仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編 作:風人Ⅱ
―戦国世界・尾張国境近くの森―
―……ピシッ……ピシッピシイィッ……バリイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!―
「どぉおわぁああああああああああああああああああああああッ?!!!!」
「クッ……!」
尾張国境近くに存在する森の中。その上空に突如巨大な亀裂が空間に走って硝子のように崩壊し、その向こう側から二人の青年が落下し地上に叩き付けられてしまっていた。
「ッ~~~~!!イ、イッテェ~ッ……!!クッソォッ、何なんだよ一体ッ!!何が起きたんだッ?!」
「ッ……俺が知るか」
余程打ち所が悪かったのか、尻餅を着いたまま後頭部を抑え涙目になる青年……"鳴神恭司"を尻目にそう言いながら、もう一人の青年の"佐月影虎"は服の汚れを払いつつ立ち上がって辺りを見回していく。
影虎「……それにしても、此処は一体何処だ?見た所、元いた場所とは違うようだが」
恭司「っ……さぁな。いきなりあの変な穴みたいなのに吸い込まれちまった訳だし……あ、今俺達が落ちてきた穴は?!彼処を通れば元の場所に――!」
と、恭司はそう言いながら自分達が落ちてきた裂け目を探して空を見上げる……が、其処には既に二人が落ちてきた裂け目は塞がってしまっており、穴は何処にも見当たらなかった。
恭司「う、嘘だろォッ?!おい冗談にも程があるだろッ!!どうやって帰りゃぁ良いんだッ!!」
影虎「一々騒ぐな……帰る方法があの裂け目しかないとも限らん。地道に探すしかあるまい」
恭司「…………もしそれで見付からなかったら?」
影虎「此処で生きていくだけだ。此処が何処であろうと、俺は俺の強さで自らの道を切り開くのみだからな」
恭司「なにその前向き思考のポジティブ精神コワイ」
こんな異常事態にも関わらず全くブレない影虎に呆れやら何やら様々な感情が沸き上がる恭司だが、そんな恭司を置いて影虎は歩みを進めてズンズン先に進んでいき、恭司も慌ててその後を追い掛けて走り出した。その時……
―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァァンッッッッ…………!!!!!!!!!!―
影虎「……?!」
恭司「ッ!な、何だ、今の音?!」
二人が元の場所に帰る方法を探しに行動を開始しようとした直後、突如耳の鼓膜にまで響くような轟音が何処からか響き渡り、二人は思わず動揺し忙しなく辺りを見渡していく。そして、再度同じ轟音が鳴り響いて二人はその轟音が聞こえてきた方へと同時に駆け出し、森を抜けると、其処には……
影虎「……なっ……」
恭司「何だよ、コレ……」
森を出て恭司と影虎が真っ先に目にしたのは、有り得ないほど超巨大な謎の大樹の姿。そしてそのすぐ後に、その謎の大樹から伸びた無数の触手達が町や人里を襲い、その上空に自分達が落ちてきたのと同じ無数の裂け目を作り出してその向こう側へと根を張り巡らせ、その謎の大樹を止めようと無数の怪人達に挑むディケイド達の姿を目の当たりし、二人は言葉を失い絶句してしまうのだった。
『ディケイド&ツヴァイ NOVEL大戦Evole』
◇◆◇
―尾張国境・荒野―
『『『グルァアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』』』
長秀「クッ!第四波が来るわッ!!兵達の避難をもっと急がせてッ!!早くッ!!」
戦国世界に突如現れた謎の巨大樹・神樹カーラーンによる平行世界を含めた天下統一が開始され、更にその神樹カーラーンを操ってる邪武者ディケイドにさらわれた信長を助けに向かおうとするディケイド達だったが、迫り来る怪人の大群の襲来と負傷した兵達の避難が滞り、怪人達の足止めと撃退に足を止められてしまっていたのだった。
―ズシャアァッ!!―
『ギャアアァッ?!』
『ガァアアアアアアッ!!』
ディケイド『クソッ……!おいまだ兵達の避難は終わらんのかッ?!これ以上は本当に持たないぞッ!!』
トランス『クッ!それでも持たせるしかないよッ!!コイツ等を止められるのは今は私達しかっ、キャアァッ?!』
ディケイド『?!なのはッ!!クッソッ、退けえぇッ!!』
ライドブッカーGモードを使った遠距離攻撃でディケイドと天神を援護していたトランスの背後から、ドーパントが不意打ちでしがみついて動きを封じてしまい、それを見たディケイドも直ぐさまトランスの救援に向かおうとするが、その前にミラーモンスターとアンノウンが立ち塞がって邪魔してしまう。しかし、別の怪人を相手にしていた天神がそれを見て直ぐさま無双セイバーを投擲し、トランスの背中にしがみつくドーパントに突き刺していった。
『ギャアァッ?!』
トランス『!姫さん!』
天神『背後にも常に気を配っておくんだッ!動きを止めた隙に大群で押し寄せられたら一たまりもないぞッ!』
トランス『はいっ!ヤァッ!』
桜雪で怪人達を纏めて斬り裂く天神に頷き返し、トランスもドーパントの背中に突き刺さった無双セイバーを抜き取って飛び掛かってきたグロンギを斬り捨てながらライドブッカーを乱射させていく。そして、ディケイドと黒い少女もライドブッカーとクロノスブレイドで怪人達を確実に撃破し数を減らしていくが、更に神樹カーラーンの方向からまた新たな怪人達の大群が押し寄せてきてしまう。
「また増援ッ?!ほんっとにキリがないっ!」
ディケイド『ッ!このままじゃジリ貧にしかならないかっ……!お前等、此処を任せても大丈夫かッ?!』
トランス『任せてもって、どうするつもりなの?!』
ディケイド『あの樹の中に侵入するッ!コイツ等の出所の邪武者ディケイドを止めさえすれば、コイツ等の発生も止められる筈だッ!そうすれば……!』
天神『馬鹿を言うなッ!君一人を行かせられる訳ないだろうッ!行くならアマテラスとツクヨミになれる私か魚見が一緒に……!』
ディケイド『後ろにはまだ避難が済んでいない兵達が大勢いるんだぞッ!二人も抜ければコイツ等を足止めするなんて――!』
この怪人達の発生源である邪武者ディケイドを叩く為に、単身で神樹カーラーンへと攻め込むべきかで言い争うディケイド達。しかし……
『――その心配は入らんよ。貴様らにはもう暫く此処で、足止めを受けてもらうからな』
―バシュウゥッ!!!―
『ッ……?!―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
そんな四人に向けて、突如何処からか不意打ちで一発のエネルギー弾が放たれてディケイド達を吹っ飛ばしてしまったのだった。それに対しディケイド達もいち早く反応し直撃こそ避けたものの、爆風に耐え切れずゴロゴロと地面を転がってしまい、四人はふらつきながら身を起こして今のエネルギー弾が放たれてきた方に目を向けていく。すると、其処には……
―ジャリン!ジャリン!ジャリン!―
『――こちらの調子は上々か……予想外のアクシデントでアマテラスのベルトは手に入らなかったが、神樹が落ちたならば問題は無さそうだな』
ディケイド『……ッ?!お前はっ……!!』
トランス『アルゴゾディアート……アルペジオッ?!』
怪人の大群の中から、脇に玄武に酷似した一体の怪人を引き連れて杖に付いた鈴を鳴らしながら姿を現した一体の怪人……それは嘗て、零と祐輔達が戦って彼等を追い詰めた財団ケルベロスの第二位、"アルペジオ"が変身したアルゴゾディアートだったのだ。予想外の強敵の登場にディケイド達が驚愕を隠せずに動揺する中、アルゴゾディアートはそんなディケイド達に杖の先端を向け冷淡に告げる。
『悪いが、此処から先には通さんぞ破壊者よ。あの邪武者が天下統一を果たすまではな』
「ッ!何ですってっ?」
ディケイド『ッ……そうか……今回の件はやけに妙な部分が多いとは思ったが、お前達財団が一枚噛んでいたのか……!』
『好きなように解釈すればいい。どの道、貴様等にはもうあの神樹を止める事など出来ぬのだからな』
ジャリン!と、鼻を鳴らしながらアルゴゾディアートが地面に杖を突いた瞬間、アルゴゾディアートの頭上に無数のチャックが開いて裂け目が出現し、其処から無数のパンデミック、更にアルゴゾディアートの周囲に無数のシノビラー達が姿を現していく。
トランス『ッ!あの忍者の怪人は……!』
天神『あのディケイドが出していたのと同じ個体か……零の言う通り、連中が今回の件に関わっている線が濃くなってきたなっ』
『その様子では、既に此処までの戦いで疲弊し切っているのだろう……?その上でこれだけの数、貴様等に凌ぐ術はあるまい!』
―ジャリン!!―
『『『『ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!』』』』
アルゴゾディアートが一際力強く杖で地面を突いたと同時に、シノビラー軍団とパンデミック、今まで動きを止めていた無数の怪人達が一斉にディケイド達に目掛けて飛び掛かってきた。それを見て、やはり財団と邪武者ディケイドが繋がっているのだと確信して舌打ちし、ディケイド達も咄嗟に押し寄せて来る怪人達に迎撃していくが……
―ガギイィィィィッ!!―
『グルルゥッ……』
「なっ?!」
ディケイド『刃が通らないッ?!―ドグオォッ!!―グゥオッ?!』
先陣を切って襲い掛かってきた玄武の怪人……ゲンブジャキにライドブッカーとクロノスブレイドを叩き込むディケイドと黒い少女だが、ゲンブジャキの胴体に刃が打ち込まれた瞬間に大きく弾かれてしまい、その隙を突くかのようにディケイドに体当たりを噛まし、更に黒い少女の身体を軽々と持ち上げながら放り投げてしまったのだ。そしてトランスと天神も他の怪人達を蹴散らしながらアルゴゾディアートに挑むが、幻術を用いた戦法に惑わされて苦戦を強いられていた。
―バシュウゥッ!―
天神『ッ!コイツも分身か!』
トランス『クッ!相変わらず厄介なっ!』
『貴様ら如きが私に敵うとでも思っているのか?片腹痛いッ!!』
―ギュイイィィッ!ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーアァンッッッ!!!!―
『ッ?!グッ、ウアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』
聖桜『ッ?!皆さんッ!』
家康「なのはッ!」
アルゴゾディアートがトランスと天神に突き付けた杖の矛先が輝き、次の瞬間、ディケイド達に無数の爆発が襲い掛かり纏めて四人を吹き飛ばしてしまったのだ。後方で兵達の治療に専念していた聖桜はその光景を見て慌てて四人の下に駆け寄っていき、そんな五人にアルゴゾディアートが杖を突き付けながら怪人達を従えてにじり寄って来る。
『最早、貴様ら如きにどうする事も出来ん……聞こえないか?全てを終わりへと誘う、このメロディーが』
―………~~~~♪~~♪―
「……!な、何?この歌っ……?」
アルゴゾディアートの言葉と共に、何処からともなく聞こえて来る歌声。普通の人間が聞けば誰もが魅了されてしまいそうなほど綺麗なメロディーだが、しかし、その歌声には何処か言葉では言い表せない危険を感じる。そんな歌声を聞いてディケイド達が歌の発信源を探して辺りを忙しなく見回していくと、その時……
―…………ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ…………ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアアァンッッッッッッ!!!!!!!―
まるでその歌に感化されるかのように神樹カーラーンが活性化し、先程よりも更に多くの無数の触手が神樹から伸びて次元の壁を次々と破壊していき、他の平行世界を目指して浸蝕の速度を速め出したのだった。
聖桜『ッ?!神樹が更に活性化した?!』
トランス『ど、どういう事?!何が起きてるの?!』
CB『……!まさか、この歌の仕業か!』
『ご明察……。あの神樹に欠陥部分がある事ぐらいは既に調査済みだったからな。その欠陥部分を補う術もこちらで既に用意してあるのだよ……つまりこれで、あの神樹に欠点はなくなったという事だ』
ジャリン!と、そう言ってアルゴゾディアートは杖の先端を再びディケイド達に向けていく。
『さて、では折角だ。あの女の代わりにコンサート料としてその"破壊"と"再生"は頂いていこう……此処で今度こそ朽ち果てるがいい、破壊者ッ!』
『ガァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!』
ディケイド『クッ……!』
アルゴゾディアートがそう告げると共に、ゲンブジャキを始めとした無数の怪人がディケイド達にトドメを刺そうと雪崩の如く押し寄せていき、それを目にした聖桜も四人を守ろうと咄嗟に前に出てウィザーソードガンを構えた。その時……
―ギュウゥゥゥゥゥッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウウゥッッッ!!!!!!―
『ッ?!!!ギッ、ガ……ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ?!!!!!』
―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーアァァンッッッッ!!!!!!―
聖桜『……え?』
『ッ?!何……?!』
ディケイド『ッ……!今の砲撃は……』
ディケイド達に再び襲い掛かろうとした怪人達に向け、突如ディケイド達の後方から一発の極太の砲撃が放たれて怪人達を薙ぎ払っていったのだった。断末魔と共に一度に多くの怪人達が爆発して散っていったその光景にアルゴゾディアートとディケイド達も驚愕し、今の砲撃が放たれてきた方に目を向けると、其処には……
冥王『―――ふふふふっ、やはり私の勘は当たってたの!!よし、全軍に次ぐ!!私はあの樹を食い止める!!その間、指揮権は幸村と光秀に託しておくの!!幸村ちゃん、光秀ちゃん、織田軍と徳川軍の援護を頼むの!!』
光秀「了解ッス姉御ッ!!いいかお前らッ?!負傷者がいたら回収して戦場から引き離せッ!!戦ってる奴がいたら援護しろッ!!」
幸村「何か面倒になってきてんなー……まあいいや、行くぞお前らッ!!」
『『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!』』』』
……崖の上に立ち並ぶ無数の軍勢。其処には何故か、零がこの世界に来て最初に目にした武者シリウス軍のノーヴェ似の武将とウェンディ似の武将を従えて先頭で仁王立ちする、冥王の姿があったのだった。
ディケイド『な、冥王?!何やってるんだアイツ?!』
長秀「ッ!あれは……まさか、武者シリウス軍の真田幸村?!」
勝家「あ、明智の奴まで?!何故奴らが此処に?!」
CB(……椛の奴め……この世界に来てから薄々気配は感じ取ってはいたが、やはりまた祿でもない事をしていたようだな……)
他の武者ライダー軍を自分の軍門に下して従え、織田と豊臣の連合軍と家康軍の兵達の回収と援護に兵達を駆り出させ、自身は次元の向こうに触手を伸ばす神樹カーラーンの木の根の処理に向かう冥王。そんな予想外の乱入者にディケイド達も戸惑う中、アルゴゾディアートは苦虫を噛み潰したような顔で舌打ちした。
『あの狂神までこの世界に来ていたか……だが、幾ら冥王が現れたとは言えまだ想定な―キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイッ!!!―……ッ?!』
冥王の乱入に驚きつつも気を取り直してディケイド達に視線を戻すアルゴゾディアートだが、背後から突如けたたましいスキール音が響き渡った。そしてその音に驚き一同が振り返ると、其処には何処から現れたのか無数の怪人達を跳ね飛ばしてこちらに向かって来る巨大な戦車のマシンの姿があり、戦車のマシンはそのままディケイド達とアルゴゾディアート達の間に割って入るようにドリフトして停車していった。
トランス『ッ?!こ、このマシンって……!』
ディケイド『……ツヴァイギャリー……?』
『ま、まさか……!』
そう、その戦車のマシンの正体とは、ディケイド達の異世界の友人の一人である早瀬智大の愛車のツヴァイギャリーだったのだ。その見覚えのあるマシンをディケイド達が呆然と見上げ、アルゴゾディアートが顔を引き攣らせて後退りする中、ツヴァイギャリーの上部ハッチが開き、其処から数人の男女が続々と姿を現した。それは……
大輝「――ふぅ、やれやれ。今度こそ目的地に着いたか」
霧之「皆……戻ってきたわよ……」
ヒビキ「と、刀夜君っ!手を貸して下さいっ!お尻がジンジンして上手く立てませぇ~んっ!」
刀夜「……何やってんだよお前は……」
智大「よぉ、零。暫くぶりだな」
ディケイド『!智大!海道?!』
零達とは別にアマテラスのベルトを巡って財団と戦い、シャドウ達によって連れ去られたカガミを助けにこの戦国世界へと飛び込んだ早瀬智大達だったのである―――。