とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)160 究極の死ぬ気

 

 

 

 

 

 

 

「死ぬ気の到達点」

 

 ツナがそう呟いた。その瞬間、ツナの全身から大量の死ぬ気の炎が溢れ出し、周囲に溢れ出る。あまりの炎の量にツナ以外、両足にしっかり力を入れなければ吹き飛んでしまう程であった。

 

「沢田の全身から炎が……!? な、何だよあれ……!?」

 

「わ、私も初めてみるわよ……」

 

 ツナの全身から大量の炎が出たことに当麻は驚くと同時にあれが何なのかわからなかった為、美琴に詳細を尋ねた。しかし美琴も初めて見る為、あれが一体何なのかわからないでいた。死ぬ気の到達点。ツナが虹の代理戦争にて発現した力であり、死ぬ気の向こうにある究極の死ぬ気のことである。この力を発現するには死ぬ気弾(きっかけ)が必要であったのだがリボーンとの修行によって死ぬ気弾(きっかけ)なしで死ぬ気の到達点の力を使えるようになったのである。

 

「全ての細胞がお前を倒す為に死を覚悟した」

 

(俺でもわかる……こいつは今までとは次元の違う力だってことが……)

 

(あいつまだ……まだこんな隠し球を……!?)

 

 炎が消えた途端、大気が震え、実験場全体に重力がかかったかのような圧力がかかる。近くにいるだけだというのに当麻と美琴はツナから放たれる力がとてつもないものだということを感じていた。

 

「これが俺の覚悟だ。一方通行(アクセラレータ)

 

(か、勝てねェ……)

 

 ツナの真っ直ぐな瞳、そしてこの場を支配するかのような圧力に一方通行(アクセラレータ)は後ずさりしていた。そして今まで自分が負けることなど微塵も考えたことになかった男が対峙しただけで絶対に勝てないということに気づいてしまった。

 

(戦う気すら起きねェ……体が思うように動かねェ……演算ができねェ……)

 

 さらに戦う気力すら起きず、体全身に重りをつけたかのようになり体が自分の思うように動かなかった。そして演算ができなくなり一方通行(アクセラレータ)を覆っていた保護膜も消えてしまっていた。

 

(まさか……まさか……!?)

 

 この絶対的な圧力を間近で感じた一方通行(アクセラレータ)はあることに気づいた。

 

(こいつはすでに辿り着いてるとでもいうのか……!? 絶対能力者(レベル6)に……!?)

 

 学園都市最強の能力者に戦う気すら起こさせないと思わせる絶対的な圧力。一方通行(アクセラレータ)はツナが絶対能力者(レベル6)の境地に辿り着いているのではないかと推測する。

 

(いや! そんなはずはねェ! 絶対能力者(レベル6)になれる可能性を持ってるのは俺だけだ……!?)

 

 ツナが絶対能力者(レベル6)に辿りついているという事実を認めたくないのか一方通行(アクセラレータ)は自分の予想を否定する。

 

(だが……だが……こいつはまさしく俺が求めた力……!?)

 

 自分の思惑を否定した一方通行(アクセラレータ)であったがこの絶対的な圧力を体験してい為、認めたくはないがツナが自分の求めている力を手にしているということを認めざるお得なかった。

 

(何でだ……!? 何でてめェはこんな力を持っていて俺とは違う……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)の脳裏には浮かんでいた。自分を倒そうとヘラヘラした笑みで挑んできて最後は命乞いし恐怖の眼差しを向ける学生たち。自分の力を利用して甘い汁を吸おうとする大人たちが。

 

(何でそんな目をしてやがる……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)はこれだけの力を持ってもなお自分とは違い、真っ直ぐな目をしているツナが気に入らなかった。

 

(何でてめェは1人じゃねェんだ……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)の脳裏には周りに誰もいない真っ暗な空間に立っている自分が浮かんでいた。

 

(何で……!? 何で……!?)

 

 何度、考えても一方通行(アクセラレータ)にはわからなかった。ツナと自分が何でこんなにも違うのか。

 

「答えは1つ。俺が死ぬ気だからだ」

 

(こいつ……また俺の心を……!?)

 

 ツナは一方通行(アクセラレータ)表情(かお)から一方通行(アクセラレータ)が何を考えているのか直感した。一方通行(アクセラレータ)はまた自分の心を読まれたことに驚きを隠せないでいた。

 

「死ぬ気とは迷わないこと。悔いないこと。そして自分を信じること。俺は死ぬ気を繰り返す度に自分の知らない自分に出会った。そしてそれが本当の自分だと確信した時、俺は気づいた。この死ぬ気の向こうにある究極の死ぬ気にな」

 

 ツナは思い出す。今までの戦いを。この境地の存在に気づいた時のことを。

 

迷い(・・)のあるお前に死ぬ気の俺には勝てない」

 

「迷いだと……!?」

 

「そうだ」

 

 ツナは超直感で気づいていた。一方通行(アクセラレータ)の迷いに。だが一方通行(アクセラレータ)自身、ツナの言う自分の迷いが何なのかわからず困惑していた。

 

「お前は言った。全てを黙らせる絶対的な力が、自分に戦うことすら許されない程の絶対的な力が欲しいと。だがそんな力を手にせずともお前にはそれだけの力がある。さっきの力を使えばお前の望みは叶う。にも関わらずお前はその力を使っていない。それをしないのはお前の心に迷いがあるからだ」

 

 ツナはさっきの高電離気体(プラズマ)をすぐに対処したが、やろうと思えばツナが手がつけられない程の威力にすることだってできた。それを実行するチャンスなどいくらでもあった上に、一方通行(アクセラレータ)の望みが叶うことをツナは理解していた。

 

「それをしない理由はただ1つ」

 

 そしてツナは理解していた。一方通行(アクセラレータ)がそれをしなかった理由を。

 

「孤独だろ?」

 

「黙れ……」

 

「強力な力を持てば疎まれ、怨まれ、妬まれる。そのせいでお前は1人になった。孤独は地獄。学園都市最強と呼ばれようと、あらゆるものを反射できようと自分に向けられた軽蔑の視線、寂しいという気持ちまでは反射できない」

 

「黙れ……」

 

「だからこそお前はこの計画に参加したんだろ。絶大な力を手に入れれば……絶対能力者(レベル6)になればもう誰も傷つけなくていい。そう思ったんだろ?」

 

「黙れ……」

 

「学園都市を……世界を破壊しないのはまだお前の中にまだ誰かと繋がりたいという願望がるからだ」

 

「黙れつってンだろ!!」

 

 一方通行(アクセラレータ)はツナに心を見透かされ、動揺し始めた。

 

「その絶大な力を手に入れる為に妹達(シスターズ)を殺した。誰も傷つけない力を手に入れる為にお前は10030人の妹達(シスターズ)を殺した。だがその選択は間違いだ。そんなことをしてもお前の本当の望みが叶うことはない」

 

 孤独の辛さを知ってるツナは知っていた。こんなやり方で孤独から逃れることはできないということを。

 

絶対能力者(レベル6)になっても今よりもさらに孤独に苛まれるだけだ。お前が本当にやるべきことは絶対能力者(レベル6)になることじゃない。他人から信頼してもらえるように努力をすることだ。死ぬ気でな」

 

「黙れェええええええええ!!」

 

 すると一方通行(アクセラレータ)は叫び声を上げながらツナへと向かって走って来た。そして右手の拳をツナに向かって拳を繰り出した。お世辞もその拳は見栄えのいいものではなく、素人の放ったものよりも酷い拳だった。

 

「ガハッ!?」

 

 だが能力を使っても当たらなかった攻撃がツナに当たるはずもなく軽々と躱された後に、顔面に拳を叩き込まれた。

 

「うぉおおおおお……りゃあ!」

 

 ツナはおもいっきり拳を振り切った。ツナの拳によって一方通行(アクセラレータ)は宙を舞う。

 

(強ェ……強すぎる……)

 

 薄れゆく意識の中で一方通行(アクセラレータ)はツナのあまりに強すぎる力を実感していた。

 

絶対能力者(レベル6)になっても今よりもさらに孤独に苛まれるだけだ。お前が本当にするべきことは絶対能力者(レベル6)になることじゃない。他人から信頼してもらえるように努力をすることだ。死ぬ気でな』

 

(本当……何やってンだ……俺……)

 

 そして先程のツナの言葉を一方通行(アクセラレータ)を思い出し、自分が今までやってきたことを後悔した。そして一方通行(アクセラレータ)は意識を手放すと地面へ落下した。

 

「最後の一撃。悪くなかった」

 

 決して誉められない一撃であったが、ツナは意識を失っている一方通行(アクセラレータ)にそう言い残すと背を向けて美琴たちへと向かって行ったのだった。

 

 

 こうして一方通行(アクセラレータ)との戦いは幕を閉じた。

 

 

 




これで一方通行(アクセラレータ)との戦いは終わりです。意外に早く終わったなー…この話が終わったら未明革命(サイレントパーティー)篇…と言いたいんですがその前に日常篇を挟もうと思います。

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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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