仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編 作:風人Ⅱ
―神樹カーラーン―
神樹カーラーン内部。其処は植物の外見をした外側と違い、神樹の内側はまるで日本の城に酷似した和風の作りとなっている。そんな神樹の内部の最上階に位置する広場の奥には、中央に巨大な赤い球体が備え付けられた祭壇のような場所があり、その球体の左右には"楔"として植物に捕われる信長とカガミ、そして二人を見つめる邪武者ディケイドの姿があった。
―バチバチバチバチバチバチバチバチイイィィィィッ!!!!―
カガミ「うぁあああッ!!ぅ、ああああああああああああッ!!」
信長「グッ……!も、もう止めさせろ邪武者ッ!それ以上はその娘も持たないッ!このまま死なせるつもりかッ?!」
何かを吸収されるかのように全身から火花を撒き散らすカガミの姿を見て、このままでは彼女の命が危ないと悟り邪武者ディケイドに叫ぶ信長だが、邪武者ディケイドはそれに対し淡々と告げる。
邪武者ディケイド『身体が残ってさえいればそれでも構わんさ。必要なのはその女の持つ特別な力のみなのだからな……それに、他人の身を案じる余裕がお前にあるのか?』
信長「貴様っ……!ぅ……ぐっ……!」
非常な物言いをする邪武者ディケイドに憤る信長だが、彼女も楔として取り込まれているせいで身動き一つ取れず、全身から赤い火花を撒き散らし悶え苦しんでいく。そして邪武者ディケイドもそんな二人に背中を向けて広場の中央まで歩き、右手に持つ天将刀を掲げ高らかに叫んだ。
邪武者ディケイド『さぁ、この礎達を糧に更なる地を目指せカーラーンッ!!!そして、全ての天下をこの手に―――!!!』
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
『FANG!MAXIMUM DRIVE!』
『SAISHUU OUGI!』
―ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーアァンッッッッ!!!!!―
邪武者ディケイド『――ヌッ?!』
邪武者ディケイドが天将刀を通じて神樹カーラーンに天下統一拡大を命じようとしたその時、突如頭上から複数の電子音声が響き渡り、それと同時に天井が巨大な爆発と共に破壊されたのであった。それを目にして邪武者ディケイドが動揺し破壊された天井を見上げると、黒煙に覆われた天井の穴から三つの影……ディケイド、ツヴァイ、そしてヒビキを抱えたアマツが落下して邪武者ディケイドの前に降り立った。
邪武者ディケイド『貴様等……!』
ディケイド『よぉ……うちのご主人を返しにもらいに来たぞ、邪武者』
信長「ッ!零っ?!それに……ツヴァイっ?!」
ヒビキ「刀夜君っ!彼処っ!カガミがっ!」
カガミ「うぅっ……ぅ……うううううううううううううっ……!!!!」
アマツ『おいおい、何だよアレ……!想像以上にヤバそうな事になってんじゃないか……!』
奥で植物に取り込まれ悲痛な叫び声を上げるカガミを見て仮面の下で顔を引き攣らせるアマツ。そんな彼の隣に立つツヴァイのソウルサイドのライトは奥の二人の様子を冷静に観察し、右の複眼を点滅させて語り出した。
ツヴァイ(ライト)『恐らくアレがアルペジオも言っていた"礎"とやらの状態なんだろうね……僕が見るに、片方はこの神樹を長く維持する為に生命力を吸収する役割の礎、もう片方は彼女の特殊な力を吸収してこの樹の力を増幅させる役割の礎のようだ……要するに――』
ツヴァイ『とっとと彼処から二人を引き離さないと、マズイって事かっ!』
ツヴァイ(ライト)の分析からあまり時間を掛けられないと理解し、三人は急いで信長とカガミの下に駆け出そうとするも、そんな三人に邪武者ディケイドがブラッドライドブッカーで斬り掛かり立ち塞がった。
アマツ『クッ!こいつっ……!』
邪武者ディケイド『無駄だ。最早あの女達を助けた所で神樹の成長も、天下統一も止まりはしない。どの道貴様等がやろうとしてる事は全て手遅れに過ぎん』
ディケイド『ッ……!それはお前が決める事じゃないだろうッ!』
啖呵を切るようにそう言って、左腰に納めたライドブッカーをSモードに切り替えながら引き抜いて邪武者ディケイドに勢いよく斬り掛かるディケイド。しかし邪武者ディケイドも右手に持つ天将刀でそれを安易く弾きながら左手のブラッドライドブッカーでディケイドを退け、すかさず華麗な回し蹴りを放って仕掛けてきたツヴァイの右足を払い退けながら双剣による斬撃で斬り飛ばし、更に同じく跳び蹴りを放って突っ込んできたアマツの攻撃を避けながら天将刀で突きを放つも、アマツはそれを脇に抱えて抑え込みながらヒビキに叫んだ。
アマツ『ヒビキッ!コイツは俺達が何とかするッ!お前は今の内にあの二人をッ!』
ヒビキ「ッ!は、はいッ!」
そう力強く頷き返すと共に、三人が邪武者ディケイドを抑え込んでる隙に信長とカガミの下にまで一目散に駆け出すヒビキ。それを見て邪武者ディケイドもすぐにアマツを斬り払いながらヒビキの後を追おうとするが、その前にツヴァイとディケイドが立ち塞がった。
邪武者ディケイド『チッ!貴様等……!』
ツヴァイ『戦う相手を間違えるなよ、邪武者!』
ディケイド『お前の相手はこっちだッ!』
『LIGHTNING!GRAND!』
『KAMENRIDE:BLADE!』
ツヴァイは両方のバックルのメモリを取り替えてライトニンググランドにメモリチェンジ、ディケイドはドライバーにカードを装填しDブレイドにカメンライドしてそれぞれ剣を抜き取り邪武者ディケイドへと斬り掛かると、アマツも参戦し邪武者ディケイドに得意の蹴り技をお見舞いしていく。そしてその隙に二人の下に辿り着いたヒビキは急ぎ植物に取り込まれるカガミを引き離そうとするが、どんなに力を込めて引っ張ってもまるでビクともしない。
ヒビキ「だ、駄目っ!全然引き離せないっ!どうすればっ……!」
―ガギイィィンッ!!!―
Dブレイド『グゥッ!おい、だったらコレ使えッ!』
邪武者ディケイドと剣撃を打ち合っていたDブレイドは左腰に戻していたライドブッカーをSモードに展開してそれをヒビキに目掛け投げ付けていき、地面に転がるライドブッカーを見たヒビキも「は、はいっ!」と慌ててライドブッカーを拾い、ソレを使ってカガミを捕らえる植物を引き裂き少しずつカガミを引き離していく。が……
邪武者ディケイド『――小童共が、何処までもっ……我が野望の邪魔立てをするなぁああああああああああああああッ!!!!』
『ATTACKRIDE:ILLUSION!』
ツヴァイLG『?!』
アマツ『何?!』
邪武者ディケイドは突如雄叫びを上げ、ブラッドディケイドライバーから電子音声を響かせながら、天将刀を持たぬ二体の分身を生み出したのだ。そうして分身した邪武者ディケイド達はDブレイド、ツヴァイ、アマツへとブラッドライドブッカーを振りかざしてそれぞれに襲い掛かり、先程とはまるで違う猛攻で三人を圧倒していってしまう。
アマツ『な、何だコイツっ、急に強くなりやがったっ……?!』
『Rider Slash!』
邪武者ディケイドB『ゼェアアアアアアアアッ!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
アマツ『グアアァッ?!!』
ツヴァイLG『ッ!アマツッ!』
『TORNADO!MAXIMUMDRIVE!』
『LIGHTNING!MAXIMUMDRIVE!』
『SHADOW!MAXIMUMDRIVE!』
『BLAZE!MAXIMUMDRIVE!』
『FANG!MAXIMUMDRIVE!』
『GROUND!MAXIMUMDRIVE!』
『SNIPER!MAXIMUMDRIVE!』
『PANDORA!MAXIMUMDRIVE!』
邪武者ディケイドA『パンドラエクストリーム……』
―ブザアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアアァァッッッッッッ!!!!!!―
Dブレイド&ツヴァイLG『『ッ?!グッ、ウグアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!』』
今まで取り込んできた武者ライダー達の力を駆使し、邪武者ディケイド達は三人に必殺技の嵐を浴びせ吹き飛ばしていってしまったのだ。アマツは全身から激しく無数の火花を撒き散らして床に叩き付けられていき、Dブレイドとツヴァイも壁を突き破ってゴロゴロと転がりながら大ダメージで通常形態に戻ってしまい、邪武者ディケイド達はそんな三人を無視して一人へと戻ると、ヒビキに目掛けて天将刀から真紅の斬撃波を放った。
アマツ『ぅッ……ぐっ……ッ?!ヒビキッ!!逃げろぉおおッ!!』
ヒビキ「……え?!」
邪武者ディケイドに受けた傷付いた身体を引きずりながら慌ててヒビキに大声で叫ぶアマツだが、既に遅い。アマツの声を聞いてすぐに振り返ったヒビキの目前には、既に邪武者ディケイドが放った真紅の斬撃波が迫っており、最早避ける事は不可能だ。ヒビキもすぐ其処に迫る死を感じ取って恐怖で足が竦み、涙を浮かべながら思わず顔を背けてしまった。が……
―ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!―
ディケイド『グウゥッ?!ッ……ァッ……!!』
ヒビキ「……ッ?!え?!」
信長「ッ……!!零ッ?!」
邪武者ディケイドの放った斬撃波がヒビキを襲おうとした直前、なんとヒビキの前にディケイドが飛び出し彼女の身代わりになったのだった。そしてディケイドは身体から白煙を立たせてその場に跪いてしまうが、邪武者ディケイドはそんなディケイドに容赦無く飛び掛かって何度も斬り掛かり、ブラッドライドブッカーの切っ先をディケイドの右肩へと突き刺していった。
―ブザァアアアッ!!!―
ディケイド『ウグアァァッ?!!あっ、うあぁっ……!!』
邪武者ディケイド『愚かな、一度拾った命を他人の為にわざわざドブに捨てるとはな……そんなに死に急ぎたいなら、此処で消えろ』
信長「ッ?!!や、やめ、止めろ邪武者ァッ!!!」
冷酷にそう言い放つ邪武者ディケイドの言葉に絶望を垣間見て必死に叫ぶ信長。しかしそんな彼女の懇願にも耳を傾けず、邪武者ディケイドはディケイドの右肩からブラッドライドブッカーを抜き取りながら天将刀に赤黒いオーラを身に纏い、そして……
邪武者ディケイド『さらばだ……ヌゥウウウエアァアアアアアアアアアッ!!!』
―ブザアアァァッ!!!!ズバアァアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアァァンッッッッ!!!!!!―
ディケイド『ッ?!!!!ウッ、ァ……グアァアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!』
―ドッガァアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーアアァンッッッッッ!!!!!!!!―
ツヴァイ『……ッ?!れっ―――!!!』
ヒビキ「そ、そんなっ……?!!」
信長「ぁ……れ、いっ……零ィイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
天将刀から三度振るわれた真紅の斬撃。それは瀕死の状態のディケイドの身体を容赦なく何度も斬り裂き、ディケイドは悲痛な叫び声を上げながら大爆発を巻き起こしていったのだった。そして邪武者ディケイドはブラッドディケイドライバーで他の武者ライダー達のようにディケイドが散った爆炎を火の粉すら残さずに吸収していき、完全にディケイドを吸収した邪武者ディケイドはクツクツと肩を震わせた。
邪武者ディケイド『他愛がない。別世界のディケイドとやらもこの程度なのか?こんな力しか持たぬ分際でこの我を止めようなどと……全く、とんだうつけがいたものよなァッ!』
信長「っ……き、さまぁっ……一度ならずっ、二度までも……っ!!!!」
武者ツヴァイだけでなく、心通わせたディケイドまで奪っておきながら嘲り笑う邪武者ディケイドに無念と憎しみを込めた瞳で睨み付ける信長。しかし、邪武者ディケイドはそんな信長の殺気の篭った視線すらどこ吹く風と言わんばかりに鼻を鳴らして構わず、アマツとツヴァイと向き直り両腕を広げていく。
邪武者ディケイド『さぁ、残るはお前達のみだ……あの愚か者のように、貴様等も我が血肉と化すがいいッ!!!』
ツヴァイ『チィ……!』
アマツ『上等だ……やってみろよ邪武者ぁッ!』
『TAKEMIKADUCHI!TEN-SHIN!』
ディケイドを倒された怒りから邪武者ディケイドへと再度突っ込むツヴァイと、交わした言葉は少ないが、ヒビキを庇って散ったディケイドを嘲笑う邪武者ディケイドに対し憤りを抑えられず、アマツは『雷鎚』と書かれた札を取り出しバックルにスキャンさせてその身に雷を纏い、黄色い分厚いアーマーと巨大なハンマーを手にしたタケミカヅチフォームに姿を変え、鉄鎚を振り上げて邪武者ディケイドへと突っ込んでいくのであった。