とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)173 ハの型

 

 

 

「時雨蒼燕流。攻式五の型。五月雨」

 

「時雨……!?」

 

 佐天の言っている時雨蒼燕流が何かということがわからず美琴は困惑する。

 

「時雨蒼燕流。戦乱の世に数多の人間を闇に葬ってきた殺人剣だ」

 

「さ、殺人剣!?」

 

 リボーンは時雨蒼燕流の詳細を説明する。時雨蒼燕流が殺人剣だと知って美琴は驚きの声を上げる。

 

「そしてさっきのは時雨蒼燕流。攻式五の型。五月雨。斬撃の瞬間に刀の位置を入れ替え軌道とタイミングをずらす変幻自在の剣だ」

 

「す、凄い……」

 

 リボーンから五月雨の詳細を聞いて美琴はそんな技を佐天を会得していたことに驚きを隠せないでいた。先程佐天は右手に持っていた剣を斬撃の瞬間に左手に持ち変えて攻撃タイミングをズラし美琴に喰らわせたのである。

 

「にしても中学生に殺人剣を教えるって……あんたはどういう神経してんのよ……」

 

「教えたのは俺じゃねぇぞ。俺は選択肢を与えただけだ。剣を造形できても剣を扱う術を覚えなきゃならねぇからな。だから提案したんだぞ。時雨蒼燕流を会得してみねぇかってな。会得できるかどうかは賭けだったがな」

 

「賭けって……そんなに難しいの? 時雨蒼燕流の会得って?」

 

「時雨蒼燕流の師から弟子への継承は1度きり。その時に会得できなければ時雨蒼燕流を扱うことはできねぇんだ」

 

「1度って……それじゃあ継承できなかったら途絶えちゃうじゃない……」

 

「ああ。だから時雨蒼燕流は気と才ある者途絶えた時、世から消えることも仕方なしとした滅びの剣とも言われてるんだ」

 

「滅びの剣……それを会得するなんて……」

 

 美琴は佐天が1度だけ技を見ただけで時雨蒼燕流を継承したという事実に驚きを隠せないでいた。

 

(本当……会得するまですっごい大変だったわ……)

 

 佐天は目を閉じて時雨蒼燕流を会得した時のことを思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リボーンの提案により時雨蒼燕流を会得することを決めた佐天は時雨蒼燕流の継承者である山本の元へ師事してもらうことに決めた。山本は快く快諾した。

 のだが、

 

「こうやってブンって振って、後はビュンビュンってやればいいんだぜ」

 

「え……!?」

 

 山本は竹刀を振りながらそう佐天に伝える。山本のあまりの抽象的な教え方に佐天は困惑を隠せないでいた。山本の教え方は独特で基本的に理解することは困難なのである。しかし教えてもらっている側なので文句は言えないのでそれでもなんとか頑張るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は戻り並盛山

 

(本当……よく継承できたわね……)

 

 佐天は山本の独特過ぎる教え方で時雨蒼燕流を会得できた自分を今だに信じられないでいた。

 

「佐天は能力開発に関しては才能がなかったが、戦闘技術の会得に関しては才能があったからな。そしてツナへの想い。ツナへの憧れ。それがあったからこそ佐天は時雨蒼燕流を会得できたんだぞ。といっても佐天の強みはそこじゃねぇんだけどな」

 

「どういうこと?」

 

「佐天は器用でな。あらゆることをこなす才能がある。炎で造った武器もすぐに扱えるようになったからな。だから俺はあらゆることをこなす才能を極めることに決めたんだ。だから同じ戦闘方法でも極めてる奴には劣る。その代わり手数の多さで相手を攻める。手数の多さ。これこそが佐天の強みだぞ」

 

(これが沢田を導いてきたリボーン(家庭教師)の力……)

 

 リボーンが佐天をあらゆることをこなす才能を見抜いだけでなく、それを短期間で最大限に活かせるようにできるまでに佐天を育て上げたリボーンの力に感心していた。

 

「続きよ御坂」

 

「ええ」

 

 そう言うと美琴は砂鉄の剣を鞭のようにしなさらせる。蛇腹剣と化した砂鉄の剣が佐天に向かって行く。

 

「時雨蒼燕流。守式二の型。逆巻く雨」

 

(炎の壁!?)

 

 佐天は剣を下から振り上げて、晴の炎によるカーテンを作り出したことによって佐天の姿が見えなくなる。佐天が見えなくなったことで美琴はどこに攻撃していいかわからず攻撃が外れてしまう。

 

「死炎速」

 

 佐天は炎の壁を突き破って自身の最速技にて美琴に突っ込んで行く。

 

「がっ!?」

 

 だが美琴はこの攻撃を予測していたのか、自分の直線上に電撃を放ち佐天に電撃を喰らわせた。死炎速は速さは凄いものの、勢いが強すぎて発動してからは方向転換ができず真っ直ぐにしか進めないという弱点がある。美琴はその弱点を突いたのである。

 

「まだよ!」

 

「グフッ!?」

 

 そしてさらに砂鉄の剣の持ち手の部分に電撃を纏わせて腹部に叩き込んだ。

 

「まだまだ!」

 

「ガハッ!?」

 

 さらに美琴は電撃を纏った足で佐天の顎を蹴りを上げる。そしてさらに回し蹴りで佐天を勢いよく吹き飛ばした。

 

()炎槍(えんそう)

 

 追撃されるのを回避する為に、佐天は吹き飛ばされながら両手に2本の槍を造形して美琴の方へ飛ばす。美琴は砂鉄の剣にて槍を弾き飛ばす。

 

「死炎球」

 

(塞がれた!)

 

 さらに佐天は両手に炎の球を造形すると美琴の両サイドに放った。爆発によって両サイドが塞がれたことを美琴は理解する。そんなことを考えている間に美琴は佐天の姿を見失う。

 

(後ろ!)

 

 美琴は反射波で後ろから佐天が来ることを感知し、咄嗟に後ろへ振り向く。

 

「時雨蒼燕流。攻式三の型。遣らずの雨」

 

(しまった!?)

 

 佐天は右足で蹴りで美琴に向かって剣を蹴り飛ばした。反射波で感知したのが佐天ではなく佐天が蹴り飛ばした剣だと知って、美琴は砂鉄の剣で炎の剣を弾くと同時に自分の失態に気づく。そして佐天は美琴に向かって走り出すと同時に新たに剣を造形し両手で握る。

 

「時雨蒼燕流。攻式一の型。車軸の雨」

 

「ぐっ!?」

 

 勢いをつけた突きが美琴を襲う。美琴はなんとか剣の表面で佐天の突きを防御したが衝撃を和らげることができずに後ろへ飛んでいく。

 

「剣が……!?」

 

 美琴が飛ばされた後、時間差で砂鉄の剣が折れる。剣が折れたことに驚きを隠せないでいた。佐天は晴の炎の剣の周囲に雨の炎を纏わせることで砂鉄の剣の防御力を鎮静させた後でメインの晴の炎で砂鉄の剣を破壊したのである。

 

「時雨蒼燕流。攻式八の型」

 

「ついにアレ(・・)を出すのか佐天……」

 

 すると佐天は居合いの構えしながらそのまま美琴に向かって行く。佐天の構えを見てリボーンは口元を緩ませていた。すると途中から佐天は横方向に回転しながら美琴に向かって行く。美琴は佐天に向かって電撃を放つが回転によって強化された剣で電撃を斬り裂いていく。

 

()持雨(まちあめ)

 

「ガハッ!?」

 

 回転することによって強化された無数の斬撃が美琴の上半身を襲う。まともに喰らった美琴はうつ伏せの状態で倒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は佐天が時雨蒼燕流の継承をした時に遡る。

 

「次。七の型」

 

「繁吹き雨」

 

 佐天は日本刀で縦長の藁に向かって斬撃を放ち、藁を斬り裂いていく。

 

「よし。これで稽古は終わりだぜ。後は自分で頑張ってくれよな」

 

「え!? 技を1回見て真似しただけですよ!?」

 

「時雨蒼燕流の継承は1度きりっていう掟があるんだ。だからこの1度の継承で会得できなきゃ時雨蒼燕流は会得できねぇんだ」

 

「え……でもそれじゃ会得できなかったら次に継承したくても継承できなじゃないですか……?」

 

「時雨蒼燕流はあまりに危険過ぎる剣。故に気と才をある者途絶えた時、滅ぶこともや仕方なしとした滅びの剣と言われるんだ」

 

「滅びの剣……」

 

 付き添いに来ていたリボーンが時雨蒼燕流の詳細について説明する。滅ぶことが前提で作られた時雨蒼燕流の存在に佐天は驚きを隠せないでいた。

 

(ほ、本当に私は継承できたのかな……?)

 

 1度見て真似しただけで本当に自分が時雨蒼燕流を継承できたのかわからず佐天は不安になっていた。

 

「大丈夫だぜ」

 

「え?」

 

「お前が強くなりたいっていう覚悟があるのはわかってるぜ。だから自分を信じろ」

 

 佐天が不安な表情(かお)をしているのを見て、山本は笑顔でそう言った。

 

「山本さん……ありがとうございました!」

 

「おう」

 

 山本の言葉を聞いて吹っ切れたのか佐天はお礼を言った。山本は笑顔でそう一言だけ答えた。

 

「先に帰ってろ佐天。俺は山本に話したいことがある」

 

「え?う、うん……」

 

 リボーンの言葉を聞いて戸惑う佐天であったが、佐天は先に帰って行く。

 

「それで? 話って何だ小僧?」

 

「お前。何で八の型を教えなかった?」

 

 時雨蒼燕流は攻型が4式。守型が4式。全部で8つの型が存在する。だが山本は佐天に八の型までしか教えていない。山本には八の型、篠突く雨があるのにも関わらず。

 

「篠突く雨は親父が作った型だ。けどよ。この篠突く雨は親父と俺だけの技にしてぇって思ったんだよ」

 

「そうか。まぁそれが時雨蒼燕流の特徴だもんな」

 

 山本が篠突く雨を佐天に教えなかった理由を聞いてリボーンは納得する。山本に時雨蒼燕流を教えた山本の父ともう1人の同門はから師匠から一から七の型までを教えられた。そして山本の父ともう一人の弟子はそれぞれが別の八の型を作った。そこで生まれたのが篠突く雨である。そして山本の父は山本に篠突く雨を伝授したのである。時雨蒼燕流の継承者は先人の残した型を受け継ぎながら新たな形を作りそれを弟子に伝えていく。それが時雨蒼燕流の特徴である。今回、山本は新な型を教えるのではなく新な八の型を作る役を佐天に担ったのである。

 

「それにあいつならきっと新な型を作れるはずだぜ」

 

 山本は佐天なら新な八の型を作れるということを確信していた。その後、リボーンが佐天に篠突く雨のことを話さず、新たに型を作るよう佐天に命じた。そして佐天は新な型を作り出したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場面は戻り並盛山

 

「「はぁ……はぁ……はぁ……」」

 

 美琴の4連撃を喰らった佐天と、佐天の外持雨を喰らった美琴はなんとか立ち上がるも互いにダメージが蓄積され疲労していた。

 

(流石は学園都市第3位……超電磁砲(レールガン)も出してないのにここまで……)

 

(たった1ヵ月でここまで……一体、どんな修行したのよ……)

 

 佐天は美琴と戦って超能力者(レベル5)の強さを実感する。美琴はたった1ヵ月で超能力者(レベル5)とまともにやり合えるだけの力を手に入れた佐天に驚きを隠せないでいた。

 

「次で決めましょう御坂……もう互いに余力はあまり残ってないはずよ……」

 

「そうね……」

 

 佐天も美琴もこれ以上、戦いを長引かせるのは無理だということを互いに理解していた。

 

 

決着の時!

 




という訳で佐天は篠突く雨を継承しません。先に言っておきますが時雨蒼燕流の新しい型を作りにあたって佐天は時雨金時を借りて練習してます。

ちなみに外持雨とは局地的に降る雨のことをいいます。


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