とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)162 初めての試練

 

 

 リボーンの指示で今回の実験のことを知っている人を集めろと言われたツナは御坂妹のいる病室を訪れた。

 

「あっ! 当麻!」

 

「よう沢田。どこに行ってたんだ?」

 

 室内にいるのは当麻だけであり、美琴と御坂妹はどこにもいなかった。

 

「えっと……その……一方通行(アクセラレータ)の所に……」

 

「はぁ!?」

 

 ツナは言い訳しようにも何も思いつなかった為、正直に一方通行(アクセラレータ)の所に行っていたことを当麻に話した。当麻はツナの話を聞いて驚きの声を上げた。

 

「お、お前……勇気あるな……」

 

「い、いや……どうしても気になったからさ……」

 

 あれだけのことをした一方通行(アクセラレータ)を病院に連れて来ただけでも驚いているのに、実際に会いに行ったと知ってツナの勇気が計り知れないと当麻は思っていた。

 

「それで美琴とあの子は?」

 

「何か話したいことがあるって外に出たぞ」

 

「わかった」

 

「何か用があったのか?」

 

「うん。実は今回の実験のことを知ってる人を集めてくれってリボーンが言ってさ」

 

「リボーンって確かお前が助けた別の御坂妹を治療したお前の世界の奴のことか?」

 

 一方通行(アクセラレータ)を倒した後、互いに実験のことを知った経緯を話している為、当麻もリボーンの名は知っていた。

 

「うん。とにかく病院のレストランに集まって欲しいんだ。俺は美琴たちを呼んで来るから」

 

「おう。わかった」

 

 そう言うとツナは病室を出て、外にいるという美琴と御坂妹の所へと向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 病院から一番、最寄りの公園。美琴と御坂妹は遊ぶ子供たちをベンチで座りながら見守っていた。

 

「不思議です」

 

 片目を包帯で覆っている御坂妹は上空を見上げながらそう呟いた。

 

「昨晩の実験でミサカは死んでいるはずでした。それは1万回以上繰り返されてきた当たり前のことでした。それなのに今もこの瞬間、活動を続けています。ミサカたちは殺され殺される為に造り出されました。ただそれのみが存在意義であり生み出された理由でした」

 

 御坂妹はこれまで一方通行(アクセラレータ)との戦いが脳裏に浮かんでいた。

 

「ですがあの方は言って下さいました。私に生きていて欲しい。殺されるだけが存在意義なんてことは絶対にありえない。自分の生きたいように生きて欲しいと」

 

 御坂妹はツナが言っていた言葉を美琴にそのまま伝えた。

 

「正直、これからどう生きていいかミサカにはわかりません。だからミサカにも生きるということの意味を見出だせるようこれから一緒に探すのを付き合って下さいとミサカは精一杯のワガママを言います」

 

「うん。よろしく」

 

 御坂妹が自分の考えを伝えると、美琴は空を見上げながらそう言った。

 

「あっ! ここにいたんだ」

 

「沢田?」

 

 すると美琴たちを捜していたツナがやって来た。美琴はツナがここにやって来たことに驚きを隠せないでいた。

 

「どうしたのよ?」

 

「リボーンがみんな集めてくれって。妹達(シスターズ)のことで話があるからって」

 

「私たちのことですか? とミサカは尋ねます」

 

「うん。詳しいことはわかんないんだけど」

 

「わかったわ」

 

 ツナがリボーンからの伝言を2人に伝えると、病院へと戻って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 病院内のレストラン。

 

「え!? 実験が中止になった!?」

 

 リボーンが待っている間、ツナは実験が中止になったことを知らされた。ツナが一方通行(アクセラレータ)の所に行っている間に美琴と当麻にはこの事実が知らせれていた為、2人は驚いていなかった。

 

「はい。一方通行(アクセラレータ)をあなたが倒したことで実験は中止となりました。とミサカは伝えます」

 

「よかった……」

 

 御坂妹はミサカネットワークで得た情報を伝える。ツナは先程、一方通行(アクセラレータ)に実験が本当に終わったのかどうかわからないと言われ、内心不安になっていたツナであったが、実験が中止になったと知って安堵する。

 

「けどこれから治療が必要になるらしいわ」

 

「治療?」

 

 治療と聞いて、なぜ御坂妹に治療が必要なのかわからずツナは疑問符を浮かべる。

 

「ミサカの体はお姉様の体細胞から作られた体細胞であり薬品を投与することで急速に成長を促した個体なので寿命が短いのですとミサカは説明します」

 

「そんな……!?」

 

「ですが急速な成長を促すホルモンバランスを整え、細胞核を調整することである程度の寿命を回復させることができます。とミサカは答えます。なので研究施設の世話になって個体を調整する必要があるのです。とミサカは説明します」

 

「よかった……」

 

 寿命が短くなると聞いてショックを受けるツナであったが、治療で回復させることができると知って安堵する。

 

「にしても遅いなリボーンの奴」

 

 実験の中止が告げられてから30分。リボーンに言われた通り、全員を集めたがリボーンは一向にやって来なかった。

 

「待たせたな。お前ら」

 

「あ、赤ん坊……!?」

 

「流暢な言葉で喋る赤ん坊……とミサカは奇妙な存在に違和感を覚えます……」

 

 当麻と御坂妹、突然現れた謎の赤ん坊の存在に驚きを隠せないでいた。

 

「ちゃおっす。俺はリボーン。ツナの家庭教師(かてきょー)だ」

 

「え!? お前が!?」

 

「そうだぞ。何をそんなに驚いてんだ」

 

「いや……お前ただの赤ん坊じゃん……お前みたいなチンチクリンな奴が人に勉強を教えられる訳ないし御坂妹を治療できる訳ねぇだろ……」

 

「るせぇぞ」

 

「ゴフッ!?」

 

 当麻は目の前にいる赤ん坊がツナの言っていたリボーンだと信じられないでいた。当麻の発言を聞いてリボーンは当麻の頬に蹴りを喰らわせた。

 

「痛ぇ!! めちゃくちゃ痛ぇ!!」

 

「何やってんだよリボーン!」

 

「俺の言葉を信じねぇこいつが悪い」

 

「なぜでしょう……正直、一方通行(アクセラレータ)よりもこの赤ん坊が恐ろしいと感じているのは……とミサカはますますこの赤ん坊のことが気になります」

 

「その認識は間違ってないわよ……」

 

 当麻は頬を抑えながらリボーンのあまりの蹴りの威力にめちゃめちゃ痛がっていた。いきなりリボーンが当麻に蹴りを喰らわせたことにツナは驚いていたがリボーンは反省していなかった。御坂妹はなぜかはわからないがリボーンが一方通行(アクセラレータ)よりも恐ろしいと感じてしまっていた。美琴は御坂妹の言葉を肯定した。

 

「それで妹達(シスターズ)のことで話があるって言ってたけど何なの?」

 

「お前たちには一応、話しておこうと思ってな。妹達(シスターズ)のこれからについてな」

 

「これから?」

 

「その話をする前にまず俺たちのことを話しておかねぇとな」

 

 そう言うとリボーンは自分たちのことについて話す。異世界から来たこと、ツナが世界最強のマフィアボンゴレファミリーの次期後継者であること、自分はボンゴレファミリーの9代目の依頼によってツナを立派なマフィアのボスに育てる為に派遣された家庭教師兼殺し屋(ヒットマン)であるということを。

 

「マジか……」

 

「信じられません……とミサカはあまりのぶっ飛んだ話に驚きを隠せません……」

 

 当麻はツナが異世界から来た人間であることを知っていたがマフィアの次期ボスということは知らなかった為、驚きを隠せないでいた。御坂妹は現在ツナたちの世界にいる御坂妹とは情報を共有できていない為(流石に異世界にまでミサカネットワークは機能しない)この話を始めて知った。なので驚きを隠せないでいた。

 

「今回、ツナが一方通行(アクセラレータ)を倒したことで実験は中止になった。それはもう知ってるよな」

 

「え!? 何でリボーンがこのことを知ってるの!?」

 

「さっきカエル顔の医者から聞いた。実験が中止になったことも、治療が必要だってことも、研究機関で治療を受けることもな」

 

 リボーンが実験が中止になったのかを知っていることにツナは驚きの声を上げた。リボーンはカエル顔の医者から聞いて全てを知っているようであった。

 

「だが実験は終わったがまだ問題が残ってる。妹達(シスターズ)がどうやって生きていくかだ。ツナはみんなが笑いあえる未来を作るとは言ったがそれは容易なことじゃねぇ。同じ顔をした奴らが表を歩いてたらどう考えたって変な目で見られるんのは確実だ。全員が全員、俺たちのように妹達(シスターズ)を受け入れられる訳じゃねぇ。それに絶対に妹達(シスターズ)の力を悪用する奴らが現れる」

 

「つまり。この子たちが安全に暮らせる場所が必要ってことね」

 

「ああ。だから俺はさっきこの病院のカエル顔の医者とある交渉した」

 

「「「「交渉?」」」」

 

 交渉と聞いてツナたちは何のことかわからず疑問符を浮かべた。

 

妹達(シスターズ)の半分をボンゴレと9代目が特に信頼を置いているファミリーに送ることにした」

 

「ええ!?」

 

 リボーンの言葉を聞いてツナは驚きの声を上げた。美琴と当麻も驚きを隠せないでいた。

 

「ど、どういうことだよリボーン!? 何で妹達(シスターズ)を!?」

 

妹達(シスターズ)はクローン。もし妹達(シスターズ)の存在が公になってみろ。クローン技術規制法によって確実に処分されんのがオチだ。だが表の法律も関係ねぇ裏社会なら処分を逃れられる」

 

「で、でも……」

 

「現状、これが妹達(シスターズ)が安全に暮らす為に打てる最善の手だ。こうでもしなけりゃ妹達(シスターズ)どころかオリジナルである美琴にまで変な目で見られる。そうなっちまえば妹達(シスターズ)も美琴も居場所がなくなっちまうぞ」

 

「……」

 

 リボーンの提案を受け入れたくはないツナであるが、リボーンが言っていることも事実である為、何も言えないでいた。

 

「それとボンゴレの力を持ってすれば治療もできるしな」

 

「治療って……マフィアが治療できんのかよ……」

 

「学園都市の科学技術よりもボンゴレの科学技術の方が上だ。そこは安心しろ」

 

「今さらっと……とんでもねぇことを言ったよな……」

 

 学園都市の科学技術は2、30年先の域まで達している。その学園都市の科学技術をも越えるボンゴレの存在に当麻は驚きを隠せないでいた。

 

「本来なら全員連れて行きてぇとこなんだが、流石に全員はきついからな。安心しろ、妹達(シスターズ)を戦場に立たせるなんて真似はしねぇ。妹達(シスターズ)たちには事務仕事及び、ミサカネットワークを使った情報伝達の簡略化に貢献してもらうつもりだ」

 

「とはいってもマフィアだろ? 敵が攻めて来たらどうすんだよ?」

 

「ボンゴレは世界最強のマフィア。傘下は10000以上。伝統、格式、規模において右に出るファミリーは存在しねぇ。そんなファミリーに敵が強襲すると思ってんのか?」

 

「せ、世界最強って……!?」

 

 まさかボンゴレファミリーがそこまで凄いファミリーだとは思ってもいなかった為、衝撃を隠せないでいた。

 

「言っとくがこれはまだ決定じゃねぇ。お前たちが俺たちの世界に行くかどうかはお前が……お前たちが決めろ」

 

「ミサカがですか? とミサカは少しだけ困惑します」

 

「そうだ。これからお前たちは様々な選択をしていかなきゃならねぇ。今までみたいに誰かが決めた勝手なルールじゃなく自分たちの意思でな」

 

 これまで御坂妹を勝手に作った科学者たちが御坂妹の人生を勝手に決め、御坂妹もその科学者たちの用意した人生を生きてきた。リボーンは御坂妹自身の力で決めさせるという試練を与えているのである。

 

「すぐに決めろとは言わねぇ。これは重要なことだ。他の奴らと話し合って決めろ」

 

「……」

 

 リボーンの言葉を聞いて御坂妹は黙ったままであった。

 

 リボーンの提案に御坂妹はどう答えるのか? 

 

 




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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う
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