仮面ライダーオーズ メダルと欲望と不幸?少年   作:風人Ⅱ

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第二章/欲望とアイスとプレゼント⑥

 

 

 

『オォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!』

 

 

その一方、高層ビルの屋上ではオトシブミヤミーが不気味な奇声を上げながらビルを揺らして暴れ回っていた。余りの衝撃の大きさにビル全体にも亀裂が走り、いつ倒壊して崩れ去っても可笑しくない状況に陥ていた。その時……

 

 

 

 

 

 

―ブオォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―

 

 

『ハアァァァァァァァ……セイヤッ!!』

 

 

―ジャキィンッ!―

 

 

『ッ?!』

 

 

突然真横から一台のマシンに乗った戦士……タコカンドロイドの大群が築いた道を伝ってきたオーズがライドベンダーに乗って飛び出し、そのままメダジャリバーでオトシブミヤミーの脚を斬り裂いて怯ませていき、オトシブミヤミーはその脚から無数のメダルを飛び散らせていった。

 

 

『っと、よし!このままもう一度っ……!』

 

 

オーズはライドベンダーと共にビルの屋上の着地すると、ライドベンダーを方向転換させてメダジャリバーを構え直しながらもう一度オトシブミヤミーへと突っ込もうとする。が……

 

 

『グウゥ……ガアァッ!』

 

 

―ドゴオォンッ!!―

 

 

『うおぉッ?!』

 

 

オトシブミヤミーはいきなり地団駄を踏み出しライドベンダーを薙ぎ払って屋上から吹っ飛ばしてしまい、オーズもライドベンダーから吹っ飛ばされた際にメダジャリバーを手放し屋上から落としてしまったのだ。剣とマシンを一度に失ってしまったオーズは怯んでしまい、その時屋上まで駆け上がってきたティアがその様子を見て舌打ちした。

 

 

「おい、何やってる拓斗!しっかりしろ!」

 

 

『ッ!ごめんごめんっ、ちょっと油断した……』

 

 

「ったく、ほらっ!コイツを使えっ!」

 

 

そう言ってティアはスカートのポケットから取り出した黄緑と赤黒いメダルをオーズへと投げ付け、オーズはそれをキャッチしメダルを見つめた。

 

 

『?これってカマキリに……新しいメダル?まあいいか!』

 

 

―ジャキッジャキッ!―

 

 

初めて目にするメダルを見て思わず首を傾げるオーズだが、ティアが渡したのなら何か意図があるのだろうとすぐに気を取り直してベルトのバックルを元の位置に戻し、バックルから黄色と緑のメダルを取り外すとティアから受け取った黄緑と赤黒いメダルをバックルへとセットし、右腰のオースキャナーを取り出しバックルへとスライドさせた。

 

 

『TAKA!KAMAKIRI!ATOLI!』

 

 

電子音声が響くと共に無数のメダルの残像が出現し、オーズの前で赤、黄緑、赤黒と縦一列に並ぶとオーズの身体がカマキリアーム、脚部が天使と鳥をモチーフにした様な赤黒く輝く刺々しい装甲……アトリレッグへと変化していった。

 

 

「よし、上手くいった!」

 

 

『ブォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

 

姿を変えたオーズの脚部を見てティアがガッツポーズを取る中、オトシブミヤミーは脚を振りかざしオーズへと無数の脚を突き出していった。それを見たオーズはすかさず両手にカマキリブレードを展開し、そして……

 

 

 

 

 

―……ブォンッ!―

 

 

『…ッ?!!』

 

 

 

 

 

オトシブミヤミーの無数の脚がオーズへと突き刺さった瞬間、オーズの姿が突如幻のように消えていってしまったのだ。それを見たオトシブミヤミーは驚愕し、オーズを探して辺りをキョロキョロと見渡した。その時……

 

 

 

 

 

 

『ハッ!!フッ!!セイヤッ!!』

 

 

―ズバァッ!!ギンッ!!ズバンッ!!―

 

 

『ッ?!』

 

 

いつの間にか、オトシブミヤミーの背後に回り込んだオーズがカマキリブレードを振りかざしてオトシブミヤミーの脚を斬り裂いたのである。オトシブミヤミーは脚の傷口から無数のセルメダルを飛び散らせながらも、咄嗟に後ろ脚でオーズを薙ぎ払い吹っ飛ばした……ように"見えた"が―――

 

 

『ほら、こっちこっち!デヤァッ!!』

 

 

―ガギィィィィンッ!!―

 

 

『ッ?!!!』

 

 

何故か吹っ飛ばされた筈のオーズがオトシブミヤミーの目の前にいたのである。それに気付いたオトシブミヤミーが驚愕と困惑の様子を浮かべる中、オーズはそれに構わずオトシブミヤミーの足元を連続で斬り付けてバランスを崩させ倒れさせていった。

 

 

「フッ、どうやら奴もすっかり騙されたようだな。あのメダルの能力……蜃気楼に」

 

 

その光景を離れて見ていたティアは、地面に倒れ込んだオトシブミヤミーを見てニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

そう、これがアトリメダルの能力の一つ、相手に幻覚を見せて翻弄させるという能力であり、先程オトシブミヤミーが見たオーズの姿が消えたりオーズが吹っ飛ばされるという光景も全てアトリメダルの力で見せた幻だったのである。

 

 

『よしっ!やっぱり使いやすいなぁコレ♪』

 

 

そしてティアが離れて戦いを見守る中、オーズは地面に倒れ沈黙したオトシブミヤミーを見て安心したように軽く一息吐き、使い勝手の良いカマキリブレードに感心し軽く振り回していた。ティアはそんなオーズのマイペースさに呆れてしまうが、その時何かに気付いてオトシブミヤミーを見て目を細め……

 

 

「――おい、気をつけろ拓斗!そいつはまだ!」

 

 

『……へっ?―ドグオォンッ!!!―なっ?!うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっっ?!!』

 

 

「?!拓斗ォッ!!」

 

 

ティアがオーズに向かって警告した瞬間、沈黙していた筈のオトシブミヤミーが突然起き上がってオーズを頭で殴り飛ばし、屋上から放り出してしまったのだ。オーズはそのまま遥か地上へと落下していってしまうが、その時何処からかタコカンドロイド達がオーズを追うように集まり縦一列に連結していき、最後にオーズの両足を掴んでオーズの窮地を救ったのであった。

 

 

『お、おおう……助かったぁ……お?』

 

 

地上まであと1メートル。もう少しで地面に叩き付けられそうになったオーズが安心したようにそう呟いていると、自分のすぐ真下に先程ビルの屋上から落としてしまったメダジャリバーが突き刺さっていることに気が付いた。

 

 

『あっ……あのタコちゃん?ちょっとそのまま我慢して!』

 

 

オーズは自分の両足を掴むタコカンドロイド達にそう頼みながらバックルの位置を戻してバックルから黄緑と赤黒いメダルを取り外し、左腰のメダルケースから黄色と緑のメダルを出してバックルにセットし、地面に突き刺さるメダジャリバーに手を伸ばして柄を掴み取った。

 

 

『よしっ、そのままそのまま、もうちょっとで―ズボッ!―っておわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!!!』

 

 

オーズが地面からメダジャリバーを抜き取った瞬間、タコカンドロイド達はそのまま屋上目掛けてオーズを投げ飛ばしてしまったのであった。オーズはいきなり投げ飛ばされた事に驚くもすぐに冷静さを取り戻し、右腰のオースキャナーを取り出してバックルをスライドさせた。

 

 

『TAKA!TORA!BATTA!TA・TO・BA!TATOBA!TA・TO・BA!』

 

 

『ハアァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

メダルをスキャンしてオースキャナーから電子音声が響くと、オーズは三部別色の姿……通常形態のタトバコンボへと戻り、そのまま屋上を飛び越えてオトシブミヤミー目掛けて落下し、メダジャリバーの刃をオトシブミヤミーの背中へと深く突き刺していった。

 

 

―ズシャアァッ!!―

 

 

『ッ?!グオォォォォォォォォォォォォォォォォオッ?!!』

 

 

『ぐっ、ぐぐぐぐっ!!ほらっ!!こっちだっ!!』

 

 

オーズはオトシブミヤミーの背中にメダジャリバーを深く突き刺したまま、屋上から落ちるようにメダジャリバーを動かして誘導していき、オトシブミヤミーと共にビルの屋上から落下していったのである。

 

 

そうしてオトシブミヤミーはそのままビルの屋上から落下して遥か地上へと叩きつけられていき、オーズは丁度真下に作られていたタコカンドロイド達のマットのお陰で何とか助かったが、その時逆鱗したオトシブミヤミーが突然起き上がりオーズへと突進し始めた。

 

 

『うわっ、案外しぶといっ。ならこっちも!』

 

 

迫り来るオトシブミヤミーを見て若干仮面の下で顔を引き攣りながらも、オーズは左腰のメダルケースからセルメダルを一枚取り出しながら先程屋上から落としてしまったと思われるライドベンダーへと走り寄り、メダルを投入してボタンを押すとマシンバイクモードへと切り替え、それに飛び乗りオトシブミヤミーから距離を離していく。

 

 

「……ッ?!アイツ、また勝手にメダルをっ!」

 

 

屋上から一階へと駆け降りようとしていたティアもふとその光景を目にし、セルメダルを勝手に使うオーズを見て舌打ちしながら階段を急いで下りていく。そうしてオーズはある程度距離を取るとライドベンダーを停止させ、どうやってオトシブミヤミーを倒すか思考を巡らませていると、片手に握るメダジャリバーを見て先程の御藤の言葉を思い出した。

 

 

『あっ……そういえば剣にもメダルを入れるんだっけ?』

 

 

すっかり忘れてた、というように呟きながらオーズは左腰のメダルケースを開きセルメダルを三枚取り出すと、メダジャリバーの投入口にメダルを装填していく。

 

 

―カンッ!カカンッ!カカカンッ!ガッゴンッ!―

 

 

『よし……いくぞっ!!』

 

 

―ブオォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―

 

 

メダルを全て装填しレバーを倒すと、オーズはオトシブミヤミーに向けてライドベンダーを再び発進させていき、オトシブミヤミーの突進を避けながら真下へと滑り込んでいった。そしてオーズは真下からオトシブミヤミーの腹部をメダジャリバーで突き立てていき、無数の火花とメダルを辺りに散りばめながら右腰のオースキャナーを取り出し、メダジャリバーの刀身へとスライドさせていった。

 

 

『ついでにコレもっ!!』

 

 

―キィーンッキィーンッキィーンッ!―

 

 

『Triple!Scanning Charge!』

 

 

スキャナーから電子音声が鳴り響くと共に、メダジャリバーの刀身が激しく光り輝いていく。そしてオーズはライドベンダーでオトシブミヤミーの真下を潜り抜けて開けた場所に出ると、オトシブミヤミーを見据えながらメダジャリバーを構え……

 

 

 

 

『ハアァァァァァァ……セイヤアァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!―

 

 

『ッ?!!グ…ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

 

 

オーズがメダジャリバーを斜め一閃に振り抜いた瞬間、メダジャリバーの刃から放たれた斬撃波が空間ごとオトシブミヤミーを真っ二つに斬り裂いていったのであった。そして斬り裂かれた空間が独りでに元の位置に戻ったと同時に、オトシブミヤミーは断末魔の悲鳴を上げながら爆発を起こして散り、爆発の中から大量のセルメダルが降り注いでいったのだった。

 

 

『スッゴ……こんなに……』

 

 

「はぁ……はぁ……まぁ、これだけ稼げただけでも上出来か……」

 

 

オーズは空から降り注ぐ大量のセルメダルを見上げながらその数に唖然となり、ビルから出てきたティアも乱れた呼吸を整えながら空から降り注ぐメダルを見て満足げに笑みを浮かべていた。そして……

 

 

「…………」

 

 

オーズとオトシブミヤミーの戦いを一部始終見ていた御藤は一度オーズとティアを見ると、ヘルメットを頭に被り、自身が搭乗するライドベンダーを発進させて何処かへと走り去っていったのだった。

 

 

 

 

 

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