ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
それと年末年始は忙しいので毎日投降は無理です。黄色にもなったので気力が尽きたじぇ。
ありふれた職業の方も更新しないといけませんからね。
感想、高評価、誤字脱字報告、誠にありがとうございます。感謝感激でございます。
デアラ勢がどうでもいいという方は見なくても大丈夫です。ぶっちゃけデートしているだけですから。次回が次の日になり、ベル君達とアイズさんを助けるために動くお話です。
俺は狂三と共に異世界の街を移動していく。本当に俺達が住んでいた世界とは違い、まるで中世ヨーロッパの街中を歩いている感じだ。そんな場所を観光気分で歩く……訳にもいかない。何故なら、右腕に抱き着いている狂三から伝わってくる柔らかい胸の感触と彼女の温もりが伝わってくるからだ。
「あら、どうしましたか、士道さん?」
楽しそうにこちらに微笑んでくる狂三の笑顔に思わず見惚れてしまう。
「士道さん?」
「……いや、これからどうする? プレゼントと言っても何にするか問題だよな。俺達ってここの街の事を知らないし……いや、狂三はくーの記憶を読んだから大丈夫か?」
「くー?」
「狂三とクルミだから、ややこしいとなってな」
「くーと言う名前は可愛らしいのでいいですわね。それではわたくしもあの子の事はそう呼びましょう。それでこの街の事ですわね?」
どうやら、狂三も受け入れてくれたようで良かった。本当は俺がリードすべきなんだろうが、さすがに情報がないから無理だ。
「ああ、俺は本当に知らないから狂三のオススメで頼む」
「ええ、任せてくださいまし。士道さんは何処か行きたいところがありませんか?」
「そうだな……服屋がいい。それも向上心が高いデザイナーとかが居るようなところとかな。あるか?」
「ありますわね。では、まずはそこから参りましょうか」
「頼む」
狂三の案内で移動し、俺達はオラリオにある服屋に移動した。そのお店はかなり大きな店みたいだ。ただ、そこは女性専用の服飾店のようだ。
「あの、狂三さん? ここは女性専用の服飾店のようなんですが……」
「どうせ、デートなんですからここで士道さんに服を選んでいただこうかと。わたくしの分とくーの分もね」
「あ~そうだよな、そっちだよな」
「どうしましたか?」
「いや、なんでもない。じゃあ、選ばせてもらおうかな」
そうだよな。流石にアレはないはずだ。気にしすぎだろう。気にせずに店の中に入るとしよう。
店の中には当然のように女性しか居ない。そんな中で男の俺が入ってきたら当然、視線を集めるが、隣に狂三がいるので直ぐに視線は外れていく。
「それで士道さん。服飾店に何のご用だったのですか?」
「ああ。それは簡単だよ」
狂三を連れてカウンターの方へ移動する。カウンターには店員の人が当然居るので、彼女に要件を告げる。
「ちょっといいかな?」
「はい、なんでしょうか?」
店員の人と交渉し、身分証として預かっていたヘスティア・ファミリアの関係者である証明書を見せる。それから店主の人を呼んでもらう。言われていた通り、ヘスティア・ファミリアの関係者である事を示せばすぐに対応が変わった。それだけ力があるという事だろう。
少し待つと店主の人が走ってやってきた。その人に携帯端末にある地球の服飾関係の画像やデザインなどを見せていく。
「素晴らしい!」
「じゃあ……」
「買い取らせてもらいます! 色は……」
「つけなくていいから!」
「かしこまりました」
予想通り、異世界である地球のデザインなどはオラリオに無い物がほとんどで、目の色を変えて買ってくれることになった。まあ、ヘスティア・ファミリアの後ろ盾が無ければ買い叩かれたり、デザインだけ取られていた可能性もあったかもしれないな。
「なるほど、資金調達ですのね。ですが、わたくしもそれなりに持っておりますから、わたくしが出しましたわよ?」
「いや、流石に狂三のお金で全部支払ってもらうのはあれだしな。後はボールペンとか、今着ている服とかも売る予定だったんだが、流石に女性用のところじゃ売れないしな」
「士道さんの服でしたら、折紙が喜んで買いそうですわね」
「止めて! 本当に買いそうだから!」
折紙なら本当にやる。というか、実際に俺の服が取られていたこともあったし、襲われそうになったこともあった。そういうこと以外は普通にいい子なんだけどな。
「それにしても士道さん」
「ん?」
「何故、士道さんの携帯に女性服の画像や着かたなどが詳しく入っていましたの?」
「それは……って、狂三も知ってるだろ。アレのせいだよ」
「そのアレじゃわかりませんわ♪」
「絶対に嘘だ!」
「くすくす」
とりあえず、資金は出来たので狂三とくーの服を選ぶために二人で店内を移動していく。くーの趣味とかは狂三が知っているので、色々と選んでいく。
「士道さん、士道さん」
「なんだ?」
「こちらとこちら、どちらがよろしいでしょうか?」
「大きさからして狂三の服か?」
「はい。士道さんはどちらがよろしいですか?」
狂三が手に持っているのは黒と白のゴシックなワンピースドレスとスカートタイプの着物だ。こういう時は何度も遭遇しているので対処は間違わない。
「俺としてはどちらも似合うと思うが、こちらの方がいいかな……」
「あら、ドレスの方ですのね。どうしてかしら?」
「その、なんだ……今の服装もそうだが、狂三はちょっと肌が出ているから、こっちの服の方が露出が少ない」
狂三の服装は肩とか胸元とかが大胆に露出しているタイプのドレスだ。だから、こっちの方がいい。着物の方も狂三に似合うだろうが、スカートなので動きが阻害される事はないだろうが、もしもの場合を考えると狂三が動きなれているであろうゴスロリの方だろう。
「それってもしかして……」
「そうだよ。悪いか?」
「いえいえ、士道さんがわたくしの事を思ってくださっているのなら、構いませんわ。では、こちらを購入致しましょう」
「俺が出すよ。くーの服はどうする?」
「そうですわね。わたくしと幼さ以外はほぼ変わりませんので、縮小したものでいいかと思いますわ。それと士道さん、今日は髪の毛をストレートにしてみますわね」
「それならこの赤い薔薇の髪飾りが似合いそうだな」
「ありがとうございます」
狂三は今日、大人っぽくするようだ。くーがいるせいだろう。自分も幼くみられるのを嫌ったのかもしれない。
「下着はどちらがよろしいでしょうか……?」
「それはお揃いにしてやるとくーも喜ぶと思うから、狂三が選んでくれ。父親が娘の下着を選ぶとかアレだろ!?」
「それもそうですわね。でしたら、別にわたくしが穿く分を……」
「そ、それならそのドレスに似合う白色で!」
「なるほど、わかりましたわ」
レースの白色を選んだようだ。くーのもみたいだが、そこは気にしない。気にしたら負けだ。それにかなり視線が痛い。
「どうですか、士道さん」
「似合っているよ。本当に」
「それは良かったですわ」
俺の前でくるりと回って、ふんわりと風で靡くストレートの綺麗な濡れ羽色の髪と外側が黒色で左右に分かれているスカートと、内側にある白色のスカート。どちらも狂三に似合っている。新しい衣装に身を包んだ姿を見せてくれた狂三は俺の言葉を聞いて嬉しそうに微笑んでくれる。
「それじゃあ、デートの続きをしましょう」
「わかった。ただ、先にくーのプレゼントを買わないか?」
「流石に服だけじゃ駄目ですわね」
「ああ。何か残る物が……」
そこで前髪から覗く狂三の時計盤となっている金色の瞳が見え、思わず見詰める。綺麗なそれに見惚れていると、狂三が何処か顔を赤らめていく。
「し、士道さん……?」
「ああ、悪い。それよりも良いプレゼントを思い付いた」
「それはどのような物ですの?」
俺は狂三の耳元に囁いていく。すると彼女は驚いた表情をした後、楽しそうに笑ってくれる。
「確かにそれは良いですわね。ですが、彼女は冒険者……いえ、くー曰くボウケンシャーです」
「あ~それってもしかして世界樹の迷宮とかそっち系統の?」
「そっち系統ですわね。とりあえず、ボウケンシャーである彼女が肌身離さず持ち、使える物と言えば……」
「ファンタジーの定番、魔道具か」
「はい。というわけで次の行き先は決定ですわね」
「わかった」
着替えた狂三と共に次の目的地へと向かう。そこはヘルメス・ファミリアという場所だ。そこの受付の人に向かう前に何故か男の人が現れて俺達を奥へと連れていかれた。
狂三が大人しくついていっているので、俺も大人しくついていく。すると団長室という場所に案内されたようだ。
「初めまして異邦より来た諸君。俺はヘルメス。このファミリアの主神をしている。で、こっちはアスフィだ」
「どうも」
「初めまして。俺は五河士道と言います。こっちは……」
「時崎狂三ですわ」
「聞いていた通り、名前は同じなんだね」
「ややこしくてすいません」
「いやいや、勝手に知らない間に作られていた子供を認知するとは流石だ! それに精霊を複数落とす偉業はゼウスにも引けを取らないだろう! 俺は神として君の偉業を称えよう!」
「いやいや何言ってんですか!?」
俺がヘルメス様と話している間に狂三はアスフィさんと色々と話していく。
「あの、この仕様通りになるとかなりの素材と金額が必要になります。それに私だけでは無理です」
「そこをなんとかお願い致しますわ」
「無理な物は無理です」
「どれどれ……確かにここまでの細工に力を与えるとなるとかなりの素材が必要だな。高位の
「それなら、これって使えませんか?」
俺は
「……これ、どこで手に入れました?」
「
「……ヘルメス様」
「うん。これなら問題ない。ただ、俺達だけじゃ加工はできない」
「あら、万能者でもできませんの?」
「流石にこの素材は特殊すぎるんです」
「そうだ。鍛冶の神に近い連中じゃないと無理だ。だが、幸いにしてあてがある。俺が話を通そう。彼女達ならクルミにプレゼントするという事なら喜んで引き受けてくれるさ」
「じゃあ、お願いします。代金はこれで」
「わたくしからもこちらで」
俺と狂三で少しのお金を除いて全て差し出す。かなりの金額になると思う。だけど、これじゃ足りないだろうから、ボールペンなど筆記用具とかも売ることにする。
「ではすぐに取り掛かります。時間は……」
「明日までによろしくお願い致しますわ」
「え!? いや、流石に加工とか刻む物もありますし……
「明日までです。よろしくお願いいたしますわね。その条件で受けてくれるなら、わたくしも今回の事件を解決するためにご協力してさしあげますわ」
「いいだろう。アスフィならやってくれるさ! あちらもこの素材なら大喜びで引き受けてくれるしね」
「そんなっ!?」
「ごめん。でも、お願いできないだろうか?」
「……どうにかしましょう。ヘルメス様」
「なんだい?」
「この書類仕事、お願いします」
「え!?」
「私はこれからヘファイストス・ファミリアに行って作ってきますので、後の事はお任せします。ファルガー! ヘルメス様を逃がさないようにお願いしますね!」
「おう。任せておけ」
グルグル巻きにされて椅子に縛り付けられるヘルメス様。いいのかとも思うが、気にしないでおこう。ついでに俺も鍛冶が出来る人には用があるから、アスフィさんに追加で依頼しておく。
「……まあ、魔道具でもない物ですが、余った素材で作らせてもらいましょう。しかし、本当にいいのですか? 彼女はあくまでも貴方にとって知らない内に作られた存在です。貴方に責任は一切ありません」
「わかってはいる。でも、それでもやっぱり俺の血を引いていて、境遇がアレだから俺は受け入れようと思う。俺の両親も死んでいないんだ。それどころか、過去の記憶もない。だからこそ、両親や家族がいない不安とかは俺にも少しは理解できるしな」
「ファミリアの仲間が……とは、言えませんね。やはり、血のつながりというのも大事ですから。わかりました。その依頼、確かにお受けいたします」
「頼む。この借りは何れ返す」
「わかりました。期待せずに待っています」
アスフィさんに依頼した後、俺は狂三と共に移動する。
「何を頼んでいらしたのですか?」
「内緒だ」
「そうですか……」
話をそらすために周りの屋台を見ると、その中で見覚えがあるものがあった。それは狂三とこちらの世界で出会った時の事を詳しくくーに聞いた時に出てきた屋台だ。
「狂三、そういえばアレを食べたがっていたんじゃないのか?」
「あら、そうでしたわ。士道さん、ぜひ買いましょう! くーの記憶からも美味しい物だとわかっておりますわ」
「そうだな。どの味がいい? 色々とあるみたいだが……」
「そうですわね……色々な味を食べてみたいですが、流石に少ししか食べられませんわ」
「それなら俺が食べるから、狂三は好きなように食べたらいい」
「いいんですの?」
「ああ、構わない」
「でしたら、塩味と小豆クリーム味。ケチャップ味もいいですわね」
狂三が楽しそうに選んでいるのを横で見ながら、ふと思った。全部買って、他の狂三達に分けたらいいんじゃないかと思ったのだ。だが、それは無粋だ。伝えるのは止めておこう。楽しそうだし。
「では、こちらで」
「毎度あり!」
支払ってから二人で腕を組みながら移動していく。噴水がある場所に設置されたベンチに座り、二人で食べ始める。
「士道さん、こちらも美味しいですわよ」
「じゃあ、少しもらうか」
取ろうとすると、狂三がガードしてきた。彼女の方を見ると、悪戯っ子のような表情をしながら、ジャガ丸君を掴んで口元に運んでくる。
「あ~ん」
「く、狂三……」
「ほら、士道さん。冷めてしまいますわ。あ~ん」
「あ、あ~ん」
狂三に押されてジャガ丸を食べる。甘いクリームと小豆、ジャガイモの味が口の中に広がってくる。気恥ずかしさも合わさって、美味しいことは美味しいが、なんというか変な感じだ。
「士道さん。今度はわたくしにそちらをくださいまし」
「まさか……」
「あ~ん」
「わかったよ……あ~ん」
ジャガ丸君を食べやすいように千切ってから狂三の口に入れてやると、指ごと食べられた。そのまま腕を掴まれて指を舌が這っていく。その感触に身体が震えてくる。
「く、狂三ッ!?」
「ああ、とっても可愛らしいですわね、士道さん。このまま食べてしまいたいですわ」
「だ、駄目だからな!」
「わかっておりますわ。そんな事はしません。今はこの関係を楽しみますわ。さあ、次はわたくしの番ですわ♪」
楽しそうな狂三に付き合ってジャガ丸君を食べた後、屋台巡りやオラリオの観光名所を二人で歩いていく。とても回り切れなかった。
なので最後は此花亭というヘスティア・ファミリアのホーム近くにある夜にライトアップされている桜並木を歩いてから、帰る。
「見つけた士道!」
「シドー! 何処に行っていたのだ!」
やってきた二人は複数のくーを引き摺ってやってきていた。どうやら、俺と狂三のデートを妨害させないようにしていたのだろう。
「気が利く娘ですわね」
「そう、だな……」
折紙の言葉に手を繋いだままなのに気付いて離そうとしたが、やっぱり止めた。
「何時まで手を繋いでいるの! この泥棒猫!」
「あら、にゃ~と泣きましょうか?」
「うぅ、狂三にシドーが取られた……」
「邪魔はさせませんわ!」
二人と複数のくー達のやり取りを見ながら、狂三と笑いあってからそのまま此花亭に入る。女将さん達に迎え入れられ、俺達は同じ部屋に案内された。当然のように折紙達もついていくる。部屋にはすでに琴里が居て、身体から湯気を立たせている。どうやら温泉に入ってきたようだ。
「お帰りなさい。その様子ならちゃんと狂三を攻略できたみたいね。いえ、攻略されたのかしら?」
「どうだろうな?」
「まあ、どっちでもいいわ。時崎狂三。貴方に聞きたい事があるの」
「なんですか、琴里さん」
「
「その答えは──」
狂三の言葉は驚くべきものだった。そして、それが嘘ではないことを俺はわかる。今回の件、どうやら一筋縄ではいかないようだ。
|太陽の魔導書《ブック・オブ・ヘリオス》は誰の手に?
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ヘスティア・ファミリア
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ロキ・ファミリア
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フレイヤ・ファミリア
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豊穣の女主人
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その他(タケ、此花亭)