とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)161 甘さと仲間

 一方通行(アクセラレータ)との戦いが終わった次の日。8月22日。戦いが終わり御坂妹は第7学区にある病院に搬送された。幸いにも御坂妹に命に別状はなかった。そしてリボーンから連絡もあり、向こうの世界にいる御坂妹も一命を取り留めたと連絡が入った。

 

 

 

 

「あァ……?」

 

 そして一方通行(アクセラレータ)も病院に運ばれていた。

 

(ここは……? 病院かァ……?)

 

 一方通行(アクセラレータ)は自分の体に巻かれている包帯と、周囲を見渡してここが病院だということを理解する。

 

「あっ! よかった! 目が覚めたんだ!」

 

「てめェ……!? 何でここにいやがる……!?」

 

 一方通行(アクセラレータ)が目覚めたのを見て、ツナは表情(かお)をパァッと明るくさせながら安堵していた。一方通行(アクセラレータ)は自分が倒したはずのツナがなぜが目の前にいるのかわからないでいた。

 

「何でという言い方はないだろう?」

 

 するとカエル顔の医者が一方通行(アクセラレータ)のいる病室に入って来た。

 

「倒れた君を病院に連れて来たのは彼なんだよ? 君は彼に感謝しないといけない立場だよ? あれだけのことしておいて病院に運ばれてることにね?」

 

「連れて来ただと……!? てめェが……!?」

 

 カエル医者が事情を説明する。カエル医者は今回の1件のことを知っている。一方通行(アクセラレータ)はわからなかった。自分は目の前にいる男を本気で殺そうとした。だがその男が自分を病院に連れて来たってことが。

 

「い、いや……だって……怪我してたし……というかそんなになったのは原因は俺な訳だし……」

 

(こいつ……どうかしてェンじゃねェのか……!?)

 

 ツナが病院に連れて来た理由を説明する。理由を聞いてもなお一方通行(アクセラレータ)はツナの行動をどうかしていると思っていた。

 

「ま。怪我自体はそんなに大したことはないんだね? どうやらある程度、手加減されてみたいだからね? ともかく安静にしてるんだね?」

 

 そう言い残すとカエル医者は病室から去って行った。そして病室にはツナと一方通行(アクセラレータ)の2人きりになってしまう。

 

「何で俺を殺さなかった?」

 

「俺はお前を殺す為に戦ったんじゃないよ。この実験を止めるのにお前を倒す必要があったから戦った。殺す必要なんてない」

 

「俺はお前を殺そうとした上に10000回以上、あいつらを殺した人間だぞ。てめェは俺のしでかしたことに対して激昂し、俺を許さないって言っただろうが」

 

「お前を許せないと思ったのは本当だよ。でも俺はお前を殺したいとまで思ってない」

 

「甘ったれた野郎だ……」

 

 ツナが本当に自分を殺す気がないということを知って一方通行(アクセラレータ)はツナの人間性に対して悪態をついた。

 

「俺を倒しても実験が止まるかどうかは俺にもわかンねェぞ。お前は今回の1件で学園都市の闇に触れ、多くの人間の怨みを買った。下手すりャ消されるぞてめェ」

 

「その時は戦うよ。たとえ学園都市を敵に回すことになっても。約束したんだ。妹達(シスターズ)が……みんなが笑える未来を作るって。だからもう覚悟はできてる」

 

 一方通行(アクセラレータ)はそう警告するがツナは一切、動揺することなく真っ直ぐな目で答えた。

 

(ちっ! 相変わらず気にいらねェ目をしてやがるぜ)

 

 一方通行(アクセラレータ)は警告してもなお、戦った時と同じ目をしているツナが気にいらず心の中で舌打ちしていた。

 

「お前はみんなが生きられる未来とかほざいてやがったが、どうするつもりだァ? クローン共は後、9970体もいンだぞ。同じ顔した奴らが学園都市に急に現れて他の奴らが違和感を感じねェわけねェだろうが」

 

 一方通行(アクセラレータ)はツナの言うみんなが笑いあえる世界のデメリットを指摘した。

 

「そうだったー!!」

 

 一方通行(アクセラレータ)に指摘されてツナは両手を頭に起きながら叫んだ。ツナはその辺りについて何も考えていなかった。

 

「考えてみたらそうじゃん!! どうしようー!?」

 

(こいつあんなこと言っておいて何も考えてやがらなかったのか……というか俺と戦った時とは別人じャねェか……多重人格か……?)

 

 今のツナと戦っていた時のツナがあまりにも雰囲気が違っている為、呆れると同時にツナが多重人格なのではないかと疑っていた。

 

「ったく。ボンゴレのボスになるって奴が情けねェ声を上げてんじゃねぇ」

 

「ゴフッ!?」

 

 すると病室にリボーンの声が響き渡る。それと同時にリボーンがツナにドロップキックでツナを蹴り飛ばした。

 

「リ、リボーン!?」

 

「あ、赤ん坊……!?」

 

 ツナは頬を右手を抑えながらリボーンがここにいることに驚きを隠せないでいた。一方通行(アクセラレータ)は急にツナを蹴り飛ばし流暢に喋る謎の赤ん坊の存在に驚きを隠せないでいた。

 

「ちゃおっす。お前が一方通行(アクセラレータ)か? 俺はリボーン。ツナの家庭教師(かてきょー)だ」

 

「どォいうことだ? 細胞の老化現象を抑える研究はもォ完成してたって訳かァ? これが実験同時に囁かれていた250年法の実態ってとこだな。世界の裏の裏まで知ったつもりでいたが、学園都市ってなァどこまで科学技術を先に進めちまってやがる……」

 

 リボーンは自己紹介するが、一方通行(アクセラレータ)はリボーンのことを分析していた。

 

「無駄だぞ。学園都市程度の科学技術(・・・・・・・・・・・)じゃ俺のことを説明できねぇぞ」

 

「リボーン。お前、何でここにいるんだよ?」

 

妹達(シスターズ)のことで話があってな。それとここに一方通行(アクセラレータ)がいるって言うから、(ツラ)を拝もうと思ってな」

 

 ツナがリボーンがなぜこの世界にいるのか尋ねるとリボーンはここに来た目的を話した。

 

「ツナ。今回、実験を知ってる奴を病院内のレストランに集めてこい。さっき言った妹達(シスターズ)のことで話がある」

 

「お、俺が!?」

 

「当たり前だろ。いいからとっとと行ってこい」

 

「わ、わかったよ!」

 

 リボーンがツナに銃口を向けらながらそう言うとツナは逃げるように病室を出て行った。

 

「どうだ? 俺の生徒と戦った感想は?」

 

「ガキの戯言を信じると思ってンのか?」

 

「超一流の家庭教師(かてきょー)である俺が育てたんだからな。お前程度じゃ勝てねぇぞ」

 

「無視してんじャねェよ」

 

「俺の質問に答えねぇお前が悪い」

 

「お前があの野郎を育てたっていう根拠がねェのに信じられる訳、ねェだろうが。第一、俺はお前みたいな得体の知れねェガキを信じられる程、大人じャねェんだよ」

 

「ガキの分際で大人ぶってんじゃねぇ」

 

「赤ん坊のお前だけに言われたくねェんだよ。つーか結局、俺に何の用があンだよ?」

 

「言っただろ。俺はお前の(ツラ)を拝みに来ただけだってな。まぁただの捻くれたクソガキだった訳だったがな」

 

「悪かったな。捻くれたクソガキで。家庭教師様」

 

 リボーンの言葉を聞いて、一方通行(アクセラレータ)はリボーンに向かって皮肉を言い放った。

 

「だったら1つ聞かせてもらうぜ。あいつは俺と何が違う? 何であいつはあれだけの力を持って1人じャねェんだ?」

 

「ツナもお前と同じだ。俺があいつと始めて出会った時、あいつは1人だった。勉強も運動も何もできなくてダメツナって呼ばれてな。だがあいつは死ぬ気でその運命に挑み、孤独という名の呪縛が逃れた。勉強も運動も何もできないダメツナのままな」

 

 一方通行(アクセラレータ)はこの男ならツナのことを……自分の知りたい答えを知ってるのではないかと思いリボーンに尋ねる。リボーンは一方通行(アクセラレータ)の問いに答える。

 

「いつも眉間に皺を寄せ祈るように拳を振るう。あいつは敵だろうと情けをかける甘い男だ。今、お前がこうして無様に生きてんのが何よりの証拠だろ」

 

「そんな甘い考えでよくこれまでやって来れたもんだぜ」

 

「だからこそだぞ」

 

「あァ?」

 

「いつ何時も勝利よりも仲間の身を案じるからこそここまで来れたんだぞ。そんなツナだからこそついて来る奴等がいる。そんなツナだからこそ命を張れるんだぞ」

 

「……」

 

 リボーンの言葉を聞いて、一方通行(アクセラレータ)は黙ったままであった。

 

「んじゃ。俺はそろそろ行くからな」

 

 リボーンはそう言うと病室から出る。かと思われたが病室の入り口の前で歩を止めた。

 

「お前がこれからどうするのかは知らねぇ。これから闇の道を進むなり光の道に進むなり好きにすりゃいい。だが次にこんな真似してみろ……」

 

 すると入り口の方を向いていたリボーンがゆっくりと一方通行(アクセラレータ)の方を向いて行く。

 

「殺すぞ」

 

「っ!?」

 

 リボーンはドスの効いた声で殺気を放ちながら一方通行(アクセラレータ)にそう言い放った。リボーンの殺気を受けて一方通行(アクセラレータ)はあまりの殺気に動くことすらできなかった。そして自分がグチャグチャにされる幻覚まで見えた。リボーンは直接ではないが絶対能力進化(レベル6シフト)計画の一旦に触れた。ちょっとやそっとのことでは動揺しないリボーンではあるが、クローンとはいえ女の子を10030回も殺した男を許せるような男ではなかった。

 

「警告はした。じゃあな」

 

 そう言うとリボーンは殺気を解いて病室から去って行くのだった。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 一方通行(アクセラレータ)はリボーンの殺気を受けて動けないどころか酸欠しかけてしまっており、何もしていないのに関わらず体中から大量の汗をかいていた。冷房が充分に効いている部屋であるのにも関わらず。

 

(い、今のは……あの時と同じ……!?)

 

 一方通行(アクセラレータ)は思い出す。死ぬ気の到達点状態のツナから放たれたあの絶対的な圧力を。

 

(いや……同じなんてもンじャねェ……あいつのはこんなドス黒いもンじャなかった……)

 

 ツナの時は勝てないとわかった。だがリボーンの場合は殺されるということがわかった。勝てないことがわかるのと殺されるがわかるとのでは全く違って来る。

 

(あ、ありえねェ……絶対能力者(レベル6)も2人もいるなンて……しかもあんなガキが……!?)

 

 ツナが絶対能力者(レベル6)の領域に辿り着いているだけでも信じられないのに、子供どころか赤ん坊の

 リボーンが絶対能力者(レベル6)の境地に辿り着いていることがもっと信じられないでいた。

 

(一体、学園都市はどうなっていやがる……!?)

 

 

 




次回は妹達(シスターズ)のこれからについて書きたいと思います。


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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