―???の世界・ユリカの隠れ家―
とある世界に存在する密林の奥。其処には、建物全体が錆び付き人知れず森の中に建つ廃校があった。
おそらく昔建てられた学校なのだろうが、場所が森の奥にあるというせいか、近辺に住まう住民にはこんな場所に廃校が存在するとはあまり知られていない。
そんな事情もあって都合が良いと判断し、なんでも屋として様々な世界を渡り歩く為に普段は一カ所に留まらないユリカはこの廃校の一室を無断で改造し、何時でも捨てられる研究室にしている。
そして現在その部屋には、無人世界の研究所から連れ帰ったディー・トリエルが室内のベッドに横たわり、その脇にはチェスと大輝、そしてその反対側には机に腰掛けてパソコンを操作するユリカの姿があった。
室内は静寂に包まれて誰も一言も話そうとせず、ただユリカがキーボードを叩く音だけが響き渡っている。
ユリカが操作するパソコンのモニター画面には、トリエルに関するデータが映し出されており、そのデータを見てキーボードの操作を進めていたユリカはスッと目を細めた。
ユリカ「む……これは……」
チェス「?師匠?どうかしましたか?」
パソコンの画面を見て唸るような声を漏らしたユリカにチェスが疑問げに問うと、ユリカは一度ベッドの上で眠るトリエルを見た後、再びパソコンに目を向けて淡々と語り出した。
ユリカ「今調べて分かったけど……どうやらこの娘、今はライダーへの変身能力を失ってしまってるみたいね……」
チェス「え?……ど、どういう事ですか、それ?変身能力を失ってる?」
ユリカ「そう……この娘達レギオンは普段はベルトを体内に入れ、意思に応じて腰に出現させる事が出来る。この辺りに関してはクウガのアークルとほぼ同じだけど、ベルト事態は彼女達と同様にナノマシンで作られているから、人体に影響を及ぼす事もない。それにベルトがナノマシンで作られている為に、例えベルト事態が破損しても数時間もしない内に修復される……ハズなのだけど……」
ギィッと、椅子からゆっくりと腰を上げて立ち上がると、ユリカはベッドに近付き未だ目覚める様子がないトリエルの顔を見下ろす。
ユリカ「あのセンチュリオとフィールド・インペリウム同士をぶつけ合ったとき……勝負事態は相打ちに終わったみたいだけど、その時にセンチュリオのフィールド・インペリウムのナノマシンがこの娘のベルトの内部に入り込み、あの戦いで破損したベルトの修復を妨げる障害になっているみたいね……多分それは毒性の機能を持ったナノマシン……修復事態はちゃんと進んでるようだけど、その毒性のナノマシンを駆除するのに時間が掛かって修復が思うように進まず、変身は不可能……つまるところ、毒性のナノマシンをすべて消すまでこの娘は変身出来ない……」
チェス「……つまり、この娘には今戦う力がないってことか……」
大輝「ほう。それじゃ今のところ、いきなり変身して襲い掛かってくる心配もない訳ですね」
ユリカ「一応はね……まあ、そんな状態にあるみたいだけど、彼女からデータを取ること事態はそう難しくなかったわ……これ、貴方が欲しがってたデータ」
トリエルから視線を外してそう言うと、ユリカは机に歩み寄ってパソコンから一枚のディスクを抜き取り空のディスク入れに入れ、そのまま大輝へと投げ渡した。そして大輝はディスクをキャッチしそれを眺めると、「確かに♪」と笑って返しながらそのまま部屋を出ようとする。
チェス「お、おいちょっと待て!大輝!」
大輝「……?何だい?まだ何か用でも?」
チェス「いや……その、さ……」
早く帰りたいと、険しげに目でそう訴え掛ける大輝の視線から逃れるようにトリエルの顔を見つめてすこし言い淀むと、チェスは意を決したように大輝の目を見て口を開いた。
チェス「悪いんだがさ……この娘、お前んとこに引き取ってもらうとか出来ないか?」
大輝「は……?冗談だろ?どうして俺がその娘を引き取らなきゃいけない?」
チェス「いやだって、良く考えたらこの娘、これから行く宛とかない訳だしさ。出来るなら俺が引き取ってやりたいけど、俺も零の妹の監視や『白陽』の捜索に忙しいから面倒見る余裕もないし……お前んとこに、住み込みでバイトしてる奴……ルミナって言ったか?ソイツを引き取ってるみたいだし、ならもう一人ぐらい……」
大輝「冗談じゃない。彼女を引き取ったのは、あくまで屋台の手が足りないから仕方なくだ。しかも彼女にはかなり食費が掛かってる。そんな中にもう一人?君は俺に破産しろとでも言うのか?そんな事なら、ユリカさんに頼んで引き取ってもらえば良いだろ」
チェス「いや……それはぁ……」
ジト目で睨んでくる大輝にそう言われ言葉に詰まり、チェスは不安と僅かな期待を込めてユリカに視線を向けた。が……
ユリカ「生憎だけど、私もその娘を引き取るつもりはないわ。データも取ったし、半ばとは言え依頼が完了した今、もうその娘に用はない……」
チェス「……ほら、師匠がこんなだからさ……」
大輝「だから俺が代わりに引き取れと?無理だね」
チェス「ちょっとぐらいは悩む素振りとか見せろよ!お前はこんな子供が路頭に迷う事になっても心が痛まないってのか?!」
大輝「別に」
チェス「この外道がっ!!師匠ッ?!」
ユリカ「さて……次の依頼は……」
チェス「アンタはそれしか頭にねえのかァッ?!!」
トリエルのこれからについて悩む常識人チェスの心境を露知らず、それぞれ好き勝手に動こうとする二人に思わず頭を抱えながら叫ぶチェス。と、そんな時……
―ガラガラガラッ……―
ドール「―――だー、チキショウ映姫さんめぇ……人の顔を見るなり問答無用で現世に追い返しやがって……」
チェス「……ッ?!ド、ドール?!」
部屋の扉が突然開き、其処から何やらブツブツと文句を呟きながらひとりの子供……無人世界で行方不明になっていた筈のドールが姿を現し、チェスはドールの姿を見つけて驚愕しながらドールに駆け寄った。
ドール「んう?おおチェスさん、お二人もやはり此処に居ましたか。いやはや、無人世界に戻って来ても誰も居なかったから、もしかして此処かな?と思って来てみたらどうやら正解だったみたいですね。いやぁー良かった良かったご無事で」
チェス「良かった良かったじゃないっ!お前、今まで何処に行ってたんだ?!」
ドール「ん?あーいやぁー、すみません。ちょっくら三途の川まで飛ばされて釣りしてましたわぁ(=ω=)」
チェス「……は?三途?」
急に姿を消した事について問い詰めるチェスだが、全く意味の分からない返答を返すドールの言葉に頭上に疑問符を浮かべてしまう。だがそんなチェスとは対照にそれだけで意味が分かったのか、ユリカはドールにジト目を向けた。
ユリカ「どうして貴方がそんな所に飛ばされてるのよ……確か昔彼処で色々とやらかして、貴方はあの世へ足を踏み入れる事すら禁止されてる筈でしょう?」
ドール「一応そうなってるんですけどねぇ~。ほら、あの無人世界で結構な数の研究員が死んだでしょう?私もそん時に体を消し飛ばされたから、多分死んだ魂があの世へ飛ばされる際に私もその中に巻き込まれる形で送られたんでしょうな。そんで途中からそのことに気が付いたんですけど、『あ、だけどコレこのまま行けば普通に映姫さんのとこに行けんじゃね?今までみたいに不法侵入とかしないであの世に行ける訳だし』と思ってワクワクしながら川の向こう岸に渡る小船にさりげなく乗ろうとしたら、小町さんにストップ掛けられちゃいましてねぇ?おかげで小船には乗れず、期待に胸を膨らませてた分チキショーーーー!!!と思って腹いせに三途の川を荒らしてやろうかと、海竜と釣りでバトってたんですが、運悪く映姫さんに見付かり現世に叩き返されましてね……どう?酷くねっすか?」
チェス「……いや、お前がな……つかそれ、明らかに十割お前が悪いだろ」
ドール「えー!だって他の魂が見てる中で私だけ小船からのけ者にされたんですよ?!周りの魂達は『え、コイツ死人じゃねえの?』とか『じゃあなんでさりげなく舟に乗ろうとしてたワケ?ってかなんなのコイツ?』みたいな目で見てくるし、恥ずかしさのあまり顔から火が出そうでしたわい!ちょっとぐらいお茶目な嫌がらせしたって良いじゃねぇっすか!!」
大輝「そのなりで竜を釣り上げる事のどの辺がお茶目なんだろうね……」
ユリカ「ふぅ……分かったでしょう、チェス?コレを心配するだけ無駄だって」
チェス「……えぇ……師匠が正しかったです……」
ムッキィーーッ!!と変顔で怒りを表現するドールを見て、先程までコレの身を案じてた自分が馬鹿らしく感じ頭を抑えて溜め息を吐くチェス。だが、チェスは其処でトリエルの事を思い出してある事を思いつき、ドールに向けて口を開いた。
チェス「なあドール、お前が今世話になってるのって、確か衛宮邸だったよな?」
ドール「うん?えぇ、毎日美味しいご飯を頂いております衛宮邸ですよ。因みに、最近はほぼ毎日と言っていいほどトラブルがなだれ込んでくるで有名ですが」
チェス「……それ言われるとスッゴい不安になるんだけど……この際仕方ないか……実はな?今その娘を誰が引き取るかって話し合ってた最中なんだが、お前、衛宮士郎に頼んでその娘を暫く家に住まわせてもらえないか話してもらえないか?」
ドール「は?その娘?……あらら、トリエさん?」
チェスの話で漸くベッドに眠るトリエルの存在に気付いてポカンとした顔を浮かべるドール。そんな彼に、チェスはドールがいなくなっていた間のことを一から簡潔に説明していき、それでドールも状況を理解して納得したと言うように腕を組みながら頷いた。
ドール「ううむ、なるへそなるへそ……チェスさんも大変ですなぁ?一人の女の子のこれからの処遇について真剣に悩んでるってのに、周りが変人ばかりだから振り回されてばっかで」
チェス「お前がそれ言えた立場じゃないけどな、今回一番振り回してくれたのはお前だし」
ドール「うぇー?そうでしたっけ?トロッコに乗ってゲボ吐いた記憶しかござらんぜ?つか、私は基本頭のネジが常時ぶっ飛んでるので細かい事は良く覚えとらんとです」
チェス「自分からぶっ飛んでるって認めちゃったよコイツ……」
フッ、と何故か得意げに胸を張るドールに呆れた視線を向けるチェス。ドールはそんなチェスの反応を他所にベッドに歩み寄り、近くにある椅子に腰を下ろしてトリエルを見つめた。
ドール「んでまあ、トリエさんを引き取る話でしたっけ?私は別に構いませんが……私の独断で決められる問題でもねぇですからね。家主の士郎さんや凜さん達にも一から説明しなければなりませんし、大河さんを上手く説得出来るかも微妙ですしな……ユリカさん、すんませんが、トリエさんの後見人になって頂けませんか?」
ユリカ「後見人、ねぇ……やるのは別に構わないけど、タダではやらないわよ……依頼として頼むなら引き受けるし、その分の依頼費を貴方の借金に加算させてもらうけど」
ドール「こんにゃろぉぉ、人の足元見やがってぇ……しゃーない……いいっすよもうそれで。どうせそうなるんじゃないかと大体想像付いてましたし」
こんな頼みですら、依頼でないと引き受けないと言うユリカにやれやれと溜め息を吐くドール。するとユリカはパソコンの脇に置いてあった電卓を手に取って何やら計算を始め、ドールの下に近付き電卓を見せた。
ユリカ「因みに、依頼費についてはこれだけ貰うわよ……」
ドール「はいはいはいはい、金の話でしょう?どうせ高額だって分かってるから今更大して驚きやしな…………ポオオオオォォォォォォォォォォォォウッ?!!あんじゃこりゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーッッッ?!!!」
ユリカ「今までの借金と合わせてそれだけ貰う。これ絶対」
ドール「高すぎじゃね?!加算したつっても十倍とかんなチャチな話じゃねえですよコレッ?!お前さんは私に金に踊らされて狂い死ねとでも言うつもりかァッ?!」
ユリカ「それで貴方が死ぬのなら見てみたいものね。それにそんな驚いてるけど、そもそも貴方が私に一円でも借金を返したことが、一度でもあったかしら?」
ドール「は?ヲイヲイヲイ、何を言うんです貴方は?んなもん、一度だってねえに決まってんでしょ!」
チェス(……何で威張って言うんだろコイツ……)
胸に手を当てて何故か自慢げに言える事でもない事を堂々と叫ぶドール。そんなドールにチェスは何とも言えぬ顔を浮かべ、ユリカもまたツッコム気にもなれず呆れるように溜め息を吐いてしまう。
ユリカ「とにかく、依頼を引き受けてもらいたいならこれだけは貰う……。勿論、今ならまだ断ることも出来るけど」
ドール「ぬむうぅ……まあ良く考えてみれば、今更こんな増えても大して変わりやしないですしなぁ……。分かりやしたよ、金の目処が立てば少しずつでもお返しします」
ユリカ「返す気があるならまだ良いけど、あまり待たせるとこっちから取り立てに来るから、宜しく……」
ドール「うぇっふぅ、相変わらず子供相手に容赦ねえですぜこの人……まあいいか。取りあえずユリカさんの協力も得られましたし、残るは―――」
トリエル「……………ッ………………?」
ユリカがトリエルの後ろ盾になる事を承知してくれて一息吐いたドールがベッドに視線を向けると、今まで目覚める予兆を見せなかったトリエルがなんの前触れもなく突然意識を取り戻し、ゆっくりとベッドから身を起こした。
大輝「おや、どうやら気が付いたようだね」
トリエル「…………?」
ベッドから身体を起こしたトリエルは、最初に視界に入った見慣れないドール達の顔と、明らかに研究所の部屋でないと一目で分かる室内を不思議そうに見渡している。そんなトリエルの様子を見て警戒を抱いているのではと思ったチェスはベッドに近付き、出来るだけ優しい口調でトリエルに声を掛けた。
チェス「大丈夫か?良かったよ気が付いて。全然目覚める様子がなかったから、ちょっと心配してたんだ」
トリエル「………………」
チェス「あっ、えーっと、自己紹介がまだだったよな?俺はチェス・フリッカー。隣のコイツはドールで、そこにいるのが海道大輝。んで、そっちにいるのが俺の師匠の、ユリカ・アルテスタさんだ。君の名前は、ディー・トリエル……で、良いんだよな?」
トリエル「………………」
チェス「あー……あ、警戒しなくても大丈夫だからな?俺達は倒れてた君を助けただけで、それ以上はどうこうしようってつもりはないから、ホントにっ」
トリエル「………………」
チェス「えーと……そのぉ……」
ドール(……チェスさん、チェスさん)
自分達が敵ではないことを何とか説明しようとするも、トリエルはただ虚ろな瞳で見つめてくるだけでなにも答えない。そんな状態に困り果てていたチェスの服の袖をクイクイッとドールが引っ張り、小声でチェスに話し掛けてきた。
チェス(ドール?なんだよ?こっちは今あの娘と話を……)
ドール(今の彼女に返答を求めても無意味です。彼女は何も答えられませんから)
チェス(……え?それって……)
ドール(えぇ、彼女は声を出す事が出来ません。彼女達マシンチャイルドは、肉体そのものをナノマシンで構成して造られた人工生命体です。なので、ナノマシンの活性具合により普通の人間が持つのと同じ能力を得られるのですが、彼女は其処までナノマシンが活性化してるように見えない。まだ会話能力……いえ、人としての感情すらまともに得てないみたいです。先程の戦いから見ても、恐らく戦闘力を重点的に置いて特化させられてたのでしょうな)
だから、トリエルは他者と話す事も、喋ることも出来ない。ドールにそう言われチェスは虚ろな瞳を向けて来るトリエルを見て戸惑いを浮かべるが、トリエルはそんなチェスの反応を見ても表情ひとつ動かさない。その様子を見ていたユリカは軽く息を吐くと、ベッドに腰に下ろし、トリエルの顔を見て口を開いた。
ユリカ「こんにちは、取りあえず挨拶はしておくわ。其処の彼が紹介した通り、私はその子の師匠のユリカ……貴方を拾って此処まで運んだ人間よ……僅かとはいえ感情が芽生えてるなら、私の言ってる事は分かるわね?」
トリエル「………………」
淡々とした声でトリエルにそう問い掛けるユリカに対し、トリエルはただユリカの顔をジッと見つめるだけで頷く事もしない。だが、ユリカはそのトリエルの瞳を見ただけで何か分かったのか、瞼を伏せて「そう」とだけ返し、再びトリエルの顔を見て話を続けた。
ユリカ「まどろっこしい話は抜きにして、単刀直入に言うわ……。実は私は今、そこにいる銀髪頭から依頼を引き受けてね。これから貴方はソレが世話になっている家に居候してもらい、その話を通す為に私は貴方の後見人になった」
トリエル「………………」
ユリカ「何故そんなことになってるのかって……?うちのお節介な馬鹿弟子が、貴方がこれから住むところがないじゃないかと心配してソレに頼んだのよ……。私としては貴方の事はどうでもいいのだけど、依頼を引き受けた以上はそういう訳にはいかない……。悪い話でもないでしょう?貴方には身寄りもないのだし」
トリエル「………………」
ユリカ「必要ない、とでも考えてる?果たしてそうかしらね……。今の貴方は、一人で生きていく力も戦う力もない……何せ、貴方はもうライダーにはなれないのだから」
トリエル「……………!」
微かに目を細めてユリカがそう告げると、トリエルはピクッと微かに身体を振動させ始めて反応を見せた。そしてトリエルはゆっくりとした動きで自分の腹の辺りに触れなにかを探るような仕草を見せ、それを見たユリカは畳み掛けるように言葉を紡ぐ。
ユリカ「分かるでしょう?ライダーの力を失った今、貴方の『任務』にも支障が出て来る……その姿のままでも大抵の相手とは戦えるかもしれないけど、貴方と同じマシンチャイルド達が貴方を処分しようと攻めてきた時、どうやって彼女達を退けるつもり?」
トリエル「………………」
ユリカ「私達と来なさい、代わりの力なら私が与える。いつでも世渡りが出来るように必要と思える技量や知識も教える……。食事も寝床も保証するし、彼女達から身を隠すのにも使える。貴方の立場から考えても悪くない条件のハズよ……どうする?」
トリエル「………………」
彼女の今の立場から有効と思える条件を提示し、返答を待つユリカ。するとトリエルはユリカから少し目線を下げ暫くそうしてると、再びユリカに向けて静かに目線を戻し、ユリカはトリエルの目から彼女の意志を読み取りドール達へと振り返った。
ユリカ「……取りあえず、当面は私達に着いて来る、って言ってるわよ」
チェス「マジですか?っていうか、今のでどうやって分かったんだ……」
ドール「アレじゃね?NT的な力でキュピンキュピンしたんじゃないですか。いやはやしかし流石ですな、伊達に年喰っちゃいねえぜ!よっ、魔性の女!策士!ババア俺だ!結婚してくれ!BA・BA・A!!BA・BA・A!!」
ユリカ「(ギロッ!)」
ドール「びええええええええぇぇぇぇぇぇんっっ!!ババアが睨んできたァ!!ババア怖いよおおおお!!うんこババアごえーよおおおお!!うんこおおお!!ウンゴオオオオオオ!!!。・゚゚(つД`゚)」
ユリカ「……チェス、ソレ捕まえときなさい」
チェス「あ、はい、分かりましたっ」
―ガシッ!―
ドール「……アレ?何故に私、後ろからがっちりホールドされちょるん?うん?しかもユリカさんからみょーな威圧感が……ヲイヲイヲイヲイあの人なんか目が据わってるよこえぇぇぇッ?!アータいつものクールっぷりはどしたァッ?!」
ユリカ「そんなの必要ない……貴方に対しては、遠慮無しに自分の気持ちをぶつけることが出来るのよ……貴方と私の仲だしね……」
ドール「この状況でそんな素敵台詞言われても絶望しか感じねえです……。でも私、泣かない!負けない!挫かない!だって女の子だもぉん!だから退かぬぅ!媚びぬぅ!省みぬぅ!!」
ユリカ「了解した……地獄に堕ちろ、人形」
ドール「フォオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーウッッ!!!!(#´Д`#)」
大輝「……帰るか。もう用も済んだし」
トリエル「………………」
これ以上は付き合ってられないと言うように部屋から出ていく大輝に気付かないまま、ドールのお灸TIMEを繰り広げるユリカ&チェス。トリエルは暫くその奇妙を光景を虚ろな瞳でジッと眺めていたが、ふと部屋の窓から差し込む日の光に目を細めて窓を見ると、其処には何処までも続く青空が広がってるのが見え、それを目にした彼女は何かに思いを馳せるようにその光景をずっと眺め続けていたのだった。
◇◆◇
――数時間後、衛宮邸……
ドール「チョッリース、ただいまーっす。帰って来て早々急な話ですが、皆さんにサプライズだよぉ。どぞ!」
トリエル「………………」
ユリカ「ユリカ・アルテスタ、海外でなんでも屋をしてたわ……。この娘の名前はディー・トリエル、私の従姉妹……。今日から暫く此処に住まわせてもらうから、宜しく……」
凜「………………」
セイバー「………………」
桜「………………」
ライダー「………………」
バゼット「………………」
イリヤ「………………」
大河「………………」
士郎「…………………………………………えっ?」
丁度夕飯時であった衛宮邸の食卓へと、ドールと共に現れた二人の美少女と美女。突如前触れもなく現れ、美女にいきなり家に住むと告げられた衛宮家の食卓に、何とも言えぬ微妙な空気が流れたのであった。
ディー・トリエル設定]
ディー・トリエル
性別:女性
外見:水色のショートヘアーに真紅の瞳を持つ少女
愛称:「トリエ」
出典作品:SDガンダム GジェネレーションDS
解説:ドール達が襲撃した黒月 八雲がスポンサーを務める研究所に居合わせた少女。ニュータイプ能力を持ち、その能力は今までの強化人間の力を上回るが、とある事情により喋る事が出来ず、その為に余り自己表現が得意ではない。
その正体は、他のレギオンと同様に黒月八雲がかき集めた研究員により造られた『マシンチャイルド(肉体をナノマシンで構成した強化人間)』と呼ばれる人工生命体であり、その四番目の試作モデル(D号試験体)である。
所定の能力を越えられなかった事と感情がわずかに芽生えていた事から、A~C号試験体と同様に殺処分され掛かった所を、彼女を作り出した本人であるゼノンによって助けられる。だが、そのゼノンも彼女を殺処分しようとする研究員の凶弾に倒れて危うく連れ出されそうになるが、ドール達が研究所を襲撃して騒ぎを起こした為に難を逃れた。
その際、息絶え絶えになりつつもゼノンが最後の力を振り絞って殺されるという事の意味を理解出来なかった彼女に対し『戦いを継続し生き続け、その中で自分にとって大切なものを見つけろ』と命令を与え、彼女に生きる事に対する執着を付けさせた。
その後、ゼノンの命令を遂行すべく彼が密かに彼女に与えていた灰色のセンチュリオ・『トライア』に変身し、その圧倒的なスペックでドール達が苦戦したセンチュリオ達を次々撃破していくも、ノーマ・レギオが変身するセンチュリオ・レガトゥースとの一進一退の激戦で相打ちに合い、戦いの末にトライアの力を一時的に失ってしまう。
以降はドール達に保護され彼等と共に衛宮家で居候し、其処でドールや士郎等と関わり合いながらユリカから生きるために必要な知識や技量を教授してもらい、トライアに代わるライダーシステムである『白式』を手に入れる。
保護されてからは様々な人と人間関係を築き、オーズ本編開始時点ではドール、チェス、ユリカ、衛宮家の人々に懐いているが、言葉が喋れないのは相変わらずである。
また、D号試験体(Dトライアル)を捩ったディー・トリエルという名に嫌悪感があり、愛称の『トリエ』で呼ばれる事を好む。
仮面ライダー白式
解説:ユリカがトライアに代わるライダーシステムとしてトリエルに与えた仮面ライダー。
外見はZガンダムの百式に白のオリジナル塗装を施したライダーであり、白式の名もこれに由来している。なので、某ISの主人公である唐変木・ザ・唐変木ズのISとは全くの無関係。
肩には本来の「百」の文字に代わり「白」のマーキングが施されており、武装もメガ・バズーカランチャーを除き百式の武装と変わりはない。
固定武装として仮面頭部に60mmバルカン砲を2門、腰部にビームサーベル(出力0.4MW)2基装備している。携行武装としては、主にビームライフル(標準出力2.8MW)や30mmクレイバズーカを用いる。
仮面ライダートライア
解説:他のセンチュリオに先立って開発された実験機のライダーで、トリエルの脱走と共に持ち出された。全身の殆どをナノマシンによって構成されており、多彩な攻撃を繰り出すことが可能。
正式名称『センチュリオ・トライア』
実験機ゆえに、テスト用に可能な限りの機能が実装されており、不安定ながら、戦闘能力は一般型のセンチュリオを圧倒するスペックを誇っている。因みにトライアのみ全体のカラーリングが灰色(他のセンチュリオは白と紫)である。
武装は他のセンチュリオと同様の武器と機能が用いられている。
レギオン
解説:女性。実用化された量産型のマシンチャイルドで、ディーと全く同じ外見をしている。変身する仮面ライダーは各種センチュリオシリーズ。
多数が存在し、「レギオン(軍団)」を構成する。各個体毎の意識がなく全てのレギオンで共有されており、これらの集合意識をノーマ・レギオが統率する。
ノーマ・レギオ
解説:女性。「レギオン」を統率するマシンチャイルドで、他のレギオンと同様ディーと全く同じ外見をしている。変身する仮面ライダーはセンチュリオ・レガートゥス。
個人としてのパーソナリティを持たないレギオンとは異なり、僅かながら自我を持っているが、本人は自分を道具と割り切っている為にその事に気付いていない。
無人世界の研究所上空にて脱走したトリエルと激戦を繰り広げるも、双方が放ったフィールド・インペリウムで無人世界が砂漠の世界へと変わり果てた後、何処かへ消え行方をくらました。
仮面ライダーセンチュリオ
解説:黒月八雲が様々な世界からかき集めた研究員達に造らせた高性能ライダーで、レギオンはこれに変身して常に大部隊で行動する。機体開発にはターンXや∀ガンダムを解析して得たデータが用いられ、これらの簡易コピーとも呼ばれている。
ナノマシンによる自動修復機能や、防御フィールドを発生させて敵の攻撃を防ぐレルム・Dなど、これまでの量産型ライダーを遥かに凌駕するスペックを持っている。
装着者のレギオンが危機に陥ると体内のナノマシンが活性化し、戦闘能力を増加する『オーバーブースト』という現象が発生し、センチュリオ自体のスペックも大幅に上昇する。
装甲などはトライアと同様にナノマシンで構成されており、機体を取り巻くように付いている金色のリングにある羽の形状をしたナノマシンによって武器に形成する。機体は羽の数で区別し、羽の数が多いほど上位機種でスペックも高い。
センチュリオはラテン語の『ケントゥリア』を端に発している。そのケントゥリアは『百人隊』を意味しており、イヤというほど出現するセンチュリオに相応しい名前と言えるだろう。
武装一覧
ランチャー・ジェミナス
解説:センチュリオの基本装備の一つ。羽状のナノマシンを形成させて生成した連装ランチャーで、実弾とビームを混合して射撃を撃つ事が可能。
ブレード・ルミナリウム
解説:羽状のナノマシンを剣の形に形成させて造る近接用の武装。従来のビームサーベルより遥かに威力があり、ゲーム中ではまず最強の近接武器となっている。一見すると実体剣のように見えるが、更にナノマシンが噴き出してビーム状の刃を形成している。
フィールド・インペリウム
解説:自身の周囲に羽状のナノマシンを散布して周囲の敵を攻撃する技。月光蝶とほぼ同じ攻撃で、本編においても世界の全てを砂漠にしてしまうほどの驚異的な威力を見せた。レガトゥース以上の上位機種に装備されている。
レルム・D
自身の前に何らかの防御フィールドを発生させて敵の攻撃を防ぐ機能。全てのバリエーションに装備されており、上位機種であるほどフィールドの強度が高い。
バリエーション一覧
センチュリオ・アウジリス
解説:センチュリオの一般仕様で羽は二枚。レギオン達に運用される軍団の中核戦力となるライダーであり、一般仕様でもその性能は他の量産型を遥かに上回る。武装はランチャー・ジェミナスとブレード・ルミナリウムとレルム・Dのみ。名前表記はセンチュリオとなっている。性能が上位クラスのレガートゥスと同様の強化型アウジリスも存在するが、羽は変わらず二枚で、フィールド・インペリウムも装備していない。
センチュリオ・レガートゥス
解説:センチュリオの小隊長仕様で、羽は四枚。アウジリスより出力の向上やナノマシンユニットの増設等の性能強化が施され、周囲にナノマシンを飛ばして敵を攻撃する『フィールド・インペリウム』が追加装備された。
センチュリオ・????
解説:センチュリオの指揮官仕様で、詳細はまだ不明。
???????
解説:????
トライア(トライア・センチュリオ)
解説:トリエルが変身するテストタイプのセンチュリオ。テスト用に可能な限りの機能が実装されており、不安定ながらアウジリスを圧倒するスペックを持っている。また、トライアにはある特殊機能が備え付けられているらしいが、詳細は不明。
.
[←前|次→]
[�編集]
[←戻る]