とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

150 / 300
標的(ターゲット)150 信じてる

 アイテムを退けたツナ。一方で美琴は。

 

(あいつ……大丈夫かしら?)

 

 目的を果たした美琴はツナに言われた場所に到着していた。

 

(ううん……沢田なら大丈夫よきっと……)

 

 美琴はツナならきっと無事だと自分に言い聞かせる。ツナの強さは理解している為、大丈夫だと思いたいのだがどうしても不安が拭えないのである。

 

(でも沢田にはなんて言おう……)

 

 美琴は今回の件をどうやって説明しようかと考えていた。あんなことがあった為、誤魔化すことはできない。美琴は自分が何をしていたのかを話そうかどうか迷っていた。

 

「美琴」

 

「ひゃっ!」

 

 美琴が迷っている間にいつの間にかノーマル状態へと戻ったツナが自分の後ろにいた。美琴は急に話しかけられた為、驚きの声を上げてしまった。

 

「ご、ごめん……そんなびっくりさせちゃって……」

 

(あんなヤバい奴らと戦って無傷……相変わらず規格外ね……)

 

 後ろから急に話しかけられたことにも驚いた美琴であったが、一番驚いたのはあれだけの相手にツナが無傷であることだった。

 

「それで? 目的は終わり?」

 

「え……う、うん……」

 

「嘘つかないでよ美琴」

 

「っ!?」

 

 ツナの問いにそう答えた美琴であったが、すぐにツナに嘘だと見抜かれてしまった。嘘がバレてしまったことに美琴は驚きを隠せないでいた。

 

「前に幻想御手(レベルアッパー)事件の時に佐天が嘘をついてからわかるんだ。美琴が嘘をついてるって」

 

(バレた……もう正直に話すしか……)

 

 さっきの発言が嘘だとバレてしまった為、美琴は正直に話すことを決める。

 

「別に無理して言わなくてもいいよ」

 

「え……!?」

 

「美琴が何かを抱えてるっていうのはわかったよ。でも無理に話さなくていいよ。さっきも言ったけど今回は俺が勝手に首を突っ込んだだけだから。美琴が巻き込んだ訳じゃない」

 

「で、でも……」

 

「俺はただ美琴が何かを抱えてたから協力したかったのと黒子に元気になって欲しいかっただけだよ。それにもうあんな思いをしたくないしさ」

 

「あんな思い?」

 

 前半の部分は何のことかわかったが、後半のあんな思いという意味がわからず美琴は疑問符を浮かべていた。

 

幻想御手(レベルアッパー)事件の時、佐天が悩んでることに気づいてたんだ。でも俺は佐天が自分から言うまでずっと待ってた。けどその判断のせいで佐天は昏睡状態になった……あの時、後悔したんだ。俺がちゃんと佐天にもっと寄り添ってあげられたら佐天はあんな目に遭わなくて済んだんじゃないかってさ……だから決めたんだ。悩んでる友達がいたら待つんじゃなくて手を差し伸べてあげようって」

 

「沢田……」

 

「だから無理に話さなくてもいいよ。俺はただ美琴が元気になってくれればそれでいいよ」

 

「それがたとえ間違ったことだとしても?」

 

「え?」

 

 突然、美琴が変なことを言い出した為、ツナはキョトンとしてしまう。

 

「私が仮に間違ったことをしようとしていたとしてもあんたは私に協力するって言えるの?」

 

「大丈夫だよ。美琴はそんなことする人間じゃないって知ってるから」

 

「そうかしら? 私は戦いたくないって言ってるあんたの言葉を無視して戦おうとする女よ」

 

 美琴の問いにツナは迷わずそう答えた。だが美琴は自分自身がツナの言うような綺麗な人間だとは思っていなかった。

 

「でも美琴はちゃんと自分の過ちに気づいて反省した。それに何よりあの時、すっごく辛そうな表情(かお)してたし」

 

『待って! 私はやらないといけないことがあるの!』

 

 ツナは先程の美琴の表情(かお)が脳裏に浮かんでいた。あの時、ツナは美琴がとても苦しんでいることに気づいていた。

 

「本当に悪いことしてたらあんな辛そうな表情(かお)をしないよ。本当に悪いことをする人間はあんな辛そうな表情(かお)どころか笑ってるよ」

 

 ツナは今まで戦ってきた人のことを思い出す。悪いことと知りながらも本当に辛そうな表情(かお)をしながら戦っていた者。逆に悪いことだとすら思っておらず嬉々とした表情(かお)をしていた者。

 

「だから俺は美琴を信じるよ」

 

「全く……あんたってバカね……」

 

 そう言う美琴ではあったが、ツナの言葉を聞いて嬉しかったのか少しだけ笑っていた。

 

「ついて来て」

 

「うん」

 

 美琴がそう言うとツナは首を縦に振りながらそう答える。そして走って行く美琴にツナは着いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 走ること15分。着いたのは先程と同じような施設だった。

 

「ここよ」

 

「ここって……」

 

 美琴に案内されてやって来たのは先程の製薬会社と似ている施設だった。

 

「おかしいわね」

 

「どうしたの?」

 

「電気機器が1つも稼働していない……」

 

「夜だし普通じゃない?」

 

「夜でも警備ロボや監視カメラは起動してるはずでしょ」

 

「あ。そっか」

 

「とりあえず中に入ってみるわ」

 

 違和感を感じながらも美琴とツナは施設の中へと入って行く。

 

「ここね」

 

 少し歩くと美琴はとある部屋の扉の前に止まる。美琴は扉を開ける為の装置に電流を流して部屋の扉を開けた。

 

「扉の前で待っててくれない? ここで誰か来ないか見張ってて欲しいの」

 

「わかった」

 

 美琴はそう言うと部屋の中に入る。ツナは美琴に言われた通り部屋の中に入らず部屋の外で見張ることにする。美琴は部屋の中で機械を操作していた。ツナは気になったが振り返らず自分の役目を真っ当することを決める。

 

「終わったわ」

 

「え? 終わったの?」

 

「ええ。とにかく一旦、ここを出ましょう」

 

 部屋に入ってから1分足らずで美琴の目的が終わってしまった為、ツナは驚いてしまったが美琴が嘘をついていないとわかったので外に出ることにした。

 

「本当に助かったわ沢田」

 

(よかった……いつもの美琴に戻ってる……)

 

 協力してくれたツナに美琴はお礼を言った。ツナは美琴がいつもの美琴に戻ってくれた為、安堵していた。

 

「そういえば今さらだけど、どこから私を尾行して来たの?」

 

「え? 美琴の寮からだけど……」

 

「私、あんたに寮の場所を教えたことあったっけ?」

 

「初春に聞いたんだ。そしたら知ってるって言ったから。黒子には聞けなかったからさ。あっ! 初春には今回のこと言ってないから安心して! 美琴が体調が悪そうだからお見舞いの品を持って行くって言っておいたから!」

 

「悪いわね……そこまで気を遣わせちゃって……」

 

「気にしないでいいよ。美琴が元気なってくれたならそれでいいよ」

 

「ありがとう沢田……」

 

「じゃあ帰ろっか」

 

「そうね」

 

 美琴の目的も果たされツナと美琴はそれぞれの家路へと帰って行く。

 

 だがこの時2人は知らなかった。この行いが全く意味を成さなかったということを。

 

 

 

 




ちょっと無理があったかもしれませんが、ツナと麦野をどうしても戦わせてみたかったのでこういう形になっちゃいました。


次回は御坂妹の登場です!お楽しみ!


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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