とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)12 不幸少年との出会い

 

 

 

 

 次の日。ツナは一人でパトロールをしていた。

 

「平和だなー」

 

 おもいっきり背伸びをしながらパトロールをするツナ。

 

「こんな平和なの本当に何年ぶりだろ」

 

 ツナは歩きながら今までの出来事を振り返る。

 

「不幸だーーーー!」

 

「っ!?」

 

 突如、ツンツン頭の黒髪の少年が両手で頭を抱えながら叫んでいた。ツナは突然、大きな声が聞こえた為、肩をビクッと震わせた。ツナは慌てて少年の元に駆け寄る。

 

「あ、あの! どうかしたんですか?」

 

 ツナが先程の少年に話しかける。ツナに話しかけられた少年はツナの方を向く。

 

「い、いや……家の鍵を落としちまってさ……」

 

「た、大変じゃないですか! 早く捜さないと! 手伝いますよ!」

 

「い、いや! 悪いってそれは流石に!」

 

「大丈夫ですよ。俺、風紀委員(ジャッジメント)ですから」

 

風紀委員(ジャッジメント)? でもお前、腕章ないじゃん」

 

「正確に言うと風紀委員(ジャッジメント)の協力者なんで腕章はしてないんです。でもちゃんと証明証もあります」

 

「本当だ……」

 

 腕章をしていない為、少年は本当にツナが風紀委員(ジャッジメント)なのかと疑うが、証明証を見て少年はツナが風紀委員(ジャッジメント)なのだということを知る。ツナは正式な風紀委員(ジャッジメント)ではない為、腕章ではなく許可証を携帯している。

 

「とにかく一緒に捜すの手伝います。えっと……」

 

「俺は上条当麻だ。よろしくな」

 

「沢田綱吉です。それでいつ無くしたとかわかりますか?」

 

「多分、学校から帰る時だと思うんだけど……」

 

「わかりました。とりあえず学校から帰るまでに通った道を案内してもらいますか。そこから捜してみましょう」

 

「悪いな……」

 

 ツナは当麻と共に、当麻が通った道を遡って捜して見ることに決める。

 

「それにしても大変でしたね。家の鍵を無くすなんて」

 

「まぁいつものことなんだけどな」

 

「いつもこと?」

 

「俺、昔っから運が悪くてさ。こういうことしょっちゅうあるんだよ」

 

「あー俺もそういうのよくあるからわかりますよ」

 

「そうなのか?」

 

「はい。サッカーボールがよく顔面に当たったり、犬に追いかけられたりとかしょっちゅうですよ」

 

「マジ!? 俺もそういうのよくあるよ!」

 

「本当ですか!?」

 

 似たような境遇の人物に出会えて、ツナと当麻は顔をパァッと明るくさせる。どうやら意気投合したようである。

 

「後、体中の至るところにダイナマイトを持ってる転校生に襲われたり、嫌なのにボクシング部に勧誘させられたり、ヤクザと戦うことになったり、100人に一人しか生きて帰れない山で遭難したり、巨大亀に潰されたりとか、鮫のいる海に落とされたりとか……」

 

「すまん……ちょっとついていけなくなったわ……つーか今の話って実話……?」

 

「え? 実話ですけど?」

 

「……」

 

 自分が送ってきた不幸な人生よりも、ツナはさらに不幸な人生を送っていた為、当麻はドン引きすると同時に自分はまだ幸福な人生を送っているのだということを自覚した。しかしこれはまだ序の口だということを当麻は知るよしもない。

 

「でもいいですよね学園都市って。すっごい平和で」

 

「お前、もしかして学園都市に来たばかりなのか?」

 

「はい」

 

「凄ぇな。来て数日で協力者とはいえ風紀委員(ジャッジメント)になるなんて。お前もしかしてすっげぇ能力者なのか?」

 

「俺は能力なんて持ってないですよ」

 

「え!? マジ!?」

 

(まぁ能力は持ってないんだけど……)

 

 ツナが凄い能力を持っていると予想する当麻であったが、予想とは違った為、驚きの声を上げる。

 

「でも学園都市って平和に見えるけど、意外と治安が悪いんだぜ」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。結構、裏路地とかヤバイ奴がいっぱいいたりするしな」

 

「でも俺の住んでところは銃をぶっ放す赤ん坊とか、体中にダイナマイトを持ってる人や、照れたら大爆発する子供とか、手榴弾を投げる子供とか、作った料理が全部毒料理になる奴とか、学校の風紀を暴力で取り締まる人とかいましたけど……」

 

「お前どんな所に住んでたんだよ!?」

 

 ツナ学園都市とは別の意味でヤバイところに住んでいたことを知って、当麻はおもいっきりツッコミを入れた。当麻の通った道を全部、回ったが家の鍵は見当たらなかった。

 

「見つかりませんね。狭い路地の裏とかも見てみましょうか。動物とかが咥えて持っていったかもしれませんし」

 

「悪ぃな。何か何まで」

 

「いえ。ナッツ」

 

 ツナはボンゴレギアの中からナッツを呼び出した。

 

「ガウ!」

 

「うぉっ!? きゅ、急に猫が!? どうなってんだ!?」

 

 どこからともかくナッツが出て来た為、当麻は驚いてしまっていた。

 

「ナッツ。この先の路地に入って、鍵があったら持って来て」

 

「ガウ」

 

 ナッツは首を縦に振ると、路地の中に入って鍵を探しに行く。

 

「ど、どこから出てきたんだそいつ!?」

 

「このリングからですけど」

 

「い、いや! どうなってんだよそのリング!?」

 

「いや……まぁ……俺の知り合いが作ったんですけど……」

 

「さっきから思ってたんだけどお前の知り合いってどうなってんだよ!? というかそのリング、学園都市の技術すら越えてんだろ!」

 

 流石に事情の知らない当麻の前で、このリングが未来の技術とは言えないので知り合いが作ったということにした。それでも当麻にはツッコミを入れられたが。

 

「あっ! 戻ってきた!」

 

 ツナの視界に路地から戻ってくるナッツが映る。ナッツは口に何か咥えていた。

 

「あっ! 俺の家の鍵!」

 

「本当ですか!? よかったぁ」

 

 当麻の家の鍵が見つかって、ツナは安堵する。

 

「ありがとうナッツ。戻っていいよ」

 

「ガウ~♪」

 

 そう言うとナッツはボンゴレギアの中に戻っていった。

 

「ありがとな。探してくれて」

 

「気にしないで下さい。鍵が見つかったので俺はこれで」

 

 鍵が見つかると当麻はお礼を言った。ツナは役目を終えたのでその場から立ち去った。

 

「いい奴だったけど、変な奴でもあったな。あっ!」

 

 当麻はここであることを思い出した。

 

「そういや……この街にはなりふり構わず電撃をぶっ放す奴がいるのを教えるの忘れてた……まぁ大丈夫か。能力は持ってないって言ってたし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ツナは。

 

「なっ!?」

 

「あら♪ こんなところで奇遇ね沢田♪」

 

 ツナは支部に帰る途中、美琴と遭遇してしまっていた。

 

「さぁ! 今日こそ勝負……って! 待ちなさーい!」

 

「不幸だーーーー!」

 

 今日もまた美琴に追いかけ回されるツナであった。

 

 この時、ツナと当麻は知らななかった。再び邂逅することになることになろうとは。

 

 

 

 




当麻の話も書いたので、次回から幻想御手(レベルアッパー)篇に入ろうと思います!

高評価を下ったマーボー神父さん。ありがとうございます!


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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