再びツナは飛んで実験場所へと向かって行く。
(もう時間は過ぎてる……早く行かないと!)
本来であればギリギリ間に合っていたのだが、美琴を説得するのに時間がかかってしまった為、実験の時間は過ぎてしまっていた。
(頼む! 無事でいてくれ!)
ツナは自分の出せる最大の速さで移動しながら、御坂妹が殺されていないことを祈るしかできなかった。
そして一方、実験場。そこは開けた場所に大量のコンテナが並べられた場所だった。
「もう終わりァ?」
「……」
うつ伏せの状態でボロボロになっている御坂妹を見下ろしながら
「じゃあトドメといきますか」
その時だった、
「てめェは……!?」
「丁度よかったぜ。
だがすぐに
「っ!?」
「てめェ!!」
「オイオイ……俺を相手に背を向けるとか……どこまで舐めた真似してンだよ三下ァ……」
「そんなに殺されてェっていうなら……望み通り殺し……!?」
自分を前にして堂々と背を向けるツナを一刻も早くツナを殺そうとした
「後で戦ってやる。そこで待ってろ」
(う、動けねぇ……)
ツナは右目だけが見える状態で
「なぜあなたが……? とミサカは尋ねます……?」
「俺のことがわかるのか?」
この御坂妹は同じ顔をしてはいるもののツナが助けた御坂妹とは別の個体である。にも関わらずツナのことを知っていた為、ツナは少し驚いていた。
「ミサカは……ミサカネットワークという脳波リンクで……情報を共有できる為……あなたのことも知っています……とミサカは……自分たちの能力について……説明します……」
「そうか……」
「どうしてあなたは……また……ここへ……とミサカは再び尋ねます……?」
「この実験を壊して
「なぜ……ですか……? ミサカは機材と薬品があれば……ボタン1つで自動生産できるんです……作り物の体に……借り物の心……単価にして18万円……在庫にして9969も余りがある……そんなもの為にあなたは……」
先程、助けた御坂妹とは情報を共有していない為、この御坂妹はツナがなぜここに来たのかわからないでいた。
「これは俺の助けたあの子に言ったことだがちゃんとお前にも伝えておく。俺はもっと君に生きて欲しいんだ」
「生きて……欲しい……?」
「ああ。クローンとか関係ない。もっと君のことを知りたい。君と一緒にいたい。ただそれだけだ」
情報が共有されていないと知ったツナは先程、伝えた言葉をもう1度、御坂妹に伝えた。
「これは単なる俺のワガママかもしれない。でもお前たち
ツナは御坂妹に自分の思いを伝えると、御坂妹の傷口に両手を置いた。
「死ぬ気の零地点突破
そしてツナは御坂妹の傷口を殺されていく。幸い命に別状はなかった為、今すぐに治療が必要という訳ではなかった。
「ここで待っててくれ。すぐに終わらせる」
そう御坂妹に言うとツナは振り返って、ゆっくりと
一方。その頃、美琴は。
「行かなきゃ!」
美琴は涙を拭い、ツナに加勢する為に実験場所へと行くことを決意した。
その時だった
「待てよ」
「え……!?」
再び聞き覚えがある声が聞こえる。美琴が振り返るとそこには当麻と黒猫がいた。当麻の右手には紙の束が握られていた。
「どこに行くつもりだよ」
「あんた……その……資料……!?」
「ああ。悪いが調べさせてもらったぜ。
当麻は資料を美琴に見せつけながらそう言った。
なぜ当麻が
「あれ? どこに行ったんだ
古本屋の中から本を持った当麻が出て来る。誰かを捜しているのか当麻は周囲をキョロキョロしていた。当麻の言うあいつとは御坂妹のことである。当麻はツナと別れた後に別の個体の御坂妹と出会っていた。当麻は御坂妹は捨て猫を拾って欲しいと頼まれた為、当麻は御坂妹と一緒に猫の飼い方に関する本を古本屋で買いに行くことにした。店内には猫を入れることは無理なので当麻は御坂妹に猫を預けて店内に入った。しかし戻った頃には御坂妹はおらず猫だけ残されていた。当麻は御坂妹を探す為にツナたちがいた路地へと入って行った。
「見つけた。どうした……!?」
路地に入った当麻であったがそこには驚きの光景が広がっていた。そこには御坂妹と同じ姿をした人たちがたくさんいたのだから。当麻は知らなかったが、この時、御坂妹は戦いの痕跡を無くす為に隠蔽工作をしていたのである。
「勝手にいなくなって申し訳ありません。とミサカは謝罪します」
「何だよ……!? 何なんだよ……!? 何でビリビリの妹がこんなに……!? お前らは一体……!?」
「学園都市で七人しかいない
御坂妹の正体を知った当麻は胸騒ぎがし、美琴にこの事実を確認する為に美琴の寮へと向かった。美琴はいなかったが、そこで当麻は発見したのである。
そして現在に至る。
「ごめん! その話は後にして! 私は行かないと行けないの! あいつが……沢田が
「何!?」
当麻に色々と聞きたいことがあった美琴であったが今はそれどころではなかった。当麻はツナが
「何であいつが!? あいつもこの計画を知ってんのか!?」
「うん……あの子たちを助ける為に1人で……」
「バカ野郎……そんなヤバい奴、相手にたった1人で行くなんて……無謀過ぎるぜ……」
「とにかく私は沢田の所に行くわ」
「俺も行くぜ」
「な、何を言って……!?」
「あいつには借りがあるからな。それに放っておけねぇだろ」
当麻は思い出す。ツナがいてくれたお陰で本来、戻るはずのない記憶を取り戻すことができたことを。
「相手は学園都市第1位。人手が多い方がいいだろ。それにこの右手が役立つかもしれねぇだろ」
「あんた……」
当麻の右手にはあらゆる異能を無力化できる
「止めても無駄だぜ」
「わかったわ……ついて来て」
正直、巻き込みたくはなかったが当麻が先程のツナと同じく、大人しく引いてくれないというのは明らかに明白であった為、美琴は了承した。
一方でツナは。
「待たせたな。
「気にするな三下。これから俺にブチ殺されンだ。心の準備ぐらいさせてやる。こう見えても俺は優しいンんだぜ」
ツナは
当麻の右手が役に立つとか書いちゃいましたが、
次回は
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