仮面ライダーオーズ メダルと欲望と不幸?少年   作:風人Ⅱ

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第二章/欲望とアイスとプレゼント①

 

 

突如現れ襲い掛かってきた怪人、ヤミーを謎の少女が渡してくれたメダル三枚とベルトの力によって何とか撃退したオーズ。だがその少女の右腕が突如異形の腕へと変化し、オーズは突然の事態に唖然となりつつも変身を解こうと腰のベルトを触っていく。

 

『え、えと……こう?』

 

 

手慣れない手つきでベルトのバックルを水平に戻すとオーズは拓斗へと戻っていき、拓斗が元の姿に戻れて安心する中、少女はそんな拓斗へと歩み寄り拓斗の腰からベルトを奪い取るも、拓斗はそれを気にすることなく少女を見据えた。

 

 

「君は一体……さっきのは……ってあれ?」

 

 

思わず少女の右腕を掴み上る拓斗だが、少女の右腕は先程の異形の腕ではなく元の生身の腕へと戻っていた。それを見た拓斗が自分の目を疑う中、少女は乱暴に拓斗の手から逃れて口を開いた。

 

 

「良くやってくれたな拓斗……お前のお陰でメダルを大量に稼げた」

 

 

「え?稼げたって……いやそんなことより!早く救急車を呼ばないと!」

 

 

聞きたい事は山程あるが、今は急いで救急車を呼ばないと警察官達の命が危ない。拓斗は焦った様子で制服のポケットから携帯を取り出し救急車を呼ぼうとするが、少女がいきなり拓斗の手から携帯を奪い取った。

 

 

「おい、聞いてなかったのか?先ずはメダルの回収が先だ。お前も早く拾え」

 

 

「え、は?何言ってるんだ?!そんな物より早くお巡りさん達を……!」

 

 

「私から言わせれば、それこそそんな物だ。人間二人死んだくらいで何の支障がある?寧ろ人間なんか呼ばれたらメダルの回収に支障が出るだろう?そんな奴らほっとけ」

 

 

「?!君は……!!」

 

 

警察官達の命なんてどうでもいい。そんな態度を取る少女に流石の拓斗も怒りを抑えられず怒鳴ろうとするが、その前に少女は何かに気付き拓斗の背後を睨みつけた。

 

 

「おい……お前何をしてる?」

 

 

「……え?」

 

 

敵意の篭った口調でそう告げた少女に拓斗は疑問符を浮かべ、思わず背後へ顔を向けた。其処には一体の鷹のようなメカの姿があり、その口先には先程拓斗が倒したヤミーを形作っていた銀色のメダルが……

 

 

「貴様っ……それに触るな!!―ピュイィーー!!―……なッ?!」

 

 

自分の目を盗んでメダルを盗もうとしている鷹のメカを見て怒りながら駆け寄ろうとする少女だが、その時突如空から鷹のメカの大群が現れて怯んでしまい、その間にも鷹のメカ達は地面に落ちたメダルをあっという間に回収し飛び立とうとしていた。

 

 

「ッ!ふざけるな!それは私のだッ!」

 

 

その光景を目にした少女は瞬時に右腕を異形の赤い腕へと変化させながら一体の鷹のメカに追い付きメダルを掴み取り、鷹のメカから無理矢理メダルを奪い取った。だが他のメダルは全て鷹のメカ達に奪われてしまい、少女は鷹のメカ達が飛び立っていった方角を見て舌打ちしながら拓斗に歩み寄り胸倉を掴んだ。

 

 

「おい!今のは一体なんだ?!」

 

 

「し、知らないよ?!それより携帯返し―ポイッ―……ってあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!」

 

 

少女の問いに何も知らないと首を振りながらも携帯を取り返そうと手を伸ばす拓斗だが、少女は苛立つように舌打ちしながら左手に持った拓斗の携帯を適当に投げ捨ててしまい、拓斗は宙に投げ出された携帯を何とかキャッチし直ぐさま救急車を呼ぼうとする。

 

 

「―――どうも妙だな……封印されてた間、なにかが起こってる……」

 

 

そんな拓斗を尻目に少女は唯一手に入れたメダルを見つめながら訝しげな表情を浮かべていき、その様子を陰で見ていた御藤は無言のままバイクを走らせ何処かへと走り去っていった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

一方その頃、神上ファウンデーションの最上階の部屋では、神上が先程と変わらず部屋の窓から町の風景をジッと眺めていたが、神上は何かを察したように開いた窓の方へと目を向けた。すると、先程拓斗達の前でメダルを回収した鷹のメカの大群が開いた窓を通って室内へと侵入し、レイカが座るテーブルの上に回収したメダルを重ねて缶のような姿へと戻っていった。

 

 

「見たまえ天城君……たった一日でコレだよ……」

 

 

神上はそう言ってテーブルの上に積み重ねられた銀色のメダルの山を見て不敵な笑みを浮かべると、再び窓の方へと振り返って懐から一枚のメダルを取り出した。

 

 

「やはり、私のライフワークの為に必要なのかもしれないね……グリードも……オーズも……」

 

 

「…………」

 

 

レイカにしか聞こえない声で呟く神上にレイカは何も答えず、神上は一人笑みを漏らしながらメダルを親指で弾き、静寂が流れる部屋にメダルの弾ける音が響き渡っていったのだった。

 

 

 

 

 

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