仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編   作:風人Ⅱ

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劇場版小説/仮面ライダー×仮面ライダー ディケイド&ツヴァイ NOVEL大戦Evole④

 

 

―尾張国境・荒野―

 

 

聖桜『―――?!』

 

 

天神『な、なんだ、これは……?魚見っ!』

 

 

聖桜『ええ……零の気配が、いきなり消えた……?』

 

 

その一方、助っ人に現れた迅武とドラコと連合軍を加えてアルゴゾディアート達と戦っていた聖桜と天神は、戦闘の最中に零の気配を感じ取れなくなり、互いに顔を見合わせて困惑の様子を浮かべていた。

 

 

聖桜『けれど、どうして急に……まさか、零の身に何かっ……?』

 

 

天神『ッ!馬鹿を言うな!智大達も一緒なんだぞ?!彼がそんな簡単に『シャアァッ!!』ウァッ?!』

 

 

不安げに呟く聖桜の不穏当な言葉を強く否定する様に叫ぶ天神だが、そんな二人にライオンヤミー、クジラヤミー、ゴキブリヤミーが飛び掛かって襲い掛かり、更に迅武とドラコは互いの得物を用いてゲンブジャキに叩き込んでいたが、二人の武器はゲンブジャキの並外れた身体の前に弾かれて一切通用していなかった。

 

 

―カアアァンッ!!―

 

 

ドラコ『クッ!硬いッ!』

 

 

迅武『ああああ、もうッ!何なんだよコイツッ!堅すぎにも程あんだろォッ!』

 

 

『グルアァッ!!』

 

 

―バキイィィィィィッ!!―

 

 

迅武&ドラコ『『ガハアァッ?!』』

 

 

―ドガアァッ!!―

 

 

トランス『きゃあぁッ?!』

 

 

「ちょ、なにぶつかって来てんのよッ?!っていうか重っ、退いてってばッ!!」

 

 

攻撃を弾かれ、逆にゲンブジャキに吹っ飛ばされてしまう迅武とドラコ。二人はそのまま吹っ飛ばされた先で怪人達と戦っていたトランスと黒い少女に衝突して二人を下敷きにしてしまい、そんな四人に向けてゲンブジャキが両腕を広げ再び襲い掛かっていき、時を同じくしてディエンドも単身では流石に遅れを取るのか、アルゴゾディアートに徐々に追い込まれ体力の消費と共に劣勢になりつつあった。

 

 

―ガギイィィィィィィィィィィィインッ!!―

 

 

ディエンド『グウゥッ?!クソッ……!』

 

 

『フン、どうした盗っ人?先程までの威勢の良さは何処に行ったッ!』

 

 

ディケによる棒術を用い、ヒット&アウェイで仕掛けて来るディエンドの戦法を見破り反撃してディエンドを吹き飛ばしてしまうアルゴゾディアート。そうして、ディエンドに追い撃ちを掛けようと杖を振りかざして再度襲い掛かるが、それを阻むように横合いから盾と日本刀が合体した銃盾剣・アマタテノツルギがアルゴゾディアートの杖を受け止めて弾き、ディエンドを庇うようにアマテラスが立ち塞がった。

 

 

『ッ!貴様……!』

 

 

アマテラス『貴方の相手は私がしてあげるわ……皆の仇、此処で討たせてもらう……!』

 

 

そう言い放つと共に力強く地を蹴り、銃盾剣を振りかざしてアルゴゾディアートに斬り掛かるアマテラス。しかしアルゴゾディアートも咄嗟に杖でアマテラスの銃盾剣を弾きながら距離を離すが、すかさず再度斬り掛かってきたアマテラスの剣を受け止めて鍔ぜり合いになる。

 

 

『死に損ないが、笑わせるなッ!部下を見捨て、我等から逃げ出す事しか出来なかった分際でッ!』

 

 

アマテラス『……確かに、あの時の私にはそうする事しか出来なかった……でも今は違う。この力で必ず、貴方達組織を潰してみせる!』

 

 

『戯言を!―ズガガガガガガガァンッ!!―ヌッ?!』

 

 

アマテラスの剣を払い退けディケを叩き込もうとしたアルゴゾディアートだが、二人の間に突如無数の銃弾が飛来してアマテラスからアルゴゾディアートを引き離し、アマテラスが銃弾が放たれてきた方を見ると、其処には態勢を立て直したディエンドがドライバーを構えてアマテラスの横へと歩み寄る姿があった。

 

 

アマテラス『貴方……』

 

 

ディエンド『一人で戦って勝てるほど簡単な相手じゃない。手を貸そう、不本意だけどね』

 

 

アマテラス『……別に構わないわ。けれど、足は引っ張らないでよ』

 

 

ディエンド『お互いに、ねぇッ!!』

 

 

―バシュウゥンッ!!―

 

 

『チィ!』

 

 

ディエンドが銃口を向けてアルゴゾディアートに発砲したと共に、アマテラスはアマタテノツルギを構えて一気に距離を詰めるようにアルゴゾディアートに目掛けて飛び出した。それに対してアルゴゾディアートも素早く杖で銃弾を叩き落としながらアマテラスの剣と打ち合い、格闘戦に持ち込んできたディエンドも交えて戦闘を再開していくのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

―???―

 

 

――暗闇に覆われたとある空間。一筋の光すら射さないその場所は闇に覆われて何も見えず、一体何処まで広がっているのかも分からない。そんな場所の中心には、全身ズタロボで力無く横たわる青年……邪武者ディケイドに倒され取り込まれた零が気を失って倒れる姿があった。

 

 

―……ズキッ―

 

 

零「――…………ゥッ…………ッ…………?ここ…………は…………」

 

 

先の戦いで邪武者ディケイドに貫かれた肩の激痛から、ゆっくりと瞼を開き漸く目覚める零。そして、意識が戻ったばかりではっきりとしない頭で呆然と辺りを見渡すと、ふらつきながら身を起こして頭を振る。

 

 

零「ッ…………俺は…………そうだ……確か、邪武者ディケイドと戦っていて、それで――――」

 

 

一つ一つ、此処に至るまでに起きた出来事を思い出し意識がはっきりしない頭の中を整理していき、其処で漸く、自分が邪武者ディケイドに倒されて奴に吸収された事を思い出した。

 

 

零「……そうだったな……だとすると、此処は奴の中って事か……?」

 

 

冷静にそう考え再び辺りを見回すが、何処までも闇が広がるばかりでやはり何も見えない。此処が推測通り邪武者ディケイドの中なら長居など出来ないのだが、肝心の出口がなければ此処から出ることは出来ない。ならば無理矢理にでも作るしかないかと考えて、零は懐からディケイドライバーを取り出し変身しようと腰に巻き付ける。が……

 

 

 

 

 

―ギュイィィィィィッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーウゥゥンッ!!!!!―

 

 

零「……ッ?!何っ、ウオォオオオオッ?!!」

 

 

零が再びディケイドに変身しようとしたその直後、突如闇ばかりが広がる暗闇の向こうから無数の黒い影が触手のように飛来し、零の身体に『蛇』の如く纏わり付き動きを封じてしまったのである。そして、身体に巻き付いた影に零が驚愕しながらも影を引き千切ろうと試みる中、零の両足にも影が侵食して地面に取り込もうとしていた。

 

 

零「ッ!この影、奴が怪人を生み出してたのと同じっ……!俺まで取り込もうとしているのかっ……?!」

 

 

まさか、今まで取り込んだ武者ライダー達もこうして吸収していたのかと考えると共に、自分も彼等と同じ末路を辿ろうとしているのだと理解して焦り、一層激しく抵抗する零。しかし、四方から更に飛来する無数の触手が零の全身に纏わり付いて完全に身動きが取れないようにしてしまい、遂に下半身までが地面に取り込まれようとしていた。

 

 

零(このままじゃっ……!クソッ、こうなればっ……!)

 

 

最早手段を選んではいられないと、零は額から汗を流しながら破壊の因子を使用して、この危機的状況から脱出しようとした。その時だった……

 

 

 

 

 

 

 

 

―……シュウゥゥゥゥゥッ……シュパアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!―

 

 

『ッ?!!グッ、ァァ……ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!』

 

 

―バシュウゥゥッ!!!―

 

 

零「ッ?!なっ……今度は何だっ?!」

 

 

零の全身がもう完全に影に覆い隠されてしまいそうになったその時、零の四方の闇の向こう側から突然無数の光が刺し、やがて一つの強大な白光となってまるで太陽の如く零の姿を照らし、零の全身に纏わり付く影を泡のように打ち消したのだった。そうして零が消滅した影と突然刺した白光に再び驚愕していると、白光は少しずつ弱まっていき、闇の向こう側で仄かに光り輝く『15』の光が見えた。それは……

 

 

 

 

 

 

武者ツヴァイ『―――無事のようだな……紙一重で間に合ったか……』

 

 

武者エクス『…………』

 

 

武者ロード『…………』

 

 

零「ッ!お前、達は……」

 

 

 

 

 

暗闇を照らす15の人の形をした淡い光。その正体は、戦国バトルロワイヤルにて邪武者ディケイドに取り込まれてしまった十五人の武者ライダー達だったのだ。自分を助けた光の正体が彼等だと知った零も驚きを浮かべ、武者ライダー達はそんな零を見つめて口を開いた。

 

 

武者エデン『黒い髪に、真紅の瞳……成る程。やはりお前が異世界を旅するディケイドとやらで、間違いなさそうだな』

 

 

零「!俺の事を知ってるのか……?」

 

 

武者雷牙『ああ……数ヶ月ほど前、我々の前に預言者を名乗る男が警告を知らせに現れたんだ』

 

 

武者クロノス『"何れこの世界に、君達が知るのとは別のディケイドが現れる。奴はあらゆる世界を破壊する悪魔であり、君達には奴を倒す為に戦って欲しい"……とな』

 

 

零(……鳴滝の奴、こんな世界にまで俺の噂を広めに来てたのか……)

 

 

相変わらず自分を潰す為の余念の無さに最早感服すら覚えそうだと、零は何処かウンザリした様子で小さく溜め息を吐き、自分を見つめる武者ライダー達に再び目を向けた。

 

 

零「だが、何でお前達はその悪魔を助けるような真似をしたんだ?鳴滝の忠告を受けてるなら、俺なんぞ助けたところでお前達には何のメリットもないだろう?」

 

 

そもそも、彼等とまともに対面したのもこれが初めてだし、彼等には零を助ける義理などないハズだ。それなのに何故?と、零が怪訝な眼差しを武者ライダー達に向けると、彼等もそれに対し否定せず頷き返した。

 

 

武者シリウス『確かにな。俺達にお前を助ける義理はない。だが……』

 

 

武者エグザム『それで俺達に利点がない訳じゃない。……お前を助けたのは、お前に邪武者を倒して欲しいからだ』

 

 

零「……?どういう事だ?」

 

 

零を救ったのは邪武者ディケイドを倒してもらう為。そう告げる武者ライダー達に零が訝しげに問い掛けると、武者ディライトが無言のまま何かを取り出し零に投げ渡した。それは……

 

 

零「これは……ディライトのケータッチ?」

 

 

そう、武者ディライトから渡されたのは、ディライトがコンプリートフォームへと変身する際に用いる強化ツールのケータッチだったのだ。何故コレを自分に?と、零がディライトから手渡されたケータッチと武者ライダー達を交互に見つめ困惑気味な表情を浮かべていると、武者ライダー達の姿が残像のようにブレた。

 

 

零「ッ?!お、おい……!お前等?!」

 

 

武者リノベーション『……私達は既に、邪武者に完全に取り込まれ、身体を失ってしまっているの……』

 

 

武者ディジョブド『今こうして君と話している僕達は、実体を持たない精神のみ存在……実質、死んでると言っても過言じゃないんだ』

 

 

零「ッ……!」

 

 

こうして自分と話している武者ライダー達は既にあの邪武者ディケイドに取り込まれ、実体を持たない死者同然の存在。そう言われて目を見開き息を拒む零だが、すぐにいつもの表情へと戻り、ケータッチを見つめながら口を開いた。

 

 

零「成る程……要するに、お前達の仇を取って欲しいから俺を助けたって事か?まぁ、確かに夢半ばで敗れたお前達の無念も分からんでも『違う』……え?」

 

 

恐らくは天下統一への道のりを邪魔された無念を晴らして欲しいという理由かと推測する零の言葉を、武者ライダー達に遮られてしまい、零が呆然と振り向くと、武者firstが自分の胸に手を当てて答えた。

 

 

武者first『天下統一の夢も、俺達自身の事も、そんなのはどうだっていいんだ。今俺達が強く望むのは、ただ一つだけ……』

 

 

武者キャンセラー『秀吉様を……いや、僕達の主を、国を、民達を……この世界をどうか、僕達の代わりに守って欲しいんだ……君に……』

 

 

零「……俺に……?」

 

 

どうしてだ?と、零が言外に訝しげな表情でそう聞き返すと、武者ライダー達は互いに顔を見合わせた後に零に答えた。

 

 

武者ディジョブド『僕達はずっと、此処から君達と邪武者の戦いを見ていたんだ。そうして、敵味方問わずに邪武者から皆を守ろうとした君を見て、思った……君になら任せられるって』

 

 

武者クラスト『それに今の俺達にはもう、此処を出て、それを果たすだけの力も身体も持たない。けれど……』

 

 

武者ストライク『俺達全員に残された力をお前に注ぎ込めば、お前一人だけでも此処から出す事は出来る。そうすれば……』

 

 

零「それは……いや待て、だがそうしたらお前達はどうなる?!身体を失ったとは言え、まだお前達は此処にいるんだろう?!邪武者を倒すという事は――!」

 

 

邪武者ディケイドと共に、彼等も消滅するという事ではないのか。最後までそう言い切る事が出来ず口を閉ざしてしまう零だが、零が言わんとしている事は伝わったのか、武者ライダー達はそれに対し徐に頷き返した。

 

 

武者ディライト『そんなのは覚悟の上だ……』

 

 

武者エクス『元々俺達が戦い合っていたのも、全ては主と国、民達の為……この身も力も全て、皆を守る為に捧げてある』

 

 

武者ロード『その俺達の力が、皆を苦しめる為に利用されているなんて、そんなのは我慢ならないんだ……』

 

 

武者ツヴァイ『勝手な申し出をしている事は百も承知だ……それでも、頼む……異世界のディケイド。俺達が守りたかったものを……何よりも大切なものを……どうか……』

 

 

零「……ッ……」

 

 

自分達の主達や民達、この戦国世界を救えるのなら、この身が消えようとも構わない。強い決意を秘めた眼差しでそう語り、自分達の最後の願いを聞き入れて欲しいと頼む武者ライダー達のその言葉を聞いて、零もそれ以上は何も言えず顔を俯かせる。そうして、やがて無言のままライドブッカーから一枚のカードを取り出し、バックルに装填してスライドさせていった。

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

ディケイド『―――俺は破壊者、悪魔だ……お前達が壊せと望むなら、俺は容赦なく、後腐れが残らぬように徹底的にぶっ壊すぞ……お前達ごと、あの邪武者を』

 

 

武者エデン『……フッ……頼もしい限りだ』

 

 

武者リノベーション『ごめんなさい、貴方達に損な役割を背負わせる事になって……後は……』

 

 

武者クロノス『頼むぞ……別世界のディケイド』

 

 

ディケイド『っ……本当に、何処の世界にもいるものだな……とんだ物好きが……!』

 

 

憎まれ口を叩きながら、託されたケータッチを掲げるディケイド。すると、武者ライダー達はディケイドが掲げるケータッチに向かって一斉に掌を翳していき、全身から淡い輝きを放ちながらケータッチに残された自分達のエネルギーを注ぎ込んでいく。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

―シュウウウゥゥゥッ……バシュウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

……ディケイドが掲げるケータッチからまばゆい輝きが放たれて一気に広がっていき、闇に包まれた空間を暖かな光が優しく包み込んでいったのだった―――。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

―神樹カーラーン―

 

 

―ガギイィィィィィィィィィィィィインッ!!!―

 

 

アマツ『グアァッ!!』

 

 

ツヴァイ『グウゥッ!』

 

 

そしてその頃、ディケイドを倒された怒りから邪武者ディケイドに果敢にも挑み続けてたツヴァイとアマツだったが、天将刀の力と今まで取り込んだ武者ライダー達の力をフルに使用する邪武者ディケイドに苦戦を強いられてしまい、邪武者ディケイドはそんな二人に向かって嘲笑を込めて叫んだ。

 

 

邪武者ディケイド『無駄だァ!今の我は武者ライダー共と先程取り込んでやったディケイド、そして天下人の資格である天将刀の力を手にしている!貴様等がいくら束になって掛かろうとも、既に我が敵ではない!』

 

 

アマツ『ッ!勝手に決め付けてんじゃ、ねぇよっ……!』

 

 

ツヴァイ『相手がどんなに強かろうがな、それでも、守るもんが後ろにある以上は引く事なんてないんだよ……仮面ライダーってのはなぁッ!』

 

 

邪武者ディケイド『……そうやってまた自ら命を棄てに来るか……理解に苦しむ……ならば消えろ、今度こそなぁッ!!!』

 

 

―ギュイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!!!―

 

 

そう叫びながら邪武者ディケイドが天将刀を掲げると同時に、巨大な火花を撒き散らして真紅の光がうねりを上げながら天将刀から放出されていく。それで今度こそ、邪武者ディケイドが自分達を葬り去ろうとしているのだと悟ったアマツは最終奥義の札を取り出して迎え撃とうとし、ツヴァイも此処で切り札を切るべきかと考えて身構えようとした、その瞬間……

 

 

 

 

 

 

―……ピシッ、ビシィッバキィッ……シュバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!―

 

 

邪武者ディケイド『――ッ?!!な、何ッ?!!』

 

 

ツヴァイ『……?!』

 

 

アマツ『な、なんだッ?!奴のベルトがッ?!』

 

 

邪武者ディケイドが天将刀から強力な一撃を放とうとした瞬間、邪武者ディケイドのブラッドディケイドライバーに突如前触れもなく亀裂が走り、その隙間から凄まじい勢いで白い閃光が放出され始めたのであった。それを目にしたツヴァイとアマツ、そして当の本人である邪武者ディケイドも驚愕を露わにして白い閃光が溢れ出るバックルを抑え込み、信長達も目を見開き戸惑っていた。

 

 

信長「な、何だ?何が起きてるんだっ?」

 

 

邪武者ディケイド『ガァアアアアッ!!!グッ、何だコレはッ?!!何故こんな、グゥウウウウッ!!!』

 

 

アマツ『おいおい……何がどうなってんだ……』

 

 

ひび割れるバックルを抑えながらもがき苦しむ邪武者ディケイドを見て何が起きているのか分からず、ただ突然の出来事に呆然と佇む一同だが、その時ツヴァイ(ライト)が大声を張り上げツヴァイに叫んだ。

 

 

ツヴァイ(ライト)『智大ッ!ウィザードメモリだッ!』

 

 

ツヴァイ『ッ!ライト?』

 

 

ツヴァイ(ライト)『あの邪武者ディケイドのベルト、どうやらあの中から"何か"が外へ出て来ようとしてるようだッ!僕の推測が正しければ、恐らく――!』

 

 

ツヴァイ『……!まさか!』

 

 

ツヴァイ(ライト)の言葉で何かに気が付いたのか、ツヴァイは直ぐさま右手を掲げる。すると、何処からともなく一体の鳥型の機械が飛来してツヴァイの右手に収まり、ツヴァイは鳥型の機械をバックルに合体させて両翼部分を左右に開き、Wの形に展開していった。

 

 

『WIZARD!』

 

 

鳥型の機械……ウィザードメモリから電子音声が鳴り響いた次の瞬間、ツヴァイの身体がクリスタルのように輝く無数の虹色の粒子に包まれていく。そうしてツヴァイの身体中央から粒子が全て消え去っていくと、其処には緑の右半身と黒の右半身の間に透明な銀色のラインを大きく取り入れた三色の姿に、背中には黒いマントを背負い、"W"に形取られたショルダーと複眼を持ったツヴァイ……最強フォームである『ツヴァイ・ウィザード』に強化変身したツヴァイの姿があった。そして……

 

 

ツヴァイW『『パンドラビッカーッ!!』』

 

 

智大とライトが同時に叫ぶと共に、ツヴァイの身体の中央に入ったクリアシルバーの部分が一瞬淡い虹色の輝きを放ち、其処から剣と盾が合わさった武器……パンドラビッカーが出現してツヴァイの手に握られていき、ツヴァイは何処からかパンドラメモリを取り出し、スイッチの部分を人差し指で押してからパンドラビッカーに収められた剣……パンドラソードの柄の末端に取り付けられたスロットへと装填し抜刀した。

 

 

『PANDORA!』

 

 

ツヴァイW『悪いな邪武者。チャンスに付け入るような感じだが、ソイツは返してもらうッ!!』

 

 

―ダンッ!!―

 

 

邪武者ディケイド『グッ!!貴様ァアッ!!』

 

 

パンドラソードとパンドラビッカーを構え弾丸の如く迫るツヴァイを目にし、もがき苦しみながらブラッドライドブッカーを横薙ぎに振るう邪武者ディケイド。しかしツヴァイは低い姿勢で突進しながら、パンドラビッカーでブラッドライドブッカーの刃を上へと押し上げつつ潜り抜けて肉薄し、そして……

 

 

ツヴァイW(ライト)『今だ智大ッ!!!』

 

 

ツヴァイW『ハァアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

 

―ズバァアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーアァァンッ!!!!―

 

 

邪武者ディケイド『しまっ?!グッ、ウグゥアアアアアアアアアアアアアアアッ?!!』

 

 

ツヴァイの突き出したパンドラソードの切っ先が亀裂の走る邪武者ディケイドのバックルへと正確に突き刺さり、ブラッドディケイドライバーに更に大きな傷を付けたのだ。それにより、ブラッドディケイドライバーから先程の比じゃない勢いで閃光が溢れ出し、その中から一つの赤い光が飛び出てアマツの隣へと飛来し、人の姿を形作りながらその姿を露わにしたのだった。それは……

 

 

 

 

 

 

ディケイド?『……………………』

 

 

アマツ『?!アンタは……?!』

 

 

信長「れ……零ッ?!!」

 

 

 

 

 

 

そう、赤い光の正体とは、邪武者ディケイドに倒され取り込まれてしまった筈のディケイドだったのである。しかし、その姿は彼等が最後に見た時とは違って、全身がまるで鎧武者を模した姿をした真紅の鎧となり、腰のバックルには十五人の武者ライダー達の紋章が入ったコンプリートカードを装填したディライトのケータッチ、胸には同じく十五人の武者ライダーのカードが並べられたヒステリーオーナメントを装備し、両手には日本刀のような形状の機械の双剣を握り締めた武者の姿……十五人の武者ライダーの力を借りて変身した『ディケイド・戦国コンプリートフォーム』へと変わっていたのだった。

 

 

邪武者ディケイド『ガァッ、クッ……!き、貴様っ、何故ッ?!どうやってあの空間から脱出したッ?!一度取り込まれれば、彼処から抜け出す事など……!!』

 

 

ディケイド戦国CP『――自分達の主や民、この世界を想うアイツ等の力を、侮り過ぎてたようだな……』

 

 

邪武者ディケイド『ッ!何だとっ……?』

 

 

何が起きたのか事態が理解出来ぬまま、ディケイドの言葉に思わずそう聞き返す邪武者ディケイド。するとディケイドはゆっくりと身を起こし、右手に握る機械の日本刀……戦国ブレードの切っ先を邪武者ディケイドに突き付けて力強く言い放った。

 

 

ディケイド戦国CP『俺と同じように、お前に取り込まれた武者ライダー達が、残された力を使って俺を外へ出してくれたのさ……この世界を、民達を、主達を自分達の代わりに守って欲しいと、俺にこの力を託してな』

 

 

信長「……!ツヴァイ達が……?」

 

 

邪武者ディケイド『馬鹿なっ……!!奴らは既に我が血肉と化したハズ……!!それにそのような真似をすれば、奴らの魂が我に取り込まれる時期が更に速まるばかりなのだぞっ……?!なのに何故ッ?!』

 

 

ツヴァイW『――まだ分かんねぇのかよ、邪武者』

 

 

理解が出来ない。そう訴え掛ける邪武者ディケイドにツヴァイがそう言い放ち、ゆっくりとディケイドの横に立ち並ぶ。

 

 

ツヴァイW『ライダーってのは、守るもんがあるから戦い抜く。例え身体一つになろうと、身体が消えようと、それでも食らい付いて大事なもん守る為に戦う……その心そのものがライダーなんだよ』

 

 

ディケイド戦国CP『それは仮面ライダーだろうと、武者ライダーだろうと変わらない……それを忘れ去ったお前の野望如きで、アイツらの想いや願い、何よりも守りたかった大切な物を、踏み躙れると思うなッ!!』

 

 

邪武者ディケイド『ッ……!!何なんだ……何なのだ貴様等はァッ?!!』

 

 

苛立ちのあまり、天将刀を突き付けて喚き散らすように叫ぶ邪武者ディケイド。それに対してディケイドは両手の戦国ブレードを、ツヴァイはパンドラソードを構え直し……

 

 

ディケイド戦国CP『通りすがりの……』

 

 

ツヴァイW『『二人で一人の……』』

 

 

『『『仮面ライダーだッ!憶えておけぇッ!!!』』』

 

 

邪武者ディケイド『ッ!!ほざけぇえええええええッ!!!!』

 

 

同時に地を蹴って飛び掛かる二人に対し、邪武者ディケイドも怒号を飛ばして同じように飛び出し迎え撃つ。最初に斬り掛かってきたツヴァイのパンドラソードを弾きながら、続けざまに仕掛けてきたディケイドの戦国ブレードを天将刀で受け止め、そのまま鍔ぜり合いになりながら真横の壁を突き破り戦いの場を変えていったのだった。

 

 

ツヴァイW『アマツッ!今の内にあの二人を助け出せッ!奴は俺達が引き受けるッ!』

 

 

アマツ『……!あ、あぁ、分かったッ!』

 

 

信長とカガミの救出を依頼するツヴァイの言葉に一瞬戸惑いながらも頷き返して、アマツは信長とカガミの救出へと向かい、ツヴァイもアマツの後ろ姿を見送りながらディケイドと邪武者ディケイドが共に消えた壁へと飛び込んで二人を追い掛けていった。が……

 

 

 

 

 

 

 

 

―……シャララララッ……シャララララッ……―

 

 

 

 

 

 

 

 

アマツ達の遥か頭上。其処には、先程邪武者ディケイドのドライバーの亀裂から溢れ出た閃光の残滓が宙を漂う光景があったのだった。そして、光の残滓はそのまま天井の穴を抜けて、外の神樹の木々に実る果実へと吸い寄せられていき、そして………

 

 

―ギュイィィィィィッ……バシュウゥンッ!―

 

 

光の残滓を吸い込んだ果実が突然淡い光を放ちながらその姿を変化させ、なんと、クロノス、ツヴァイの顔が描かれた二つの錠前……クロノスロックシード、ツヴァイロックシードに変化していったのだ。と、更に其処へ……

 

 

―ドッゴオォオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオォンッッッッ!!!!!―

 

 

冥王『――これで53本目と……ん?これは……』

 

 

上空を縦横無尽に飛び回り、神樹カーラーンから平行世界に目掛けて放出される触手を片っ端から撃破していた冥王が、偶然にもその二つの錠前を発見し、クロノスロックシードとツヴァイロックシードをもぎ取り二つのロックシードを眺めていく。

 

 

冥王『クロノスとツヴァイのロックシード……?どうしてこんな所にこんな……もしかして……?』

 

 

と、其処で何かに気付いたのか、冥王は適当に近くに実る果実へと手を伸ばして果実をもぎ取り、手にした果実に自身の神氣を僅かに注ぎ込んでいく。すると、冥王の神氣を帯びた果実が淡い光を放ち、冥王の顔がカバーに描かれたメイオウロックシードへと変化していった。

 

 

冥王『これはっ!……フ、フフフフッ、木の根の相手ばかりで少し飽きてきた所だったけど、此処に来て面白い発見があったの!これは試さない手は無いの♪』

 

 

まるで新しい玩具を買ってもらった子供のようにウキウキしながらそう言うと、冥王は近くの触手達を一瞬で切り落としながらその場を離れてUターンし、トランス達が戦う戦場を目指し飛んでいったのだった。

 

 

 

 

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