仮面ライダーゼロワン外伝 名も無きアクイ   作:タコわさび

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4話「アノ日の僕らはもう居ない」

人工知能搭載人型ロボット ヒューマギアが人々の仕事をサポートする新時代。

 

 

相原 幸樹(あいばらゆうき)は悪意を抱えたまま日常を送っていた、しかしある時その日常を崩す事件が起きる·····

 

 

 

「アノ日の僕らはもう居ない」

 

 

 

 

 

それは暴走ヒューマギアの制圧と言う一仕事を終えた後だった。

AIMSの移動車の中で悪路に揺られながら、相原の隣に座っている現副隊長の宇佐美 明(うさみあきら)が話しかけてきた。

「お疲れ様ッス相原さん!」

そう言いなが私は体育会系です、と言わんばかりの明るさで座りながら頭を深々と下げる、器用なやつだ。

「おう、お疲れ様」

俺はぶっきらぼうに返すとそのまま目線を下に落とす。

「そうだ、相原さん今日の帰りに飲みに行きませんか?」

「いや、やめておくよ」

宇佐美の誘いに即答する。

飲みにといえば、1週間前くらいから羽生と連絡が取れていない·····何かあったのか?

「えぇーなんでッスか〜」

そう喋りながら頬を膨らませる、ホントに器用なやつだ。

そんなビックリ人間じみた事をしてる宇佐美を思わず笑ってしまった。

「わかったよ、ただし給料が出てからな」

「はい!相原さんやっと笑ってくれましたね」

元気よくそう答える、俺が飲みの誘いに乗ったことより俺が数日ぶりに笑った方が嬉しいらしい。

ちょうどそんな時胸部分のトランシーバーから通信が入った。

「近くの現場隊員に告ぐ、暴走ヒューマギアの目撃情報あり。対象は女性型ヒューマギア、通行人に妄言で怒鳴りつけてるとのこと」

位置情報も送られてきており運転手は既にルートを変更して、暴走ヒューマギアの目撃場所に向かっている。

先程まで談笑していた他の隊員たちも静まり返り、兵士となった。

 

 

 

目撃情報のあった場所は俺たちのいた場所から5分もかからない所だ。

「ふざけるな!!」「みんな死んじまえ!」

「あれか·····」

通報にあったように確かに女性型ヒューマギアが通行人に怒鳴りつけている。

いや、通行人の男に·····か?

「ヤバいっすね、あれ」

宇佐美が窓に身を乗り出す。

「あぁ、でも制圧は難しくないだろうな·····」

その時だった、ほかの隊員が異常に気付く。

「なんだあれ?」

通行人はもちろん女性型ヒューマギアを避ける形で歩いているが、1人だけ女性型ヒューマギアに真っ向から歩いている男性がいる。

その男を俺は知っていた、数日前から連絡が取れなくなっていた古くからの友人羽生幸俊(はにゅうゆきとし)だ。

俺は数少ない友人の危機を察し、誰よりも早く移動車から飛び降り、女性型ヒューマギアに向かって走った。

「待ってくださいよ、相原さん!」

しかし、次の瞬間俺の足は止まった。

それは何も宇佐美の静止を聞いた訳では無い、女性型ヒューマギアが不意に構えた「それ」に見覚えがあるのだ。

女性型ヒューマギアは「それ」を腰に押し当て、ベルトを出現させる。

「嘘だろ·····?」

そして女性型ヒューマギアは懐からプログライズキーを取り出し、起動ボタンを押す。

《バグッ!!》

そして流れるようにベルトにプログライズキーを装填する。

「男は全て絶滅しろ·····!」

ラブライズ!!!

deadly absolute Bug(致命的で絶対的な不具合)!!!!

女性型ヒューマギアの体はみるみるうちに赤黒い液体に包まれ、肉を思わせるようなピンクと憎悪を感じる漆黒のツートンカラーの体に変わる。

胸の部分には逆向きになったハートを思わせる造形だ。

「仮面ライダー·····バグだ!」

そう名乗るとバグの体から女性の甲だかい悲鳴を思わせる周波数が響き渡り、一般人はもちろんの事AIMS隊員達までもが苦しみながら倒れ、意識を失った。

立っているのは仮面ライダーバグと俺、そして羽生だけだ。

なぜ羽生も無事なのか、その疑問はすぐに解消された。

バグが変身を完了させたと同時に腰にベルトを巻き付け、プログライズキーを取り出していた。

羽生が起動ボタンを押した·····慣れた手つきで。

《ヘイドレッド!!》

そのままベルトに装填する。

「·····変身」と羽生が小さく呟いたと同時に赤黒い液体に包まる。

イービィライズ!

Envelop the world Deep and sad malice(世界を覆うほどの深く悲しい悪意と絶望!!)

 

赤黒い液体が弾けて、そこからは真っ赤なスーツに漆黒のライン·····誰も寄せ付けないようなトゲトゲしいデザインの羽生もとい仮面ライダーヘイドレッドが現れた。

 

ヘイドレッドとバグがぶつかり合い拳を交わす、その光景を俺はは呆然と見つめていた。

「嘘だ·····羽生が、そんな訳」

全てを察した、羽生が悪意に飲まれてしまった事、目前で他の悪意と命を奪い合っていること。

「がッ!」

バグの拳がヘイドレッドのみぞおちに入り、羽生が呻き声をあげて膝を着く。

まずい·····

このままでは羽生が死んでしまうかもしれない、だから俺が助けなければ。

そう自分に言い訳をして、ポケットの奥深くに沈めたはずのディザスタープログライズキーと隠して持ってきていたドライバーを取り出した。

プログライズキーの起動ボタンを押す。

《ディザスター!!》

 

友を助けなければという窮地のはずなのに、俺は何故か笑っていた。

「変身!!」

エンドライズ!

ドライバーにキーを差し込むと同時に、紫がかった液体が身を包む。

The worst disasterLast loneliness(最悪の災厄!これは最後の孤独)

 

 

 

体の奥から溢れる仮面ライダーディザスターの力を実感しつつ、相原は友の元に走り出した。

 

 

 

 

いち早く目を覚ましていた宇佐美がそれを見ていたのは、誰も知る由もない。




今更ながらキャラの詳細設定です
まずは1人目の主人公、相原さんから!


相原幸樹(あいばらゆうき)23歳男

幼少期に両親をデイブレイクによって失っており、孤児院「人々の家」にて高校卒業まで過ごす。
羽生幸俊とは幼少期からの親友にして、同じ人々の家で育った家族。
高校卒業後、体力に自信があった事と給料が高いことを理由にAIMSに入隊、その後剣道明の部隊に入り、副隊長を任せられていた。

仮面ライダーディザスター
相原が変身する仮面ライダー。
アズいわく「害意の悪意」
特殊能力として、両手から様々な生物に有効な毒液を生成して操ることが出来る。

変身音
「The worst disasterLast loneliness」
(最悪の災厄!それは最後の孤独)
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