ、それで頼む。狂三なら俺達に何が起きたのか知っていると思う。知らなくても彼女の力は情報収集や戦闘などとっても助かる」
「知ってるよ。僕も何度も助けてもらったから」
「そうなのか?」
「うん……」
「──■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!」
ベルと話している最中にまた
「……!! また
「さっきよりも数が多いです! 気を付けてください!」
「くく、我が半身と巡り合えた刹那に現れるとは運のない化物どもよ……」
「か、耶倶矢様……?」
「かか、今の我々は久方ぶりに全力で暴れられるぞ! <
耶倶矢がこちらに向かってくる
「私も行くぞ! 先程はベル達に助けられてしまったからな!」
「士道達は下がっていて。私達で十分」
「<
「<
十香が巨大な剣が納められた玉座の天使を召喚し、大剣を引き抜いて
折紙は無数の細長い羽状のパーツで構成される光の王冠をターゲットの頭上に移動させる。そこで無数の光弾をばらまきながら回転させ、ばらまかれた無数の光弾により広範囲飽和攻撃を行って一気に殲滅していく。
「す、すごい……あの数の
「十香様達の力……<天使>でしたか? あまりに規格外です。これではまるで……クルミ様の<
リリルカから気になる言葉が聞こえてきたが、その直後に地面が何度も跳ねた。
「なんだ!?」
「これは……地震?」
「……本当にそうなのか? まるで世界そのものが揺れているような……!」
「ちょ、ちょっとちょっと! 何か嫌な予感しかしないんだけどぉ!?」
「べ、ベル様! う、上を見てください!」
上を見ると黒い塊が二つ、降ってきた。
「あれは……そんな……!?」
「なんで……どうして、あの
「ゴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッ!!」「──■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!」
二人はあの降ってきた。黒い巨人と黒い骨の恐竜を知っているみたいだ。というか、折紙のせいみたいだ。大丈夫なのかこれ、一体どうなるんだ?
テッテレー!
リリルカ・アーデは伝説級装備<
折紙の<
ダンジョン「また貴様等かあぁあああああぁぁぁぁっ!」
ダンジョンはジャガーノート・ゴライアスを召喚した。
神と似たような力を感じたダンジョンさんおこですよ、おこ。
敵陣営
ベル・クラネル レベル3
リリルカ・アーデ レベル4+イフリート+<
五河士道 レベル0 <
十香 レベル6 )<
折紙 レベル6 <
耶倶矢 レベル6 <
味方陣営
ゴライアス・ブラック
ジャガーノート・ブラック
精霊達は全力全快戦闘でのステイタスです。こいつら、天使の能力がやばすぎるので。<
攻略方法? デートしてデレさせましょう。まさにデート・ア・ライブ。生死をかけたデートをするのです黒ゴラ君、黒ジャガ君!
「orz」「きゅーん」
か て る か !
|太陽の魔導書《ブック・オブ・ヘリオス》は誰の手に?
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