仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編   作:風人Ⅱ

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劇場版小説/仮面ライダー×仮面ライダー ディケイド&ツヴァイ NOVEL大戦Evole ディケイドパート⑧

 

 

―……ビュウゥゥゥゥゥッ……―

 

 

邪武者ディケイドが放った漆黒の閃光に焼き尽された戦場。周囲を覆い隠す程の白煙が立ち込め、肉が焼き焦げた嫌な臭いが鼻に付く……。そんな焼け野原と化した戦場一帯には、信長と秀吉の連合軍の兵達と家康軍の兵達が瀕死の状態で苦しみ悶えながら倒れる姿があり、その中には、変身が強制解除されたボロボロの零達の姿もあった。

 

 

零「――――…………ッ…………おいっ…………お、まえら…………無事かっ…………?」

 

 

魚見「―――ぅ……えぇ、何とかっ……」

 

 

姫「奴の周りに障壁を張って、どうにか威力を抑えたからな……私達は平気だっ……それよりも、君達は……?」

 

 

零「こっちは何ともないっ……俺よりもなのは、お前は―――なのは……?」

 

 

なのはの安否を確かめようと彼女の姿を探す零だが、其処で気付いた。先程まで近くにいた筈のなのはの姿が何処にも見当たらない。それに気付き零達が慌ててなのはを捜し辺りを見回していく中、彼らから少し離れた場所では……

 

 

「―――ん……ッ…………?私…………?」

 

 

零達や他の兵達と同様に、エクスカリバーの光に巻き込まれた黒い少女も其処で漸く目を覚ました。意識が戻ったばかり故に未だうつらうつらとするが、何やらズキズキと後頭部に鈍痛が走って頭を抑えると、彼女の右手に握られたクロノスブレイドが声を発した。

 

 

CB『漸く目を覚ましたか』

 

 

「ッ!クロノスブレイド?……私、確か……」

 

 

CB『あの邪武者ディケイドとやらが放った光の被害に巻き込まれ、意識を失っていたようだな。全く、まだまだ鍛え足りんようだ……取りあえず、其処の女を退かしてさっさと起き上がれ』

 

 

「……え?」

 

 

―ドサッ……―

 

 

何やら可笑しな発言をするクロノスブレイドの言葉に黒い少女が思わず上半身を起こそうとした瞬間、彼女の上から何かがずり落ちて真横に音を立てて転がった。それに驚いて黒い少女が振り返ると、其処には体中に傷を負った女性……変身が解けたなのはが気を失い倒れる姿があったのだ。

 

 

「っ?!この人……え……なの、は……?」

 

 

なのは「…………………………………ぅ…………………………」

 

 

CB『ふむ。どうやらお前があの光に飲み込まれる直前、咄嗟にお前を抱き留めて自分を盾にしたようだな。お前の見た目が子供だからと庇わずにはいられなかったのか……何にしてもお節介な奴だ』

 

 

「ッ!そんなこと言ってる場合じゃないでしょッ?!ちょっと、しっかりしなさいよッ!ねぇってばッ!」

 

 

呆れるように溜め息を吐くクロノスブレイドにそう言いながら黒い少女はすぐになのはに大声で呼び掛けて、彼女の身体を必死に揺さぶっていく。そして、また別の場所では……

 

 

 

 

 

 

―ピチャッ……ピチャッ……―

 

 

家康「―――貴様……何の真似だっ……?」

 

 

信長「……ッ……」

 

 

 

 

 

 

周りに重傷を負って苦しげに横たわる兵達の姿が見られる中、家康と信長の姿もその中にはあった。家康は服の所々が焦げてるぐらいで大した外傷はないようだが、それに対し信長はボロボロで、額から流れる血が家康の顔に滴り落ちていき、家康はそんな信長を睨み突き飛ばした。

 

 

信長「グッ……」

 

 

家康「何の真似かと聞いておるのだッ!貴様と余は敵同士だろうッ?!それなのに自らを傷付けて余を庇うなど……!貴様、余に情けを掛けるつもりかッ?!」

 

 

何処まで人に恥を掻かせれば気が済むのだと、倒れる信長を睨み付けて叫ぶ家康。しかしそんな家康を見て、信長もけだるげに上体を起こすと……

 

 

信長「別に……貴様に情けを掛けた訳ではない……ただ、貴様を此処で失えば我が困るから、貴様を庇っただけだ……」

 

 

家康「……何?」

 

 

家康を失えば信長にとって都合が悪いから助けただけ。その意味が分からず家康が訝しげな顔で聞き返すと、信長はそんな家康の目を真っすぐ見つめ返しながら口を開いた。

 

 

信長「貴様は、確かに空気は読めぬし、阿呆な奴ではあるが……国を纏め上げるその手腕や統治力、その他の才は我も買っておるのだ……そんな貴様の能力を、我はずっと以前から欲しいと思っていたぐらいだしな……」

 

 

家康「ッ……!何を馬鹿なこと……!」

 

 

信長「冗談でこんなことは言わぬさ……寧ろ貴様程の逸材を、このような場所で失うことの方こそ愚の骨頂だろう……っ……」

 

 

自分が欲しいと思っていた高い能力を持つ家康を此処で失いたくなかったが為に、家康を助けただけに過ぎない。激痛の走る身体を抑えつつそう語る信長に家康は戸惑い浮かべずにはいられなかったが、信長は構わず家康を見据えて語り続ける。

 

 

信長「なぁ、家康よ……確かに貴様の言う通り、我はこの国の古くからの様式や、しきたりを捨て去ろうとしている大うつけやもしれん……だがそれでも、我はもっと人間が進化していく様をこの目で見たいのだ……人の可能性が、この日ノ本という国を何処まで成長させ伸ばしていくのか……それを見届けたい……我と貴様、それに秀吉が組めば、それを形に出来るかもしれんとは思わんか……?」

 

 

家康「ッ……そんなことを言って、余が貴様の下に付くとでも思っているのかっ?」

 

 

信長「思っておらん……。だから戦で貴様を下そうという打算もあって、先の戦とこの決闘を受けたのだ……我が本気であることを示して、貴様を納得させ引き入れる……それまで貴様には、勝手に死なれては困るのだ……」

 

 

家康「ッ……貴様……」

 

 

本当に何処までうつけなのかと、家康がそう告げようと言い掛けた、その時……

 

 

 

 

 

 

「――キャンセラーッ!!しっかりしなさいッ!!」

 

 

信長&家康『……?!』

 

 

 

 

 

 

不意に背後から張り詰めた悲鳴が響き、それを聞いた信長と家康が驚愕して振り返ると、其処には二人から離れた場所でボロボロの姿で倒れ、右腕と左足が消滅してしまっている武者キャンセラーを抱き抱えながら必死に呼び掛ける秀吉の姿があった。

 

 

武者キャンセラー『ッ……姫様、お逃げ下さいっ……私の事など、お気になさらずっ……』

 

 

秀吉「何を言っているのッ?!馬鹿を言わないでッ!気をしっかり持ちなさいッ!急いで戻ればまだ――!」

 

 

 

 

 

邪武者ディケイド『―――生憎だが、ソイツは此処で渡してもらう』

 

 

 

 

 

秀吉「ッ?!―バシィッ!―ウアァッ?!」

 

 

信長「ッ!秀吉ッ!!」

 

 

武者キャンセラー『姫様ッ?!―ガシイィッ!―ウグアァッ?!』

 

 

瀕死の武者キャンセラーを肩で抱えて戦場から離脱しようとした秀吉だが、真横から飛び出してきた邪武者ディケイドが秀吉に平手を打ち込んで吹っ飛ばし、更に動けない武者キャンセラーの首を掴み持ち上げてしまう。

 

 

邪武者ディケイド『これで十五人……フフフッ、ハハハハッ!最後の一人、討ち取ったりィイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』

 

 

―バチバチバチバチバチィッ!!バシュウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーッッッッ!!!!―

 

 

武者キャンセラー『ウグッ?!ァ……ウゥグアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ?!!!!』

 

 

邪武者ディケイドが高らかに叫ぶと共に、武者キャンセラーは全身から青い火花が撒き散らしながら身体が捻れて邪武者ディケイドの腰に巻かれてる赤いディケイドライバー……ブラッドディケイドライバーに吸い込まれ、今までの武者ライダーと同様に吸収されてしまったのだった。

 

 

秀吉「ッ?!キャンセラァーッ!!」

 

 

邪武者ディケイド『……これでこの地上から、全ての武者ライダーが消え去った……天よォオッ!!天下はこの手に落ちたァアッ!!今こそ我が前に現せッ!!天下を支配する『力』をォオオオオオオッ!!!!!!』

 

 

 

 

 

―……ゴゴゴゴッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォオッッッッ………!!!!!―

 

 

 

 

 

信長「ッ?!何だ……空が……?!」

 

 

両腕を広げ、天に向かって邪武者ディケイドが高らかに叫んだと共に、先程まで晴れ渡っていた筈の青空が何処からともなく出現した暗雲に覆い隠されてしまう。その天変地異を目にして信長達が戸惑う中、暗雲の向こうで一瞬何かが煌めき、其処から一本の赤黒い刀が回転しながら飛来して邪武者ディケイドの目の前に突き刺さった。

 

 

家康「ッ?!アレは?!」

 

 

邪武者ディケイド『天下人だけが持つ事を赦された刀、"天将刀"……これで天下は我が物に……!』

 

 

ズブリッと、地面に深々と突き刺さった歪な形をした刃の赤黒い刀……天将刀の柄を掴んで抜き取り、まるで己が天下人である事を示すように頭上に刀を掲げる邪武者ディケイド。その時……

 

 

 

 

 

 

―ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……ドッッッゴオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオォォォンッッッッッッッッ!!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

それに呼応するかのように、突如地を揺るがす地響きと共に巨大な大地震が発生したのだ。その異常事態に周囲の兵達が恐れて尻込む中、遠方の山々が吹き飛び、その真下から巨大な物体……全長500mはあるだろう謎の大樹が姿を現したのであった。

 

 

秀吉「ッ……?!な、何、あれ……?」

 

 

邪武者ディケイド『フ……フフフフッ……漸くその姿を現したか、『神樹カーラーン』ッ!!さぁ、この世全てを我が手に治めさせろッ!!天下をこの手にィイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!』

 

 

―シュルルルッ……ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオォンッッッッッ!!!!!!―

 

 

天将刀を頭上に掲げて謎の大樹……神樹カーラーンに邪武者ディケイドがそう命じた瞬間、神樹カーラーンから無数の触手が伸長して大地を削りながら様々な方へ広がり始めたのだった。そうして、神樹カーラーンから伸びた無数の触手達は此処から離れた場所に位置する人里や村、更には信長達の町にまで拡大して建物を破壊し、人々を捕らえて取り込んでいってしまう。

 

 

蘭丸「そ、そんな、尾張が……私達の国がっ……!」

 

 

信長「ッ……!貴様ぁっ、止めろォオッ!!!」

 

 

自分達の国までもが触手に覆われていく光景を遠目で目の当たりにし、信長は地に転がる刀を掴んで邪武者ディケイドに向かって斬り掛かった。しかし、邪武者ディケイドは振り向き様に天将刀で信長の刀を安易く切り払って叩き落としてしまい、そのまま信長の首を掴み上げてしまう。

 

 

長秀「ッ!姫様っ!ぐっ、うぅっ……!」

 

 

邪武者ディケイド『さぁ、最後の仕上げだ。貴様には、あの神樹の成長の促進を手伝ってもらうぞ……』

 

 

信長「ウグゥッ!クッ、な、何だとっ?―ドゴォッ!―グッ?!ァ……ッ……」

 

 

神樹カーラーンの成長促進を信長に手伝わせる。その意味が理解出来ず、邪武者ディケイドの手から逃れようともがきながら苦しげに聞き返す信長だが、邪武者ディケイドはそれに何も答えず信長の腹を殴って意識を刈り取り、そのまま信長を肩に背負って神樹カーラーンへと跳び去っていってしまったのだった。

 

 

家康「?!信長?!」

 

 

勝家「姫様ぁあああああああああああッ!!!」

 

 

「―――勝家ッ!長秀ッ!秀吉ッ!」

 

 

信長を連れ去る邪武者ディケイドの後を追おうと勝家や長秀、蘭丸達が傷付いた身体を無理矢理動かして後を追おうとするもそれすら出来ぬ中、倒れる彼女達の下に零と姫と魚見、そして三人と合流したなのはが黒い少女の肩を借りて駆け寄っていく。

 

 

長秀「ッ……!零……!」

 

 

零「おい、大丈夫か……!何なんだあの馬鹿でかい樹は?!一体どういう状況だ?!」

 

 

秀吉「ッ……あの邪武者に、キャンセラーを倒されたの……そしたら、空から突然刀が振ってきて、奴がそれを手にしたら……」

 

 

勝家「あの大樹が現れて、我々の国やこの先の人里や村を襲い始めて……姫様がそれを止めようとしたら、奴は姫様を連れ去ってしまって……!」

 

 

零「なっ……信長を?!」

 

 

信長が邪武者ディケイドに連れ去られた。それを聞き零が目を見開いて驚愕していると、姫と魚見、そしてクロノスブレイドは無数の触手を未だ伸ばし続けてる神樹カーラーンを見上げて険しげな様子を浮かべていた。

 

 

姫「あの大樹……まさか、神樹か?!」

 

 

なのは「っ……?神樹?何か知ってるのっ……?」

 

 

魚見「ええ……一般的には神霊が宿ると伝えられてる木の事を指しますが、アレはそれとは違うもっと別の危険なモノ……恐らく条件付きで、他者の願意によってその願い通りに起動する願望機の一種でしょう……」

 

 

CB『しかもあの神樹……掛けられた願望は"天下統一"という形でしか顕現出来ない欠陥品のようだな。そら、見ろ』

 

 

―……ピシッ……ピシピシピシィッ……ガッシャアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーアァンッッッッ!!!!!!―

 

 

クロノスブレイドにそう言われて神樹カーラーンへと目を戻した瞬間、神樹カーラーンから伸びた触手達が何もない空に亀裂を入れて空間を破壊していき、その向こうに繋がってる次元の向こう側にまで無数の触手を伸ばしていく。

 

 

零「ッ?!次元の壁を破壊した?!」

 

 

「天下統一……もしかしてあれって、他の並行世界も含まれてるって事?!」

 

 

CB『恐らくな。まぁ、あの程度の神樹で何処までそれが出来るかは知らないが、少なくとも多くの並行世界はアレに支配されることになるだろ。どうやらアレは一度起動すれば、この世全てを自分が望む世界に塗り替えるまで止まらぬようだしな……』

 

 

なのは「そんな……!」

 

 

あの神樹カーラーンが統一しようとしてる天下はこの戦国世界だけでなく、他の並行世界まで侵食しようとしている。その驚異を聞かされた零達は驚きを露わにするが、とにかく今は一刻も速くあの神樹をどうにかしなければならないと我に返って秀吉達の前に立ち並んでいく。

 

 

零「要するにあの樹をどうにかして壊さないと大惨事になるって事だろっ、とにかく今はアレを『グゥオアァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』……ッ?!」

 

 

神樹カーラーンを止める為にディケイドライバーを腰に巻き付けて変身しようとする零だが、前方から獣のような雄叫び声が聞こえてそちらに振り向くと、其処には神樹カーラーンが聳え立つ方向から無数の怪人達が迫り来る光景があった。

 

 

姫「ッ!また大量の怪人か……!」

 

 

零「チッ、あのディケイドも中々容赦ないなっ……。魚見ッ!お前の治癒魔法で負傷した兵達を治療して、連中を避難させろッ!奴らは俺達が相手するッ!」

 

 

魚見「分かりました……!」

 

 

秀吉「ちょ、ちょっと待ってっ、まさか貴方達だけでアイツ等と戦うつもりなの?!無謀よ!貴方達もボロボロなのに、その上あんな数を相手になんてっ……!」

 

 

零「他に戦える奴もいないんだから仕方がないだろっ!お前等も魚見を手伝って兵達を安全な場所まで誘導させろっ!変身ッ!!」

 

 

『変身ッ!!』

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『KAMENRIDE:TRANS!』

 

『Soiya!』

 

『PEACH ARMS!Gouka☆kenran!』

 

『Gouka!Now!』

 

『Gou!Gou!Gou-Gou-Gou!』

 

 

零達自身もボロボロなのにあんな数を相手にするなど無謀だと訴え掛ける秀吉の声を振り切り、零達はそれぞれ変身動作を行ってディケイド、トランス、天神、聖桜へと変身していった。そして変身を完了した聖桜は右手のリングをヒーリングウィザードリングに取り替えて秀吉達や兵達の治療へと向かい、ディケイド、トランス、天神、黒い少女はそれぞれ武器を手にして神樹カーラーンから迫り来る怪人の大群に切り込んでいくのだった―――。

 

 

 

 

―NEXT STAGE ZWEI―

 

 

 

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