仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編 作:風人Ⅱ
―TIME学園―
そして場所は戻り、怪人の大群を振り切ったディケイドとクロノスはネオアポロガイストとオーガ(まだルーミアに噛みつかれてる)の下に辿り着いていた。のだが……
クロノス『――ククク……あっはははははははははははははははは!!!』
オーガ『ぷっ……くくくっ……!』
ルーミア「笑うのかー」
『……あー?』
――何故か、腹を抱えて大笑いするクロノスと必死に笑いをこらえようとするオーガと頭に噛みついているルーミア、どう突っ込めばいいのか分からないネオアポロガイストの姿が其処にあり、そして……
Dブレイド『…………ちっくしょうがあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!!!』
Dブレイドに変身したディケイドがたぶん泣きながら叫び、地面に拳を打ち付け崩れ落ちていた。
何故こんな事になっているのか?それはDブレイドに変身したディケイドが使用したカードに問題があった。
そのカードと言うのが……
【アタックライド―――オンドゥルルラギッタンディスカー!!】
【アタックライド―――ウゾダドンドコドーン!!】
【アタックライド―――ウェエエエエエエエイ!!】
……爆笑でした。
Dブレイド『おのれぇぇっ……刹那ぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!』
またしても台詞叫ぶだけで何の役にも立たないカードを使わされ、此処にはいないブレイドの世界の刹那に怒りを覚える(とばっちり)Dブレイドなのだった。
『……ん、んんっ!ディケイド、クロノスよ!ここが貴様らの墓場だ!』
オーガ『んっ!……その通りだ』
ルーミア「そーなのだー」
取りあえず空気を戻そうとわざとらしく咳ばらいしながら、ネオアポロガイストは背後から巨大な魔化魍……正史の響鬼が倒したモノより更に数倍巨大化させたオロチを呼び出した。
クロノス『うわ……コイツはまたでけーな』
Dブレイド『……敵にまで気を遣わせるとか……何だこの言葉にし難い屈辱的な感情っ……』
クロノス『おい黒月、いつまでも凹んでねぇで、何かアレに対抗できるカードとかないのか?』
Dブレイド『は?あー……あるにはあるが……使ってから暴走とかするなよ?』
クロノス『は?』
あまり乗り気ではなさそうにそう告げるDブレイドの言葉に頭上に疑問符を浮かべるクロノスだが、Dブレイドはディケイドへと戻りながら立ち上がって左腰のライドブッカーから絵柄が消えた三枚のクロノスの力を秘めたカードを取り出すと、三枚のカードの絵柄が蘇り、その中から一枚抜き取ってドライバーに装填しスライドさせていった。
『FINALFORMRIDE:C・C・C・CLONOS!』
ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』
クロノス『うん?おい何を―ドンッ!―おわっ!?』
電子音声と共にディケイドがクロノスの背後に回って背中を開く動作をすると、クロノスは空中に浮かびながら体中を変形させていき、黄金に輝く巨体の龍……嘗て魔界城の世界でも使用したクロノススペリオルに超絶変形していったのだった。
クロノス(S)『グルルルルッ……(スゲぇ……力が湧いてくる……が、気を抜くと理性が飛びそうだ)』
ディケイド『そのまま理性を留めておいてくれよ?……アンタまで暴走されたらこの街が消え兼ねんし……』
以前ホルスとシリウス達にファイナルフォームライドを使用した際、巨大過ぎる力を制御出来ずに暴走した例がある為に、この時代の幸助にファイナルフォームライドを使うことに若干躊躇ったのだが、クロノススペリアルの様子を見る限り暴走の心配はなさそうだ。内心ホッと一息吐きながらクロノススペリアルにそう告げると、ディケイドは更にカードを一枚取り出した。
ディケイド『よし、行くぞクロノス!これが俺とお前の力だ!』
クロノス(S)『ガアアアアアアアアアアッ!!(理性が消える前にケリを付けてやる!)』
クロノススペリアルが翼を羽ばたかせながら咆哮を上げるその横で、ディケイドは取り出したカードをディケイドライバーに投げ入れスライドさせた。
『FINALATTACKRIDE:C・C・C・CLONOS!』
バックルから響き渡る電子音声と共にディケイドがクロノスの頭部へと飛び移ると、ライドブッカーをガンモードに切り替え、オロチに照準を定めながらライドブッカーの銃口とクロノススペリアルのアギトに膨大なエネルギーを収束させていき、そして……
ディケイド『食らえ!エンド・オブ・スペリオル――!!』
クロノス(S)『グルゥアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!(ブレイカアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーッッッ!!!』
―バシュウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!―
「グッ……グギャアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーッッ!!?」
―チュドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーオォンッッッ!!!―
ディケイドのライドブッカーの銃口とクロノスのアギトから放たれた二つの砲撃が一つとなって更に巨大となり、オロチに直撃しそのまま胴体を貫いたのだった。そうして胴体を貫かれたオロチは凄まじい断末魔を上げながら、粉々に爆散し跡形も残さずに消滅したのであった。
『ば、馬鹿な?!最強の魔化魍が?!』
オーガ『あー……やべえなコレ、完全に負け戦だろ……』
ルーミア「そーなのだー」
どうやら今倒されたオロチが切り札だったと思われるネオアポロガイストの反応から、オーガは今の戦況が不利と悟りどうしようかと迷っていた。
自分にはもう後がないので失敗は許されない、戻ればどんな処罰が待っているかも分からない。
かといって、此処で逃げれば裏切り者扱い。
オーガ……真也は自分の目的の為にも、まだ死ぬわけにはいかない。
その時だった……
ルーミア「わはー!逃げるのだー!夜符『ナイトバード』!!」
オーガの頭に噛みついていたルーミアがスペルカードを発動させ、オーガごと自分を闇で包み込んだのだった。
オーガ『お、お前?!っておわあああああああああああああっっ!!?』
その直後にオーガの足元にスキマが出現してルーミア共々その中へと落下してしまい、闇が晴れた後にはオーガとルーミアの姿は何処にもなかった。
幸助「……何だったんだ一体?」
ディケイド『逃げたのか?……ま、この状況じゃ無理もないか』
突然のことだった為に反応出来なかった幸助(FFRが解けた時に変身も解除された)の隣で溜め息と共にそう呟き、ディケイドはゆっくりと一人残されたネオアポロガイストに目を向けた。
『……はっ!?置いてかれた!?』
漸く今の自分の置かれてる状況に気付き、ネオアポロガイストは流石に不味いと判断してその場から慌てて逃走しようとするが……
―ズギャアァンッ!!―
『ヌオォッ?!』
何処からか放たれた銃弾がネオアポロガイストの足元に撃ち込まれ、逃げようとしたネオアポロガイストの動きを止めたのであった。そしてそれが放たれた方に一同が振り返ると、其処には、ディエンドライバーを構えながらゆっくりと歩み寄って来るディエンドの姿があった。
『ディエンド?!貴様ぁ!』
ディエンド『おいおい……此処までの騒ぎを起こしておいて、今更逃げられると思ってるのかい?』
幸助「そっちの青いのの言う通りだな。この俺に不意打ちなんてしたんだ、ただで帰すハズねぇだろ?うん?」
『ぬ、ぬぅぅっ……!』
ディケイド『(……最早、どっちが悪役かも分からんな、この状況……)―ブオォンッ!―……うん?』
幸助とその未来の弟子に挟まれて追い詰められるネオアポロガイストを見てそんな事を考えていた中、ディケイドの左腰のライドブッカーから何も描かれていない一枚のカードが飛び出し、ディケイドの手の中に収まったと同時に何も描かれていなかったカードに一人のライダー……未来の幸助が変身するメモリーの絵が浮かび上がった。
ディケイド『このカードは……?』
突然飛び出したメモリーのカードに驚きながら、取りあえず使ってみようとディケイドがバックルにカードをセットしようとした直後、ディケイドの前を何かが横切りカードを奪われてしまった。その何かとは……
ディエンド『止めたまえ零、君にはまだそのカードは使えない』
ディケイド『海道?!』
ディケイドからメモリーのカードを奪った何か……ディエンドはディケイドに奪ったメモリーのカードを見せながらそう言うと、そのままカードをドライバーに装填しスライドさせた。
『KAMENRIDE:MEMORY!』
ディエンド『ふっ!』
―バシュンッ!―
ディエンドがドライバーの引き金を引くと、銃口から撃ち出された銃弾が幸助の隣で無数のビジョンと化し辺りを駆け巡り、一カ所に集まって一人のライダー……ではなく、一人の青年となって姿を現した。
幸助と瓜二つで、黒髪黒瞳の青年……。
その見覚えがあり過ぎる顔に、ディケイドは思わず後退りしながら驚愕を露わにした。
ディケイド『まさか……幸助っ!?』
幸助「え?俺……なのか?」
そう、彼等の前に現れたのは未来の……断罪の神時代の天満幸助だったのである。ライダーではなくその本人を呼び出されて驚愕してしまうディケイドと、自分と同じ顔をした人間の登場に呆気に取られる幸助だが、ディエンドに召喚された未来の幸助はそんな反応を気にも止めず過去の自分と向き合った。
幸助(未来)「……過去の俺、夢で話したことを覚えているな?」
幸助「夢……?あ……お前あの時の……?」
夢……。
それは幸助が気絶しているときに見た夢の事。
もう一人の自分が闇の中に現れ、自分にある事を伝えて消えた。
それは……
幸助「『自分を信じろ』……だろ?」
幸助(未来)「そうだ……ならもう言葉は必要ないな」
幸助「ああ……そうだな!」
力強く幸助が未来の自分に頷けば、幸助(未来)もまた無言のまま過去の自分に向けて頷き返し、二人は肩を並べながらそれぞれの腰にベルトを召喚し別々に構えを取った。そして……
幸助&幸助(未来)『変身っ!!』
『CHANGE UP!MEMORY!』
『GATE UP!』
高らかに叫ぶと共に、二人の身体を光が包み込みそれぞれ別々の姿のライダーに変身していったのだった。過去の幸助はクロノスに、未来の幸助はメモリーに。変身を終え肩を並べた過去と未来の幸助を前に、ネオアポロガイストも思わず後退りして怯んでしまう。
クロノス『さあ!テメエを弄り倒すぜ!』
メモリー『断罪の時間だ!その命貰うぞ!!』
『お、おのれぇっ……!!いでよ我が同士達っ!!』
それぞれの愛剣を手に決め台詞を叫ぶ二人のライダーを忌ま忌ましげに睨みながら、ネオアポロガイストはマントを翻して背後に歪みの壁を出現させ、数十体の怪人を出現させた。しかし先程の大群に比べその数と質は明らかに格段に落ちており、この最悪タッグを相手にするには弱小過ぎると、ディケイドとディエンドは揃って溜め息を吐きながらクロノスとメモリーの両脇に立った。
ディエンド『大事な場面でまた致命的なミスをしたね?この人達を相手にするのならもっと強力な怪人……いや、どうせ結果は変わらないか』
ディケイド『同情はせん……が、骨ぐらいなら拾ってやるから、安心して逝け』
『え、ええい!黙れっ!!』
『ウオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
最早向こうに勝ち目は薄いと悟っているディケイドとディエンドの言葉に怒鳴り声を荒げ、自暴自棄気味に怪人達を差し向けるネオアポロガイスト。それを見たメモリーとクロノスも同時に駆け出し、ディケイドとディエンドもそれに続く様に怪人の大群へと突っ込んでいくのだった。