ツナの拳が麦野の腹部にモロに入る。麦野の体が徐々に傾いていく。
「このクソガキィ!!」
「っ!?」
だが麦野は床に倒れる前に体制を立て直した。しかし今の一撃で頭にきたのか、麦野は顔を歪ませながら光線をツナに向かって放った。ツナは即座に炎を逆噴射させて距離を取って光線を躱した。
「チョロチョロしてんじゃねぇ!!」
(なんて耐久力だ……あの一撃を喰らって気絶しないなんて……)
麦野は次々に光線を放っていく。ツナは加速+死ぬ気の炎を纏った拳を叩き込んだのにも関わらず気絶しない麦野の耐久力に驚きを隠せないでいた。
(さっきより威力が上がってる……ますますXANXASにそっくりだな……)
XANXASは本気で怒るとゆりかごにて9代目につけられた古傷が浮かび上がり攻撃力が上がる。ツナはその時のXANXASと今の麦野が似てることに気づいた。
「さっきまでの威勢はどうしたぁ!? もう終わりかぁ!? もっと私を楽しませろや!!」
(正攻法でやっても意味がないな……)
ぶちギレたことによってテンションがハイになっている麦野を見て普通にダメージを与えても麦野は倒れることはないと理解する。
(あまり気は進まないがあれをやるか……)
時はツナが中学3年に遡る。
「いいかツナ。戦いの中で肉体が精神を上回って、本来なら気絶してもおかしくない程のダメージを受けてもなお気絶しねぇ奴がいる。そんな奴を前にした時には人体急所を狙うのが一番だ」
ツナはリボーンとのスパーリングの最中、リボーンから話を傾けていた。
「それに人体急所を狙えば必要以上に相手を傷つけず即座に相手を倒せる。人を傷つけたくないお前にとって覚えておいて損はねぇはずだぞ」
再び場面は戻り製薬会社
「いくぜ」
そう言うとツナは炎を逆噴射させて光線を全て躱しながら再び麦野の間合いへと一瞬にして移動する。
「ガハッ!?」
ツナはアッパーで麦野の顎を攻撃した上空へ吹き飛ばした後に炎を逆噴射させて麦野の上空へと一瞬にして移動する。
「ゴフッ!?」
そしてツナはさらに麦野のみぞおちに拳を叩き込んだ。麦野のそのまま地面におもいっきりで落下し気絶してしまった。
(人体急所の
爆発物を扱えるだけでなく体術にも心得のあるフレンダはツナが麦野の人体急所を的確に狙ったことに驚きを隠せないでいた。
(あの麦野を余裕で圧倒した上に……不可能なはずの能力の多数使用……!? 結局、何なのよこいつは……!? こんな化け物が学園都市にいるなんて聞いたことがないわ……!?)
フレンダは強い麦野をも余裕で圧倒するような相手にどうすればいいかわからず頭の中が真っ白になってしまっていた。
(あれは……)
ツナは滝壺の様子がおかしいことに気づいた。滝壺は肩で息をし、大量の汗をかき、明らかに疲弊していた。ツナは炎を逆噴射させて滝壺の前へ移動した。
「っ!?」
「滝壺……!?」
いきなり目の前にツナが現れたことに滝壺は驚く。しかしあまりの恐怖に動けないでいた。フレンダは滝壺を助けようと動こうとするも美琴から喰らった電撃のせいで体が痺れ、四つん這いの状態になってしまっていた。ツナは右手の人差し指に炎を纏うと滝壺に近づけていく。滝壺は目を瞑ることしかできなかった。
「?」
だが滝壺は気づく。痛みや熱さが全くないどころか温かく安らぎを覚えていることに。そして自分の中にある
「その能力、副作用があるようだな」
「え……!?」
「俺の炎でお前の中の
ツナは滝壺の体が今、どのような状態であるかを超直感で見抜いていた。ツナの予想は当たっており滝壺の体は毒のようなものに蝕まれている。理由は能力を使用ではなく、使用する際に使うアイテムである。そのアイテムは体晶。正式名称は能力体結晶。絆理たちが木原幻生の人体実験に使われた物と同じ物である。通常はデメリットしかなく服用すれば絆理たちのように昏睡状態に陥ってしまう。しかし滝壺は暴走状態の方がいい結果を出せるのと能力の使用に体晶が必要である為、体晶を服用している。とはいえ負担は大きく、使い続ければ使った本人は死に至る。
「忠告はしたぞ」
「え……!?」
そしてツナは振り返りゆっくりと歩みを進めて行く。滝壺はツナの言葉を聞いてキョトンとしてしまっていた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 結局、あんたは何なのよ!? 何がしたかったのよ!」
急に現れ麦野を倒したと思ったら、今度は滝壺を助けるという一貫性のない行動にフレンダはツナは一体、何をしにここに来たのかわからず叫ぶ。フレンダの言葉を聞いてツナは歩みを止める。
「俺は最近、あいつがどこかでフラフラしていると聞いて後をつけてここまで来ただけだ。結局のところあいつが何をしたのかは知らないがな」
「あんた……まさか……結局、何も知らずにここまで来たっていうの……!?」
「そうだ」
「そ、それだけの為に……!?」
何も事情を知らないのにも関わらず美琴の為にここまでするツナにフレンダは驚きを隠せないでいた。
「じゃ、じゃあ何で滝壺を助けたのよ!? 私はあんたたちを殺そうとしたのよ!?」
「何を言ってる。目の前で苦しんでいる女の子がいたら助けるのが普通だろ」
「「え……!?」」
ツナの言葉を聞いて滝壺とフレンダは驚きを隠せないでいた。
「じゃあな」
「あ、あの……」
「何だ?」
「あ、ありがとう……」
滝壺は勇気を振り絞って、自分を助けてくれたツナにお礼を言った。滝壺の言葉を聞いた後、ツナはそのまま黙って施設を出て行くのであった。
ツナが去ってから20分後。
「う、う~ん……?」
「麦野!」
「麦野……」
ツナによって気絶させられた麦野が目覚める。麦野が目覚めたのを見て、フレンダと滝壺を
「私は……って! あのガキは!?」
「も、もういないわ……」
「あの野郎……次会ったら絶対に殺してやる……」
麦野はツナに倒されたことを根に持ったのか、麦野は再び
「ん? 滝壺、能力を使ったのに顔色がいいわね。いつもならもっと顔色が悪くなるのに」
「あの
「助けた?」
麦野は自分を倒したのにも関わらず、滝壺を助けたことに違和感を感じていた。
(何を考えてやがる? そもそもあいつは一体、何者なんだ? そもそも私たちの
麦野はツナの取った行動の意味、ツナの正体について考えるが答えは出なかった。
「あ。ここにいたんですが。超お疲れ様です」
すると麦野たちの元へ小柄な茶髪のショートヘアーの少女がやって来る。
「絹旗。何で
「
「そう」
「それで? こちらは? 例の
「逃げられたわ。急に現れた
「
操ることができる
「侵入者は
「そのはずだったんだけどね。私だって何が何だがよ」
その時、麦野の携帯が鳴る。麦野は電話を出た。
「何? はぁ? ……どういう……ちっ! わかったわよ」
麦野は電話に出たが何か文句のあるようであったが、途中で渋々、承諾すると電話を切った。
「超何かあったんですか?」
「仲介人からの連絡よ。統括理事会から今回、介入して来た
「統括理事会……!?」
「何で統括理事会が……!?」
「知らないわよ。統括理事会がそう言うなら従うしかないわ」
統括理事会と聞いてフレンダと絹旗は驚きを隠せないでいた。
「というか何で
「統括理事会は私でさえ知らない技術を持ってる。下手に関わらない方が身の為ね」
滝壺はどうしてこんなにもツナの存在が統括理事会に知られているのかわからないでいた。麦野は何かしらの技術で知ったと推測する。
こうしてアイテムとの戦いは幕を閉じた。
という訳でアイテムとの戦いは終了です。統括理事会ぐらい出さないと麦野はツナを殺そうと思うのでこういう形にしました。
高評価を下さったガスロさん。ありがとうございます!
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