仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 劇場版編   作:風人Ⅱ

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劇場版小説/仮面ライダーディケイド&クロノス 過去と未来の激闘⑧

 

 

 

―時渡り町・市街地―

 

 

ヒート『ハァッ!フンッ!ハッ!!』

 

 

ジェネシック『くぅッ?!うあぅっ!』

 

 

そして場所は戻り、市街地でエターナルとルナを除くNEVERと三者三様の戦いを繰り広げるトランス達だが、その中でジェネシックは、ヒートの猛攻に押されて徐々に後退し始めてていた。最初こそはヒートと一進一退の格闘戦を繰り広げていたものの、ヒートの鋭い戦闘術に圧倒されて次第に防戦一方となっていたのである。

 

 

ジェネシック(はぁ…はぁ……この赤い仮面ライダー……強いっ……)

 

 

ヒートが素早く振り抜いた炎の拳を上手く払いながら、ジェネシックは心の中で素直にそう思った。純粋な強さなら互角の筈なのに、此処まで圧されるのはやはり経験の差なのかもしれない。

 

 

幼い頃から裏の世界で幾つもの修羅場を潜り抜けてきた幸助やなのは(不破)とは違い、自分はただ修行だけ……。

 

 

其処に大きな差があるのかもしれないが、恐らくそれだけではない。

 

 

ヒートの拳から伝わってくる感情……負けられないという想いが、彼女自身の心の強味となってるのかもしれない。

 

 

正直立ってる事すら限界に近いが、それでも負けていられないと、ジェネシックは弱気になりつつある自分を奮い立たせようとするが……

 

 

ヒート『ちっ、しぶといね……さっさと倒れなッ!』

 

 

―ズガアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーアンッッッ!!!―

 

 

ジェネシック『っ!!?』

 

 

どんなに全力で拳や蹴りを打ち込んでも倒れようとしないジェネシックに痺れを切らし、トドメと言わんばかりに放たれた炎を纏ったヒートの渾身の連続攻撃がもろに決まり、ジェネシックは地に両足を着けたまま後方へと勢いよく吹っ飛ばされていってしまう。吹き飛ばされながら燃えるような痛みが全身を駆け巡るが、ジェネシックは仮面の下で唇を噛み締め……

 

 

ジェネシック『――負、けて……たまるかぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああっっ!!!!』

 

 

―ドバアアァァッッ!!!シュンッッ!!!―

 

 

ヒート『?!―バキイィィッ!!!―ウアァッ?!!』

 

 

全身の痛みを吹っ飛ばすかのように限界まで体中から気を放出し、そのまま残像の如くヒートの目の前から消えながら一瞬で接近し、ヒートの顔面を殴り付けたのだった。

 

 

ジェネシック『ゲム!ギル!』

 

 

ヒート『くっ?!カハッ!』

 

 

更に続けて右手でヒートの顔を殴り、左手で肩を掴み空へと投げ飛ばす。

 

 

ジェネシック『ガン!ゴー!』

 

 

投げで空中に浮いたヒートに右足で腹部を蹴り、左足で頭部に踵落としを繰り出し、

 

 

ジェネシック『グフォ!!!』

 

 

―ズガアァァァァッ!!!―

 

 

ヒート『あああああっ?!』

 

 

右ストレートでぶん殴って吹っ飛ばすと同時に、莫大なエネルギーが蓄積された右手と左手を合わせヒートに向けて突き出した。

 

 

ジェネシック『はあああああああああああああ!!!』

 

 

―ガキイィィィィィィィィィィィィィインッ!!―

 

 

ヒート『?!か、体が?!』

 

 

両手から放出された衝撃波がヒートの動きを捕らえ、全く身動きが取れなくなった自分の身体に驚愕し動揺するヒート。そして……

 

 

ジェネシック『ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイタァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!』

 

 

―ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーアァンッッッ!!!!―

 

 

ヒート『がっ……?!!!キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

 

 

地面を破壊しながらヒートに目掛けて突進したジェネシックの両手が腹部を貫通し、ヒートの腹から夥しいどす黒い何か……最早生きてる人間の物ではない黒い血を噴き出しながら吹っ飛ばされたのだった。完全に技が決まり、出血の量からしてもう戦いを続ける事は出来ない筈だ。だが……

 

 

ヒート『―――がっ……ぅ……まけ……負けられないのよ……克己の……私達の目的の為にも……生きてる人間を死人に変えるためにも……私を裏切った克己をもう一度信じる為にもっ!』

 

 

大量の血が溢れ出る腹部を押さえながら、ガクガクと震える足で尚も立ち上がり戦おうとするヒート。ジェネシックはそんなヒートを見て悲しげに眉を潜めると、瞼を伏せて心の中で彼女に謝り、無言のまま片腕を空に掲げた。

 

 

ジェネシック『……マッハキャリバァァァァアアアアアアアアアアアアっ!!』

 

 

―ブオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーオォンッッ!!!!―

 

 

片腕を掲げ高らかに叫ぶと共に、ジェネシックの背後からジェネシックのマシンであるマッハキャリバーが自動操縦で駆け付け、走りながら巨大な黄金の右腕と黄金の槌のようなパーツに変形しながら分離し、そのままジェネシックの右腕に装着されていった。

 

 

ジェネシック『マッハクラッシャァァァァアアアアアアアアアア!!』

 

 

ハンマーから放たれる金色のオーラがジェネシックを包み込んで黄金に光り輝き、右手に握り締める黄金のハンマーをヒートに向けて突き付けていく。

 

 

ジェネシック『……同情はしないよ。この街を、家族を、友達を……好きな人を守るためなら、私は破壊神になる!だから……貴女を殺します!!』

 

 

自分にも守るべき物がある。その為なら敵である彼女も倒すと、迷いのない覚悟を秘めた瞳でジェネシックがそう告げると、ヒートはこちらを向いて何かを悟っていた。

 

 

ヒート『……いいよ……私は元々死んでるし……気にしなくていい……どうせ私は、克己にとって捨て駒でしかない……私達のヒーローだった克巳は……もう、何処にもいないんだから……』

 

 

そう呟くヒートは、何故か仮面の裏で涙を流しながら笑ってる気がすると思った。そしてそんなヒートの姿を見て何かを感じたのか、ジェネシックは突き付けたハンマーを徐に下ろすと、穏やかな声で語り掛けた。

 

 

ジェネシック『……私は中島スバル。貴女は、名前はなんていうんですか?』

 

 

ヒート『羽原、レイカ……これから殺す人間の名前を聞くなんて、変な女ね』

 

 

ジェネシック『私は殺した人を背負って生きていく気はないよ……でも、殺した人の名前は覚えていくつもりです。それが私の罪だから』

 

 

ヒート『そう……勝手にしなさい』

 

 

そう言って、ヒートはまるで眠るように瞼を閉じ顔を俯かせていく。それを合図と受け取ったジェネシックはゆっくりと右手のハンマーを振り上げ、そして……

 

 

ジェネシック『羽原さん……光にぃぃい!なぁあああああああれぇぇぇええええええええええええええええええええ!!!!』

 

 

咆哮と共にジェネシックが全力で振り下ろした黄金のハンマーが迷いなくヒートに叩き付けられ、ヒートの身体は徐々に光の粒子と化して空へと昇華していく。その間際……

 

 

ヒート『先に逝ってるわ……地獄で会いましょう……克己……』

 

 

完全に光となって消滅する寸前、何処か穏やかな声でそう呟き、その言葉を最期に光となって空へと消えていったのだった……。

 

 

ジェネシック『……勝った』

 

 

そして、ヒートのその最期をしっかりと見届けた後、ジェネシックはゆっくりとハンマーを上げながら変身を解き、そのままその場に仰向けで倒れ込んだ。

 

 

もう気も体力も使い切った。

 

 

体中が痛くて、今にも気絶しそうだった。

 

 

スバル(中島)「……強かったな」

 

 

そんなボロボロの状態なのに、脳裏に思い浮かぶのは先程まで戦ってた相手……羽原レイカの事だった。

 

 

彼女は確かに強かった。だが……彼女は道を間違えた。

 

 

自分は……間違えたりしない。

 

 

その為にも、もっと、彼女よりも強くならないといけない。

 

 

心の中でそう強く決心し、スバル(中島)はマッハキャリバーに運んでもらうよう頼んでそのまま気絶した。

 

 

後のことを、親友の彼女に任せて……

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

メタル『ウオオオラアァァァァァァァッ!!』

 

 

―ブオォンッ!!ブオォッ!!―

 

 

冥王『……はぁ』

 

 

スバル(中島)がヒートを倒したのと同じ頃、メタルが振りかざすメタルシャフトを身を僅かに動かして避けながら、冥王はあからさまに落胆していた。

 

 

この銀色のライダーは確かに攻撃力は高いが……それだけだ。

 

 

動きは単調、非常に読みやすいし避けやすい。

 

 

これでは自分が望む心躍る戦いなど求められそうにはないと分かり、既に冥王はやる気なく攻撃をかわすばかりだった。

 

 

メタル『んの野郎っ……!ちょこまかちょこまかと、やる気ねぇのかテメェ!!』

 

 

冥王『煩いの』

 

 

全く戦う素振りを見せない冥王のやる気のない態度が癪に障ったのか、怒号と共にメタルシャフトを振り上げ叩き付けようとするも、冥王は一瞬でメタルの背後に回り込み、背中を薙刀で斬り付けた。

 

 

メタル『グアッ!!このっ……アマぁぁああああ!!』

 

 

冥王『はぁ……この程度の攻撃も避けられないなんて……もういいの』

 

 

―ドガアァッ!―

 

 

メタル『グアァッ?!』

 

 

遊びはおしまいと言わんばかりに放たれた回し蹴りがメタルの頭に直撃して吹っ飛ばして、冥王はつまらなそうに嘆息しながら何処からか取り出したパスをバックルへとセタッチした。

 

 

『Full Charge!』

 

 

メタル『させるかァ!!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共に薙刀に強大なエネルギーが蓄積されていき、それを目にしたメタルは冥王が技を放つ前に息の根を止めようと、メタルシャフトを振り上げながら冥王に正面から突っ込んだ。が……

 

 

 

 

―フッ……―

 

 

メタル『なっ……消え……』

 

 

―シュババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババアァッッッッ!!!!!!―

 

 

メタル『ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア??!!』

 

 

 

 

冥王が一瞬でメタルの視界から姿を消したと同時に、メタルの身体を視えない何かが高速で斬り刻んだのであった。そうして何百回と斬りつけられた後、メタルの真後ろに冥王が音もなく姿を現し、直後にメタルは断末魔を上げながら粉々に爆散したのだった。

 

 

冥王『全然オーケストラにもならない断末魔だったの』

 

 

非常につまらなかったと、薙刀を肩に乗せガッカリといった感じに溜め息を吐く冥王。やり足りないので、今もトランスとやり合っているであろう残ったトリガーを狩る為に、トランスに加勢に行くことにした。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!―

 

 

トランス『くっ……!』

 

 

そしてその一方、トランスはトリガーの素早く正確で精密な射撃に翻弄され、何とか近づこうとするが中々それが出来ずにいた。

 

 

トランス(流石は狙撃手、かな……弾が全部こっちの急所を正確かつ精密に狙って来るし、撃ち落とすのも精一杯で近付くのも難しいけどっ……)

 

 

だが、絶対出来ないというワケではない。トリガーが放つ銃弾をライドブッカーGモードで撃ち落として出来るだけ数を減らし、落とし損ねた弾はギリギリ避けながらライドブッカーからカードを取り出しバックルへと投げ入れスライドさせていった。

 

 

『ATTACKRIDE:WING LOAD!』

 

 

―ギュイィィィィィィィィィィィィィインッ!!―

 

 

トリガー『……っ?!』

 

 

電子音声と共に、トランスとトリガーの周囲に無数の蒼白の光の道……スバルが空を駆けるために使用するウィングロードが展開されたのだ。突然周りに現れたそれにトリガーも驚きを露わにして辺りを見渡すが、トランスが何かをしようとしている事だけは分かり、すぐにトリガーマグナムでトランスを狙い撃っていく。だが、それより速くトランスは既に一枚のカードをバックルに装填しスライドさせていた。

 

 

『ATTACKRIDE:SONIC MOVE!』

 

 

―シュンッ!―

 

 

トリガー『ッ!何……?!』

 

 

再度電子音声が鳴り響くと共に、トランスは超高速で動きトリガーの放った銃弾を回避しながら姿を消したのだった。突如有り得ない速さで動き出したトランスにトリガーも驚愕しながらトランスを探し周囲を見回すが、トランスの姿は地上の何処にも見当たらず一向に姿を見付けられない。その時……

 

 

―……シュンッ!!―

 

 

トリガー『ッ!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!―

 

 

トリガーの真上に展開されたウィングロードを超高速で金色の閃光が駆け抜け、トリガーはそれに反応してすぐにトリガーマグナムを頭上に向けて連射するが、其処には既に何もなかった。だがトランスがウィングロードを使って自分を翻弄しようとしていることに気付き、トリガーも迷わずにウィングロードに乗って空に戦場を変えていく。

 

 

トランス(―――確かに、私はこの世界の私みたいに強いわけじゃないし、お父さん達みたいに凄いわけでもない……でもっ!)

 

 

一方で、ソニックムーブの効力で閃光と化しウィングロードを超スピードで駆け抜けるトランスがふと下を見れば、地上にいたトリガーが光の道を跳び移りながら上へ上へと昇って来る姿が目に映り、それを確認したトランスはライドブッカーをSモードに切り替えた。

 

 

トランス(皆を守りたいっていうこの気持ちだけは、私だって負けたりはしないっ!私は私なりのやり方でっ、戦ってっ、守りたい人を守るんだっ……!魔法が使えなくなって、空を飛べなくなっても……!)

 

 

トリガー『……!!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!!―

 

 

ウィングロードを光の速さで駆け抜けて接近しようとしてるトランスに気付き、咄嗟にトリガーマグナムの銃口を向けて近付けまいと射撃を試みるトリガー。

 

 

しかし、トランスも負けじとウィングロードを目にも止まらぬ速さで駆けながらトリガーを放浪していくと、トリガーが立つ光の道へと跳び移り、そのまま怯む事なく銃弾の中を潜り抜けながらトリガーに真っすぐ突っ込み、銃弾が肩や仮面を掠るのを感じながらあらかじめライドブッカーから取り出しておいた二枚のカードの内の一枚を、バックルに投げ入れスライドさせていった。

 

 

『ATTACKRIDE:SLASH!』

 

 

―ガキイィィィィィィィィィィィィインッッッ!!!!!―

 

 

トリガー『グッ…?!!』

 

 

トランス『――皆のこの力と一緒に、今度こそ守り抜いてみせるんだっ!!!』

 

 

閃光の速さですれ違い様に振るわれたトランスの剣がトリガーの身体を横一閃に斬り付けて怯ませ、トリガーの背後にトランスが姿を現した。それを視界の端に捉えたトリガーは、身体をふらつかせながらトリガーマグナムを背後のトランスに向けて引き金を引こうとし、トランスも振り向き様に手に持った最後のカードをバックルに装填してスライドさせた。

 

 

『ATTACKRIDE:KARYUU ISSEN!』

 

 

トランス『火竜……っっ!!!』

 

 

―バアァンッ!バリイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッッ!!!!―

 

 

鳴り響く電子音声と共に、トリガーマグナムから撃ち出された銃弾がトランスの仮面の右側に直撃し、音を立てて砕け散った。そして砕かれた仮面の隙間から血が飛び散るが、仮面の奥に隠されたトランスの瞳はトリガーを見据えたまま離さず、火炎に包まれるライドブッカーの柄を両手で強く握り締め、そして……

 

 

 

 

トランス『一閃っっ!!!!』

 

 

トリガー『ッ!!?』

 

 

―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーアァンッッッッ!!!!!―

 

 

 

 

雄叫びと共に突き出されたライドブッカーから放たれたのは、シグナムの技の中でも最大の威力を誇る攻撃。ほぼ零距離から撃ち出されたその大威力火炎斬撃は一瞬の内にトリガーを飲み込み、トリガーは言葉を発する間もなく跡形も残さずに爆発し散っていったのであった。

 

 

トランス『はぁ……はぁ……はぁ……やっ……た……?』

 

 

視界を遮っていた炎が消えた先にトリガーの姿がないのを確認すると、緊張の糸が解けたのか、トランスはそのまま肩で息をしながらペタリとその場に座り込んでいった。其処へ……

 

 

冥王『……ちっ、こっちももう終わってたの』

 

 

トランス『ぇ……あ、そっちも終わったんだ……?』

 

 

メタルを片付けて、物足りなさを埋める為に加勢しに来た冥王が、トランスが座り込むウィングロードまで浮遊しトランスの隣に降り立ったのであった。そして冥王は辺りを見渡してもう敵がいないか確認すると、落胆したように肩を落としウィングロードに座り込むトランスに目をやった。

 

 

冥王『それにしても、随分とボロボロになってるみたいだけど……そんなに苦戦したの?』

 

 

トランス『あっ……うん、あのライダーの射撃が早くて正確だから、中々近づけなくて……』

 

 

冥王『……一つ尋ねるの。貴女の家族に不破御神流はいるの?』

 

 

トランス『え?お父さんとお兄ちゃんとお姉ちゃんがそうだけど?』

 

 

冥王『貴女自身は学ばなかったの?』

 

 

トランス『……その……幼い頃から想像を絶する程の運動音痴だったからっ』

 

 

冥王『(同じ私なのに世界が違うだけでこうも差があるの……情けないの)……ってことは神速も使えないの?』

 

 

トランス『神速?……む、無理だよ!あんなクロックアップに対抗できそうなチート体術は無理っ!』

 

 

冥王『……はぁ……貴女みたいなのに倒されるぐらいだし、あの青いライダーもそんな大した奴じゃなかったって事か……』

 

 

トランス『酷くないっ?!私、一応貴女の教えも生かして戦ったんだよっ?!』

 

 

ちゃんと彼女の教えも生かしながら勝ったというのに何故か落胆されガーン!とショックを受けるトランスだが、もっと戦いたかった冥王からすればそんな事は余り重要じゃないのでどうでもよろしいらしい。

 

 

冥王『まあいいの……それよりも早くさっき逃がした白いのと、クネクネして気持ち悪い金色を追い掛けるの。金色はどうか知らないけど、白い方はそれなりに楽しめそうだし』

 

 

トランス『……なんだろ、この勝ったのに全然釈然としない感じ……』

 

 

何か納得いかないが、とにかく冥王の言う通りさっき逃がしたエターナルとルナをこのままにしておく訳にはいかない。額から流れる血を拭いながら何とか立ち上がると、トランスは冥王と共にエターナル達を追い掛けようとする。が、その時……

 

 

 

 

―バシュウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!―

 

 

『…っ?!―ドガアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっっ!!!?』

 

 

 

 

突如上空から、無数のミサイルや砲撃が飛来してトランスと冥王に直撃し吹っ飛ばしてしまったのだった。更にウィングロードや周囲の建物までもが破壊されていき、二人は足場を失って地上に目掛けて落下し地面に叩き付けられてしまう。

 

 

トランス『ぁ……くっ……今のはっ……?!』

 

 

―グギャアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!―

 

 

冥王『!……あれは……』

 

 

突然の攻撃に困惑する二人の頭上から響き渡る、獣のような鳴き声。それを耳にした二人が空を見上げると、其処には……

 

 

 

 

 

―バシュウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!―

 

 

『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!』

 

 

 

 

 

上空に敷かれた線路を走り、後続車両から展開されたミサイルや砲撃を乱射して街を無差別に破壊して回るワニのような頭部の銅色の列車……ガオウライナーが雄叫びを上げる姿が其処にあったのだった。

 

 

トランス『あれは、デンライナーっ?!でも先頭車両が違う……?』

 

 

冥王『……ふっ、なんだか知らないけど面白そうなのが出て来たの。ちょうど物足りないところだったし』

 

 

トランス『も、物足りないってっ……とにかく、早くアレなんとかしないとっ!』

 

 

冥王の発言は取りあえず無視し、とにかく今は上空を走り回り無差別に市街地を破壊するガオウライナーを止めねばと考えるトランスだが、あれほどのサイズの相手となるとまともに戦うのは難しい。一体どうすればいいかとトランスが頭を悩ませてると……

 

 

―ガチャッ……ブォンッ!―

 

 

トランス『……へ?』

 

 

不意に、トランスの左腰にあるライドブッカーが勝手に開いてカードが三枚飛び出し、トランスの手の中に収まっていったのである。トランスも突然飛び出してきたカードに驚きながらも手の中に握られたカードを見ると、それは絵柄を取り戻した冥王のカードとファイルアタックライドカード、そしてまだ未使用だった冥王のファイナルフォームライドのカードだった。

 

 

冥王『?そのカードはなんなの?』

 

 

トランス(な、なんでよりにもよってこのカードが出てくるの!?)

 

 

トランスはこのカードを渡した未来の幸助からどんなカードなのか詳しく聞いていた。

 

 

ぶっちゃけ、対軍殲滅兵器である(イメージで例えるなら、ガンダムSEEDのミーティアのハイマットフルバースト)

 

 

そんな強力過ぎるファイルフォームライドの為に正直目茶苦茶使いたくないのだが、ガオウライナーを止めるにはこの力でなければ不可能に近いだろう。

 

 

トランス『……他に手がないから仕方ないか』

 

 

断念をするように溜め息を吐いてそう呟き、トランスは他の二枚をライドブッカーに仕舞って『しぶしぶ』(ここ強調)カードをバックルに装填しスライドさせていった。

 

 

『FINALFORMRIDE:M・M・M・MEI-O!』

 

 

トランス『ちょっとくすぐったいよ?』

 

 

冥王『え?何をするの―ドンッ!―にゃ!?』

 

 

戸惑う冥王の背後へと回り込みトランスが背中を開く動作をすると、冥王は宙に浮きながら徐々に変形していき、巨大な大軍殲滅兵器……メイオウジェノサイド(冥王カラーのミーティア)へと超絶変形し、トランスの背中と両手に装備されていったのだった。

 

 

冥王(G)『凄いの……力が溢れるの!今、私は究極の力を手にしたのっ!!』

 

 

トランス『……本当に今も昔も冥王は変わらないんだね(汗)まぁ、とにかく行くよっ!!』

 

 

『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッッッ!!!!!』

 

 

冥王の台詞に冷や汗を掻きながらも、メイオウジェノサイドのバーニアを全開にし一気に空へと飛び上がるトランス。そして地上から接近して来るトランスに気付いたガオウライナーもトランスに標的を変え、後続車のミサイルと砲撃の照準をトランスに定め迎撃していくのだった。

 

 

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