とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)148 大空(ツナ)vs原子崩し(麦野沈利)

 

 一方で麦野たちは。

 

「おかしい…」

 

「どうしたの滝壺?」

 

 ツナと美琴を追跡していた滝壺は違和感を感じていた。滝壺の発言が気になったのかフレンダは何があったのかを滝壺に尋ねた。

 

電子能力者(エレクトロマスター)のAIM拡散力場は追跡できる。けど発火能力者(パイロキネシスト)のAIM拡散力場が追跡ができない」

 

 ツナのAIM拡散力場を探知できないことに滝壺は困惑していた。ツナの予想は当たっていた。滝壺理后(たきつぼりこう)。能力名は能力追跡(AIMストーカー)。能力者のAIM拡散力場を覚えることで、能力者の居場所を感知することができる大能力者(レベル4)である。

 

「どういうこと?」

 

「わからない。とにかく私の能力が通じない…無能力者(レベル0)相手に使ってるのと同じ感じ…」

 

(滝壺の能力追跡(AIMストーカー)にマーキングされた能力者はたとえ地球の裏側にいようと追跡できる…能力者である限り滝壺の能力追跡(AIMストーカー)から逃れられる術はない…奴はあきらかに発火能力者(パイロキネシスト)…にも関わらず追跡できない…妙ね…)

 

 滝壺の言葉を聞いて麦野は腕を組んでなぜツナに滝壺の能力追跡(AIM)追跡が通じないのかを考えるが、一向に答えが出ることはなかった。彼女の名は麦野沈理(むぎのしずり)。能力名は原子崩し(メルトダウナー)。電子は通常、粒子か波形どちらかの性質を示す。麦野は粒子と波形二つの中間である、曖昧なままの状態に固定して強制的に操ることができる。簡単に言えば破壊力抜群の光線を出すことのできる能力である。そして学園都市にしか7人しかいないとされる超能力者(レベル5)の1人である。序列は第4位である。

 

「結局、最初から滝壺の能力を知ってて、何かしらの対策を取ったとかじゃないの?」

 

 フレンダはツナが滝壺の能力を阻害する対策を取ったのではないかと推測する。彼女の名はフレンダ・セイヴェルン。無能力者(レベル0)ではあるが爆発物の扱いに長けており、能力者相手にも難なく対抗できる実力を持っている。建物内に仕掛けられた人形(爆弾)はフレンダの物である。

 

「じゃあもしかして私たちと同じ人間(・・・・・・・・)?」

 

「ゼロではないけど考えられるわね…」

 

 滝壺の意見に麦野は納得する。彼女たちは普通の人間ではない。学園都市の暗部組織の1つ。組織名はアイテム。統括理事会直属の暗殺部隊である。統括理事会を含めた学園都市上層部や暗部組織の監視や暴走の阻止、そして学園都市にとっての不穏分子の削除、抹消が主な業務である。

 その時だった

 

「やっぱりお前の能力はAIM拡散力場を追跡する能力だったか」

 

「「「っ!?」」」

 

 突如、ツナの声が聞こえた為、麦野たちは慌てて辺りを見回しツナを捜す。だがツナの姿はどこにも見当たらなかった。

 

「上…」

 

 滝壺は驚きながら右手の人差し指で天井を指す。滝壺の言葉を聞いて麦野とフレンダは天井の方を向いた。そこには天井に両足をつけて逆さまの状態で立っているツナがいた。

 

「天井に貼り付いて…!?」

 

「まさか多重能力者(デュアルスキル)…!?」

 

 発火能力者(パイロキネシスト)であるのにも関わらず天井に貼り付いているのかわからずフレンダと滝壺は驚いてしまう。そんな中で麦野は取り乱すことなく天井にいるツナに向かって光線を放った。

 

「大した破壊力だな」

 

「「「っ!?」」」

 

 ツナは炎を逆噴射させて天井から一瞬にしてに麦野の背後へと移動した。ツナのあまりの移動速度に3人は驚きを隠せないでいた。

 

「てめぇ!一体、何者だ!?」

 

 麦野は咄嗟に回し蹴りをツナに向かって放つ。ツナは再び炎を逆噴射させると麦野たちの後方の少し離れた場所へ移動した。ツナたちがいるこの場所は広い為、ツナが高速で移動しても何の問題もない。

 

「それはこっちの台詞だ。さっきの戦い方といい、その身のこなし。殺し屋のそれと同じだ。お前たちの方こそ何者だ?」

 

「「っ!?」」

 

(この短時間で私たちのことを見抜きやがった…!?)

 

 ツナは今までの戦いの経験からこの3人がタダ者ではないということを見抜いていた。フレンダ、滝壺、麦野はツナの推理力に驚きを隠せないでいた。

 

(このガキただのガキじゃねぇ…!?何が目的かは知らないがここで消すしかねぇ!)

 

 麦野はツナを危険人物だと認定した。そして麦野の周囲に複数の緑色の光球が出現すると全ての光球から光線がツナへと一直線を向かって行く。

 

(破壊力が強いところや一点集中型の攻撃…XANXASに似てるな。だがXANXAS程じゃない)

 

 ツナは光線を躱しながらかつて戦ったXANXASのことが脳裏に浮かんでいた。XANXASはボンゴレが誇る最強の暗殺部隊、ヴァリアーのボスにして死ぬ気の炎の亜種である憤怒の炎の持ち主である。憤怒の炎とはボンゴレファミリーの2代目ボス、ボンゴレⅡ世(セコーンド)が持っていたとされる炎であり2代目が激昂した時に見せたとされる炎のことである。憤怒の炎は通常の死ぬ気の炎よりも破壊力に特化している炎である。XANXASは7代目と同じ銃を使って憤怒の炎を一点に集中し放つという戦い方をしていた。

 

(このガキ…この短時間で私の攻撃パターンを見切ってやがる…!?)

 

 麦野は次々に放たれたていく光線を躱すだけでなく攻撃を見抜いているツナに驚きを隠せないでいた。今までの戦いの経験と全てを見透かす力、超直感を持つツナだからこそ短期間で攻撃を見抜くことができるのである。

 

「威力は高いがそれ以外はどうということはないな」

 

「あぁ!?」

 

「その能力は連射ができない上に広範囲の攻撃ができない。それに一定以上の出力を出そうとしない。正確に言えば出せないと言った方がいいのか」

 

(私の攻撃を見切るだけでなく私の能力の弱点まで見抜きやがった…!?)

 

 麦野は攻撃パターンだけでなく能力の弱点までも見抜かれたことに驚きを隠せないでいた。ツナの推測は当たっている。麦野の原子崩し(メルトダウナー)は威力こそ強いものの連射できない。そして一定、以上の威力を撃とうとすると自分の体が吹き飛んでしまう。麦野が美琴より序列が低いのは能力の制御における部分が序列に影響している。

 

(XANXASの下位互換ってところだな…)

 

 XANXASは麦野とは違い、威力は自由に調節できる上に連射も可能。攻撃を一点に集中するだけでなく広範囲攻撃も可能。それでいて破壊力は麦野よりも上。虹の代理戦争においては一撃でホテルの屋上を全て吹き飛ばしている。XANXASはまさに麦野の上位互換と呼べる存在である。

 

(大した洞察力だが私が広範囲攻撃できないって勘違いしてやがる。やっぱりガキだな)

 

 拡散支援半導体(シリコンバーン)。麦野の弱点を補うアイテムである。この半導体に自身の光線を当てると光線が拡散するのである。

 

(油断している今の内に拡散支援半導体(シリコンバーン)であいつの体を抉ってやる)

 

 ツナが広範囲攻撃がでにないと油断している内に麦野は仕掛けることを決めると、口元を緩ませながら懐から拡散支援半導体(シリコンバーン)を取り出す。

 

(ねぇ!?)

 

 麦野は拡散支援半導体(シリコンバーン)がなくなっていることに気づき困惑してしまっていた。

 

「探し物はこいつか?」

 

「てめぇ!いつの間に!」

 

 ツナの右手には麦野の拡散支援半導体(シリコンバーン)の束が握られていた。ツナは麦野の回し蹴りを躱した際に麦野の真横を高速で通過すると同時に麦野の懐にある拡散支援半導体(シリコンバーン)を抜き取ったのである。

 

「お前の弱点はここに来る前からすでにわかってた。そしてその弱点にちゃんと対策をする奴だってこともな」

 

 ツナは美琴と一緒に移動していた際にすでに麦野の弱点を見切り、麦野が弱点に対策を講じる人間だということも理解していた。

 

「死ぬ気の零地点突破初代(ファースト)エディション」

 

「氷!?」

 

 ツナは拡散支援半導体(シリコンバーン)を凍らせて使えないようにする。能力は1人1系統であるにも関わらず、ツナが炎だけでなく氷を使ったことに麦野は驚きを隠せないでいた。

 

「時間稼ぎはこの辺で終わりだ」

 

「ガハッ!?」

 

 そう言うとツナは炎を逆噴射させて麦野の間合いに一瞬にして移動すると、麦野の腹部に拳を叩き込む。加速によって威力が何倍にも底上げされた拳によって麦野は体が傾いてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




本編でも書きましたがXANXASって凄いなと改めて思いました。後、個人的に獄寺はフレンダの上位互換だと思いました。


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