センチュリオ『……!』
センチュリオ『……!』
―ドオォッ!!―
ルーノが身構えたと共に、二体のセンチュリオがそれぞれブレード・ルミナリウムを振りかざして前後からルーノに斬り掛かっていく。それを見たルーノは冷静に、手始めに背後から振り下ろされたセンチュリオの剣を右手の不可視の剣を身体ごと振るって弾き、そのまま正面から突っ込んできたセンチュリオの剣を紅い長剣で受け止めてから不可視の剣でセンチュリオを剣ごと押し飛ばし、ディエンドとNLに呼び掛けた。
ルーノ『気をつけて下さいよ、お二人共!コイツ等の持つ防御フィールドの『レルム・D』は並大抵の攻撃では破れませんし、必殺技も幾らか威力を殺されます!攻撃する際には、必ず一撃で仕留められると自負出来る必殺技で一撃で仕留めて下さい!半端な攻撃で傷付けてもナノマシンで直ぐに回復されますし、下手に追い込むとオーバーブーストを発動して目茶苦茶強くなっちまいますから!』
NL『ッ!って事は、しとめる際には必ず一撃必殺ってわけかっ。また面倒な―ブオォォンッ!!―ウオォッ?!』
ディエンド『だがやるしかないさ、取りあえず試せるだけの事は試すっ!』
そう言ってディエンドは二体のセンチュリオの斬撃をかわしながら後退して後ろ腰からディエンブレードを取り出し、真上から振り下ろされた二本の長剣をディエンブレードで受け止めながらディエンドライバーでセンチュリオ達を至近距離から撃った。が……
―ガギイィィィィィィィィィィィンッ!!―
ディエンド『?!なっ……!』
ディエンドライバーの銃口から撃ち出された銃弾は、センチュリオ達の前に発生したフィールド……レルム・Dの前に阻まれてしまい、センチュリオ達には届かなかったのだ。その光景を目にして愕然となるディエンドだが、センチュリオ達はそれに構わずディエンブレードを長剣で弾いて何度もディエンドを斬り付けていき、最後に突きを放って吹っ飛ばしてしまった。
ディエンド『グアァッ!!』
NL『大輝?!クソッ!』
吹っ飛ばされたディエンドを横目に見て、NLも咄嗟に目前のセンチュリオ達に向けてネロアンジェロを突き出し乱射していく。だがやはり、NLが放つ銃弾もレルム・Dに阻まれて全て防がれてしまい、銃が通じないと理解したNLは乱射を続けたまま右足に力を込めて走り出し、上空に勢いよく飛び上がってセンチュリオへと身体ごと回転しながらきりもみキックを打ち込もうとした。だが……
―ガギイィィィィィィィィィィィィィンッッ!!―
NL『?!な、何っ?!』
NLの必殺技のひとつ……レオシュートまでもが、センチュリオのレルム・Dに安易く防がれてしまったのだ。キック態勢のまま空中で止められ愕然となるNLだが、二体のセンチュリオはそれを他所にブレード・ルミナリウムを振りかざしながら飛び掛かってNLを地面に叩き落としてしまい、先程吹っ飛ばされたディエンドも『くっ…』と呻きながら上体を起こしてカードを一枚取り出し、ディエンドライバーに装填しスライドさせた。
『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-END!』
ディエンド『これならっ、どうだッ!!』
―ドシュウゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーッッ!!―
『……!』
電子音声と共にディエンドが銃口をセンチュリオ達に向けると、その銃口の周りから数十枚のオーラカードがゲートのように出現したと共に引き金を引き、銃口から放たれたエネルギー弾がセンチュリオ達に直撃し大爆発を起こしていった。その爆発から発生した爆風に三人も吹っ飛ばされないようにその場で耐えると、爆風が徐々に収まって視界もハッキリと見えるようになっていき、三人はゆっくりとディメンジョンシュートを受けたセンチュリオ達に視線を向けていく。其処には……
『…………………』
ディエンド『―――な……効いていない?!』
ディメンジョンシュートの直撃を受けながらも、所々軽傷を負っただけで悠然と佇むセンチュリオ達の姿があったのだ。しかも、その軽傷すらナノマシンによりあっという間に完治されて完全に元の姿へ戻ってしまい、センチュリオ達はそのまま背中のバーニアを噴射してディエンドへと接近しブレード・ルミナリウムで斬り飛ばしてしまった。
NL『な、大輝!!』
ルーノ『お任せを!』
吹っ飛ばされたディエンドを見て、直ぐさま援護に向かうべく走り出すルーノ。しかしそれを逃すまいと、ルーノが相手をしていたセンチュリオ達がブレード・ルミナリウムをランチャー・ジェミナスへと形成してルーノの背中を狙い撃ち、ディエンドを吹っ飛ばしたセンチュリオ達もランチャー・ジェミナスを形成して突進してくるルーノを混合射撃で迎え撃った。それを見たルーノは足を止める事なく、疾走したまま不可視の剣を逆手に持って目の前に突き出し……
ルーノ『吹き荒れろ、風王!!』
―ビュオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!―
『……?!』
宝剣を纏う不可視の風が、ルーノの叫びに応えるかのように暴風を巻き起こした。
ルーノの周囲に発生した暴風は前後から襲い掛かったビームと実弾を吹き飛ばし、更に突如巻き起こった風はセンチュリオ達を怯ませ一瞬だけ動きを封じる。
その隙を逃さず、ルーノは一足で目の前のセンチュリオ達の懐に潜り込むと共に右手の不可視の剣を振るい、両目に宿る死を視る力で二体のセンチュリオを護るレルム・Dを文字通り殺し、そして……
ルーノ『纏めて散れッ、花散る天幕(ロサ・イクトゥス)ッ!!』
―ズシャアァァァッ!!―
『……!!』
―ドガアアアァァァァァァァァァァァァァアンッッッ!!!―
すかさず右足の爪先を軸に体ごと回転し、左手の紅い長剣でセンチュリオ二体を赤い花びらを散らせながら纏めて斬り裂いたのだった。そして隙を突かれた二体のセンチュリオは成す術もなく斬り裂かれ爆発を起こし、ルーノはそれを確かめる前に踊るように背後へと振り返りながら左手の紅い長剣を地面に刺し、左手の指の間にショートソードに近い形状をした二本の短剣……黒鍵を出現させると、NLを圧してる二体のセンチュリオの前に発生してるレルム・Dに視える"点"目掛けて、黒鍵を投擲した。
―シュンッ、ガシャアァァァァァァァァアンッ!!―
『?!』
NL『な、何っ?』
投擲された二本の黒鍵は、NLの左右を抜けて二体のセンチュリオ達の前に発生するレルム・Dの死の点を貫き、その瞬間、レルム・Dが硝子細工のように粉々に砕け散ったのである。そのいきなりの光景にNLやセンチュリオ達も驚愕するが、ルーノはそれを他所にすかさず不可視の剣を両手で振り上げながら風を解放して黄金の剣を露出させ、解放した風を再び刃に集め……
ルーノ『チェスさん、伏せて下さいッ!!』
―ブオオオォォッ!!!―
NL『は?って危ねぇぇぇぇぇぇッッ?!!』
『?!』
―ズシャアァァァッ!!!ドガアァァァァァァァァァァァァァアンッッ!!!―
ルーノが黄金の剣を真横に勢いよく振るったと同時に巨大な風の斬撃が放たれ、風の刃は咄嗟に身を屈めたNLの上を通過して二体のセンチュリオの体を纏めて真っ二つに斬り裂き、巨大な爆発を巻き起こしたのであった。
ルーノ『ふぃ、一気に二体撃破っと……大丈夫ですかチェスさ~ん?』
NL『大丈夫じゃねえ!!オマエ今の何?!アイツ等なんか身体真っ二つに分かれてたぞ?!』
ルーノ『うん?そりゃ分かれるでしょう?ちょっと力を込めて撃ったんですし、当たればチェスさんもああなってましたよ』
NL『サラリととんでもないこと言ったよコイツ?!てか断りを入れながら撃つとかマジで止めろ!!当たってたらどうなってたかっ……!』
ルーノ『ハッハッハッハッ、大丈夫ですよ。もし真っ二つになっても私が愛用してるガムテープとボンドを貸してあげますから、それでくっついて下さい♪』
NL『くっつくか!!ってか俺、人間!!真っ二つになったら死ぬわ!!』
ディエンド『……二人共、漫才なら後にしてくれるかい?まだ二体残ってるんだけど』
コントを繰り広げる二人にそう言いながらフラフラと身体を起こすディエンドの言葉を聞き、ルーノとNLは目の前に視線を戻した。其処には、残り二人だけとなったセンチュリオ達がそれぞれブレード・ルミナリウムとランチャー・ジェミナスを構える姿があり、それを見た三人も肩を並べて武器を構えた。
ディエンド『しかし参ったね、こっちの攻撃が全く効かないと来た……ドール、君なら残りのアレも簡単に倒せるんじゃないかい?』
ルーノ『簡単にって、私は前にアレのオリジナルと嫌ってほど戦った事あるからそれなりに攻略方が分かるだけですよ?ついでにさっきまでの戦いも向こうが固まっていたから短時間で潰せただけですし、一対二で来られるとなるとちょっとめんどいっす。直死使ってフィールド殺してからじゃないと、一撃でやれませんし』
NL『いや、そんな回りくどいやり方しなくても、お前ならもっと簡単に一撃で倒せる方法があるんじゃないのか?』
ルーノ『まぁ別にないってことはないんですがー……あんま気乗りしないんでソレはパスで』
NL『気が乗らないで片付けやがったよコイツ……』
ディエンド『なら仕方ない、それなら君はその直死を使って奴らのフィールドを殺してくれ。その後、俺と彼で一撃で仕留める』
ルーノ『チョッリィース、理解が早くて助かります。では……』
ガチャッと、鎧の音を立てながら両手の長剣を構えてセンチュリオ達を見据えるルーノ。両側に立つディエンドとNLも、いつでも行けるようにそれぞれ必殺技の発射態勢に入り、二体のセンチュリオも長剣と連想ランチャーを構えて三人の動きを伺っている。そんな両者の間にピリピリと緊張した空気が流れ、ルーノが遂に、足に力を込めて踏み出そうとした。その時……
―……ドバアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!!―
ルーノ『ッ!』
『?!なっ?!』
―ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!!!!!―
……突然だった。ルーノ達が戦っていた通路の天井が突如崩れ落ち、其処から無数のビームと実弾が豪雨のように降り注ぎルーノ達に頭上から襲い掛かったのである。完全に不意を突かれたそれに驚愕しながらも、ルーノは咄嗟に両手の剣を使って無数のビームと実弾を弾き返していき、ディエンドとNLも体が先に反応したのか、直ぐさまその場から飛び退いて崩れ落ちた天井の外を見た。其処には……
『……侵入者を発見……これより掃討を開始……』
NL『……おい……なんの冗談だよ……』
ディエンド『これはまた……キッツイのが来てくれたね……』
二人が見上げた天井の外。其処に見えたのは、青空を背に上空に浮かぶ四枚の羽を持ったセンチュリオ……センチュリオ・アウジリスの一ランク上のライダーである『センチュリオ・レガートゥス』と、その周りに浮かぶ十体近くのセンチュリオが、ランチャー・ジェミナスの銃口を一斉に三人へと向けていたのだった。それを見たルーノは……
ルーノ『あらー……何か、最後の戦いの時の事を思い出してきましたね……あっマズイ、またゲボ吐きたくなってきた』
うぇっぷと口を抑えた瞬間、上空から無数の発砲音が響いた。それは破壊の豪雨が再び三人の頭上へと降り注ぐ合図であり、三人の姿は今度こそ、二度目の豪雨の中へと消えていってしまったのだった。