美琴が妹を連れて行った後、当麻は先に寮へ帰って行った。
「はい。はい。よろしくお願いします」
ツナは携帯で先程の自動販売機の業者に故障していることを伝えていた。
「これでよしっと……そろそろ帰らないと……」
美琴たちのことが気になったツナであったが、今はパトロール中である為、いつまでもここにはいられないのでツナは支部に戻ることを決める。
「あ……」
戻ろうとした矢先、御坂妹が自分の方にやって来たことに気づいた。当麻は家族との問題に介入すべきではないと言ったが、美琴と何かあったのか気になってしまった為、ツナは聞くことにする。
「あ、あの……」
「あなたは自販機泥棒の片割れの方ですね。とミサカは思い出します」
「違うからね!? 俺は泥棒なんてしてないからね!」
凄い真面目な話をしようと思っていたツナであったが、御坂妹の発言のせいでいつものようにツッコミを入れてしまった。
「何か用ですか? とミサカは尋ねます」
「用っていうか……さっき向こうで何を話したのかって思てさ……なんか美琴の様子がおかしかったからさ……何かあったんじゃないかと思ってさ……別に言いたくないなら無理にとは言わないんだけど……」
「大した話はしていませんよ。とミサカは先程の会話の詳細をについて話します」
「そっか……」
何も情報が得ることができなかった為、ツナががっくりしてしまう。
「ただお姉様にその声でその姿で私の前に現れないでくれと私に言いました。とミサカはお姉様の言っていた言葉をそのままあなたに伝えます」
「な、何で……!?」
御坂妹の話をツナは信じることができずショックを受けていた。
「ど、どうして……美琴がそんなことを……!?」
「私にもわかりません。とミサカは答えます」
どうして美琴が
「ですがその時、私は違和感を覚えました。とミサカは自分自身のことについて伝えます」
「違和感?」
「お姉様の言葉を聞いた途端、胸部が痛みが走りました。とミサカはこれが何なのかわからないでいます」
(え? それって……)
御坂妹の話を聞いてツナはなぜ胸部に痛みが走った理由を理解すると同時に、その痛みの理由がわからないでいることに少しだけ困惑してしまっていた。
「ミサカはどこか悪いのでしょうか? とミサカは病気の線を疑います」
「まぁ……病気といえば病気だよ。心のね」
「心ですか? とミサカは尋ねます」
「うん。きっと美琴の言葉がショックで悲しくなったんだよ。だから痛みが走ったんだよ」
「悲しい? そんな訳はありません。とミサカはあなたの言葉を否定します」
「え?」
「ミサカには感情なんてものはありません。おそらく何かしらの病気にかかっているのだと思います。とミサカは推測します」
「誰にだって感情はあるよ。じゃなかったら美琴の言葉を聞いて痛みが走るなんてことはないよ」
「どうしてそう言い切れるのですか? とミサカは明具体的な根拠を求めます」
「俺、中学の時さ。勉強も運動も何もできなかったんだ。そのせいでずっと周りの人からダメツナって呼ばれてバカにされて友達もいなかったんだ。その時はずっと苦しかったんだ。いつも胸が痛くて痛くて……苦しくてずっと悲しかったんだ……」
御坂妹に根拠を求められた為、ツナは中学時代に体験したことを伝えた。
「だからわかるんだ。今の君があの時の俺と同じだって。多分、君はその悲しいっていう感情がわからないだけで何も感じてない訳じゃない。ちゃんと君にも感情はあるんだよ」
「わかっていない……ではどうすればこの痛みが治るのでしょうか? とミサカは具体的な治療法を尋ねます」
「そりゃ美琴と仲直りするのが一番の治療法だと思うよ。君が美琴を受け入れてくれればその痛みも消えていくよ」
「あなたもそうだったのですか? とミサカは尋ねます?」
「うん。自分のことを受けて入れてくれた大切な友達がいたから、俺の心の傷はなくなった。心に傷を負ってもみんながその傷を埋めてくれたんだ」
ツナの脳裏には自分のいた世界の仲間の姿が脳裏に浮かんでいた。
「美琴が君に酷いことを言ったのは何か事情があると思う。きっと美琴も君と同じで悲しんでると思うよ」
「なぜそんなことがわかるのですか? とミサカは尋ねます」
「友達だから。美琴は根はとっても優しくて友達想いな子だって俺は知ってるから」
自分の意思を無視して勝負させようとしてきたこともあったが、ツナは美琴がどのような人間であるかということはちゃんと理解していた。
「それでもし先程のお姉様の言葉が本当であったならばあなたはどうするのですか? とミサカは尋ねます」
「それだったら美琴と君が仲良くなれるように協力するよ」
「あなたがですか……? とミサカは少しだけ困惑します」
「うん。だって放っておけないもん。美琴と君が困ってるのを見るのはさ。やっぱり友達だからさ」
「私とあなたは友達なのですか? とミサカは尋ねます」
「え? 違うの?」
「まだ出会って間もないあなたを友達認定するのは早すぎだと思うのですか。とミサカは伝えます」
「友達になるのに時間とか関係あるの? 正直、俺は君のことを友達だと思ってるよ。話しててすっごく楽しいし」
御坂妹はまだ出会ってほんの少ししか経過していないのにも関わらずツナが自分のことを友達だと呼んだことに違和感を覚えていた。ツナはキョトンした
「美琴が本当に君を否定したとしても俺は君のことを絶対に否定しないから。俺が君の側にいるよ。だから大丈夫だよ」
「え……!?」
ツナが笑顔でそう言った途端、御坂妹は鳩が豆鉄砲を喰らったかのような
「あっ! やばっ! もうこんな時間だ!」
ツナは公園に設置されてあった時計を見て、そろそろ支部へ戻らないといけないということを思い出した。
「ごめん! 俺、そろそろ戻らないといけないから!」
そう言うとツナは走って支部の方へと帰って行く。だがすぐに御坂妹の方を振り返った。
「何か困ったことがあったら
そう言うとツナは再び、走って支部へと戻って行った。一方で御坂妹はツナが走って行った方向を見たままその場で立ったままでいた。
『美琴が本当に君を否定したとしても俺は君のことを絶対に否定しないから。俺が君の側にいるよ。だから大丈夫だよ』
「なぜでしょう? 先程の言葉はとても温かくて、胸の痛みが無くなったのは……とミサカは自分自身に起きた変化に困惑します……」
次回はアクセラレータを出そうと思いまーす。
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