とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)159 覚悟なき者

 ツナと一方通行(アクセラレータ)が戦っているその頃。美琴と当麻は。

 

「あそこよ!」

 

 美琴が指を指した先のはツナと一方通行(アクセラレータ)が戦っている実験場所だった。美琴と当麻は実験場所の中に入って行く。

 

「え……!?」

 

「嘘だろ……!?」

 

 金網の向こう側でツナが一方通行(アクセラレータ)と戦っているのを見て美琴と当麻は衝撃を受けていた。そこには五体無傷のツナが一方通行(アクセラレータ)を圧倒している姿が目に映っていたのだから。

 

「クソッタレがァアアアアアア!!」

 

「動きが単純になって来てるぞ」

 

「ゴフッ!?」

 

 一方通行(アクセラレータ)は頭に血が登っているのか自身の運動エネルギーの方向を変えてもの凄い勢いで真正面からツナに突っ込んで行く。しかし腹部にツナの拳を顔面に喰らって一方通行(アクセラレータ)はぶっ飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい……一方通行(アクセラレータ)はあらゆるものを反射させるんじゃないのかよ……!? 何であいつの攻撃が通じてんだよ……!?」

 

 ここに来る途中に美琴から一方通行(アクセラレータ)の能力の詳細を当麻は聞いていた。美琴の言うことが本当であるならばツナの攻撃は反射していなければならない。にも関わらずツナの攻撃は反射されてはいなかった。

 

「そうか……一方通行(アクセラレータ)の反射は沢田の炎には効かないんだ……」

 

 美琴はあまりに追い詰められてしまっていた為、忘れていたのである。ツナの炎の特徴を。

 

「効かないって……どういうことだよ?」

 

「あいつの炎はあんたの右手に似てるのよ」

 

「俺の右手と? どういうことだよ?」

 

「あいつの炎の特徴は調和……調和は矛盾や綻びのない状態……つまり沢田があの炎で一方通行(アクセラレータ)の反射を無力化してる……だから一方通行(アクセラレータ)は沢田の攻撃を反射することができないのよ……」

 

「マジか……」

 

 美琴からツナの炎の特徴を聞いて当麻はツナが自分の右手と似てる力を持っているということに。

 

「これは……本当に現実ですか……? とミサカは今、目の前で起きている状況に……驚愕します……」

 

「あんた!」

 

「お前! 大丈夫かよ!?」

 

 美琴と当麻の後ろから声がする。そこには重症の体を引きずってやって来た御坂妹がいた。ツナは待っていろと言ったが、戦いの行方が気になってしまった為、ここまでやって来たのである。

 

「命に別状はありませんし……あの方が傷口を止血してくれたので……問題ありません……とミサカは自身の体の状態について……伝えます……」

 

「問題ない訳ないでしょ!」

 

 そう言うと美琴は御坂妹に肩を貸す。それを見た当麻も御坂妹に肩を貸した。

 

「本当はあの方を逃がそうと……思ったのですが……まさかこんなことになるとは……とミサカは予想外の展開に困惑しています……」

 

「俺たちだって困惑してるよ……いくら反射されないと言っても、あれだけの猛攻に難なく対応できてんだからよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方通行(アクセラレータ)は自身の運動エネルギーの方向を変えて高速移動しながら、周囲に落ちているありとあらゆるものに触れていく。一方通行(アクセラレータ)によって触れられたコンテナ、鉄パイプ、部品が次々にツナに襲いかかって行く。

 

(美琴に……当麻!? しかもあの子まで……!?)

 

 しかしツナは炎を使わず最小限の動きだけで躱していく。それどころかツナは美琴たちがいるのを確認する余裕まであった。

 

(さっきお返しだァ三下!! 今度は俺がお前の脳天をぶち抜いてやらァ!!)

 

 飛ばした様々な物を飛ばして、目眩まししている間に一方通行(アクセラレータ)はツナの真上に移動していた。そして自身の運動エネルギーの向き(ベクトル)を操作して真上からツナの真上へと一気に移動していく。

 

「ゴハッ!?」

 

 だがツナは一方通行(アクセラレータ)の動き読んでおり、右手の拳を上に向かって放つと一方通行(アクセラレータ)の顔面に叩き込んだ。

 

「グフッ!?」

 

 そして拳を離すとツナは落下する一方通行(アクセラレータ)の横腹に回し蹴りを喰らわせた。勿論、これもただの蹴りではなく反射の向き(ベクトル)を内側に発動するように保護膜に触れた瞬間に蹴りを左にずらして蹴りの方向(ベクトル)を内側に発動させた蹴りである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を見た美琴たちは。

 

「あ、足で……!?」

 

「あ、あいつどうやって……!?」

 

「ミサカにもわかりません……とミサカは今、起きた現象に驚愕します……」

 

 ただの蹴りで一方通行(アクセラレータ)の反射を無力化したのかわからず驚愕していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして

 

(こ、この俺が……この俺が……こんな三下にィ……)

 

 ついに一方通行(アクセラレータ)は地面にうつ伏せの状態で這いつくばっていた。しかしそれでもツナへの憎しみは消えておらず、ツナの方を睨んでいた。

 

「もういい。止めだ」

 

(何……だと……!?)

 

 地面に這いつくばっている一方通行(アクセラレータ)を見てツナは拳を下ろした。一方通行(アクセラレータ)はツナの言った言葉が信じられないか驚きを隠せないでいた。

 

「これ以上、お前を傷つけても妹達(シスターズ)が甦る訳じゃない。それだけやられればもうお前が絶対能力者(レベル6)なれないと実験の関係者は思うはずだ。だからもう戦いは終わりだ」

 

 そうツナは一方通行(アクセラレータ)に告げるとツナは背を向け、美琴たちの元へと向かって行く。

 

「そこで大人しくしてろ。病院には連れて行ってやる」

 

(ふざけやがって……!? この俺が……この俺が三下に一方的にやられた上に……情けをかけられただと……!?)

 

 ツナは歩を進めながらそう言う。だがこの言葉を聞いて、一方通行(アクセラレータ)は怒りを露にする。一方的にやられただけでも一方通行(アクセラレータ)にとって屈辱であるのにも関わらず、さらに情けをかけられ、見向きもされない。ツナの言葉とこの行動は一方通行(アクセラレータ)のプライドを傷つけるには充分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってろって言ったのにな……」

 

 美琴と御坂妹が来たことに大した色々と言いたいことがあったツナであったが、自分のことを心配して来てくれのだと理解していたためこれ以上は何も言うことはしなかった。

 

「それにしても何で当麻がここに?」

 

「話せば長くなんだけどよ。偶然、この計画を知っちまってよ」

 

「そうか」

 

 詳しく話したい当麻であったが御坂妹のこともあるので端的に説明した。ツナも当麻の意思を汲み取り、詳しく聞くのは後にすることにした。

 

「あいつは?」

 

「まだ意識はある。けどあそこまでやられれば実験の関係者は一方通行(アクセラレータ)絶対能力者(レベル6)になれないと思うはずだ。とにかく今は救急車を呼んで早く治療を……」

 

 美琴が一方通行(アクセラレータ)のことを尋ねてきたのでツナは説明した。

 その時だった、

 

「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか!!」

 

 一方通行(アクセラレータ)から意味不明な言葉が放れたた瞬間、暴風が発生しコンテナや金網、部品や砂利が飛んで行く。ツナは咄嗟に炎を上に出すと炎をドーム場に展開して美琴たちを護る。

 

「な、何だよあれ……!?」

 

「おそらく……大気に流れる風の向き(ベクトル)を……操作してるのだと思います……とミサカは予想します……」

 

 あまりの現象に当麻は驚愕し、御坂妹は一方通行(アクセラレータ)が何をしたのかを理解する。

 

「この手で大気に流れる風の向きを掴み取れれば世界中に流れる風の動き全てを手中に収めることができれ世界を滅ぼすことも可能。学園都市最強? 絶対能力(レベル6)? そンなもンはもォいらねェ! 一方通行(アクセラレータ)を止められる奴なンざもうどこにも存在しねェ! 世界はこの手にある!」

 

 一方通行(アクセラレータ)は仰向けの状態で左手を上げながらそう言った。

 

「圧縮……空気を圧縮……圧縮ねェ……いいぜェ! 愉快なことを思いついた!」

 

 一方通行(アクセラレータ)は自分の体を無理やり起こし、風を一点に集中させていく。すると風を一点に集中させたことで一方通行(アクセラレータ)の上空に高電離気体(プラズマ)が発生する。

 

「風を一点に凝縮して生み出した高電離気体(プラズマ)……あいつこの辺り一帯をまとめて消すつもりだわ……」

 

(俺の右手なら消せる……こうなったら一か八かあそこに飛び込んで……)

 

「……」

 

 美琴は一方通行(アクセラレータ)の起こした現象と目的を理解して絶句する。当麻は右手で高電離気体(プラズマ)を打ち消す為に一か八かの特攻をしようとしていた。ツナは高電離気体(プラズマ)を見てもなお動揺することなく上空を見上げていた。

 

「ナッツ」

 

「ガウ!」

 

 そしてツナはリングからナッツを呼び出すと、展開していた炎の壁を解いた。そして肩に乗っているナッツを風で飛ばないようナッツの頭に手を置いた。

 

「GURURURU……GAOOOOOO!!」

 

 ナッツの咆哮が一帯に響き渡る。ナッツは自身の技である天空の雄叫び(ルッジード・デイ・チエーリ)高電離気体(プラズマ)に向かって放ったのである。

 

「は……!?」

 

 そして一方通行(アクセラレータ)は驚愕していた。高電離気体(プラズマ)が石化したのだから。

 

「な、何をしたんですか……!? とミサカは尋ねます……」

 

「ナッツは俺の炎と同じ特徴を持った俺の相棒だ。ナッツの咆哮であの高電離気体(プラズマ)を地面に落ちてるコンテナや部品と同じように石化させた」

 

「め、めちゃくちゃだぜ……」

 

 御坂妹が今の現象について尋ねるとツナはナッツの能力を説明した。当麻はナッツの能力を知って驚きを隠せないでいた。

 

(な、何だ……!? 急に猫が出て来たと思ったら……高電離気体(プラズマ)が石化した……!? まさかあの猫がやったっていうのか……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)は信じられないでいた。あれだけの高電離気体(プラズマ)をたった1匹の動物に破られたという事実に。

 

(いや! それよりも何で動物が能力を使える!? 一体、どうなってやがる……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)なぜ動物であるナッツが能力を使えるのかわからないでいた。

 

「どうした一方通行(アクセラレータ)? 今のが全力か? だとしたら大したことはないな」

 

「なっ……!?」

 

「まさか学園都市最強の男が2対1で戦ったことに対して、卑怯だと言うつもりじゃないだろうな。それとも自分の知らない力だから勝てませんでしたなんて言うつもりか?」

 

「クソが……!?」

 

「お前は弱い。俺が今まで戦ってきた誰よりも」

 

「弱いだと……!?」

 

「そうだ。今まで俺は色んな奴と戦って来たが、いい奴も悪い奴もみんな覚悟を持ってた」

 

 ツナは思い出す。マフィアを壊滅し世界大戦を起こそうとした六道骸。ボンゴレのボスの座を手にする為にクーデターを起こし、さらにボンゴレを内部分裂させたXANXAS。(トゥリニセッテ)を手に入れ時空の覇者になろうとした白蘭。シモンファミリーの復権する為にマフィア界の転覆を企てた古里炎真。恋人であるエレナとの約束を守る為に時代を超えて人に憑依し続け、手段を選ばずボンゴレを最強のマフィアへとしたD(デイモン)・スペード。たった1人の男に復讐する為に何百年も生き続けたバミューダ・フォン・ヴェッケンシュタイン。そして学園都市を敵に回すことになっても生徒を救おうとした木山春生。決して誉められるような行為ではないが、その目的の為に全員、命をかけていた。

 

「それに比べてお前から何の覚悟も感じない。自分の能力に甘えて鍛えた様子もない。少しやられただけですぐに信念を曲げた。お前は最強でも何でもない。世界一最弱な男だ」

 

 学園都市最強の能力者と謳われてはいるが能力が強いだけで、自分自身の素の力は大したことない上に、戦闘技術すら会得していない。そして絶対能力者(レベル6)に成りたいと言っておきながら、その目的をどうでもいいと言ったこと。ツナが今まで戦った敵の中でも誰よりも弱い人間だと理解していた。

 

「覚悟だァ!? 下らねェ。そんなもンあったところで何になるってんだ!?」

 

「だったら見せてやるよ。俺の覚悟を」

 

 そう言うとツナはナッツをリングの中に戻す。そして両手に装着していたボンゴレギアを外した。

 

「悪いがこいつを見ててくれ」

 

「お、おい! 何やってんだよ沢田!」

 

「何で武器を捨てんのよ!?」

 

 ツナはそう言うと一方通行(アクセラレータ)の方へ歩を進めて行く。当麻と美琴はツナの行動に驚きを隠せないでいた。

 

「何のつもりだてめェ!?」

 

「言ったはずだ俺の覚悟を見せるってな」

 

 ツナが武器を外したことに一方通行(アクセラレータ)は苛立ちを覚えていた。ツナは目を閉じて大きく息を吸う。そして目をゆっくりと開けた。

 

「死ぬ気の到達点」

 

 

 




絶対能力進化(レベル6シフト)計画篇もクライマックス。最後までお楽しみして下さい。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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