とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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このシリーズもこれで最後です!


標的(ターゲット)136 怒涛の日々7

 

 初春から事件だと連絡が入る。

 

『第7学区の商業施設に亀が出現したそうです! 至急、現場に向かって下さい!』

 

「それがどうしたと言うんですの……? そんなの風紀委員(ジャッジメント)に連絡せずに動物保護団体に連絡すればいいじゃないの……」

 

 凄い緊急事態が起こったかのように初春は話すがたかが亀が出現しただけだった為、黒子は呆れてしまっていた。

 

『違うんです! もの凄い巨大な亀なんです! 商業ビルを食べてるらしいです!』

 

「な、何を言ってますの!? SF映画じゃあるまいし! そんなこと……」

 

 黒子は初春の話を信じられないでいた。がありえない事態を何度も経験した黒子は途中で思考が止まり、ツナの方を向いた。

 

「沢田さん……商業ビルを食べる巨大な亀が出現したそうなのですが……心当たりは……?」

 

「ごめん……めちゃくちゃある……」

 

「ビルを食べる巨大な亀って……どうやったらそんなのが現れんのよ……」

 

 黒子が恐る恐るツナに尋ねると、ツナは申し訳なさそうな顔をしながらそう答えた。美琴はどうやったら巨大な亀が現れるのかわからず驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、事件が起きた場所では

 

「さ、最悪だ……やっちまった……」

 

 ディーノが巨大化したエンツィオを見て顔を真っ青にしていた。通報にあった巨大な亀とはディーノのペットでありエンツィオのことだったのである。なぜこうなったのかと言うと、ディーノが転んだ拍子にエンツィオが懐から飛び出した。そしてエンツィオが近くにあった噴水の中に浸かってしまい事件に発展してしまったのである。周囲にいた人たちエンツィオを見て逃げていた。

 

「ディーノさん!」

 

「ツナ!」

 

「さ、沢田さん……!?」

 

「ほ、本当に巨大な亀だわ……」

 

「もう勘弁して欲しいですわ……」

 

 黒子のテレポートでツナたちがやって来る。ツナの姿を見てディーノは驚き、婚后は顔を赤らめていた。美琴と黒子は本当に巨大な亀が存在したことに驚きを隠せないでいた。

 

「やっぱりエンツィオだったんだ……」

 

「エンツィオって……あの亀のこと?」

 

「うん。エンツィオはスポンジスッポンで、水に浸かると巨大化するんだ。だから乾かせば元に戻るよ」

 

「それはわかったけど……まずあのエンツィオの身動きを封じないとどうにもならないわよ……」

 

 ツナの説明を聞いてエンツィオの性質を理解した美琴であったが、今のエンツィオをどうにかしないとどうにもならないことを理解する。

 

「この事態は俺が引き起こしたんだ。ペットの問題は飼い主が解決しねぇとな」

 

 そう言うとディーノは鞭を構える。そしてディーノはエンツィオの足元に鞭を放った。

 が、

 

「や、やべぇ! 絡まった!」

 

「こんな時に何してんのよ!?」

 

「どうやったらそうなりますの!?」

 

 鞭はディーノの全身に絡みつきそにまま地面に倒れてしまう。そんなディーノを見て美琴と黒子はツッコミを入れると同時にディーノの体に絡みついた鞭を解こうとしていた。

 

「はっ! ディーノさん! 部下の人は!?」

 

「ロマーリオたちならいねぇぜ。今日はここに1人で来たからな……」

 

「さ、最悪だ……」

 

「な、何が最悪ですの……?」

 

「ディーノさんは部下の人がいないと運動神経が極端に下がって力が発揮できない体質なんだよ……」

 

「「どんな体質よ! どんな体質ですの!」」

 

 ツナがディーノの体質について説明する。ディーノの体質を知って黒子と美琴はツッコミをいれる。そうしてる間にもエンツィオはビルを食べていた。ツナたちがどうすればいいか迷っていた。その時だった。

 

「エ、エンツィオが……!?」

 

 するとエンツィオの動きが止まる。するとエンツィオの体が徐々に傾いていく。

 

「ま、まずいですわ!」

 

「あんなのが倒れたらとんでもない被害になるわ!」

 

 ゆっくりと倒れていくエンツィオを見て、黒子と美琴は焦ってしまう。

 

「「「え……!?」」」

 

 だがエンツィオは倒れることはなかった。それどころかエンツィオは地面から離れて空中に浮いていた。

 

「助っ人登場」

 

「大丈夫、ツナ君?」

 

「山本! 炎真!」

 

「あいつ……沢田と同じ……!?」

 

 声のする方を振り返るとそこには山本と(ハイパー)死ぬ気モードとなった炎真がいた。山本の自身の(ボックス)アニマル。雨燕(ローンディネ・ディ・ピオッチャ)の小次郎を使って雨の炎を降らせてエンツィオの動きを止め、炎真の炎の大地の炎の重力操作によってエンツィオを浮かせたのである。美琴はツナと似ている力を使っている炎真を見て驚きを隠せないでいた。

 

「このまま日の光で乾かすから」

 

「もう大丈夫だぜ」

 

「わ、悪いお前ら……助かったぜ……」

 

「やっと……やっとまともな方が……」

 

「黒子!?」

 

 炎真と山本がそう告げるとディーノは2人にお礼を言った。ここに来てようやくまともな人間が来たことで黒子は涙を流していた。こうして事件は解決した。

 と思われたが

 

「ギャハハ! ランボさん復活! 殺し屋ごっこ始めるんだもんね!」

 

「ランボダメ!」

 

「初春ちゃん! 俺とデートしよう!」

 

「いいや! 俺とデートしよう!」

 

「貴様らそこに直れ! 私が粛清する!」

 

「果たすぞ芝生頭!」

 

「望むところだタコヘッド!」

 

「新作料理の完成したわ」

 

「あ、姉貴……!?」

 

「やっぱり学園都市の技術は面白い……」

 

「胴上げいきますぞ! ロンシャン君!」

 

「イェーイ! ピースピース!」

 

「白井さーん! 沢田さーん! なんとかして下さーい!」

 

 支部に戻るとツナの仲間たちが騒ぎまくっていた。手のつけられないツナの仲間たちに初春は涙を流しながらそう言った。

 

「もう風紀委員(ジャッジメント)なんて辞めてやりますわ……」

 

「白井さん!?」

 

「黒子!?」

 

「なんか悪ぃな……」

 

「ごめんね……」

 

 黒子は騒ぎまくっているツナの仲間を見てそう言い放った。黒子の発言を聞いて初春とツナは驚きの声を上げ、ディーノと炎真は謝罪した。

 

「ハハッ! なんかみんな仲良くなれて何よりだな」

 

「どこがよ!」

 

 そんな中でも山本は天然を発揮していた。山本の発言を聞いて美琴はツッコミをいれる。

 

 この夜。黒子は悪夢にうなされたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

「ね、ねぇ僕?」

 

「ん?」

 

 フゥ太も同じく学園都市に来ていた。街を歩いているとお下げのように後ろで二つに束ねた長い茶髪に、上半身は桃色のサラシを巻いて上にブレザーを羽織り、下は冬服のミニスカートに金属ベルトという露出度の高い格好をしていた女性が話しかけてきた為、フゥ太は後ろを振り返った。

 

「ちょ、ちょっと! わ、私と一緒に! お茶でもどうかしら……!?」

 

「ぼ、僕! 用事あるから!」

 

「あ! ま、待って!」

 

 鼻息を荒くしながらそう言う女性を見て恐怖したのかフゥ太は全力ダッシュでその場から逃げた。

 

「わ、私としたことが……しくじったわ……」

 

 女性は地面に四つん這いになってがっかりしていた。

 

 フゥ太は元の世界に帰ってから語ったという。変質者に話しかけられたと。

 

 

 

 

 




これでこのシリーズは終わりです。最後のおまけの方ですが誰だかわかりましたよね?そう結標淡希です。フゥ太って結標淡希にとってドンピシャだと思ったのでああいう形にしました。



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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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