個性"グリード"ってなんですか   作:勢いまかせな天邪鬼

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第1話

"欲望"

それはあらゆる生命に備わる生存本能!

より良い環境、より良い生活を求める探究心!

何も知らない赤子も最初に"欲しい!"と言って泣く!

無から有を齎すものこそが欲望だ......!

故に欲望こそがエネルギー!膨らみ続ける無限のパワー!!

欲望無くして生存はあり得ず、欲望無くして発展はない!

そして欲望が満たされることで生命は幸福を覚える!!

......だが、もし欲望が募るばかりで満たされない場合、生命はどうなると思う?

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

20XX年、"個性"と呼ばれる超常により社会は一度崩壊した。

きっかけは中国で誕生した光る赤子だと言われている。

光る赤子の誕生から連鎖するように各地で次々と超常が発現していったのだ。

当然の帰結というべきか、超常たる巨大な力を齎す個性を人は持て余した。

発現した個性を受け止めるだけの器を持たぬ者は力に呑まれ敵(ヴィラン)となった。

発現した個性に惹かれながらも安全のために敵(ヴィラン)と戦う者はヒーローとなった。

 

しかしなにも超常は個性のみではない。

なぜなら、光る赤子誕生以前にも超常の存在は仄めかされていたからだ。神々の権能や悪魔の業、さらには魔術と呼ばれる学問などがそれにあたる。

どれもこれも光る赤子の誕生以前から語られているのだ。

火のないところに煙は立たない。確かに存在していたのだ。巧妙に隠蔽されていたのだとしても。

荒唐無稽に思えるかも知れないが、私は事実だと思っている。

何故なら"個性社会"以前の超常の一端が目の前にあるからだ。

 

「それがこのメダルか?」

 

マスクを被った男がメダルを1枚手に取る。まるで光にかざすように掲げ持ち、メダルを通った赤い光を浴びている。

 

「そうとも!このメダルは欲望の塊だ!活動を開始すればたちまち巨大で底無しの欲望が街を覆うだろう」

 

質の良いスーツを着込んだ壮年が子どものようにはしゃいでいた。

まるで誕生日を祝われる瞬間、プレゼントを受け取る直前のようだった。

 

「"欲望"......ね」

 

マスクの男はなにか思うところがあるのか、赤い世界を眺めながら言葉を舌の上で転がした。

壮年は先程のはしゃぎようが嘘のように生クリームを泡だて始めた。

パティシエ顔負けのクオリティでホールケーキが作られていく。

暫く無言が続き、壮年がつくるケーキが完成する直前にそれは起きた。

 

マスクの男が持っていた物を除いた5枚のメダルが淡く発光しながら円を描くように何処かへ飛び去っていった。その勢いはメダルがぶつかった窓ガラスが砕けるほどだった。

マスクの男はメダルが飛び去った方向を唖然と見つめ、壮年はしたり顔でケーキを完成させ、誕生を祝った。

完成したケーキには"Happy Birthday"の文字と赤い羽が飾られていた。

 

「Happy Birthday!新たなる時代のグリード!!」




一応プロットは組んだけど、どうあがいてもヒーローサイドの話にならなかったのでここまでです。
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