時はツナがミサと一緒にホテルの泊まっている頃。
「今日はツナさんが帰って来ないんだよなー…」
佐天はツナのベッドで横になっていた。あらかじめリボーンはミサとデートしているということを隠していた。京子たちがツナをキャンプに誘ったのだとリボーンがあらかじめ佐天に説明しておいたのである。
『夏休みが終わったらあいつは学園都市に行くことになるんだ。いくら異世界転送装置があるとはいえ学校が始まったら会いに行くにのは難しくなるからな。今の内に楽しませてやろうと思ってな』
(いや……そもそもリボーン君が勝手にツナさんを退学にしたんだよね……)
ベッドで横になりながら佐天はリボーンの言っていた言葉を思い出すと同時にツッコミをいれる。
(もうちょっと夏休みが終わる……みんな元気にしてるかな?)
佐天の脳裏には初春、黒子、そしてクラスメートの姿が浮かんでいた。そして佐天は睡魔に襲われて、そのまま眠りについてしまう。
一方。その頃。ツナの家の外。
「んじゃ。後は頼んだぞ」
「了解っす。リボーンさん」
ツナの部屋
「う、う~ん……?」
佐天が眠ってから3時間後。眠っていた佐天であったが目が覚めてしまう。
「な、何の音……?」
目が覚めた佐天は少し不機嫌だった。なぜなら部屋の中でゴソゴソという音が何度も部屋の中で響き渡っていたからである。
「え……!?」
佐天は衝撃の事実を目にする。なぜならそこには全身に黒服を纏いニット帽を被った知らない男の背中が見えたのだから。すると男は佐天の振り返る。
「ど、泥棒……!?」
「っ!?」
佐天はこの男が泥棒だということに気づく。男は佐天の声に気づくともの凄い勢いで佐天の方を振り向いた。そして口封じしようとゆっくりと佐天に近づいていく。
(だ、大丈夫……相手は泥棒……)
シェンツとの戦いを経たお陰か佐天は慌てることなくそれどころか冷静に対処しようとしていた。
が、
(あ、あれ……?)
泥棒をやっつけようと思った佐天であったが急に睡魔が襲い、佐天は再び眠りについてしまう。
そして次の日の朝。8月25日。
「う、う~ん……?」
佐天は再び目を覚ます。目覚めるとそこにはいつもの見知った天井が佐天の視界に映っていた。
「昨日の夜、泥棒がいたと思ったけど……夢か……」
男が襲いかかって来たのにも関わらず、自分の体に何の異常もないことから、昨夜の出来事は夢だったのだと佐天は理解し安堵する。
「え……!?」
安堵する佐天であった驚きの光景を目にしてしまう。なぜなら佐天の視界の先には部屋にもたれかかるような状態で男が血を流して倒れていたのだから。
「う、嘘だよね……?」
佐天はおそるおそる倒れている男に近づいて行く。そして男の体を両手でゆする。しかし男の意識が戻るどころか何も反応も返って来ることはなかった。
「も、もしかして……わ、私が……!?」
佐天は昨夜の出来事を覚えていなかったが、今のこの状況から自分が何をしたのか理解する。
「もう起きる時間だぞ佐天」
「リ、リボーン君……」
「どうした佐天?」
朝御飯ができたことを知らせに来たリボーンであったが涙目になりながら自分の方を見ている佐天を見て、何かあったのだと理解する。
「こ、この人……泥棒なんだけど……私……殺しちゃったかも……」
「そうか。お前もついに
「そういうのは今いいから!」
こんな時でも相変わらず平常運転であるリボーンに佐天はツッコミをいれる。
「泥棒なんだろそいつ? だったらいいじゃねぇか。正当防衛だろ」
「で、でも……」
「というか本当に死んでんのかそいつ?」
「へ?」
「ただ気絶してるっていう可能性もあんだろ。ちゃんと心臓が動いてるとかは確認したのか?」
「そ、そういえば……」
リボーンに指摘されて男の心臓の部分に耳を当てて心臓が動いているかどうか確認する。
「う、動いてない……」
気絶しているだけと信じてしまったが男の心臓は全く動いておらず佐天は顔を真っ青にしながら絶望する。
「安心しろ佐天。証拠も残さないように手配してやる」
「安心できないよ!」
「心配いらねぇ。雲雀に依頼すれば死体の処分もやってくれるからな」
「何で高校生がそんなことしてるの!?」
雲雀が死体の処分をしてくれると聞いて佐天は驚きの声を上げる。
(どうすればいいの……!? 相手が泥棒だからって殺しちゃうなんて……!?)
佐天は両手で頭を抱えながら人を殺したという罪悪感に押し潰されそうになってしまっていた。
が、
「そろそろ起きていいぞモレッティ」
「あ、はい」
「ぎゃーーーーーー!!」
リボーンがそう言うと急に何事もなかったかのように男がゆっくりと体を動かした。完全に心臓が止まっていた男が何事もなかったかのように起き上がった為、佐天は叫び声を上げた。
「い、生き返った!? ど、どうなってるの!?」
「驚かせちゃってすいません。私、ボンゴレの特殊工作員のモレッティと申します」
「ボ、ボンゴレって……!? じゃ、じゃあリボーン君の知り合いってこと……!?」
「そうだぞ。ボンゴレの特殊工作員にして殺され屋のモレッティだ」
「こ、殺され屋……? 殺し屋じゃなくて……?」
「ああ。モレッティは自分の意思で心臓を止めて仮死状態になれるアッディーオっていう才能を持つ男なんだ」
(で、出た……ツナさんの世界の変わった人……)
佐天はまた奇妙な才能を持つモレッティの能力を聞いて、なんとも言えない気持ちになってしまっていた。
「ん?……ということはこの人は初めから死んでなかったってこと……?」
「そうだぞ。全て俺たちが仕組んだことだ。お前がモレッティに襲われそうになった時に俺は催眠ガスで眠らせて夢だと思わせたんだ」
「よ、よかったー……」
自分がモレッティを殺していないとわかって佐天は力が抜けたのか脱力してしまっていた。
「いやー。本当にすいません。休暇で日本に遊びに来たんですよ。それで親方様からあなたのことを聞いたことを思い出しまして。だからせっかくなのでアッディーオを見て貰おうと思いまして」
「もっと他に見せ方があるでしょ! というかせっかくの休暇中に何してるんですか!?」
休暇中であるのにも関わらず、こんなドッキリをしようとするモレッティに佐天はツッコミをいれる。
「このまま学園都市に行って美琴たちにもアッディーオを見させてぇな」
「例の異世界ですか?」
「そうだぞ。佐天と同じく面白い反応をしそうな奴がいるんだ。どうだ? 行ってみないか?」
「リボーンさんがそう言うなら面白そうっすね。いいですよ」
(なんかごめん……みんな……)
ノリノリなリボーンとモレッティの姿を見て、佐天はなぜか申し訳なくなり心の中で謝るのであった。
モレッティって日常篇とヴァリアー篇で少ししか出番がないキャラなんですけど、個人的に好きなキャラです。本来ならここで終わろうと思ってたんですが、美琴たちの反応が見たいのでさらに続けたいと思います。
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