ダン狂~くるみ(偽)とリリのダンジョン探検~ 作:ヴィヴィオ
やってまいりましたロキ・ファミリア! 本日からここでしばらくお世話になります。セイバー・くるみとして頑張りますわ!
「たのも~です!」
「ああ、話は聞いている。どうぞ」
門番の人に案内してもらい、ロキ・ファミリアの中へと入っていきます。すぐにアナキティさんの所へと連れていってもらいました。
「それでは後はよろしくお願いいたします」
「ええ、任せてください」
案内してくれた人が居なくなったので、アナキティさんの方を見ながら、今日来る前に買ってきたバッグからお菓子を取り出してアナキティさんに渡します。
「本日よりよろしくお願いいたしますわ」
「ご丁寧にありがとう。これから部屋に案内するわね」
「はい」
案内してもらった部屋は一人部屋だったので、荷物を置いて早速お願いしようと思います。
「では、剣術を教えてください」
「ええ、わかったわ。でも、その前に着替えなさい。まさかその格好でやるわけにはいかないでしょう?」
「一応、これでダンジョンに潜っているんですが……」
「そういえば……その服を着た子が……」
「どうしましたか?」
「いえ、なんでもないわ。それでそのままの服でダンジョンに潜るつもりなの?」
「はい。これで行きます。これが私のアイデンティティーですから」
「そうなのね。ならいいでしょう。こっちよ。訓練は中庭でするから」
「畏まりましたわ」
アナキティさんに案内してもらい、中庭に連れていってもらいました。そこには新人であろう人達も訓練しています。
「まずは剣の握り方から教えるわね」
「お願いします」
剣の握り方を教えてもらい、続いて振り方を教えてもらいます。振り下ろし、振り上げ、左右からの薙ぎなど、基本的な四つの型を教えてもらいました。究極的な剣での攻撃はこの四つだけらしいです。
「とりあえず正しい持ち方で一〇〇回、振って動きを矯正しましょう」
「一〇〇回……わかりました」
まずは基本的な振り下ろしからアナキティさんに矯正してもらいつつ、最適な動きを身体に覚え込ませていきます。
「正直言って、才能がありませんね……」
「わかっております。ですが、努力で覆しますわ。剣こそがわたくしの存在意義ですもの」
さて、一時間ほど剣を振りましたが、才能はないのでやはり上手くできません。ですが、どうにかする方法はあります。わたくし達は互いの記憶を参照する事ができます。
更に一時間。常に最適な動きと比べて修正していくことで、剣の軌道が安定し、身体全体を使って剣に力を全て伝えられるようになりました。
「きひ、ひひ、ひひひひっ」
しかし、もっとわたくしに合った効率的な剣筋ができるでしょう。徹底的に鍛えましょう。テンションも上がってきました!
「急に良くなったわね。次の型を教えましょう」
「お願いしますわ」
「ええ」
一日目は全ての型を教えてもらい、それをただひたすら振って、振って、振り続けて最適化して他のわたくし達に渡しておきます。
今日は筋肉痛でここからの更なる最適化は任せます。というわけで、アサシンにバトンタッチですわ。
◇◇◇
アサシンが寝ずにダンジョンで狩りを続けて実戦に適したように組み替えていってくれました。その知識と記憶をダウンロードし、インストールします。頭が少し痛くなりますが、他のわたくし達の記憶は要らないので、問題ありませんわ。
さて、しっかりと記憶を確認してから外に出て、戦闘で最適化した剣術を身体に覚えさせます。イメージトレーニングとして相手の
「おはよう。早いのね」
「時間は有限ですし」
「そうね。それじゃあ、相手してあげるわ」
アナキティさんが剣を抜いて相手をしてくれましたので、濃厚な戦闘経験が手に入れられます。わたくしに合わせてしっかりと指導いただけます。
わたくしの限界ギリギリに対応できる速度で襲ってくる剣を必死で弾きますの。弾くだけではすぐにジリ貧ですので、こちらから攻撃をしかけます。ですが、剣を弾かれてやり直し。ただひたすら剣でアナキティさんと模擬戦をして、身体を切り刻まれます。少しでも体勢が崩れたり、ミスをすると傷が増えます。
しばらくして身体中を斬り刻まれて動けなくなり、沢山の傷から血がでてきますの。それをポーションを使ってすぐにもう一度戦います。
「まだまだ甘いわ」
「はっ、いっ!」
戦っている間に真剣に考えます。アナキティさんの剣技を吸収し、自らの力とします。これが私の役目。セイバーのくるみとしての存在意義ですわ。それも一年という短い時間で剣の深奥へと到達しなければいけません。
しかし、普通の方法では不可能ですですので、偉大なる先人を見習いましょう。心も身体も全て剣として作り変えます。そう、私が目指すべきはかの赤い弓兵さん。体は剣で血潮は鉄。心は硝子そんな彼を目指します。故にやる事はたゆまぬ訓練。そして、赤い弓兵さんと同じ裏技をやりますわ。
「さあ、もっともっとです!」
「ええ、いいわよ」
何度も何度も模擬戦を繰り返し、倒れては立ち上がり、再度挑みます。それから食事をしてもう一度やります。アナキティさんが仕事で席を外す時はただひたすら剣を振ります。模倣するにしても、まずは基礎が大事ですもの。
◇◇◇ アナキティ
「アキ、彼女はどうかな?」
「最初は才能が無いと思ったけれど、努力の才能はあるみたい。それと記憶力がとてもいいみたい。一度教えた事は反復してしっかりと修正してくるわ。でも、それだけ。やっぱり剣は一定以上の力にならないと思います。身体が非力すぎるし、リーチが足りない」
「まあそうだろうね。それに彼女本来の武器は銃みたいだし」
「どうしますか?」
「彼女が満足するまで付き合ってあげてくれ。それが契約だ」
「わかりました」
夜になって団長に報告した後、部屋に戻る時にふと中庭を見るとそこに何かが動いていた。視線をやると金色の光が動いている。それは瞳のようで、集中して見ると人影でした。
「あの子っ!」
慌てて中庭に向かうと、未だにクルミは動いていた。彼女の動きはどんどん洗練されていき、振るわれる剣はかなり鋭くなっている。
「もう寝なさい」
「いえ、まだですわ。まだ一万回に達しておりませんもの。アナキティさんは先に休んでいて構いませんよ」
「付き合うわ。私が貴女の指導係なのだから」
「では、お願いします」
無理矢理寝かすためにも彼女をボコボコにしたのだけど、それでも異常な執着で立ち上がり、挑んでくる。三十回目でようやく気絶してくれたので、彼女をベッドに放り込んでから私も寝る。まるで人形姫と言われていた時のアイズみたいにがむしゃらにやっているみたいで、不安になる。同じぐらい、それ以上に幼い身体なのにやっている事は狂気の沙汰ね。
次の日。彼女の実力が更に上がっていた。驚いていると、それを見たアイズも彼女の成長の秘密を知ろうと参加してきた。だから、アイズ対くるみを含めた新人達で戦わせてみたけれど、アイズが圧勝していた。普通は絶望に覆われるところを、彼女は楽しそうに笑いながら果敢に挑んでいく。数日で彼女もいっぱしの剣士となり、それなりに斬り合える程度には成長していたのは本当に驚く。でも、やっぱり不安になる。アイズみたいにならないかしら?
そう思っていたら毎日朝から深夜までアイズと一緒に戦いだして二人を叱って寝させる日々になってしまった。
◇◇◇
2月22日。彼女がロキ・ファミリアで過ごすようになってから一週間が経った。そこで何時もの通り、朝からアイズとクルミ、私の三人で訓練してから朝食を食べていると、ティオナ達がやってきた。
「ねえ、アイズ~! お金稼ぎにいかない? こないだ
「……うん、私も借りたレイピア壊しちゃったから……四千万の……稼がないと……」
「ティオネやアキ達もどう?」
「私はパス」
「私は……クルミの訓練がありますから……」
「ダンジョンでやればいいじゃん! 訓練ばかりするよりも、適度にダンジョンで実戦をした方が強くなれるって! ね! そうだよね? そう思うよねクルミちゃん!」
「……そうですわね。その考えに一理ありますわ。わたくしはお金は要りませんが、もっと下の
くるみも乗り気になってしまった。これはどうしようかと思っていると、団長がやってきた。
「どうしたんだい?」
「お金を稼ぐために皆でダンジョンに行こうと思って話してたの。団長もどう?」
「ふむ。確かにたまには身体を動かすのもいいか。幸い、片付けないといけない仕事は終わっている。いいだろう。僕も行こう」
「それなら私も行きます!」
「ティオネもかい?」
ティオネは確か、くるみと揉めていたはずだから、団長の懸念ももっともね。大丈夫?
「それは……」
「あら、わたくしは構いませんことよ」
「いいのかい?」
「ええ、問題ありませんわ。既に謝罪の品物は頂いておりますし、わたくしとしては仲良くしたいですもの、ええ」
「私は仲良くしたくない」
「「ティオネ……」」
「だって団長につく悪い虫なのよ!?」
「そうですわね。でしたら、少し二人だけでお話しませんか?」
「「「ちょっ!」」」
「大丈夫ですわ。こちらへどうぞ」
「いいでしょう」
「待った。一応、ティオナを連れていってくれ。もしもの場合はあったら困るからな」
「まかせて!」
団長の言葉に三人も納得したようで、少し離れた場所で話しだした。こちらが聞こえない場所みたい。
◇◇◇ ティオネ
「さて、ぶっちゃけますが……わたくしがディムナさんに靡く事はありえませんわ」
泥棒猫が後ろからティオナに抱きしめられながら言ってきたけれど、そんなの信じられるわけがない。
「は? 団長の素晴らしさがわからないとでも?」
「いえ、それ以前の問題ですわ。わたくし……女の子が好きですので」
「「え?」」
コイツ、同性愛者という奴なのかしら?
「わたくし、中身が女性より男性よりなので、恋愛対象も女性の方になりますの。ですから、無理矢理にでもされない限り、わたくしが男性とお付き合いする事はありえませんわ。考えただけでも虫唾が走りますもの。そちらもそのように考えて行動してくださいまし」
「……つまり、私とかも対象になるのかな~?」
「ティオナさんは十分になりますわね。だから、こうして抱きしめていると……襲うかもしれませんわよ?」
「……っ!?」
「きひっ」
急にティオナが後ろに跳んでから、身体を両手で抱きしめる。それを見た彼女はニヤリと笑ってティオナを振り返ってみている。それは獲物を見るような目で……
「これガチな奴だよ! だって、私の大切な所を触ろうとしてきたもん!」
「まあ、わかりやすくしただけです。この身の存在意義は剣ですから、今は性欲よりもそちらが最優先ですわ」
「……そうなのね。じゃあ、本当に団長には手を出さない?」
「ええ、ええ、もちろんですとも。むしろ、早くくっついて頂けませんの? わたくしやリリが狙われても迷惑ですわ。なんでしたら、協力してさしあげても構いませんわ」
「本当?」
「ええ、本当ですわ。ただ、無料というわけにはいきませんから、そうですわね……ゾルアスの使い方を教えてくださいまし。報酬はそれでかまいませんわ。裏切った場合は後ろからでもバッサリやってくれて構いませんから」
「……いいでしょう。よろしく頼むわね」
「きひっ。任され、ましたわ……あの、ティオナさん? なんでまた抱きついてくるんですの?」
「よくよく考えたら別にいいかな~って。くるみちゃん可愛いし、撫でまわしたいから! それに可愛い悪戯程度だもん」
「……そうね。むしろ、ティオナが悪戯する方じゃないかしら?」
「ちょっ、何処触ってっ! たすけっ!」
「それは契約外よ」
「そ~れ~」
「ひゃぁっ! 脇はらめっ、ですってぇっ!」
悲しいけれど、レベル1とレベル5じゃ悲しいぐらい実力が離れているのよね。とりあえず、これで一緒に行っても問題ないわね。
「団長~こっちは問題なくなったよ~」
「そうかい?」
「ええ、だから一緒に行きましょう団長」
「あ、ああ……問題は何処までいくかだね」
「上層はお金にならないから、下層がいい」
「レベル1の彼女が居るんだ。あまり無理はさせられない」
「いえ、戦えないレベルになれば支援とサポーターとしての仕事に徹しますのでお気になさらず。ただ、一度ステイタスの更新にファミリアへ戻らせて頂きますが、それだけですわね」
「それは構わない。じゃあ、とりあえず、リヴィラまで潜ってみようか。各自、一緒に向かう者は準備してくれ」
「「「はい!」」」
最終的に向かうメンバーは二人追加されて、アイズ、ティオナ、レフィーヤ、リヴェリア、フィン、くるみ、アキ、私になった。
続く? 続かない?
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続く
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続かない
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そんなことより狂三が可愛いから書け
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リリを曇らせて虐めたい
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狂三だらけの狂三ハーレム