仮面ライダーゼロワン外伝 名も無きアクイ   作:タコわさび

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5話「イノチの価値は決められない」

人工知能搭載人型ロボット、ヒューマギアが人々の仕事をサポートする新時代。

 

己の悪意に呑まれてしまった相原の人生は少しづつ狂い出す·····

 

 

 

 

 

「イノチの価値は決められない」

 

 

 

 

 

仮面ライダーディザスターと仮面ライダーヘイドレッドの連携に追い詰められ、仮面ライダーバグは膝を着く。

「うぅ·····男共は絶滅しろ!!」

バグはベルトに装填されているバグプログライズキーを押し込む。

瞬間、バグの体から腐りきったピンク色のオーラが放たれ2人の押し戻す。

「くっ!」「ちぃ!」

ピンク色のオーラを両拳にまといバグの2人に向かって走り出す。

先程とは比べ物にならないスピードと力強さだ。

《ラブインパクト!!》

「どけ!」

ヘイドレッドがそう叫びながらディザスターを、バグの直線上から押し出す。

それと共にヘイドレッドプログライズキーをベルトに押し込む。

《ヘイドレッドブラスト!!》

黒に朱が混じったエネルギーがヘイドレッドを包み込み、全身のトゲトゲしい造形が一気に膨張する。さながら外敵に対抗するハリセンボンのようだ。

心の中でどこがブラスターなんだ...と突っ込んでからディザスターはふと気付く。

ヘイドレッドこと羽生がベルトの操作にやはり随分手馴れている事に。

一方バグは着いてしまった勢いが殺せずに、急に膨張したヘイドレッドに突撃する形をとる。

「え、うゎアァァアァァァ!」

バグの悲鳴と共に両者が衝突して弾けた。

 

爆風の中立っていたのは、仮面ライダーヘイドレッドのみだった。

ヘイドレッドは無言でディザスターを見つめ、やがて害がないと判断したのか静かに変身を解除する。

それを見様見真似でディザスターもベルトのカバーパーツをずらしキーを排出させる。

「……幸樹?」

ここで初めて羽生はディザスターの正体が相原だと気付いたようで、気まずいようなバツがつかない顔をしていた。

「あぁ数日ぶりだな、羽生」

しばしの沈黙が2人を包み、やがて羽生が踵を返し歩き出そうとする。

すかさず相原が口を開く。

「どうしてだ?どうして悪意なんかに……?」

羽生は鼻で笑うように答える。

「お前に言われたくないな……お前こそ、どうした?」

数秒の沈黙の後、相原は何よりも気になっていた問いをなげかける。

「お前の望む結末はなんだ?お前はアズになんて答えた?」

アズという名前に少し反応しつつ羽生はゆっくりと口を開く。怒りをグッとこらえて、理性を保つように。

「全てのヒューマギアの·····あの子達の命を奪ったヒューマギア達の絶滅だ。」

そこで相原は察する、羽生が言うあの子達を。そして、彼の中に渦巻くどす黒い悪意を。

話は終わりとばかりに足早に立ち去る羽生を相原は止められなかった。

 

 

その後AIMSに連絡し、増援を呼んで気を失っていた一般人諸々の救助を済ませた帰り道の事だ。

羽生の事や自分の中の悪意、様々な事を考えながら歩いている最中、ある人間を目撃して相原は足を止める。

彼が歩いている場所からちょうど道路1本挟んだ歩道で一人の女性と、一体の新品と思わしきヒューマギアが中睦まじそうに歩いていた。

相原は彼女を知っている。

剣道明(けんどうあきら)を殺したヒューマギアの持ち主の女性だ。

他人の命よりも優先していた、盲目になるほど信じていた、それほど愛していたはずのパートナーを失ったはずの彼女は、あれから数日経ち、他のヒューマギアと肩を並べ歩いていた。

何のために剣道は死んだのだろう、誰の為に剣道は死んだのだろう、どうして死ななければいけなかったのか、どうして俺達は戦っているのだろう

 

 

 

 

あぁ·····もう、どうでもいいか

 

 

 

 

翌日のAIMS定例会議では、昨日の暴走ヒューマギアを仕留めた、赤色のライダーの姿が確認されたこと。

新たな暴走ヒューマギアの目撃情報がいくつか入ったこと。

そして、一人の女性とヒューマギアがおよそ人間の犯行とは思えない方法で首を抉り取られ殺されたこと·····監視カメラによるとその犯人は紫色のライダーだった事。

いくつかの情報が話されていたが、相原はどこか他人事のように上の空といった様子で窓の外を眺めていた。

あいにく今日の空は曇り模様だった、太陽はもう見えない

 

 

 

「相原さん、少しいいですか?」

会議が終わって、しばらくして珍しく宇佐美(うさみ)がかしこまって話しかけてきた。

「·····どうした?」

「今日の会議で言っていた、女性を殺害した紫のライダーって相原さんの事ッスよね?」

その単刀直入と言わんばかりの質問に相原はしばらく沈黙する、時間にしてわずか数秒だったが、2人にとってはこの世界の何よりも長い数秒だった事だろう。

「見たのか?」

「·····えぇ、見ました」

「そうか、それでどうする?」

一瞬誤魔化して見ようかとも考えたが、宇佐美の目は疑惑ではなく確信を秘めている。·····これは無理だと相原は即決した。

「どうするって·····」

どうやら、この後の事は考えていなかったらしい。

「他のやつに言いたいなら言えばいいさ」

「違います、自分はただ·····」

「もうやめてください、もう誰も傷付けて欲しくないだけッス·····」

「ごめんな宇佐美、それは無理なんだ。俺は1度悪意に呑まれてしまった、そっち側には帰れないし何より」

「何より?」

「俺はもう人を殺したんだぞ?」

「ッ·····」

その言葉に宇佐美は押し黙る。

「事故でもなんでもなく、俺の意志を持って殺した。分かるよな?もう俺は戻れない」

「でも、それでも相原さんなら·····ッ」

必死に訴える宇佐美の目には涙が浮かび始めている。

それに少しばかり心を痛めながら、相原は冷静な口調で話す。

「俺は今日中にAIMSを出るよ、次の隊長はお前だろうな、まぁ今のご時世大変だろうが·····」

「待って·····ください!」

宇佐美は相原の服の縁を掴んで、半泣きになりながら必死に必死に考える。

相原は無言で懐からディザスターキーを取りだし、起動させ、仮面ライダーディザスターに変身する。

一見シャープなようでどこか他人を突き放すようなデザイン、深い紫の装甲が相原に装着され、宇佐美は1歩後ろに下がってしまった。

若干エコーがかかりながら、雨の日に捨てられた仔犬のような声で説得するように相原は言う。

「これで分かっただろう?俺はもうお前の知ってる相原さんじゃないんだ、ただの醜い悪意なんだ」

もうどうしても相原の意思が揺らがないことを悟り、宇佐美は力が抜けたように座り込んでしまう。

 

窓の外では少しづつ雨が降り始めていた。




テスト週間マジ地獄
お久しぶりです、タコわさびと申します。
第2の主人公となる羽生のキャラ設定です。


羽生幸俊(はにゅうゆきとし)23男

産まれた時に親に捨てられ孤児院「人々の家」にて育つ。
相原とは幼少期からの親友にして、家族。
高校卒業後IT企業に就職、程なくして嫁の杏奈との間に娘、結を授かる。


仮面ライダーヘイドレッド
アズいわく「憎悪の悪意」
現在判明してる特殊能力として、ヒューマギア相手に自身の全体的な筋力が増強されるという、対ヒューマギア特攻能力のようなものを持っている。

変身音
「Envelop the world Deep and sad malice」
(世界を覆うほどの深く、悲しい悪意と絶望)


ここまで見てくれてありがとうございます。
·····感想書いていってくれてもいいんですよ?
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