とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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という訳で今回から絶対能力進化計画(レベル6)篇に入ります!時系列は一気に飛んで8月19日。美琴がアイテムと戦う日です。

それでは絶対能力進化計画(レベル6)篇。幕開けです。


絶対能力進化(レベル6シフト)計画篇
標的(ターゲット)146 尾行


 

 

 

 夏祭りから時は経過して8月19日の昼。

 

「ふー……今日も異常なしっと」

 

 ツナはいつものようにパトロールに赴いていた。何も起きなかったものの8月である為、ツナは額に汗をかいていた。

 

「あ。美琴だ」

 

 パトロールをしていると遠目ではあるが美琴の後ろ姿が視界に入った。せっかくなのでツナは話しかけることにする。

 

「あれ?」

 

 美琴が曲がり角に入って行ったのを見て、ツナも同じく曲がり角を曲がった。しかし美琴の姿はどこにもなかった。

 

「いない? まぁいいか」

 

 ツナは美琴を見失った為、話しかけるのを諦めて、元来た道を戻ることにした。

 

「あら? 沢田じゃない」

 

「え!?」

 

 来た道を戻ってから少しするとツナの前から美琴が現れた。ツナは先程、見かけた美琴が反対方向からやって来たことに驚きを隠せないでいた。

 

「どうしたのよ? 何、驚いてるのよ?」

 

「い、いや……さっき美琴があっちの方に歩いていくのを見たからさ……俺の勘違いだったみたい……」

 

「っ!?」

 

 ツナはさっき美琴を見た方向を指を指しながら説明すると同時に、先程、見た美琴は自分の勘違いだと理解した。一方で美琴はツナの言葉を聞いて驚き隠せていないようだった。

 

「美琴? どうしたの?」

 

「ううん。何でもないわ。多分、あんたの勘違い……」

 

「美琴!?」

 

 ツナは美琴に違和感を感じた。美琴は笑顔でそう答えるが、答えた瞬間に美琴はフラついてしまう。フラついた美琴を見てツナは驚いてしまう。

 

「心配させてごめん。なんか最近、夏バテ気味みたいなの。悪いけど今日は帰るわ。じゃあね」

 

「え!? ちょっ!? 美琴!?」

 

 そう言うと美琴は走ってとツナから離れて行った。まるでこれ以上、ツナといるのを避けるかのように。美琴の行動にツナは驚きを隠せずにいた。

 

(あの感じ……幻想御手(レベルアッパー)事件の時の佐天と同じ……)

 

 ツナは全てを見透かす力、超直感で違和感を感じていた。そして同時に思い出していた。幻想御手(レベルアッパー)事件の時に幻想御手(レベルアッパー)を持っているのにも関わらず、隠し通そうとしていた佐天と同じということに。

 

(黒子なら何か知ってるかも……)

 

 美琴と同じ寮に住んでいる黒子であれば何か知っているのではないかと思い、ツナは支部に戻ることを決意する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風紀委員(ジャッジメント)177支部

 

「ただいまー」

 

「沢田さん。お帰りなさい」

 

「パトロールお疲れ様。ツナ君」

 

「……」

 

 ツナが帰ると初春と固法、そして真剣な眼差しでパソコンとにらめっこしてる黒子がいた。

 

「あの……黒子。ちょっと話があるんだけどいい?」

 

「何ですの?」

 

「ちょっと美琴のことで話があるんだけど……」

 

「っ!?」

 

 ツナに話しかけられても真剣な眼差しでパソコンから目を離すことをしなかった黒子であったが、美琴という単語を聞いた途端、顔色を変えてツナの方を向いた。

 

「固法先輩。少しだけ席を外しますわ」

 

「え!? ちょっ!? 黒子!?」

 

 黒子はそう言うとツナを引っ張って、医務室へとツナを連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 医務室

 

「それで? お姉様のことでお話とは?」

 

「ど、どうしたの黒子? 急に慌てて?」

 

「そんなことはどうでもいいですわ。それよりあ姉様のことをお話下さい」

 

「う、うん……」

 

 高圧的な黒子に圧された為、ツナは美琴のことを話すことを決める。

 

「さっきパトロールの途中で美琴に会ったんだけどさ、何か変な感じがしてさ。黒子なら美琴に何かあったか知ってるんじゃないかと思ってさ」

 

「やはりそうですか……」

 

 ツナは先程あった出来事について話した。ツナの話を聞いた黒子は残念そうな表情(かお)をしながらそう言った。

 

「やはりって……やっぱり何か知ってるの?」

 

「いいえ。その逆ですわ」

 

「え? どういうこと?」

 

 先程の黒子の発言から黒子は何か知っているのかと思っていたツナであったが全くその逆だった為、困惑してしまっていた。

 

「実は最近、お姉様が寮にほとんど帰って来ないんですの。いつも野暮用だと言って……」

 

「野暮用……?」

 

「ええ。いつも夕方にそう言って寮を出ていくんですの」

 

「それは変だね……」

 

 黒子はここ最近の美琴の行動について語る。ツナは黒子から最近の美琴の行動を聞いて違和感を覚える。

 

「いっそのこと美琴の後を追ってみたら?」

 

「何をしているのか調べたいのは山々なのですが、寮監の抜き打ち検査ありますし。私が寮監の目を誤魔化さないとお姉様が罰を受けることになりますの……」

 

「そっか……」

 

「それに……」

 

「ん?」

 

「ここで追ってしまえば私はお姉様の信頼を裏切ることになってしまう気がしまって……」

 

「黒子……」

 

 本当は美琴を追いたいのにも関わらず、追うことのできない黒子は悲しい表情(かお)をしてしまっていた。そんな黒子の表情(かお)を見てツナはなんとも言えない気持ちになってしまっていた。

 

「とりあえず沢田さん。このことは他言しないで下さいまし。他の方々に心配をかけたくありませんの」

 

「わかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして時刻は一気に過ぎて夕方。美琴たちの寮。

 

「ふぅ……誰もいないわね……」

 

 美琴は寮の外に出ると周囲を見回し、誰もいないことを確認すると走ってどこかへ向かって行く。

 

「動いたな……」

 

 美琴の上空。そこには(ハイパー)死ぬ気モードになっているツナがいた。

 

(ごめん黒子……悪いがもう俺はもう後悔したくないんだ……)

 

 ツナの脳裏には昏睡状態になった佐天の姿が浮かんでいた。あの時、ツナは佐天の違和感に気づいていた。だがツナには佐天に詳しいことを聞く勇気がなく、佐天が話してくれるのを待つことにした。その結果、佐天は昏睡状態になってしまった。もし木山が根っからの悪人であったならば今だに昏睡状態から目覚めていなかったかもしれない。そんな思いからツナは美琴が何をしているのか調査することを決めたのである。本当は美琴に直接聞きたいのだがルームメイトである黒子にすら話していない為、聞いたところで話してくれるはずもない。その為、ツナは尾行という形を取ることにした。

 

(学生があまりいないのが幸いだな……)

 

 ツナは上空から美琴を尾行する。地上であれば監視カメラがある為、下手をすればストーカーと判断される可能性がある。しかし上空には監視カメラがない為、カメラにツナの姿は映らない。それに加え学生たちは家に帰っている時間なので人にバレる心配もない。

 

(ホテル?)

 

 ツナが尾行を続けていると美琴はホテルの中に入っていった。少しすると制服姿だった美琴がハートマークが3つ入った上着に短パンに着替えて出て来た。

 

(まさか着替える為だけにホテルを借りたのか……)

 

 ツナは美琴の行動に呆れると同時に、美琴の金銭感覚に驚きを隠せないでいた。ここからさらに美琴は移動していきツナも美琴を追って行く。すると美琴はとある建物内に侵入していく。美琴が侵入していくのをちゃんと確認した後、ツナは地上へと降りる。

 

「製薬会社?」

 

 ツナが建物の入り口に降りると会社名の書かれたプレートがあった。

 

 製薬会社へと侵入した美琴。一体、美琴の目的は!? 

 

 

 

 

 

 




という訳で次回はアイテムの登場です。もう結構、飛ばしてます。マネーカードとかの辺りにツナを出しても意味がないので。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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