『キエェェェェーーーーーっっ!!!』
『お、おぉおおおおっ?!ちょ、待っ?!』
鎌を振りかざしていきなり飛び掛かってきたヤミーにオーズは怯んで思わず両腕を突き出し、ヤミーの振り下ろした鎌を偶然受け止め防御した。その時……
―ガオオオォォッ!バシュウゥッ!―
突如虎の雄叫びが響き渡ると同時に胸の虎の紋章からオーズの右腕に向けて光が走り、光が右腕に到達すると共に右腕の黄色いアームが虎の爪のように展開された。
『これは?!でええいっ!』
―ガギィンッ!!―
『グオォッ?!』
オーズは右腕に展開された爪に驚きながらも無我夢中でヤミーを爪で斬り裂き、不意打ちを受けたヤミーは傷口から無数のメダルを飛び散らせながら吹っ飛ばされていった。そしてそれを追うようにオーズがヤミーの前へと飛び出すと、今度は胸のバッタの紋章から足に向けて緑の光りが走っていく。
『お、おぉぉぉ?!なんか力が身体ん中に溜まってきたぁ?!』
身体の中に溢れんばかりの力が漲ってくる感覚に若干戸惑いつつも、興奮気味にステップを踏みながら身を屈めていくオーズ。そして……
『ハアァァァァァァ……ハアァッ!!』
―バシュウバシュウバシュウゥッ!!―
『グアァッ?!』
コンクリートの地面を軽く蹴った瞬間、オーズは信じられない跳躍力でヤミーへと飛び掛かりそのまま連続蹴りを打ち込んでヤミーを蹴り飛ばしていったのだ。だが……
『グゥッ!このぉッ!』
―ガギィッ!ガギィンッ!グガアァンッ!―
『ぐっ?!うあぁっ?!』
吹っ飛ばされたヤミーはメダルを飛び散らせながら、すぐさま態勢を立て直して両手の鎌を振るいオーズを斬り飛ばしてしまった。そしてヤミーの斬撃を諸に受けてしまったオーズは若干怯んで後退りしてしまい、同時に虎の紋章が描かれたボディの色が火花を散らせながら何度か点滅してしまう。
『イッタタタッ……あ、あれ?何だ?』
斬り刻まれた身体を抑えつつ、いきなり点滅し出したボディを見て動揺を隠せないオーズ。その様子を離れて見ていた少女は小さく舌打ちすると、ポケットから一枚のメダルを取り出してオーズに投げつけた。
「拓斗!真ん中をコイツに変えろ!」
『え?おっと?!』
少女の言葉に疑問符を浮かべながらも、いきなり少女が投げつけたメダルをなんとかキャッチするオーズ。それを見たヤミーはそうはさせまいと背後からオーズに斬り掛かろうとするが、それに気付いたオーズはヤミーを蹴り飛ばしてベルトのバックルを水平に戻し、バックル中央のスロットから虎のメダルを取り外した。
『えと……こう?』
オーズは手慣れない動作でカマキリが描かれた黄緑のメダルをバックルのスロットへと装填してバックルを斜めに傾け、右腰に装着されたスキャナーを取り外しバックルに翳すように斜めへとスライドさせていった。
『TAKA!KAMAKIRI!BATTA!』
歌が響くと同時にオーズの周りに無数のメダルの残像が出現し、その中から赤、黄緑、緑とメダルの残像が縦一列に並びオーズの身体を光が包み込んでいった。そして光が止むと、オーズのボディが胸に黄緑の蟷螂の紋章が描かれ、両腕の前腕部にブレード状の武器・カマキリブレードを装備したカマキリアームへと変化し、オーズは即座にカマキリブレードを両手に展開しヤミーに身構えていった。
「よしっ!」
『クッ!ティア、コアメダルを渡せぇ!!』
姿を変化させたオーズを見て少女がガッツポーズを取る中、ヤミーはメダルを奪おうと少女に向かって走り出すが、その前にオーズが立ち塞がり両手のカマキリブレードをヤミーへと振りかざしていく。
―ズバアァッ!ズバンッ!ズバアァァッ!!―
『フッ!ハッ!デヤアァッ!』
『グッ?!ガアァァァァァァァァァアッ?!』
オーズが素早く振りかざすカマキリブレードがヤミーを連続で斬り付けていき、最後に二振りで放った斬撃がヒットしヤミーは無数の銀色のメダルを撒き散らしながら吹っ飛ばされていった。そしてヤミーを吹っ飛ばしたオーズが両手のカマキリブレードを構え直すと、胸のカマキリの紋章から両手のカマキリブレードの先端に向けて光りが走り、ヤミーに向けて一気に跳躍すると……
『ハアァァァァァァ……セイヤアァァァァァァァァァァアッ!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァアンッ!!―
『グオォッ?!アガッ……グアァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
―チュドオォォォォォォォォォォォォオンッ!!―
オーズはヤミーの懐に潜り込むと共に両手のカマキリブレードを振るい、全力の一撃でヤミーを斬り飛ばしていったのだった。そしてヤミーはそのまま宙に投げ出され断末魔と共に爆散し、爆炎の中から十数枚以上の銀色のメダルが飛び出しオーズの周りに降り注いでいった。
『?メダル?これってまさか……夏目ちゃんが言ってた?』
確か学校で夏目がメダルの怪人の事を話していたが、まさか今の奴がそうなのか?と、足元に散らばる大量の銀色のメダルを見下ろし、その事を思い出していくオーズ。そんな時……
「……ぅ……うぅ……」
『ッ!』
何処からか苦しげな呻き声が聞こえ、オーズは思わずその声が聞こえてきた方へと振り返った。其処には、先程ヤミーの攻撃によって重傷を負ってしまった警察官達が呻き声を上げながらうずくまる姿があった。
『お、お巡りさんっ?!しっかり!今救急車を―バッ!―……ッ?!』
苦しげにうずくまる警察官達を見てすぐさま駆け寄ろうと走り出すオーズだが、そんなオーズの前に少女がいきなり険しい表情で立ち塞がった。
「余計な事はするな。まずはメダルの回収が先だ」
『えっ……?な、何言ってるんだ?!早くしないとお巡りさん達が!』
警察官達の身よりメダルの回収が先などと告げる少女にオーズは困惑してしまうが、少女はそれを聞かずに腰を折って足元に落ちてるメダルを一枚ゆっくりと手に取った。その時……
―……ジャラジャラジャラジャラッ!―
『……え?』
突如、メダルを手にした少女の右腕が無数のメダルに包まれていったのだ。それを見たオーズは思わず言葉を失い、その間にも少女の右腕は赤い腕……異形の腕へと変化して銀色のメダルを取り込んでいったのだ。
『――え、えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーっっ?!!!』
その光景を目にしたオーズは呆然と少女の顔、そして突如変貌した少女の右腕を見て漸く事態を理解し、大絶叫を上げたのだった。
◆◇◆
―神上ファウンデーション・会長室―
その頃、神上ファウンデーションの会長室では神上がガラス窓から街の風景を眺めていた。彼の秘書であるレイカはそんな神上の背を見つめたまま動かず、神上はそんなレイカには見向きもせずに、ふと口元に笑みを浮かべた。
「遂に生まれたようだね、おめでとう。今日が君の誕生日だ……オーズ」
街を見下ろしたまま、柔らかい口調で静かにそう呟く神上。その言葉には何処となく歓喜が、そして何かを楽しんでいるようだと、彼の背中を見つめるレイカはただそう思っていた。
◇◆◆
そして場所は戻り、オーズは呆然と異形の腕を持った少女と向き合っていた。その物陰には、黒いバイクに跨がった一人の黒ずくめの人物……御藤がオーズ達の様子を監視する姿があり、御藤はオーズと少女の足元に散らばる大量のメダルを見て何処からか一本の缶を取り出しタブを起こした。すると……
『ピュイィーーッ!』
タブを起こした瞬間、缶は突如変形して鷹のような姿のメカに変わり、御藤の手の平から飛び去っていったのだ。そして鷹のメカが飛び立ったのを合図に御藤の足元に散らばっていた缶達も一斉に同じ鷹のメカへと変形し、そのまま勢いよく飛来していく。未だ対峙し合うオーズと少女の下へと……
第一章/不幸とメダルと謎の少女 END
オリキャラ設定①
ティア
性別:女
年齢:???(外見は拓斗と同い年ぐらい)
容姿:銀髪碧眼に、くせっ毛が特徴の少女
解説:拓斗の前に現れた謎の少女。その正体は八百年前に人間の欲望から生まれた鳥系のグリードであったが、ある事柄をきっかけに他のグリード達を裏切ったらしく、全てのグリードが封印された後に自身も封印されて眠りに付いていた。何故裏切ったのか、どうやって封印されたのかまでは不明。
しかし、八百年の時を経て他のグリードの封印が解かれた事により、それに呼応するように眠りから覚めて現代に姿を現す。
グリードの中でも飛び抜けて変わっており、欲望から生まれた時からグリード体と人間体と二つの姿を持っている。が、現代に蘇った際にはメダルが不足してるせいで右腕しかグリード化出来ないらしい。
もしもまたグリード達が目覚めた時に完全復活を防ぐ為、一部のグリード達からコアメダルを1種類一枚ずつ奪っている。
現在所持してるコアメダルは……
タカメダル×1
トラメダル×1
バッタメダル×1
カマキリメダル×1
チーターメダル×1
クワガタメダル×1
ライオンメダル×1
サイメダル×1
ゴリラメダル×1
ゾウメダル×1
シャチメダル×1
ウナギメダル×1
タコメダル×1
スバルメダル×1
ティアナメダル×1
キャロメダル×1
バルムンクメダル×1
オルカメダル×1
ハセヲメダル×1
ヨウコウメダル×1
以下不明……