とある魔術の禁書目録~二天龍を従えし者~ 作:眠らずの夜想曲
メルと街に出た俺は、Joseph's という名のファミレスに来ていた。
そしてパフェを頼んで食べているのだが……
「兄様、あ~ん」
「あーん」
「おいしいですか?」
「あぁ、メルが食べさせてくれているからな」
メルが食べさてくれているのだ。
嬉しすぎて俺はきっとニヤけているだろう。
まぁ周りの目をあるが気にはしない。
気にするくらいならこのひと時を最高に楽しむ!!
「兄様、あ~ん」
「あーん」
今日は最高の一日になりそうだ。
いや、もうなっているか。
「メル。どこか行きたい所はあるか?」
「兄様が行きたい所に行きたいです!!」
「むぅ……とりあえず、金を下しに行こうか」
「そうですね♪」
☆☆☆
さて、銀行にやってきた俺だ。
ATMは何気に込んでいて、絶賛すこしイラつき中だ。
なぜこんなにATMが込んでいるのだ。
学園都市のATMは優秀なはずだろ!!
もう少し早くお金が下ろせないものですかねぇ……
「あぁ!!白井さん、偶然ですね」
銀行に入ってきた女の子が、少し大きめの声で言った。
白井、白井ねぇ……
うわぁ、面倒事の予感だ。
ここでやっと俺の番が回ってきた。
カードをATMに挿入して、引出しを選択。
そして暗証番号を入力。
暗証番号はもちろん『4510471』だ。
引き出す金額は、二〇万もあれば十分だろう。
殺気から気になるんだが、後ろの白井と女の子の発言が黒過ぎて困る(笑)
「世間知らずの金持ちに、在校生全員がLEVEL3以上の能力者。自分のことを特別だと思っている方たちが多く集まってとか」
「はぁ……」
「中でも超電磁砲(レールガン)などと呼ばれるLEVEL5がいるらしいのですが……きっと高慢ちきでいけ好かない、性悪女に決まってますわ」
「知らない人の事、良くそこまで言えますね……」
その通りだ女の子。
というか、その女の子は初春飾利ではないか。
白井も白井黒子か。
だがまぁ、そんなことは関係ない!!
今はメルとの時間を楽しむのだ。
と、銀行を出ようとした時だった。
バンバン、と銃の発砲音が聞えてきた。
辺りを見回すと、真ん中に黒いニット帽をかぶり、緑色のスカジャンを着た男が左手で黒い銃を持った男が目に入った。
銃口は天井に向けられている。
銀行にいる全員はその男に視線を向けていた。
それもそうだろう、銃の発砲音が聞えたんだから。
「おかしな真似すんなよ。お、お客もあんまり騒がないでくれよな」
銃口を向けられた女の子が、怯えて一歩後ずさった。
というか、声が震えすぎだろ。
ビビリすぎだろ。
そんなんだったら銀行強盗するなよ。
どうしようか考えているときだった。
黒子が動き出したのだ。
スカジャン男の足を踏んだ。
「うぅ!?」
スカジャン男はうめき声を上げて、よろけた。
そしてそこに黒子がスカジャン男のひざ裏を蹴り、体勢を崩した。
そのまま倒れたスカジャン男の腹に黒子の足が入る。
銃はカウンターの舌まで滑ったようだ。
「きゃぁ!?」
今度は初春のピンチらしい。
まったく忙しいぞ。
隣にいるメルを見てみろ。
目つきが凄いことになってるし、背後からはどす黒いオーラが見える。
目のハイライトは消えたり現れたり、不安定だ。
やばい、このままだと犯人酸欠で死んでしまうぞ……
「たく、アホかぁ?なぁにガキにノされてんだよ。使えねぇ」
初春にナイフを突きつけている男が目に入る。
「初春!!」
黒子が叫ぶ。
それはいけないだろ。
名前を読んだら知り合いだということがばれて、こちらが不利になるだけだ。
「あれ?お前ら知り合いだったのか?ふぅん……こりゃ好都合」
ほらみろ、犯人さんイキイキした顔になっちゃったじゃないか。
好都合とか口に出しちゃってるし。
「おっと、動くなよ。お前風紀委員(ジャッジメント)か?風紀委員が人質見捨てるわけねぇよな?ましてや、自分の知り合いを」
うおぉ……この犯人イイ性格してるな。
「他にも仲間がいるんじゃねぇのか?出てくんなら今のうちだぞ」
その瞬間だった。
ジリリリリリ、と警報がなり、銀行のシャッターが閉まり始めたのだ。
しかしうるせぇな……
警報に加えて、
『セキュリティー信号、受信しました。侵入者を排除します』
警備ロボまで起動した。
クソッ!!
隣のメルの機嫌も大暴落だ。
警備ロボが、男に突撃した。
黒子も警備ロボの後ろに隠れて特攻した。
だが、警備ロボは爆発、黒子はスタイルがいいお姉さんに抱きしめられ、吹き飛んで行った。
これだけなら問題はない。
だがお姉さんが頭から血を流しているのだ。
これはマズい。
俺はメルと一緒にお姉さんと黒子の下に歩みを進める。
「おいお前!!何勝手に動いてんだ!!」
男が叫ぶが関係ない。
「こいつがどうなってもいいのか!!」
「こいつってさ―――この子のこと?」
「何言って―――はぁ!?」
初春は俺の腕の中にいます。
立った瞬間、男に近づいて奪取、そして代わりに影分身に変化させて男の腕の中に入れた。
ただそれだけだ。
そんな事よりだ。
「大丈夫か?お姉さん」
「だい……じょう……ぶよ……」
どう見ても大丈夫ではない。
空間倉庫から『フェニックスの涙』を取り出し、お姉さんって固法美偉か。
美偉の頭に振りかける。
「これで怪我は大丈夫なはずだ」
「す、すごい……」
黒子が呟いた。
さて、メルの機嫌も下がりきってしまったことだし、さっさと犯人捕まえますか。
「メル、もう少しだけ待ってくれな?」
「は、はい。兄様」
頭を撫でながらメルに言う。
メルは顔をふにゃっとさせて返してくれた。
よし、これで少しはもつぞ。
「動くじゃねぇぞ!!」
男が銃をこちらに向けている。
カウンターの下にあった銃か?
まったく面倒事がまた増えたよ。
まぁ、関係ないけど。
俺は無言で男に近づいていく。
ゆっくり、一歩一歩、歩みを進める。
「う、動くなって言っただろうが!!撃つぞ!!」
手が震えてるぜ、あんちゃん。
そんなんじゃ当たらないぜ。
俺は無視して歩みを進める。
男まで残り五メートルくらいの時だった。
バン、と発砲音が聞えたのだ。
俺は反射的にプログレッシブ・ナイフを胸元から抜き、銃弾を切り裂いた。
ちなみに形は『PKN-01C』だ。
大きさは俺の使いやすいように調節されているがな。
「なんだ?そんなに死にたいのかお前」
最高にイイ顔を作り、男を見据える。
「お、お前……まさか銃弾を……」
「そうだけどどうかしたか?このくらいなら能力者じゃなくてもできるだろう」
「できねぇよ!!」
当麻もそのうち出来るようになってもらわないとな。
「さぁ、ショータイムだ。楽しんでいってくれよな?」
床にクレーターができるほど力を入れて一歩目を踏み出す。
そしてそのまま男の手にある銃をナイフで切り裂く。
「ひぃ!?」
男が悲鳴を上げながら後ずさる。
逃がすわけがないだろ。
すぐに背後に周り、背中に掌底を入れる。
もちろん加減は忘れない。
力入れ過ぎて貫通したとかなったらシャレじゃすまないからな。
男は噴きとび、壁にぶつかって床に落ちる。
加減をしていたせいか、男はすぐによろよろと起き上がりメルにナイフを当て―――あ……
や、やばい……
これはもうドンマイとしか言いようがない。
「う、動くなよ!!動いたらコイツを殺すぞ!!」
「あなたが死になさい!!」
「ガハァ!?い……きが……」
男が床に崩れ落ちる。
どうやらメルが男の周りの酸素を全て排除したらしい。
さすが《気体掌握》の原石だ。
男の腕を背中側に回し、手錠をかける。
あとは警備員(アンチスキル)にまかせればいいだろ。
おっと忘れるところだった。
「お姉さん。これ。もし他に傷があったらかけるといいよ。傷跡も残さないからね」
「あ、ありがと……ってあなた何者!!風紀委員じゃないのに犯人を―――」
そこで俺は美偉の唇に人差し指を当てる。
「そこまでだぜ、お姉さん。じゃあね……行こうか、メル」
「はい、兄様」
メルが俺の腕に抱き着いてくる。
「ま、待って!!せめて名前だけでも聞かせてちょうだい」
俺は振り返り、いつものセリフを言ってやる。
「神をも浄化する刃。神浄刃だ」
「神浄メルです」
それだけ言い、俺とメルは銀行を後にした。
☆☆☆
「はぁ……まったくなんで面倒事に巻き込まれんのかな……」
「兄様ですから」
メル……お前までそんなことを言うのか。
この世界で不幸は当麻の特権だろうに。
まぁ今はメルのとの時間を楽しむか。
「お、ゲーセンじゃないか!!久しぶりだな、外のゲーセンに来るのは」
「そうですね。普段はうちにおいてあるもので遊んでいますからね」
「プリクラとろうか」
「もちろんです!!」
メルがふんふん鼻息を荒くしながら俺の腕を引きだす。
プリクラの筐体に入ると、軽快な音声が鳴りだした。
説明されるがままにお金を入れる。
そしてモードを選び、フレームを選ぶ。
『―――3、2、1』
「兄様!!」
「うぉ!?」
カウントが開始された瞬間、メルがほっぺたにキスをしてくれた。
そしてそのまま撮られた。
そのほかにも、抱き着くなど、様々な格好で撮った。
おえかきは全てメルに任せた。
まぁなんて書いてあったかは秘密だ。
誰にも教えん。
もらったプリクラは空間倉庫にしまう。
永久保存するにはもってこいだからな。
メルはメルで何かをしているようだが、気にしない。
プリクラを終えた後も、エアホッケーや、UFOキャッチャーなどで遊んだ。
ゲコ太はなかなか取るのが困難だったぜ。
家に帰ると、風呂に入り、夕食をとり、寝た。
もう寝たね。
銀行強盗に遭遇とか面倒くさすぎだ。
まぁベットに入ったときメルが、
「兄様、一緒に寝ていいですか?」
と、枕を胸元に抱えて上目づかいで訊いてきて、最高だった。
「もちろんいいぞ」
「ありがとうございます♪」
ふははは、昼間の出来事何てどうでもよくなってきたぜ!!
まぁこんな感じでメルとの一日は終わりを告げた。