とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)113 深まる謎

 

 

 絶体絶命の絶命のピンチに陥った黒子。

 

「ん?」

 

 すると少女の顔の前に鉄製の球体が現れる。少女は何かわからず疑問符を浮かべる。

 

「わっ!」

 

 すると球体が破裂し目が開けられない程の目映い光が放たれる。少女は咄嗟に右腕で目を覆い、目を閉じた。数秒程で光は消える。

 

「あれ? もうおらへんわー。せっかく面白い能力者を見つけたのになー。まぁええか」

 

 光が収まると黒子の姿はどこにもなかった。少女は焦った様子は全くなく、探す素振りすらみせなかった。

 

「お陰で面白いこと思いついたしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で黒子は

 

「はぁ……はぁ……」

 

 閃光弾で隙を作った後に黒子はテレポートを使って路地を抜けて、なんとか人気のある場所まで逃げることに成功していた。

 

(捕まえると言っておきながらこの有り様……しかも逃げることしかできないなんて……)

 

 左手で脇腹を押さえ、建物に右手を当てながら黒子はなんとか歩き、情報を持ち帰る為に支部に戻ろうとしていた。

 

(なんとしてでも……情報を……)

 

 黒子の視界が段々と薄れていく。それでも黒子は歩みを止めなかった。だが自分の意識とは反比例して黒子の体は傾いていき、黒子は意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うーん……?」

 

「白井さん!」

 

「「黒子!」」

 

「初春……沢田さん……お姉様……?」

 

 黒子は目覚める。目が覚めると初春とツナ、そして美琴の姿があった。

 

「ここは……?」

 

風紀委員(ジャッジメント)の医療室です。連絡しても出ないからもしかしてと思って沢田さんに様子を見に行ってもらったんです」

 

「そしたら黒子が倒れてさ。よかったよ本当に無事で。怪我はリボーンに来てもらって全部、治してもらったから」

 

(本当に治ってる……沢田さんが言っていた佐天さんの怪我を治したというあの……)

 

 黒子は右腕を上げると怪我をした箇所を見る。少女に負わされた怪我が綺麗さっぱりと無くなっており、これがツナの言っていた佐天の怪我を治した技術だということを理解する。

 

「それよりなぜお姉様がここに……?」

 

「初春さんから連絡があったのよ。黒子が例の誘拐事件の犯人にやられたって。それで力を貸して欲しいって。誘拐事件の詳細も聞いたわ」

 

「すいません白井さん。白井さんがここまでやられた以上、この先どうしても御坂さんの力が必要になると思って……」

 

 黒子は美琴が支部にいることがわからなかった。美琴は自分がここに理由を話す。初春は自分の勝手な判断で美琴に協力を要請したことを謝る。

 

「いえ……謝る必要などありませんの……むしろ敵は私たちが思っている以上に厄介だということがわかりましたの……」

 

「そうなの?」

 

「ええ。詳しく話しますわ。固法先輩は?」

 

「固法先輩は警備員(アンチスキル)と一緒に黒子が倒れてた場所の周辺の捜査をしてるよ」

 

「いけませんわ! 早く……っ!?」

 

 固法が調査をしていると知って黒子は慌てて飛び上がる。だが怪我は治っていてもダメージまでは治っていない為、体に痛みが走る。

 

「まだダメだよ黒子! 傷は治ってもダメージは治ってないんだから!」

 

「それより早く固法先輩に連絡して、捜査を止めて撤退するように言って下さいですの!」

 

 ツナは無理して体を動かさないよう言うが、黒子は自分の体を気にしている場合ではなかった。

 

「どういうことですか白井さん!?」

 

「もし犯人に襲われれば固法先輩や警備員(アンチスキル)では歯が立ちませんの!」

 

 固法は透視能力(クレヤボヤンス)警備員(アンチスキル)の構成員は大人である為、能力者はいない。固法と警備員(アンチスキル)では太刀打ちできないと黒子は判断したのである。

 

「大丈夫よ。もう捜査は終わったわ」

 

「固法先輩……」

 

 黒子が心配した矢先、固法が戻ってきた。固法が無事だとわかって黒子は安堵する。

 

「あの固法先輩。捜査の方は?」

 

「今まで通り収穫ナシよ。それより無事で何よりだわ。リボーン君のお陰ね」

 

「固法先輩、リボーンさんに会ったんですか?」

 

「ええ。あなたが怪我をしたって連絡があったから支部に戻って来たの。その時に会ったの」

 

「そうでしたか」

 

「それで? どうだったの? 犯人と戦ってみて?」

 

「はい……」

 

 黒子は犯人と戦って得た情報を話す。原石の可能性、多重能力者(デュアルスキル)の可能性、そして自分と同じく大能力者(レベル4)である婚后光子が拐われたとこと、そして今回の事件に木原幻生が関わっていないということ。

 

「そんな……婚后さんが……」

 

 婚后が拐われたと知って美琴はショックを受けていた。

 

「木原幻生は関係ない……」

 

「じゃあ一体、誰の仕業なんでしょう……」

 

「ますますわからなくなってしまったわね……」

 

 黒子の情報を聞いてツナ、初春、固法は犯人が一体、誰なのかわからず悩んでいた。

 

「わかっているのは大能力者(レベル4)でも太刀打ちできないだけの強さを持っていることね」

 

「そうなれば現状、太刀打ちできるのは私の知る限りでは沢田さんとお姉様ぐらいですわ」

 

警備員(アンチスキル)に協力してもらってこの誘拐事件の危険度を上げてもらうことと、学生に不要不急の外出を控えることを通達してもらわないとね」

 

 固法は犯人の強さ、素性がわからないことを考慮して固法は対策を練った。しかし犯人への手がかりは1つもわかっていない。この対策も気休めでしかなかない。

 

 

 固法の提案によってこの後、学園都市中に固法の提案が知らされることとなった。

 

 

 しかしこの時、ツナたちは知らなかった。こんな対策でさえ犯人の前では何の意味もなさなかったということに。

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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