とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)138 ペンダント

 

 

 ツナはパトロール中に迷っているだろう少女を見つけた。

 

「あの。ちょっといいかな?」

 

 ツナは少女に話しかけた。ツナに話しかけられた少女は黙ったままツナの方を向いた。

 

「間違ってたらごめんね。もしかして迷ってる?」

 

「は、はい……それと落とし物を捜してるんです……」

 

「落し物?」

 

「はい……今日、第7学区に遊びに来たんですけど大事な物を落としちゃった……けど第7学区は詳しくなくって……」

 

「だったら俺も探すの手伝うよ」

 

「え……でもそれは流石に申し訳ないなの……」

 

 ツナは手伝うと言うが、少女は自分の都合に他人の時間を割くのが悪いと思ったのか遠慮してしまっていた。

 

「大丈夫。俺、風紀委員(ジャッジメント)の協力者だからさ。だから全然、遠慮しなくていいよ」

 

「協力者……」

 

 ツナは証明書を出して自分が風紀委員(ジャッジメント)の協力者だと明かした。証明書を見て少女はツナが風紀委員(ジャッジメント)の協力者だということを理解する。

 

「ほ、本当にお願いしていいんですか?」

 

「うん。遠慮しなくていいよ」

 

「じゃ、じゃあお願いしますなの」

 

 少女がツナに確認を取るとツナは笑顔で心良く了承した。ツナの返答を聞いて少女はお言葉に甘えさせてもらうことにした。

 

「俺は沢田綱吉。よろしくね」

 

春上衿衣(はるうえりい)です。よろしくお願いしますなの」

 

「それで落とし物捜してるって聞いたんだけど。何を落としたのか聞かせてもらっていい?」

 

 ツナと春上は互いに自己紹介する。自己紹介し終えると先程、言っていた落とし物についてツナは尋ねた。

 

「ロケットペンダントです」

 

「ペンダント?」

 

「はい。昔、施設で一緒にいた友達の写真が入ってる大事な物なんです。探し始めたのはいいけど第7学区の地理に詳しくなくって困ってて……」

 

「だから地図を見て迷ってたんだね」

 

「はい……」

 

 春上から経緯を聞いて、ツナはなぜこの第7学区で迷っていたのか理解した。

 

「事情はわかったよ。とにかく一緒に探そっか。通った場所の特徴とか覚えてる?」

 

「ええっと……」

 

 ツナが尋ねると春上は記憶の糸を辿りながら自分の通った場所の特徴を伝えた。ツナはなんとか春上の言っていることを理解し春上の行ったであろう場所に向かおうと同時にロケットペンダントを捜す。

 

「あっ! ここ通りましたなの!」

 

「じゃあここから探してみようか」

 

 ツナに案内された場所に来ると春上はこの場所に覚えがあったようであった。

 

「聞きたいんだけどペンダントって凄い高価な物だったりする?」

 

「そんな高価な物じゃないはずです。普通に学生でも買えるぐらいの値段だと思いますなの」

 

「じゃあ盗難の線はないか……」

 

 ペンダントが高価な物であれば盗難の可能性もあると思い、ツナは春上にペンダントの価値を尋ねた。だがそこまで高価な物ではないとわかってツナは盗難の可能性は低いと判断した。それから2人はしらみ潰しにペンダントを探すがペンダントは一向に見つからなかった。

 

「見つからないなー……」

 

「手間をかけさせて本当にごめんなさいなの……」

 

「謝らなくていいよ。これぐらいどうってことないから」

 

 自分の落とし物を探すのに付き合わせたことが申し訳なかったのか、春上はツナに謝った。しかしツナは嫌な顔をせず笑顔でそう言った。

 

「あっ! ツナお兄ちゃんだ! 久しぶり!」

 

「久しぶりみゆ」

 

 その時、空虚爆破(グラビトン)事件の被害者であるみゆがやって来た。

 

「あっ! 丁度よかった! ツナお兄ちゃんに渡したいものがあるんだ!」

 

「渡したいもの?」

 

「うん! さっき落とし物拾ったの」

 

 そう言うとみゆは身につけていたポーチの中を探り始めた。するとポーチから何かを出した。

 

「はい」

 

「わ、私のペンダントなの!」

 

「ええ!?」

 

 みうがポーチから取り出したのはペンダントだった。しかも春上が探していたペンダントだった為、春上とツナは驚いていた。

 

「お姉ちゃんのだったの? はい」

 

「あ、ありがとうなの」

 

 春上のペンダントだと知ったみゆはペンダントを春上に渡した。春上はみゆにお礼を言った。ペンダントを渡し終えるとみゆはこの場から走り去って行った。

 

「一応、中身を確認しといたら?」

 

「わかりましたなの」

 

 みゆが拾ったのが全く同じペンダントで中身は違う物かもしれないと思ったツナは春上にペンダントの中身を確認するように促す。春上はツナの言いたいことを理解したのかペンダントの中身を確認する。

 

「大丈夫です。私のペンダントです」

 

「え……!?」

 

 写真に写っていたのは茶髪のショートヘアーにカチューシャをつけた子供だった。写真を見て春上はちゃんと

 自分の物だとわかり、ツナはその写真を見た瞬間に驚きのあまりその場で固まってしまっていた。

 

「絆理……!?」

 

「え……!?」

 

 ペンダントに写っていたのは木山の生徒の1人にして木原幻生の人体実験の被害者、枝先絆理(えださきばんり)だった。ツナは木山の生徒のお見舞いに何度も行っている為、彼女のことを知っていた。春上はなぜツナが友達である絆理のことを知っていることに驚きを隠せないでいた。

 

 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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