とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)114 接近

 

 

 黒子が襲われてから通報は無くなった。しかしあれから調査を続けるも、犯人に繋がる手がかりは一向に見つからなかった。そして今日は全員、一旦家に帰ることとなった。

 

「学生誘拐事件……私がいない間に学園都市も大変なことになってるんですね」

 

「うん。調べても調べてべても全然、犯人に繋がる手がかりが見つからなくってさ」

 

 ツナは家に帰り、ご飯と風呂を済ませた後、現在学園都市で起きている誘拐事件について佐天に話した。

 

「白井さんは大丈夫なんですよね?」

 

「傷は俺が完治させたからな。問題ねぇ。お前の時と一緒でダメージは残ってるけどな」

 

「よかった……」

 

 リボーンから黒子が無事だと知って佐天は安堵した。

 

「それも大変だったんだけどさ。実は佐天のクラスメイトが支部に来てさ……佐天と連絡が取れないから誘拐されたんじゃないかって大慌てでさ……なんとか誤魔化すことに成功したけど……」

 

「学園都市に帰ったら謝っておかないとな……」

 

 佐天はクラスメイトに異世界に行って修行して来るとは言えない為、夏休みの間、最近できた能力者の友達に能力の修行をつけてもらう。修行に集中したいから連絡をしないで欲しいとあらかじめ言っておいた。しかし学園都市で誘拐事件が起き、外出の規制が発動されるという緊急事態が発生した為、友達(佐天)の安否が気になってしまう。それでクラスメイトは佐天に連絡。しかし何度電話しても連絡がつかず、寮に行っても佐天はいない。それで支部に佐天のクラスメイトが押し寄せて来たのである。なんとかツナたちは誤魔化すことに成功した。ツナの話を聞いて佐天は罪悪感を覚えており、学園都市に帰ったらみんなに謝ることを心に決める。

 

「にしても黒子が負けるなんてな。相当な手練れってことだな」

 

 リボーンは黒子の能力と強さを体感している為、誘拐事件の犯人がかなりの手練れだということを理解する。

 

「白蘭さんに聞いたらどうですか? あの人ならすぐに事件解決できるじゃないですか」

 

「そいつは止めたおいた方がいいぞ。前の事件と違って今回の事件は公になっちまってる。そんな事件をいきなり解決したら怪しまれる。そいつがバレたら俺たちの存在がバレちまう。白蘭を利用しようとする連中だって現れるはずだ」

 

「そっか……」

 

 佐天は白蘭の能力を使えばいいと提案するが、リボーンはそれを否定する。リボーンの意見を聞いて佐天は白蘭の能力を使わない方がいいという理由を理解する。

 

「あいつの能力の前じゃどんな兵器や能力者が敵になろうが何の意味を成さねぇからな。第一、能力はなくともあいつに勝つのは不可能だろうがな」

 

「だろうね……」

 

 リボーンもツナも学園都市の技術や能力者を全て知っている訳ではないが、白蘭が負ける姿は想像できなかった。

 

「本当に犯人は誰なんでしょうね。あっ! もしかして宇宙人だったりとか!」

 

「アハハ……佐天らしいね」

 

 都市伝説が好きな佐天らしい答えを聞いて、ツナは苦笑いしていた。

 

「いやー……異世界の人だっているんだからいてもおかしくないじゃないですか」

 

「そういえば木山さんも同じようなこと言ってたっけ……この世にはまだ知らない力があるって……まぁ死ぬ気の炎のことだったんだけど……」

 

「何だお前。木山に会ったのか?」

 

「うん。最初は幻想御手(レベルアッパー)を悪用した人物の仕業じゃないかと思って、木山さんなら何か知ってるんじゃないかって聞いてみたんだ。まぁ結局、木山さんの予想も外れちゃったんだけどさ……」

 

 リボーンはツナが木山に会ったことが気になったのかツナにそのことについて尋ねた。ツナは残念そうな顔で答えた。

 

「とにかく明日からまた頑張らないと。明日も早いから俺はもう寝るよ」

 

「そうですね。私も明日の修行に備えてゆっくり休みます」

 

 まだ9時過ぎであったが、ツナと佐天は今日はもう寝ることを決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻。美琴と黒子の寮

 

「結局、何もわからなかったわね……」

 

「そうですわね……外出自粛を呼びかけましたがこんなもの、一時凌ぎに過ぎませんの。あれから通報はありませんでしたが、学生はまた拐われているかもしれないというのに……」

 

「絶対に許さないわ。私の友達に手を出したんだから」

 

「私も許さないですわ。私の友人を悲しませたんですから」

 

 友達である婚后を拐ったことに美琴は拳を握り絞めて怒りを覚え、黒子は友達を悲しませたことに怒りを覚えていた。

 

「一刻も早く手がかりを掴む為にも今日は早く寝ることにしましょう」

 

「そうね」

 

 2人もこれからの捜査の為に余計なことはせず、寝ることを決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒子たちが寝てから1時間後。

 

 

 

 

 ??? 

 

「ここが……まるであーしの野望を叶える為に用意されたものにしか見えなくない? ハイパーウケる。ハイパー感謝感激なんだけどー」

 

 夜の学園都市のとある場所。学校の制服に身を纏い、紫色のロングヘアーの女性が何かを見ながらそう呟いた。

 

「まぁいいか。とっとと終わらせよっと。そんじゃおっ邪魔しまーす」

 

 そう言うと女子高生はそのまま真っ直ぐと突き進んで行く。

 

 

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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