【本編完結】始末屋 キリカ   作:☆エイラ★

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捨参斬 決別

「ブドーか。良いところで水を………いや雷を落としてくれたな」

「…………」

 

 恐らくブドーはエスデスと同格の存在。つまり、位階_()クラスの帝具持ちだ。死力を尽くしたとしても、二人同時に相手して勝つ事は難しい。加えて、今しがたの雷。余波を受けただけで半身は痺れ、肉体の精密操作に甚大な影響が出ていた。多分、私は常人に比べて電撃にとても弱い。広範囲に回避の難しい雷攻撃が可能な帝具 アドラメレクとの相性は最悪と言える。

 

――もしかして、一対一でもブドー大将軍には勝てないんじゃ……。

 

 正直、鬼神顕現を発動してでも逃げだしたいところだが………麻痺状態で欺贋化粧(操身術)を解いたりしたら、最悪身体が崩壊するまで戻れなくなってしまう。

 割と絶望的な状況だった。

 

「ここは陛下の御座す後宮の直ぐ傍なのだぞ。武芸大会などという下らんものを開いた挙句に………」

 

 ブドーは怒りの余り全身を震わせている。

 

「………」

 

 逃亡を考えつつ視野を広げると闘技場の壁や地面はあちこち抉れてボコボコ。氷矢による流れ弾で負傷者も出ており、まるで戦場跡地のよう。観客席の出口付近は避難しようとする人々で大渋滞が起きている。

 宮殿の近くでこれだけの騒動を起こせば大将軍が出張ってもくるわけだ。エスデス以外に気を配る余裕が無かったとは言え、一般人に被害を出してしまったのは本当に申し訳無い気分。観戦に来ていたはずのレオーネとラバックは無事退避しているだろうか。二人の実力的に間違っても私を助けに来たりはしないで欲しい。

 

「修繕はこちらで手配しておくから心配するな」

 

 しれっと言うエスデス。

 

「修繕云々の問題ではない!! ちっ……それで、貴様と()するこの女は何者だ?」

「大会の優勝者ということ以外は私も知らん」

「旅人のキリカと申します」

「旅人だと? そんな怪しげな輩を野放しには出来んな。身元の確認が済むまでお前を拘束する」

「待って下さい! 私はこの国に来たばかりですし法に触れるような事はしていません!!」

 

 必死に訴えかけてみる。

 

「取り調べれば分かる事、その場で武装を解除しろ」

 

 両腕の籠手をかち合わせバリバリと放電を始めるブドー。

 

「何て横暴な……」

 

 逃げの一手か、大人しく取り調べを受けるかの二択。私は正規の入国審査を受けており、一応国外から来た事の証明は出来る。だが、拷問や罪のでっち上げが当たり前なこの国に身柄を預ける気にはならない。

 決死の覚悟で逃走の算段をしているとエスデスが私とブドーの間へ割って入った。

 

「待て。こいつは私の獲物だ」

「どけっ! エスデス。危険分子だった場合はどうするつもりだ?」

「少なくとも反乱軍との繋がりを心配する必要はない。キリカ程の強者がいれば奴らはもっと積極的に動いているだろうからな」

「………」

 

 慎重過ぎるナジェンダの革命準備が良い感じの勘違いを生んでいるようだ。

 

「キリカ、入国許可証を見せてみろ」

「はい、どうぞ」

 

 言われた通り、許可証を懐から取り出した。こういったモノは旅の心得として常に携帯している。

 エスデスが私から許可証を受け取り、入念な確認を行った。

 

「ふむ、入国番号や透かしも問題ないようだぞ」

「だからと言って危険分子である可能性が消えた訳ではない!」

 

 臨戦態勢を維持したまま吠えるブドー。

 

「相変わらず頭が硬いな。私がどうやって軍に採用されたか知らぬ訳でもあるまい」

「貴様の時とは情勢が違う」

「あまり変わらんと思うが………何にせよ、警備の管轄から言ってもイェーガーズの領分だ。お前にキリカを預ける気はない」

「エスデス、不祥事があれば只では済まされんぞ」

「有事の際は責任を取ろう」

「ふんっ! 当然だ………決して忘れるな、帝国の秩序を乱す者は誰であろうと必ずこの私が裁く!!」

 

 威圧感を振り撒きながら、去っていくブドー。

 

「はぁ、驚きました。あなたに負けず劣らず中々強そうな方でしたね」

 

 交戦は避けられたようでホッと息を吐く。

 

「この国の大将軍だからな」

「………」

 

 それにしても今しがたの状況………エスデスの思惑はどうであれ庇われたのは事実。腹立たしいことに始末すべき相手へ借りを作ってしまった。

 

「さて、続きといこうか?」

 

 天蓋を拾って放り投げてくるエスデス。既に先ほどのダメージを全く感じさせない調子で覇気を漲らせている。

 

「い、いやですっ! もう勘弁して下さい」

 

 天蓋を掴み取り常闇と共に鞘へ収めて、降参とばかりに両手を挙げた。私の方はようやく麻痺効果が薄れてきたところ。先程、手の内も大分晒してしまい、今再戦したら確実に負ける。

 

「まあ、確かに興を削がれたな。次の機会にするとしよう」

「次の機会もご遠慮します。それより早く褒賞を下さい。私の望むまま、でしたよね?」

 

 試合前にした約束、忘れたとは言わせない。

 

「幾ら欲しい?」

「じゃあ、金貨200枚を」

 

 私自身が妥当と思う金額。当初の倍を要求してみる。

 

「たったそれだけで良いのか?」

「ええ、十分です」

 

 標的から施しを受けたと感じない程度が丁度良い。多く貰い過ぎてはまた新たな貸しを作ってしまう。

 

「では、追加の分を合わせて明日中には用意する。今晩は宮殿内の一室を使うといい」

「い、いえ。宿に一晩泊まって明日また取りに来ますので」

「そこらの宿より余程快適だぞ。それに私はお前と話をしてみたい。着いて来い」

 

 背を向けて歩き出すエスデス。

 

「…………」

 

 一瞬の迷ったものの、大人しく着いて行くことにした。危険は伴うが、宮殿の内部構造や警備の配置などを知る絶好の機会だ。

 そんな訳で、宮殿へ入りエスデスと並び長い廊下を進んでいく。

 

「キリカ……私と共に賊狩りを楽しんでみる気はないか?」

「賊狩り?」

「特殊警察イェーガーズ、私が部隊長を勤める治安維持部隊が新設されてな。隊員の数は少ないが中々に面白そうな奴らが集まっている」

「もしかして……私もその部隊に加って欲しい、とか?」

「ああ。お前には独自の権限を持つ特別な地位を用意しよう。私と対等に闘えるお前を安易に部下扱いは出来んからな」

「………」

 

 恐らく本気で誘っているのだろう。全力で闘ったからこそ相手の本質が理解できる。彼女は小細工など弄さない。単に実力のある私に関心を持ち、手元に置きたいと考えているだけだ。

 特殊警察への潜入。宮殿内を自由に動き回れるメリットは色々と思いつく。革命時には内部工作なども出来るだろう。しかし、万が一ナイトレイドである事がバレた場合、敵陣の真っただ中に一人きり。宮殿内の恐ろしい点はエスデスやブドーだけでない。ナジェンダ曰く、数々の防衛帝具が配備されており、中には毒霧を充満させる装置もあるようだ。

 

「気がかりがあるなら言ってみろ。妨げとなるモノは全て取り除いてやる」

「私は旅人ですからこの国の為に働く理由がありません」

「国の為に働く必要などない……そうだな、闘いと蹂躙を楽しみながら報酬を得られる、というのはどうだ?」

「す、少し考えさせて貰っても?」

 

 と言いつつ、私の答えは決まっていた。危険は犯さず明日、報酬を貰ったらお暇するとしよう。

 

「返事は実際に部隊の様子を見てからで良い。何なら体験入団でも構わんぞ」

「………」

 

――体験入団って、随分軽いノリですね。

 

 どこかで聞いたような誘い文句だ。

 やがて、塔のような建物の最上階、特殊警察イェーガーズの本部へたどり着いた。

 私の隣にエスデスが立ち、向かい合う形で男女5人と1()()が並び立つ。5人は全員、帝具とおぼしき武器を装備していた。

 右端から金髪の美青年、アカメに良く似た小柄な少女、不気味なマスクの巨漢、闘技場で審判役をしていた黒髪の青年、眼鏡をかけた白衣の男という順番。

 見覚えがあるのはマスクの巨漢とアカメに似た小柄な少女。この二人はナイトレイドの要排除対象リストに載っているボルスとクロメで間違いない。

 そして、1体は先日公園で交戦したセリュー・ユビキタスに良く似た全身白色の人形?だった。皮膚に生物的質感があるものの、微動だにせず。胸に拳大の赤い球体を埋め込まれ、両腕は銀色のプロテクターで覆われている。機械の眼球からは何の感情も読み取れない。

 

「隊長、その人は一体何者なんですか? 隊長と互角に戦えるなんて尋常じゃありませんよ」

 

 青年が一歩前へ出て疑問を口にする。

 

「互角ではないぞ。キリカの実力は私を上回っている」

「い、いえ。殆ど互角だったと思いますが………」

「謙遜するな、それは帝具の能力込みの話だろう。剣技、体術どれをとってもお前の方が優れている。今は、な」

「………」

 

――今は、ですか。

 

 ゾクリッと背筋が寒くなった。エスデスは未だ成長限界を迎えていない感じがする。彼女自身が位階_()の領域へ辿り着いたなら、帝具の力も相まってその戦闘力は下手をすると………。

 

「隊長より強いって、嘘だろ」

 

 青年が信じられないといった様子で目を見開く。他の4名も同様の反応をしていた。

 

「私はキリカをイェーガーズにスカウトしたいのだが、まだ良い返事を貰えていなくてな。そこで、お前達には是非ともこの部隊の面白さを伝えて欲しい」

「………」

 

 私の興味を引きたいのは分かるが、警察部隊に面白さを求めるってどうなんだろうか。

 隊員達もエスデスの無茶振りに戸惑っている。そのうちなんやかんやで自己紹介から、という流れになった。

 先ずは所作の一つ一つに上品さが滲み出ており、高い教養の持ち主である事を伺わせる金髪の美青年のラン。続いて特にこれといった特徴はなく普通な感じがする黒髪の青年、ウェイブ。おねぇ口調に厚化粧の白衣の男、Drスタイリッシュ。更にボルス、クロメと紹介が行われ、最後に白い人形………異国で見たアンドロイドのようなモノが口を開く。

 

「ワタシハ、S.V2(エス,ブイツー)アク、ヲ、センメツ、シマス」

「えっと、そのロボットもメンバーなんですか?」

「ロボットじゃないわ。セリュー・ユビキタス、こんな見た目になっちゃったけど、れっきとした人間よ」

 

 平然と答えるDr。

 

「人間………まさか人体改造を!?」

「ええ、どうしても友達と師の仇を討ちたい、力が欲しいって必死に………正義の心だけで生きるって決めた彼女を止められなかったのよっ!!」

 

 ぶわっと大仰なリアクションで泣き始めるDR。

 

「………心があるようには思えないんですが」

「改造中の負荷で脳に障害が起きちゃってね。けど、セリューはそういったリスクも全部承知の上で施術を受けた。硬い決心と覚悟だったわ」

「………」

 

 覚悟………人としての身体を捨ててまで力を求めるというのは理解しがたい心境だ。

 一通り紹介が終わると隊員達は面白さを伝える手段について議論を始めた。いくら隊長命令とはいえ、実に真面目な連中である。関心しながら眺めていると、唐突に会議室の扉が開く。

 

「エスデス様、ご命令にあったギョガン湖周辺の調査が終わりました……」

 

 兵士が入って来てエスデスへ書類を手渡した。

 

「このタイミング……丁度いいな。お前たち、初の大きな仕事だぞ。最近、ギョガン湖に山賊の砦が出来たのは知っているな」

「テイト、キンコウ、アク、ノ、ソウクツ、デス」

「うむ、ナイトレイドなど居場所のつかめない相手は後回し、先ずは目に見える賊から潰していく」

「隊長、敵が降伏してきたらどうします?」

 

 ボルスが尋ねる。

 

「降伏は弱者の行為……そして弱者は淘汰されるのが世の常だ」

「つまり、殲滅して良いってことだよね」

 

 気負った様子もなく言うクロメ。

 

「ああ、一人あたり最低数十人は倒して貰うぞ。これからはこんな仕事ばかりだ。皆、きちんと覚悟は出来ているな?」

 

 エスデスの問いかけに隊員達が各々決意表明をしていく。

 

「………」

 

 そんな中、卓上に置かれた先程の書類が目に留まった。手に取ってパラパラ捲ってみれば、敵の人数やアジトの構造等が細かく記載されている。更に、山賊どもは周辺の集落を次々襲い、略奪や殺戮を繰り返しているらしい。ナイトレイドの標的になってもおかしくない連中だ。

 

「ターゲット、ノ、トウロク、カンリョウ、シマシタ」

「皆迷いがなくて大いに結構………そうでなくてはな」

 

 5人と一機の決意表明を聞いて、満足げに頷くエスデス。

 

「キリカ、お前も付き合え。出撃するぞ」

「………」

 

 ナイトレイドと敵対する可能性の高い新設部隊の実力、見定めさせて貰うとしよう。

 イェーガーズ一行に同行する形で帝都から早馬を駆ること二時間半。ギョガン湖の畔へ到着すると、静かに波打つ湖面には大きな満月が映り込んでいた。頭上を見上げれば、雲一つない晴天の夜空が広がっている。そして、湖の西側は小高い丘陵地帯になっており、分厚い外壁に囲まれた砦が築かれていた。

 早速、隊員達は各々の判断で行動を開始。敵勢力の殲滅を目的に砦へ向かって行く。私とエスデスは付近一帯を一望出来る場所で観戦する事にした。

 周囲の空間から長い砲身を取り出し、派手な迫撃で先陣を切るS.V2。気配を消して砦内へ侵入するクロメ。砦の反対側へ回って火炎を放つボルス。宙に浮んで天使のような翼から鋭い羽根を降り注がせるラン。

 山賊達は碌な抵抗も出来ず瞬く間に殺されていく。

 

「中々の働きだな、殲滅速度も悪くない」

 

 蹂躙劇を眺めながら満足そうに頷くエスデス。

 

「あの、エスデスさんはどうやって今の強さを身につけたんですか?」

 

 ふと、気になって聞いてみる。

 

「私は狩猟民族の出身でな、幼い頃から狩りを続けていたら自然と強靭な肉体と闘い方が身に付いていた」

「じゃあ、サーベルの扱い方とかもご自分で?」

「ああ、誰かに師事を受けた事はない」

「それは本当に凄いですね」

 

 私でさえ、武の根源へ至るまでには様々な達人の動きを礎にしている。ただの人間が独力で位階_㯃へ至る偉業。人智を超えた才能の塊としか言いようがない。

 

「そう言うお前はどうなんだ?」

「私は視て学んだ集大成みたいな感じですよ」

 

 どんな武術、どんな剣技も私の瞳で視れば最適解を導き出せる。

 

「確かに、お前の動きは複数の武芸の長所が内包されているようだった。集大成というのも納得がいく」

「ところで話は変わりますが、何故あなた程の実力者がオネスト大臣に従っているんですか?」

 

 思いきって突っ込んだ質問をしてみた。

 

「別に私は奴の下についてるわけではないぞ。互いの利害が一致しているだけだ」

「利害?」

「オネストの傍にいれば、狩り場に困らないからな」

「狩りって………もしかしてあなたは人間を狩猟の対象と見ているんですか?」

「危険種は十分に狩り尽くして飽きた。お前のような強者のいる人間の方が面白い」

「意思や願いを持つ人間と危険種は違います」

「違わんさ。人間も弱いものから捕食されていく生物に過ぎん」

「人間にとっての強さとは単なる個性の一つです。人は互いに出来る事、出来ない事を補い合って生きています」

「力で屈服させてしまえば、その人間が持つ技能も手に入る。いつの世も強者が全てを支配するだけだ」

「それでは支配された弱い人々が幸せになれません」

「弱い者の幸せ? おかしな事を言う」

「人は本来、誰しもが幸せになる為に生まれてくるんです。弱者も強者も関係ありません」

「下らん。下らん上につまらん考え方だな、キリカ。お前は私と同じく絶対的な強者だ。自然淘汰される弱者のことなど」

「気に掛けるな、とでも? 貴方が言うところの()()()()()()()()()弱者の救われる世界を望んでいるんです。誰にも文句は言わせない。エスデスさん………弱者を蹂躙するのは楽しいですか?」

 

 この先は尋ねない方が良い。そう分かっていながら聞いてしまう。

 

「楽しいぞ、強者との闘いと同じくらいにな。まだまだ、試していない蹂躙方法が五万とある」

「貴方は、争いがずっと続けば良いと考えている」

 

 だから憎しみを植えつけた人間を敢えて逃したりもする。

 

「その通りだ」

「仮に帝国から火種が消えたらどうします?」

「別の土地へ行って戦いを探すか、生み出すか、そのどちらかだろうな」

()()()()、やはり貴方は………」

 

――生きていてはいけない人です。

 

 ラバックから得た情報通りの………いや、それ以上にタチが悪い。快楽を満たす為だけに強大な力を弱者へ振るい続ける。存在自体が余りにも邪悪な戦闘狂。

 

「キリカ、ここでいきなり再戦という訳か?」

 

 私の殺気を感じ取り、サーベルに手を掛けるエスデス。

 

「………」

 

 己が身を顧みず始末すべき相手。この瞬間、鬼神顕現を使い全霊の一撃を放てば恐らく決着が付く。エスデスの反応速度を持ってしても初見で位階_()の速度域へ対処する事は不可能なはず。

 だが、いずれ後悔すると分かっていても先ほど庇われた借りを返さずにはいられない。これだけは譲れない私の信念。外道相手と言えど恩を仇で返すのは仁義に(もと)る。あの時、ブドーと二人がかりで闘いを挑まれていたら私の旅は間違いなく終わっていたのだから………。

 

「私は一向に構わんぞ。部下たちにも手出しはさせん」

「いいえ。今日はやめておきます」

 

 手前勝手な理屈だが、殺せる状況であるにも関わらず見逃した。その事実を持って借りを返した事にさせて貰おう。

 

「それだけの殺気を振り撒いておきながらよく言う」

「すみません、気のせいという事にして下さい。貴方とは馬が合いそうに有りませんから、部隊への参入はお断りしてこの場は失礼します」

「私をここまで昂らせてくれたんだ。何処にも行かせはせん」

「身体能力は私の方が上。貴方といえど本気で逃げに徹する私を捕える事は出来ませんよ」

「それは、やってみなければ分からんな」

 

 自身の周囲に氷矢を展開するエスデス。

 

「不毛な事はやめましょう。心配せずとも私はもう一度貴方の前に現れます。決着をつける為に………」

「ふむ………なら良い。私も色々と試しておきたい事が出来たからな。再戦を楽しみに待つとしよう」

「………」

 

――ただし、望むような闘いが出来るとは思わない事です。

 

 私は始末屋。次に相対した時はどんな手段を使っても息の根を止めてみせる。

 数秒、無言で視線を交わした後、縮地を起点に加速。警戒を怠らずエスデスの前から走り去った。




余談。
セリュー魔改造。胸に埋め込まれた赤い球……なんとなくウルト○マンっぽくなってしまいました。弱点部分含めて。

そして、キリちゃん報酬は?

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