家光が帰って来た次の日。
「そういえば沢田さん。久しぶりにお父さんと再会してどうでしたか?」
「最悪だったよ……」
「沢田さん……?」
初春は家光と再会した感想がどうだったのかツナに尋ねた。ツナは物凄く疲れた顔をしながらそう言った。初春はそんなツナを見て違和感を覚える。
「昨日、父さんが佐天に酒を飲ませてさ……」
「「酒!?」」
佐天に酒を飲ませたと聞いて、初春と黒子は驚きを隠せないでいた。
「正確に言えば父さんが水の入ったコップと日本酒の入ったコップを間違えて渡しちゃって……それで佐天が酔っぱらちゃって……それで手がつけられなくなっちゃってさ……」
「て、手がつけられないって……」
「ま、まさか……」
ツナの話を聞いて初春と黒子は想像する。酒を飲んだことによって大暴れして手がつけられなくなったのではないかということに。
「佐天が……その……抱きついてきたり……キスしようとしたりして来てさ……もう大変でさ……」
ツナの脳裏には昨日の佐天の行動が浮かんでいた。あれからもの凄く気まずくなってしまい今だに喋りづらいのである。
「何だそんなことですか……」
「驚かせないで下さいまし……」
「何で驚かないの!?」
大暴れしたのではなく酒の勢いでただただ素直になっただけだった為、初春と黒子は冷めた目でツナの方を見て呆れてしまっていた。2人の発言を聞いてツナはなぜそんな反応するのかわからず驚いていた。
「いきなり女の子が抱きついたり、キスしようとしてきたんだよ! 今から佐天にだって好きな人だってできるはずなのに! 好きでもない俺にキスなんて知ったらショックを受けるに決まってんじゃん!」
「そうですね……」
「そうですわね……」
「だから何で驚かないの!?」
ツナがあんまりにも鈍感である為、初春と黒子は再び呆れた顔をしながらそう言った。ツナはなぜそんな顔をするのかわからず驚きを隠せないでいた。普通であれば驚くことなのではあるが、佐天がツナに好意を寄せていると知っている2人にとってはむしろそのままキスして結ばれればいいとしか思っていなかった。
「あっ! もう時間なので行ってきますね」
「もう初春のパトロールの時間か」
「はい。それでは行ってきますね」
そう言うと初春は支部を出てパトロールへ向かって行く。
初春がパトロールに向かってから30分後。黒子の携帯に初春から電話が入る。
「わかりましたわ。すぐに向かいますわ」
少しだけ会話すると黒子は電話を切って、はぁ……と少しだけため息をついた。
「何かあったの?」
「実はとある学生が困ってて手伝って欲しいそうなのですの」
「困ってる?」
「どうやら他の学区から引っ越して来たらしいのですが、時間を間違ってしまって荷物だけが先に寮に届いてしまったみたいなんですの。だから手伝って欲しいと」
「成る程ね」
「全く……それぐらい1人でなんとかして欲しいものですわ……私が鍛えあげているというのにいつまでも小学生並の体力……」
「ハハハ……」
いつまでも体力のつかない初春の姿を想像しながら黒子はため息をつき、ツナはそんな黒子を見て苦笑いしていた。
ツナと黒子は初春の言われた場所へと向かって行く。
「白井さーん! 沢田さーん! こっちですー!」
初春が右手で大きく手を降って自分がここにいるというアピールをする。初春は寮の扉の前に2人を案内する。そこには大量のダンボールが置かれていた。
そして
「衿衣!?」
「沢田さん!?」
なぜか春上がいた。ツナは春上がここにいることに驚き、春上はツナがここに来たことに驚きを隠せないでいた。
「まさか衿衣が依頼者だったなんて……」
「沢田さん。春上さんと知り合いなんですか?」
「昨日、衿衣が落とし物をしたっていうから一緒に探したんだ」
「そうだったんですか」
「昨日は本当にありがとうございましたなの。落とし物を探してくれた上に絆理ちゃんと再会させてくれて」
「「絆理ちゃん?」」
春上は頭を下げてツナに頭を下げる。絆理という知り合い単語を聞いて黒子と初春は疑問符を浮かべる。
「実は……」
ツナはわからない初春と黒子の為に説明する。衿衣と絆理の関係と、春上と衿衣が感動の再会を果たしたことを。
「春上さんが……」
「これは驚きましたわ……」
春上と絆理の関係を知って、初春と黒子は春上の方を見ながら驚いていた。
「それで何で衿衣は初春の寮に?」
「実は2学期から絆理ちゃんが柵川中学に通うっていうので転校することに決めたんです」
「転校!?」
まさか
「はい。正確にいえばまだ転校はしてないんですが、昨柵川中学に相談したらここが開いてるって聞いたので寮を契約解除したんです」
(衿衣って意外と行動力があるな……)
昨日の今日で決断し行動に移す春上の行動力にツナは驚きを隠せないでいた。
「絆理ちゃんと約束したんです。退院したら一緒に寮で住もうって。だから今度は私は絆理ちゃんの居場所を作ってあげって決めたんです」
「衿衣……」
「事情はわかりましたわ。とにかくお手伝いしますわ」
「わっ! 急に荷物が!」
春上の話を聞いてツナは感動し、黒子は笑顔でテレポートでダンボールを寮の中に転移させた。急に荷物が消えた為、驚きを隠せないでいた。
「白井さんはテレポーターなんですよ」
「す、凄いの……」
「当然ですわ。この学園都市において私、以上の
初春が黒子の能力を説明すると春上は驚いていた。黒子は自慢気にそう言った。荷物の入ったダンボールを全部、寮の中の送るとツナたちは中に入りダンボールを開けて荷物を寮の中へ置いていく。
「た、高い……」
「だ、大丈夫ですかなの?」
ツナは踏み台を使って電球を取り付けていた。決して身長の高いとは言えないツナは踏み台を使って背伸びをしてもギリギリだった。春上はそんなツナを見て落ちないかと思いハラハラしていた。
「よしっ! 届いた!」
悪戦苦闘しながらもなんとか電球を取り付けることに成功したツナは
「わっ!?」
「え……!?」
ホッとしたのも束の間。ツナはバランスを崩してしまいそのまま春上の方へ倒れてしまう。春上は反応が遅れてしまった為、避けることができなかった。ツナは仰向けになった状態の春上の覆い被さっていた。だがなんとか両手を床につけることで全体重を春上に乗せることはなかった。
「ご、ごめん衿衣!」
「あああ……!?」
だがツナの両手は春上の顔の横にあり、さらにお互いの至近距離にあった。壁ドンに近い状態になったことで春上は顔を真っ赤にしてしながら顔をパクパクさせていた。
「何かあったんです……なっ!?」
「さ、沢田さん……!?」
ツナが倒れる音を聞いて別の部屋で作業していた黒子と初春が慌ててやって来た。だがこの光景を見て開いた口が塞がらない状態になっていた。
「ち、違う!! これは!?」
「王子様なの……」
ツナは慌てて春上から離れて黒子と初春の方を向いて言い訳する。一方で動揺していた春上であったがすぐにうっとりした
こうしてまたツナに想いを寄せる人物が増えたのであった。
という訳で春上も追加しちゃいます。ですがサブヒロインとしててです。婚后もサブヒロインです。メインヒロインは佐天、美琴、黒子、御坂妹でいこうと思います。
高評価を下さったmako119さん。ありがとうごぁいました!
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