これからもとある科学の大空と
佐天がユニの予言を聞いた次の日。8月29日。
「久しぶりだなー。学園都市に来るの」
ツナは学園都市にいた。昨日の夜、初春から連絡があり学園都市への出入りが許可されたのである。
「ん? 電話?」
177支部を目指していたツナであったが途中で携帯が鳴る。かけて来たのは美琴だった。
「もしもし美琴? どうしたの?」
『ちょっとあんたにお願いがあるの』
「お願い?」
『うん。第7学区の病院に来て欲しいの』
「いいけど……何かあったの?」
美琴のトーンが低かった為、美琴に何かあったのだということをツナは理解する。
『訳は後で話すわ。とにかく来て欲しいの』
「わかった」
そう言うとツナは携帯を取り出して初春に遅れるということを伝えた後に、第7学区の病院へと向かう。
第7学区の病院。
「待ってたわ。着いて来て」
病院の待合室にいた美琴と再会の挨拶もなしにツナは美琴に美琴の後に着いていくことになってしまった。美琴に連れて来られたのは病室だった。
(ミサがいる病室じゃない……)
てっきりミサ絡みのことだと思っていたツナであったが、案内された場所がミサの病室ではなかったのでミサ絡みの話ではないのだということを理解する。そして2人は病室に入る。
(女の子?)
病室に入るとそこにはカエル医者と飴を咥えた金髪の少女がいた。ツナは初めて見る少女を見て何で自分がここに呼ばれたのかわからないでいた。
「ミコト? 誰その人? ミコトの友達?」
「そんなとこよ」
少女はツナの姿を見て不思議そうな顔をしながらそう言った。
「この子はフェブリ。公園で倒れているところを見つけて助けたの」
「倒れてた?」
美琴はこのフェブリと呼ばれた少女と出会った経緯をツナに語った。ツナはフェブリが倒れていたということに疑問を抱く。
「フェブリはフェブリっていうの。あなたのお名前は?」
「俺は沢田綱吉。気軽にツナって呼んで」
「うんっ! よろしくツナ!」
フェブリが倒れていたということを詳しく聞きたかったがその前にフェブリがツナに興味を持ってしまった為に、美琴に詳細を聞くことを諦め自己紹介した。しばらく話し続けると2人は打ち解け始めた。
「ちょっと話があるんだがいいかい沢田君?」
「は、はい……」
するとずっと2人が話すのを黙って見ていたカエル医者がツナに話しかける。急にカエル医者が話があると言って来た為、ツナは少し困惑していた。
「ツナ。もう行っちゃうの?」
「ちょっと話があるだけだから。すぐに戻って来るから戻って来るまで美琴と一緒にいてね」
「うんっ!」
ツナがいなくなると知って寂しそうな顔をしていたフェブリであったが、すぐに戻って来るとわかって顔をパァッと明るくさせた。
ツナはカエル医者と一緒に病室を出る。
「それで話って何ですか?」
「君に頼みたいことがあってね?」
「頼みたいこと?」
カエル医者に頼みたいことがあると言われて、ツナは疑問符を浮かべる。
「あの少女の体を君に治してもらいたくってね?」
「治すって……どういう……?」
医者であるカエル医者が医者でもない自分にフェブリを治して欲しいと言ってきたことにツナは意味がわからず疑問符を浮かべる。
「まずあの子のことを話さないといけない。あの子は普通の人間じゃないんだね」
「普通の人間じゃない? どういうことですか?」
フェブリが普通の人間ではないということを聞いてツナは意味がわからないでいた。
「あの子は科学的に造られた人工物だ」
「造られた……!? フェブリが……!?」
フェブリが普通の人間ではなく人工的に造られた存在だと知ってツナは驚きを隠せないでいた。それでもツナはカエル医者のことを信頼している為、フェブリが人工的に造られた存在であるこを信じた。
「ま、まさかフェブリはミサとたちと同じクローンってことですか……!?」
「いや。彼女たちと違ってあの子は誰かのDNAから造られた訳ではない。完全にゼロから造られた存在だ」
「まさかまた
「さぁね。そこまでは僕にもわからないんだね?」
ツナはカエル医者の話を聞いてまた学園都市がろくでもない実験をしようしているのではないかと推測する。ツナの言葉を聞いてカエル医者は首を横に振りながら答えた。
「何年か前に科学的に人間を造るという研究あってね。その研究には暗部が関わっていたらしいんだね」
「暗部……」
カエル医者から暗部という言葉を聞いてツナの脳裏には、麦野を筆頭としたアイテムの存在が浮かんでいた。
「それよりも問題はあの子の体のことなんだ」
「体?」
「あの子は新陳代謝を繰り返す度にある一定量の毒を生成してしまう」
「毒……!?」
フェブリの体に毒が生成されていると知ってツナは驚きを隠せないでいた。
「で、でもフェブリは元気そうしてたじゃないですか……」
毒に犯されているというのにフェブリは元気いっぱいであり、どこにも異常があるようにはツナには全く見えなかった。
「あの飴だよ」
「飴?」
「あの子が咥えている飴は体内で生成されている毒素を中和する効果がある。あの飴がないとあの子は生きられず放っておけば体内に蓄積されて機能不全を起こし死に至ってしまうんだよ?」
「そんな……!?」
フェブリの悲惨過ぎる体質を知ってツナはショックを受けてしまっていた。
「だが沢田君ならあの子を治すことができると聞いたんだが本当なのかい?」
「治すって……あっ!」
カエル医者の言葉を聞いてツナは理解する。大空の炎の特徴である調和の力があればフェブリの体内で生成された毒素を中和することができるということを。美琴はツナの力を知ってツナを呼び出したのだと。
「治すことはできるとは思いますけどただフェブリが怖がると思うんです」
「怖がる? それはどういうことだい?」
「フェブリを治すにはこの炎を使う必要があるんです」
そう言うとツナはリングに炎を灯し、カエル医者に死ぬ気の炎を見せた。
「炎? これが本当にあの子の毒を治すのに必要なのかい?」
「はい。この炎には調和っていう特徴があるんです。これを使えばフェブリの中の毒を浄化できるはずです」
「調和……確かにそれなら毒を浄化できるかもしれないね……」
ツナの炎の詳細を知ってカエル医者は親指と人差し指を顎に当ててそう言った。
「ただこの病院だということを忘れてはいけないよ。もし火事になれば他の患者の命が無くなる可能性だってあるんだから」
「その点は大丈夫です。この炎は燃焼力はあんまりない上に調和だけにこの力を集中すれば他に燃え移ることはありません」
「成る程ね。それなら問題ないか」
普通の人間であれば疑うところであるがカエル医者はツナのことを信頼している為、全く疑うことなくツナの言葉を信じる。
「たださっき言った通りフェブリがこの炎を怖がってしまったら意味がないんです。いくら大丈夫だと言っても流石に炎に対して怖がらない訳はないと思うし、強引にやるのは気が引けるっていうか……」
「だったら僕があの子に睡眠薬を投与して眠らせよう。それなら怖がることなく治療できるはずだ」
「お願いできますか?」
「僕を誰だと思ってるんだい? 患者の為に全力を尽くす。医者として当たり前のことだよ」
「お願いします」
フェブリの治療。果たして上手くいくのか?
わかっていると思いますが今回の時系列はフェブリが倒れて入院してからの部分です。アニメでいうところの20話から21話の冒頭部分です。
ツナがいればフェブリの毒を治すことができると思ったのこういう形にしました。
追記10月12日 セリフを一部追加しました。
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