仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編 作:風人Ⅱ
―尾張国境・荒野―
―ドバババババババババババババババアァッ!!!!ドグオオォォンッ!!!!ドッガアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアァァンッッッッ!!!!!!―
「怯むなぁッ!!!突き進めぇええええええええええッ!!!天下の頂は我等に在りぃいいいいいいいいいいいいいいッ!!!」
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!」」」
『『『ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』』』
邪武者ディケイド軍の乱入により火蓋を切って落とされた天下分け目の三つ巴。戦場は既に信長と秀吉の連合軍の兵達、家康軍の兵達、そして邪武者ディケイドが生み出して従える怪人達が入り乱れて乱戦になり、爆発と銃弾が飛び交い激闘と化しつつあった。
「うぉおおりゃあぁッ!!―ドゴオォッ!―ごはあぁッ?!」
「邪魔よッ!!怪我したくなかったら下がってなさいッ!!ハアァッ!!」
―ズシャアァッ!!―
『ギャアァッ?!』
天神『チィッ!一体何がどうなっているんだこの世界はッ?!ハッ!!』
そんな中、黒い少女は刀を振り上げて襲い掛かってきた家康軍の武士達にクロノスブレイドの峰の部分を叩き込んで吹っ飛ばしながら瞬時に刃を返して怪人達を切り捨てていき、その背後には家康軍の武士達を気絶させて戦場の外に放り投げつつ桜雪でファンガイアを切り裂き、無双セイバーで銃撃してグロンギを吹っ飛ばす天神の姿もあった。更に……
家康「でぇええああああああああああああああッ!!」
信長「ハッ!!」
―ガギイィィィィィィィィィィィィインッ!!!―
連合軍が武将の一人である信長、そして自身の愛馬に乗り換えた家康軍の大将の家康はお互いに馬を戦場に走らせ、すれ違い様に刀と刀をぶつけ合わせ激突している姿があった。しかし、二人が振り下ろした互いの刀は二人の頚を落とすまでに至らず、信長の頬が切れて流血し、家康の白い髪がパラパラと落ちていく。
家康「ッ!いい加減にしろ信長ッ!貴様っ、いつまでそうやって手を抜くつもりだッ?!」
信長「……別に手を抜いているつもりはないのだがな。単に貴様が力み過ぎてるだけではないか?昔から刀の扱い方が下手だったろ、貴様?」
家康「喧しいわッ!!だったらこれでどうだッ?!」
―ジャキッ!ズガガガガガガガガガガガガッ!!―
信長「!チッ……!」
『グァッ?!』
『ヌァッ?!』
呆れ気味に溜め息を吐いた信長の言葉が癪に障ったのか、家康は背中に担ぐ火器の中からサブマシンガンを取り出して銃口を突き付け信長に向けて乱射し出したのである。それを目にした信長は咄嗟に愛馬を操って銃弾を避けていき、信長にかわされた銃弾はそのまま背後から信長に襲い掛かろうとした怪人達へと直撃し吹っ飛ばしていく。そして……
邪武者ディケイド『ヌゥエアァッ!ハッ!』
―ガギイイィィッ!!ガギッ……グガアアァンッ!!―
ディケイド『グウゥッ?!グッ、クソッ……!!』
戦場の中心では、秀吉の傍に付き従う武者キャンセラーを目指す邪武者ディケイドを零が変身したディケイドが食い止めようと試みていたが、邪武者ディケイドの圧倒的な戦闘力の前に圧されてしまい、赤いライドブッカー……ブラッドライドブッカーで何度もボディを切り刻まれ吹き飛ばされてしまっていた。
邪武者ディケイド『……どうした?その程度の力しか持たぬ分際で我が前に立ち塞がったのか、貴様は?』
ディケイド『チッ……他の武者ライダーを散々喰らっておいてよく言うっ……!』
強気な態度を崩さずライドブッカーを構え直しながら態勢を立て直し邪武者ディケイドを睨むディケイドだが、その心中では焦りを浮かべていた。
邪武者ディケイドは確かに以前一度戦った時より遥かに力を増しており、単純な力押しの勝負など正面からでは通じない。
それを感じ取り邪武者ディケイドと一定の距離を保ちつつどう戦うべきかとディケイドが思考を駆け巡らせる中、邪武者ディケイドはジリジリとディケイドへと迫りブラッドライドブッカーで再び斬り掛かろうとした、その時……
『Explosion!Now!』
邪武者ディケイド『―――ッ!!』
―チュドオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーオォォンッッッッ!!!!―
ディケイド『ッ?!これは……?』
何処からか突然電子音声が響き、それと同時に邪武者ディケイドに朱い魔法陳が浮かび上がり大爆発を巻き起こしたのだ。その見覚えのある爆発の中に呑まれた邪武者ディケイドを目にしディケイドが驚いていると、武士達と怪人達が戦っている混戦の中からトランスと聖桜が飛び出してきた。
聖桜『無事ですか、零!』
ディケイド『!お前ら……。良いのかよ?敵軍の武者ライダーを助けるような真似なんかして?』
トランス『皮肉なんか言ってる場合じゃないでしょうッ!いいから今の内に早く態勢を立て直して―……ブザァアアアアアッ!!!!―……ッ?!』
先の件で拗ねる様に皮肉を口にするディケイドに態勢を立て直すように促すトランスだが、その時、邪武者ディケイドを飲み込んだ爆炎が内側から斬り裂かれて霞のように消え去ったのである。そして爆炎の中から、全身に炎の様に揺らめく赤黒いオーラを身に纏った無傷の邪武者ディケイドがその姿を現した。
聖桜『ッ!こちらの魔法が効いていない?!』
邪武者ディケイド『何人集まろうとも同じ事だ……纏めて黄泉へと墜ちるがいいッ!!』
―シュブォオオオォッ!!ブザァアアアアッ!!!―
トランス『?!速っ―ガギイィィィィッ!!―ウアァッ?!』
ディケイド『ッ!なのはッ!!―ズシャアァッ!!!―グアァッ!!』
そう言いながら邪武者ディケイドは全身に身に纏った赤黒いオーラの能力なのか目にも留まらぬ速さで一瞬でディケイド達の間に姿を現し、赤黒いオーラを刃に纏ったブラッドライドブッカーを振るってディケイド達を次々と斬り飛ばしてしまったのだ。
そしてディケイドが何とか反撃し邪武者ディケイドと鍔ぜり合いになる中、地面を転がりながら咄嗟に態勢を立て直したトランスはライドブッカーからカードを取り出しバックルにセット、聖桜は左手の指輪を取り替えバックルに翳していく。
『KAMENRIDE:SEI-O!』
『rekkuu now!』
『byuu!byuu-byuu-byuu-byuu!』
T聖王『ヤアァッ!!』
聖桜RS『ハッ!!』
―ガギイィンッ!!ガギイィィィィッ!!―
邪武者ディケイド『ヌゥッ?!デェアァッ!!』
二つの電子音声が重なって響き渡ると共にトランスはホーリーフェアリスを手にした聖王、聖桜はレックウスタイルに姿を変えながら邪武者ディケイドへとそれぞれの武器で斬り掛かってディケイドから引き離していき、ディケイドもそれを見て二人に続こうとライドブッカーを構え直すが、その時……
『――零ッ!!』
ディケイド『……ッ?!』
不意に背後から名を呼ばれ、ディケイドは足を止めて背後へと振り返る。すると其処にはこちらに向かって駆け寄ってくる二人組……天神と黒い少女の姿があった。
ディケイド『木ノ花……!』
天神『やっと見付けたぞっ……!説明してくれ!これは一体どういう状況なんだ?!』
ディケイド『は?あぁ……この状況については色々と話が長くなるから追い追い説明する……というかそれより、何でお前が此処に?』
天神『何でって、君達を捜しに来たに決まっているだろう!急にいなくなるから心配して気配を頼りに来てみればこんな戦国みたいな世界に辿り着くし、着いたら着いたでいきなりこの娘に襲われるわ……!』
「だから、それに関してはごめんって……」
ディケイド『……?誰だ、そいつ?』
此処に至るまでの苦労話を語る天神の脇に立つ小さな少女の存在に漸く気が付き、怪訝な表情で問い掛けるディケイド。だが黒い少女はそれに対して無言のままクロノスブレイドの切っ先をディケイドの後ろに向け……
「私については取りあえず、今は敵じゃないって理解してくれれば十分よ。それより……アイツをどうにかする方が先じゃない?」
―ガギイィィィィィインッ!!!―
T聖王『キャアァッ!』
聖桜RS『クッ!』
ディケイド『ッ?!二人共ッ!』
黒い少女が忠告した直後、邪武者ディケイドと戦っていたT聖王と聖桜が三人の前にまで地を転がるように吹っ飛ばされ、更にT聖王と聖桜はダメージで強制的に通常形態に戻ってしまったのだ。
そしてディケイドと天神が慌てて二人へと駆け寄って身体を抱き起こしていくと、トランスと天神を吹っ飛ばした邪武者ディケイドがブラッドライドブッカーを振りかざし四人に再度斬り掛かろうとするが、それを阻むように黒い少女が飛び出し邪武者ディケイドの剣を受け止めた。
―ガギィッ!!―
邪武者ディケイド『ッ!貴様ッ……!』
「さっきは良くもやってくれたわね?借りは倍にして変えさせてもらうわッ!」
啖呵を切る様にそう叫ぶと共に、黒い少女はクロノスブレイドで邪武者ディケイドのブラッドライドブッカーを斬り払いながら巧みな剣技で斬り掛かっていき、その間にディケイドと天神の手を借りて立ち上がったトランスと聖桜は邪武者ディケイドと戦う黒い少女を見て疑問符を浮かべた。
聖桜『あの子は一体……?』
天神『私も詳しくは判らん。ただこの世界に着いてからいきなり勝負を挑まれたんだが……君達は知らないのか?特に零、ロリは君の専門だろう?』
ディケイド『誰がだッ!!ったくッ……まあ武者ライダーには見えんし……どちらかと言えば、ツカサや翔子と同じライダー少女に似ているような……というかあの剣からして、クロノスじゃないか?』
トランス『あっ、言われてみるとそうかも……でも、それ以外に何か誰かに似てない?あの声とか金髪とか……』
ディケイド『お前もか?実は俺も何かさっきからそんな感じがしてな……しかも嫌な方向で――』
「くッ!ちょっと!いつまで其処でボーッとしてんのよっ?!観戦してる余裕があるなら手伝ってっ!」
ディケイド『ッ!あ、あぁ分かってるッ!取りあえずアイツについて考えるのは後にするぞ……!』
トランス『う、うん!』
今はあの黒い少女の疑問に関しては後回しだと、そう自分に言い聞かせるようにディケイドはライドブッカーの刃を撫でてトランス達と共に邪武者ディケイドに突っ込んでいった。先ずは聖桜がウィザーソードガンで黒い少女と切り結んでる邪武者ディケイドとの間に割って入り、その後に続くようにディケイドと天神がライドブッカーSモードと桜雪で邪武者ディケイドに斬り掛かり、トランスがGモードに切り替えたライドブッカーを乱射させ邪武者ディケイドを怯ませた直後、黒い少女がすかさずクロノスブレイドで斬り付けて後退りさせていく。
邪武者ディケイド『ヌグッ?!クッ、小癪な……』
ディケイド『五対一で悪いが、こっちとしては何度もお前を見逃す訳にはいかないんでな……一気にケリを付けさせてもらうぞッ!』
『『『『ハアァッ!!』』』』
ディケイドが勢いよく地を蹴って邪武者ディケイドに再び斬り掛かったと共に、聖桜、天神、黒い少女が三方向から同時に踏み込み、トランスもライドブッカーの銃口を邪武者ディケイドに狙い定めて引き金に指を掛けた。が……
邪武者ディケイド『―――来い、シノビラーッ!!』
―シュバババババババババババババッ!!!―
「ッ?!」
ディケイド『何?!』
四方から邪武者ディケイドに仕掛けようとした直後、邪武者ディケイドが高らかにそう叫んだと共に邪武者ディケイドの足元の影から無数の影が飛び出してきたのである。そして無数の影は五人の前で忍者の怪人達……嘗て拓斗と守が倒したシノビラーとなって現れ、素早い動きでディケイド達に斬り掛かって来た。
天神『グッ?!何なんだコイツ等はッ?!』
聖桜『忍者の怪物っ……?こんなものまで隠し持っていたなんてっ―ズバアァッ!!―ウァッ!』
トランス『クッ!う、動きが読み辛いっ、キャアァッ!』
如何にも忍者らしい素早さとトリッキーな動きにより攻撃を当てる事が出来ず、シノビラー達に翻弄されて苦戦を強いられてしまうディケイド達。そして邪武者ディケイドはその隙にブラッドライドブッカーを左腰に納めると、両手に二本の同じ剣を何処からともなく出現させる。それは……
ディケイド『……ッ!あれは、約束された勝利の剣(エクスカリバー)ッ?!』
そう、邪武者ディケイドが両手に握り締めた剣の正体とは、仮面ライダーエクスが主要武器として使用する約束された勝利の剣(エクスカリバー)だったのだ。
しかしその外見はディケイド達が見慣れている黄金の剣ではなく、禍々しい漆黒の色に染められた魔剣と化しており、邪武者ディケイドはその両手に握り締めた二本の魔剣をゆっくりと頭上に掲げて一つにし、合わさった二本の魔剣は漆黒の輝きを放ち圧倒的な魔力を放出し始めたのだった。
―ギュイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!―
ディケイド『……マズイ……周りの兵達を避難させろッ!!!"アレ"を撃たれたら一たまりもないぞッ!!!』
その漆黒の光を目の当たりにして直感的に危険を感じ取り、ディケイドはライドブッカーでシノビラー達を退けながらトランス達や周りの兵達にも聞こえるように呼び掛けた。
ただでさえ高火力を誇るエクスカリバーがそれ単体でも十分脅威だというのに、それが二本となって合わさり、しかもこんな敵味方が入り乱れる戦場で撃ち込まれてしまえば大惨事となるのは目に見えている。
それをディケイド同様理解しているトランス達もそれぞれが戦うシノビラー達を払い退けて周りの兵達を慌てて避難させていき、ディケイドもすぐ近くの怪人を切り捨てて兵達を逃がしていく。
―ギュイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!―
家康「……ッ?!な、何だあれは?!」
信長「……アレは……」
秀吉「黒い、光……?」
そして、戦場の各所にて邪武者ディケイドが放とうとしているエクスカリバーの漆黒の輝きを信長達も目の当たりにして思わず戦闘を止め、各陣営の兵達もその光に気付きザワザワとどよめきが広がっていた。そうして……
邪武者ディケイド『―――約束された(エクス)……』
―ゾワアアァァァッッッッ!!!!―
信長「ッ?!!家康ッ!!伏せろッ!!!」
家康「は?―ガバアァッ!―ぬあぁっ?!」
武者キャンセラー『ッ!!姫様ッ!!お下がりをッ!!』
秀吉「?!キャンセラーッ?!」
邪武者ディケイドがボソリと放った一言。そのたった一言から言い知れぬ恐怖を遠くから感じ取った信長はすぐさま家康を強引に引っ張って地面に覆いかぶさり、武者キャンセラーも黒い閃光に背を向ける形で秀吉を抱き留め、そして……
邪武者ディケイド『勝利の剣(カリバー)――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!』
―ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアアアァァァァンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!―
冷徹に告げられた真名解放と共に振り下ろされた魔剣。それと共に漆黒の閃光が打ち放たれ、戦場は漆黒の光に飲み込まれてしまったのであった。