とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)16 作戦開始

 

 

 

 ついに重福省帆を捕縛する為にツナは作戦を決行する

 

『佐天さん、沢田さん。聞こえますか?』

 

「聞こえている」

 

「聞こえるよ初春」

 

 耳にかけている小型の無線を通じて、初春から連絡が入る。初春からの連絡に二人は答える。現在佐天は外を出て、犯人が来るであろう路地から少し離れた場所で待機しており、ツナは(ハイパー)死ぬ気モードとなり犯人が来るであろう路地の上の建物に待機している。

 

『今、犯人は二人の近くの路地に向かっています。準備お願いします』

 

「わかった」

 

「OK」

 

 初春からの連絡を聞いて準備をする二人。作戦は初春の指示の元、犯人である重福省帆を最終的に美琴のいる場所まで誘導するというものである。

 

『今、路地を入りました。佐天さん』

 

「わかった!」

 

 路地を入ったと連絡が入ると、佐天は路地に入る。ツナはまだ降りずに上から様子を覗き見ていた。

 

「見ーつけた」

 

「っ!?」

 

 佐天が路地に入るとお団子ヘアーの小柄な少女が目に映った。突然、後ろから話しかけられた為、少女はビクッと肩を震わせる。少女が恐る恐る振り返るとそこには両腕を組んで壁にもたれている佐天がいた。

 

「私の眉毛の仇。取らせてもらうわよ」

 

 佐天が帽子の鍔をクイッと人差し指を使って上げる。佐天が格好つけながらそう言った瞬間、上に待機していたツナが屋根から飛び降りて佐天の前に現れる。急に額が燃えた男が現れたことに少女は驚きを隠せないでいた。

 

「重福省帆で間違いないな? 大人しく投降しろ。投降すれば手荒な真似はしない」

 

「くっ!」

 

 ツナは投降するよう促した。しかし重福は投降する気はない為、自身の能力である視覚阻害(ダミーチェック)にて姿を隠してその場から逃げ去って行く。

 

「わっ! 本当に消えた!」

 

『ぼさっとしてないで早く追って下さいですの!』

 

(これが視覚阻害(ダミーチェック)……本当に見えないな……けどこの程度なら……)

 

 重福の姿が消えて驚いている佐天に、黒子が無線で追いかけるように叱咤した。一方で重福の姿が消えてもツナは冷静に重福が逃げた方向を凝視していた。

 

「佐天。そこを動くなよ」

 

「え!? ちょ!? ツナさん!?」

 

 ツナは一言だけそう言うと炎を逆噴射させてその場から消えた。佐天はツナの急な指示に戸惑ってしまう。

 

「終わりだ」

 

「っ!?」

 

 ツナは重福の姿が全く見えていないのにも関わらず、重福の左肩を掴んでいた。重福は誰にも自分の姿が見えないはずなのに、こうも正確に捕えられたのかわからず動揺してしまっていた。だがそんなことを考えている間に重福の首筋にツナの手刀が決まる。

 

「なん……で……?」

 

 手刀が決まった瞬間、重福は意識を失い、視覚阻害(ダミーチェック)によって見えなくなっていた姿が見えるようになった。ツナは重福が地面に倒れる前に、重福を抱え、建物の壁にもたれかけさせる。

 

「黒子か?」

 

『沢田さん!? 何かありましたの!?』

 

「重福省帆を捕まえた」

 

『そうですの。それはよかった……ええ!?』

 

 ツナから連絡があった為、黒子は何かあったのかと思ったが何事もないとわかって安堵した。だがもう重福を捕まえたと知って、黒子は驚きを隠せないでいた。

 

「すまない。せっかく立てた作戦を無視をして」

 

『今はそんなことはどうでもいいですの! 一体、どうやって姿の見えない重福省帆を捕まえたんですの!?』

 

「首筋に手刀を当てて気絶させただけだ」

 

『そういう意味でないですの! どうやったら姿の見えない敵の首筋を狙えるんですの!?』

 

「姿を消す前に重福の姿は一度、見ていたからな。その時に肩の位置と首筋の位置は把握していた。それに目に見えない敵と戦うのは初めてじゃなかったからな」

 

『相変わらず凄いですわね……』

 

 そう言うツナの脳裏には幻騎士とその(ボックス)兵器である目に見えない海牛、幻海牛(スペットロ・ヌディブランキ)、ミルフィオーレファミリーの最高戦力、(リアル)六弔花のトリカブトとの戦いが浮かんでいた。黒子はツナが姿が消える相手までとも戦ったことがあることに驚きを隠せないでいた。

 

「とりあえず美琴のいるところまで重福省帆を連れて行く。それでいいか?」

 

『え、ええ……わかりましたわ。私は警備員(アンチスキル)に連絡しておきますわ』

 

「頼む」

 

 ツナがそう言うと黒子の方から無線を切った。無線を切るとずっと待機していた佐天の方を向いた。

 

「もういいぞ佐天。大丈夫だ」

 

「え……は、はい!」

 

「さてと」

 

「なっ!?」

 

 ツナが大丈夫だと伝えると佐天は肩の力を抜いた。だがホッとしたのも束の間、佐天は驚き光景を目にしてしまう。なぜならツナが重福をお姫様抱っこしたからである。

 

「ななな、何やってるんですかツナさん!?」

 

「何って? 美琴のいる所に運ぶだけだ。こんなところにいつまでも寝かせておくわけにはいかないだろ」

 

 自分以外の女の子がお姫様抱っこされているのを見て佐天はわかりやすく動揺する。だがツナは佐天が動揺していることすら気づいていなかった。

 

「わ、私が運びます!」

 

「気にするな。これぐらい問題ない」

 

「問題あります!」

 

「何が問題なんだ?」

 

「え……!? い、いや……それは……!?」

 

 ツナの問いに佐天は動揺してしまう。自分以外の女の子と接触して欲しくないとは口が裂けても言えないので、どう言い訳しようか佐天は脳をフル回転させて考える。

 

「ど、どさくさに紛れて……変なとこ触ったりしそうだし……」

 

「そ、そんなことするわけないだろ!」

 

 佐天の言葉に動揺しながらツナはツッコミをいれる。

 

 この後、佐天が責任を持って重福省帆を運んだそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




中々、進まない…次の次の話でツナと美琴が戦う話をやろうと思います。

高評価を下さったのりべんさん。ありがとうございます!

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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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