一方で麦野たちは。
「おかしい……」
「どうしたの滝壺?」
ツナと美琴を追跡していた滝壺は違和感を感じていた。滝壺の発言が気になったのかフレンダは何があったのかを滝壺に尋ねた。
「
ツナのAIM拡散力場を探知できないことに滝壺は困惑していた。ツナの予想は当たっていた。
「どういうこと?」
「わからない。とにかく私の能力が通じない……
(滝壺の
滝壺の言葉を聞いて麦野は腕を組んでなぜツナに滝壺の
「結局、最初から滝壺の能力を知ってて、何かしらの対策を取ったとかじゃないの?」
フレンダはツナが滝壺の能力を阻害する対策を取ったのではないかと推測する。彼女の名はフレンダ・セイヴェルン。
「じゃあもしかして
「ゼロではないけど考えられるわね……」
滝壺の意見に麦野は納得する。彼女たちは普通の人間ではない。学園都市の暗部組織の1つ。組織名はアイテム。統括理事会直属の暗殺部隊である。統括理事会を含めた学園都市上層部や暗部組織の監視や暴走の阻止、そして学園都市にとっての不穏分子の削除、抹消が主な業務である。
その時だった
「やっぱりお前の能力はAIM拡散力場を追跡する能力だったか」
「「「っ!?」」」
突如、ツナの声が聞こえた為、麦野たちは慌てて辺りを見回しツナを捜す。だがツナの姿はどこにも見当たらなかった。
「上……」
滝壺は驚きながら右手の人差し指で天井を指す。滝壺の言葉を聞いて麦野とフレンダは天井の方を向いた。そこには天井に両足をつけて逆さまの状態で立っているツナがいた。
「天井に貼り付いて……!?」
「まさか
「大した破壊力だな」
「「「っ!?」」」
ツナは炎を逆噴射させて天井から一瞬にしてに麦野の背後へと移動した。ツナのあまりの移動速度に3人は驚きを隠せないでいた。
「てめぇ! 一体、何者だ!?」
麦野は咄嗟に回し蹴りをツナに向かって放つ。ツナは再び炎を逆噴射させると麦野たちの後方の少し離れた場所へ移動した。ツナたちがいるこの場所は広い為、ツナが高速で移動しても何の問題もない。
「それはこっちの台詞だ。さっきの戦い方といい、その身のこなし。殺し屋のそれと同じだ。お前たちの方こそ何者だ?」
「「っ!?」」
(この短時間で私たちのことを見抜きやがった……!?)
ツナは今までの戦いの経験からこの3人がタダ者ではないということを見抜いていた。フレンダ、滝壺、麦野はツナの推理力に驚きを隠せないでいた。
(このガキただのガキじゃねぇ……!? 何が目的かは知らないがここで消すしかねぇ!)
麦野はツナを危険人物だと認定した。そして麦野の周囲に複数の緑色の光球が出現すると全ての光球から光線がツナへと一直線を向かって行く。
(破壊力が強いところや一点集中型の攻撃……XANXASに似てるな。だがXANXAS程じゃない)
ツナは光線を躱しながらかつて戦ったXANXASのことが脳裏に浮かんでいた。XANXASはボンゴレが誇る最強の暗殺部隊、ヴァリアーのボスにして死ぬ気の炎の亜種である憤怒の炎の持ち主である。憤怒の炎とはボンゴレファミリーの2代目ボス、ボンゴレ
(このガキ……この短時間で私の攻撃パターンを見切ってやがる……!?)
麦野は次々に放たれたていく光線を躱すだけでなく攻撃を見抜いているツナに驚きを隠せないでいた。今までの戦いの経験と全てを見透かす力、超直感を持つツナだからこそ短期間で攻撃を見抜くことができるのである。
「威力は高いがそれ以外はどうということはないな」
「あぁ!?」
「その能力は連射ができない上に広範囲の攻撃ができない。それに一定以上の出力を出そうとしない。正確に言えば出せないと言った方がいいのか」
(私の攻撃を見切るだけでなく私の能力の弱点まで見抜きやがった……!?)
麦野は攻撃パターンだけでなく能力の弱点までも見抜かれたことに驚きを隠せないでいた。ツナの推測は当たっている。麦野の
(XANXASの下位互換ってところだな……)
XANXASは麦野とは違い、威力は自由に調節できる上に連射も可能。攻撃を一点に集中するだけでなく広範囲攻撃も可能。それでいて破壊力は麦野よりも上。虹の代理戦争においては一撃でホテルの屋上を全て吹き飛ばしている。XANXASはまさに麦野の上位互換と呼べる存在である。
(大した洞察力だが私が広範囲攻撃できないって勘違いしてやがる。やっぱりガキだな)
(油断している今の内に
ツナが広範囲攻撃がでにないと油断している内に麦野は仕掛けることを決めると、口元を緩ませながら懐から
(ねぇ!?)
麦野は
「探し物はこいつか?」
「てめぇ! いつの間に!」
ツナの右手には麦野の
「お前の弱点はここに来る前からすでにわかってた。そしてその弱点にちゃんと対策をする奴だってこともな」
ツナは美琴と一緒に移動していた際にすでに麦野の弱点を見切り、麦野が弱点に対策を講じる人間だということも理解していた。
「死ぬ気の零地点突破
「氷!?」
ツナは
「時間稼ぎはこの辺で終わりだ」
「ガハッ!?」
そう言うとツナは炎を逆噴射させて麦野の間合いに一瞬にして移動すると、麦野の腹部に拳を叩き込む。加速によって威力が何倍にも底上げされた拳によって麦野は体が傾いてしまうのだった。
本編でも書きましたがXANXASって凄いなと改めて思いました。後、個人的に獄寺はフレンダの上位互換だと思いました。
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