とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)117 第2の目的

 

 

 

 

 

「今、学園都市には誘拐事件に巻き込まれないよう外出自粛が出されてる。けど学園都市の中で最高クラスのセキュリティを誇る学び舎に侵入者が入り生徒が拐われた。そうなれば学園都市の人はどう思うかなー?」

 

「ま、まさか……」

 

 スフィーダの言葉を聞いて美琴は理解すると同時に恐怖する。学び舎の園のセキュリティを突破できた上に常盤台のエリート能力者が拐われたと知られれば学園都市の人はどこにも安全な場所がないと恐怖する。つまり学園都市は混乱に陥ることになる。

 

「学園都市で常盤台の黒髪の女の子とテレポートの子の制服を見て知ったんだよねー。常盤台の制服を着てる子はハイパーエリート能力者だって。だからあーしはこの学び舎の園に来たってこと。そして美琴ちゃんを呼ぶ為にもね」

 

「呼ぶ……?」

 

「おかしいとか本当に思わなかったのー? いくらテレポートの子(レベル4)がやられたとはいあなたたちにこの事態を収集させようと常盤台から寮に連絡が入ったことにさ」

 

「な、何でそれを知って……!?」

 

「決まってんじゃん。だってあなたたちの寮に電話したのあーしなんだしー。警備員(アンチスキル)じゃあ歯が立たない。美琴ちゃんを呼んでくれってね」

 

「そ、それって……」

 

「そ。寮に電話する前にあーしはすでにここのセキュリティを乗っ取って、ここの生徒になりすまして学生を拐いまくたってこと。要するにあーしが連絡しなければ誰も学び舎の園にあーしが侵入したってことすら気づかなかったってこと。アンダスタン?」

 

(じゃあ最初から私たちは……)

 

 美琴は理解する。自分たちは最初からスフィーダの掌で踊っていたということに。そして自分たちが学び舎の園に来た時にはもうすでに全てが終わっていたということに。

 

「今日はハイパーついてるなー! 超能力者(レベル5)2人(・・)も手に入れられたんだし!」

 

「2人って……まさか!」

 

 自分以外にも拉致された超能力者(レベル5)がいると知って驚きを隠せないでいたが、すぐに気づく。その人物が誰なのかということに。

 

「食蜂操折ちゃん! 美琴ちゃんも知ってるよねー。同じ学校の人なんだし。操折ちゃんは学園都市最高の精神系最強の能力者って聞いたからマインドコントロールしてあーしの駒にしちゃった。凄いでしょー?」

 

「う、嘘でしょ……!?」

 

 美琴は信じられなかった。学園都市最高の精神系能力者を操ったという事実に。

 

「美琴ちゃんの寮の寮監は絶対に警備員(アンチスキル)に通報するだろうから警備員(アンチスキル)対策に操折ちゃんを使ったの。これだけ時間が経過しても警備員(アンチスキル)が来ないってことはことは操折ちゃんが警備員(アンチスキル)を操って無力化することに成功してるってこと。それに操折ちゃんの能力があればあーしが拐って来た人たちをマインドコントロールする手間も省けてコスパも最強! 本当に凄いよねー! こんな作戦を思いつくあーしのハイパー頭脳がさ!」

 

「あんたは一体……まさか学園都市の第1位か第2位……?」

 

 最高のセキュリティを誇る常盤台への侵入、誰にも正体を悟られず誘拐を続け、幻想御手(レベルアッパー)を使わず複数の能力を使用し、学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)をも圧倒しさらにマインドコントロールできるだけの力を持つ存在。美琴が知る限りではそんなことができるのはまだ知られていない学園都市の超能力者(レベル5)しか心当たりがなかった。

 

「そこまで教えるつもりはないなー。じゃあそろそろ行こっか。美琴ちゃんの能力で色々としてもらいたいことがあるし」

 

(クソッ! 体が……!?)

 

 スフィーダは美琴をマインドコントロールして連れて行こうとする。美琴はなんとか逃げようとするも爆破を喰らい過ぎた為、動くことすらできなかった。

 その時だった

 

「ゲッホ! ゲッホ! ちょっ!? 小麦粉!?」

 

 すると大量の小麦粉が周囲に霧散する。あまりの大量の小麦粉にスフィーダは涙目になりながら咳き込む。少しすると視界が晴れる。

 

「小麦粉だらけとか乙女としてハイパー最悪なんですけどー。って美琴ちゃんがいない!? またあの子ね! もうちょっとだったのにー! ハイパー厄介!」

 

 スフィーダ全身が小麦粉まみれになった。そして美琴がいないことに気づく。スフィーダは黒子がテレポートで美琴を拐ったとのだと理解する。

 

「美琴ちゃんの力は欲しかったけどまーいいか。敵に回ったところで脅威じゃないし、やろうと思えば手に入れられるし。全て失敗した訳じゃないしー。それじゃ撤収しますか! 明日、学園都市がどうなるか楽しみだわー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉様、大丈夫ですか!?」

 

「黒子……ありがとう……」

 

(まさかお姉様がですら勝てないなんて……)

 

 黒子はテレポートで美琴を建物から建物へと移動していた。ボロボロになった美琴を見て驚きを隠せないと同時に敵が相当の強さを持っていることを理解する。

 黒子は第7学区の病院へと運んだ。そして美琴は病院に運ばれた。

 

「見た目はあれだが、怪我はそこまで大したことはない。命に別状はないよ。明日には退院できる。ただし激しい動きは絶対にダメだからね」

 

「ありがとうございますの」

 

 ベッドで寝ている美琴を見ながらカエル医者はそう言った。黒子は頭を下げながらカエル医者にお礼を言った。

 

(いくら急だったとはいえ沢田さんに連絡していれば……)

 

 面会時間は過ぎていた為、黒子は病室を出る。そして同時にツナを呼んでいればと後悔していた。

 

(私としたことが何を……沢田さんは別の世界の人間……本来であれば私たちが解決しなければいけないというのに……何を甘えてるんですの私は……)

 

 本来であればこの事件は学園都市にいる黒子たちが解決しなければならない問題。にも関わらず別の世界の住人であるツナに頼ってしまおうという考えに至った自分を黒子は叱咤する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。ツナたちの世界。イタリアボンゴレ総本部

 

「9代目。失礼します」

 

「ガナッシュか。どうした?」

 

 メッシュ髪の若い男が9代目の部屋に入って来る。この男の名はガナッシュ・(サード)。9代目の守護者の1人である。日本はすでに夜であるが、日本と7時間程の時差がある為イタリアはまだ夕方である。なので9代目とガナッシュは普通に起きている。

 

「先程、ボンゴレに9代目宛ての手紙が」

 

「手紙? 誰からだ?」

 

「それが……」

 

 そう言うとガナッシュは手紙を裏返して、宛て名の部分を見せた。

 

「こ、これは……!?」

 

 9代目は手紙の差出人を見て驚きを隠せないでいた。なぜならそこにはBermuda von Vecken Steinと書かれていた。つまり差出人は復讐者(ヴィンデュチェ)のリーダーであるバミューダだった。

 

 バミューダから9代目への手紙。一体、何が!? 

 

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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