「はぁ……はぁ……」
「大丈夫か美琴?」
「ええ……なんとか大丈夫よ……」
なんとかエスカに勝てたとは言え、美琴はかなり体力を消耗してしまっており、肩で息をしていた。昨日のエスカとの戦いで傷は治したものの、ダメージまでは治り切っている訳ではない。なのでダメージはかなりものだった。今回の作戦はツナが誘拐され操られた学生を洗脳を解くのに必要だった為、美琴がエスカと戦わなければなかった。それに美琴は1度エスカに負けてしまったことと、婚后を誘拐し黒子を傷つけたエスカにどうしても一矢報いたかったというのもある。
「幻覚を使う相手が……こんなににも厄介だなんて……本当にあんたたちの世界はどうなってんのよ……あんなのが他にもたくさんいるわけ……?」
「俺だって裏社会の人間を全員、把握してる訳じゃねぇからなそいつはわからねぇな。ただ死ぬ気の炎は覚悟が強ければ強い程強力になるからな。まだまだ強い奴はいるだろうし、これから現れるだろうな」
「やっぱ……おかしいわよあんたらの世界……」
リボーンの返答を聞いて、美琴はツナたちの世界の戦闘レベルおかしいことを改めて自覚する。
その時だった
「小娘が……よくも……よくもこの私に……!?」
「嘘……」
2人の後ろから声がする。振り返ると美琴の一撃を喰らって倒れたはずのエスカが立って美琴を睨んでいた。いくら殺すつもりで攻撃しなかったとはいえ、通常であれば立つことはおろか数時間は意識を取り戻すことなどない一撃。にも関わらずエスカが立っていたことに驚きを隠せないでいた。執念。たとえ強力な攻撃を喰らっても、それを上回る執念がエスカを奮い立たせたのである。
「遊びは終わりよ……この力を使うつもりはなかったけど……あなたを地にねじ伏せられるならそれで構わないわ……」
そう言うとエスカはポケットの中からリングを取り出した。そのリングは普通の物とは違い、リングの中央に角のような装飾が施されたリングだった。エスカはそのリングを手に嵌める。
「さぁ! 私に力を!」
「な、何!?」
エスカがそう言うとエスカの体を大量の死ぬ気の炎が包んでいく。美琴は何が起こっているのかわからないでいた。するとエスカを覆っていた炎が消える。
「な、何よ……これ……!?」
美琴は驚愕していた。なぜなら目の前に頭部から2本の角、口からは2本の牙、額から新たな目が開眼し、両目も目と額の目は真っ赤に染まっており、瞳は金色になり、腕、足からは刺のようなものが何本も生え、背中から下部からは尻尾が生え、顔が真っ黒になっていたエスカがいたのだから。
「力が!! 力が漲って来るわ!! アーハッハッハハ!! アーッハッハッッハ!!」
姿が変わった途端、エスカは先程までの上品さはどこにもなくなり高笑いしていた。
「まさかヘルリングまで持ってやがるとはな」
「ヘルリング……?」
「ヘルリング。死ぬ気の炎が発見される前からあるといわれる、世界に6つしかないと言われる霧属性最高ランクの呪いのリングのことだ。ヘルリングは所有者との契約によって膨大な力を与えることができる。己の精神をリングに喰わせることでな」
「精神を……喰わせるって……!? そんなことが……!?」
「温厚だった人物が暴君に変わっちまった裏にはこのリングが関係してっていう噂もあるぐらいだからな。前に他のヘルリングに己の精神を喰わせた奴がいたが、あまりの強さに人格が破綻しちまってたからな。あながちその噂も嘘じゃねぇかもな」
リボーンは未来でツナと山本が戦った幻騎士がヘルリングを使い、パワーアップしていた姿が脳裏に浮かんでいた。
「今の私は超越者!! つまり神にも等しい存在になったのよ!!
「何が神だ。ヘルリングっていう呪いによって生まれたただの化け物だろ」
「アハハハハハハハ!! お前がそれを言うの!? これは傑作だわ!! 呪われた赤ん坊、アルコバレーノ!!」
(呪われた赤ん坊……? それにまたアルコバレーノ……? 一体、何なのよ……?)
リボーンの言葉に高笑いしながらエスカはそう言い返す。美琴はエスカがリボーンのこと呪われた赤ん坊、そして再びアルコバレーノと呼んだことが引っ掛かっていた。
「この力があればもう学生なんてどうでもいい!! この力さえあれば私一人でこの世界を支配できるわ!!」
エスカの額の角と角の間に霧の炎が一点に集束し始めると、炎が玉の形になる。そして大量の霧の炎が2人に放たれた。2人はエスカの攻撃を躱す。
ドォオオオオオオン!
「う、嘘でしょ……!?」
攻撃は避けたものの後方で轟音が発生し、大量の砂が巻き上がり暴風が発生する。あまりの威力に美琴は驚愕してしまっていた。
「ボケッとしてんじゃねぇ美琴!」
「っ!?」
リボーンが叫ぶと美琴は正気に戻る。そして反射波でエスカが上空にいるのを感知すると、美琴は横に飛び引くとほぼ同時にエスカが降ってきた。エスカが落下したことで再び砂が舞い上がり小さなクレーターができる。
(危なかった! リボーンがいなかったら確実にやられてた!)
美琴は先程、エスカが放った一撃があまりに強力なものだった為、愕然としてしまっていた。リボーンが叫んでいなければあのままやられていた。
(出し惜しみしてる場合じゃないわね!)
美琴はポケットからコインを取り出して空中に飛ばすとエスカに向かって、
「幻覚……!?」
しかし美琴の
(私としたことが……!?)
ヘルリングによる劇的な見た目、それに加え攻撃力の上昇というインパクトの強さのせいで幻覚のことが完全に頭から抜けてしまっており、美琴は心の中で舌打ちしていた。
「今のが
(速い!! 反射波でもギリギリ……!?)
後ろから超スピードでエスカが近づいて来る。美琴はバク転して躱すと、エスカの背中に両手を置いた。
(さっきの砂鉄がある! だったら零距離で!)
美琴はエスカに砂鉄がついていることに気づいてこれが本体だということを確信する。そしてありったけの力を零距離で放つ。
「なっ……!?」
だが美琴が雷撃を放つ前にエスカの姿が美琴の視界から消える。美琴はあまりの速さに驚きを隠せないでいた。
「どこ見てやがるこのノロマが!!」
「ガハッ!?」
エスカは美琴の頭を右手で鷲掴みにするとそのまま地面におもいっきり叩きつけた。叩きつけられた美琴はうつ伏せの状態で倒れる。
「跡形もなく消し飛ばしてやるわ!! このガキ!!」
(や、やばい……演算が……!?)
エスカは美琴の腕を踏みつけると、美琴を消し飛す為に角と角の間に炎が集束させる。美琴は痛みで演算ができず能力が使えないでいた。
絶体絶命のピンチ!
前回で話で終わると思ってたでしょうがまだ終わりません。このヘルリングは本編でデザインだけは出てきてはいますが、詳細が説明されていないヘルリングです。24巻を見たらわかります。
ちなみにこのヘルリングは
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