とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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今回は15話の後書きで言っていたあの人の登場です。まぁタイトルでわかると思いますけど。


標的(ターゲット)20 女王

 

 

 

 美琴の戦いを終えたツナ。美琴の戦いが終ったことで黒子たち以外は帰ってしまう。

 

「このままじゃ帰れないな……」

 

 ツナは炎を逆噴射させて黒子たちの元の場所へ一気に移動する。運動場にいたはずのツナが急に現れたので黒子たちはビクッとしてしまった。

 

「さ、沢田さん! 急に移動しないで下さいですの! 心臓に悪いですわ!」

 

「わ、悪い……言っておきたいことがあってな」

 

「何ですの?」

 

「俺は今からこの運動場を整備する。だから先に戻ってて欲しい」

 

「それだったら私たちも手伝いますよ」

 

「気持ちはありがたいがこれは俺の問題だからな。俺一人で片付ける」

 

 初春が手伝うと言ったが、ツナは自分たちが戦って運動場をボロボロにしてしまった為、自分一人でやることを決める。

 

「わかりましたわ。じゃあ私たちは先に帰りますわ」

 

「ツナさん。早く帰って来て下さいね」

 

「ああ。わかった」

 

 黒子たちは先に帰ってしまう。とりあえず運動場の整備を始めようとするツナ。

 

「まさかあの美琴さんを圧倒するなんてね」

 

「誰だ?」

 

 ツナの背後から女性の声がする。ツナが振り返るとそこには十字形の星が入った瞳に肩の辺りから2つに分けた蜂蜜色の長い髪の少女がいた。

 

「食蜂操祈。といったらわかるかしら?」

 

「いや……わからないんだが……」

 

「私のことを知らないなんて情報力が乏し過ぎじゃないかしら?」

 

「お前がどれだけ有名かは知らないが俺は最近、学園都市に来たんだ」

 

「最近?」

 

「ああ」

 

「もしかしてあなた。原石?」

 

「原石?」

 

 原石という聞いたことのない単語にツナは疑問符を浮かべた。能力は通常、学園都市の技術によって時間をかけて能力を開花されるのである。だが中に学園都市の開発を受けず、能力が使えるものがいる。そういう能力者は原石と呼ばれる。

 

「能力者なのに原石を知らないのぉ?」

 

「俺は能力者じゃない。ここの言い方で言えば俺はレベル0だ」

 

「レベル0? 冗談にしては全然、面白くないんだゾ☆」

 

「そう言われても事実なんだがな……といっても提示できる証拠も何もないんだが……」

 

 能力者ではないと言ってはいるもののツナは、自分が能力者ではないということを証明できない為、困惑してしまっていた。

 

「そういえば名前を聞いてなかったわねぇ」

 

「沢田綱吉だ」

 

「沢田綱吉……聞いたことないわぁ。御坂さんよりも強いなら学園都市の順位に入っててもおかしくないのに」

 

死ぬ気の炎(このちから)は能力じゃないからな。能力者は能力を使う時に演算するようだが、俺はそんなことはしていない」

 

「能力じゃないねぇ……」

 

「それよりも俺に何の用だ?」

 

 操折は能力じゃないと聞いて興味を示す。ツナは異世界のことを言うのはあまり得策ではないと考え、話題を反らした。

 

「特に用はないわぁ。ただ御坂さんに勝ったあなたと話してみたいと思っただけ」

 

「その発言だと美琴のことを知ってるっていうことか。じゃあ操祈は美琴の友達なのか?」

 

「私のことをいきなり呼び捨てだなんて。失礼だゾ☆」

 

「す、すまない……」

 

「まぁそれは別にいいんだけどぉ。そんなことより私が御坂さんの友達っていうのは止めて欲しいのよねぇ。私、御坂さんのこと嫌いなのよぉ」

 

「友達じゃない……なら腐れ縁ってやつか」

 

「ま。そんなところねぇ」

 

(美琴と操折はリボーンとコロネロと同じようなものか……)

 

 ツナはリボーンと元イタリア海軍潜水奇襲部隊コムスビンの隊員にして、最強の赤ん坊(アルコバレーノ)の一人であるコロネロの姿が浮かんでいた。

 

「もしかして挨拶代わりに美琴と頭突きとかしてたりするのか……?」

 

「何を言っているのかわからないんだけどぉ……」

 

 ツナの言葉を聞いて操折は何言っているんだこいつ? という目でツナのことを見ていた。リボーンとコロネロは挨拶代わりに頭突きをするということをしていたので、ツナの中で腐れ縁とはそういうものだと思っているのだ。

 

「ま。面白いものを見せてくれたお礼に、特別に私の能力を見せてあげるわぁ」

 

「リモコン?」

 

 操折は肩掛けバッグからテレビのリモコンを取り出した。急にリモコンを出した意味がわからず疑問符を浮かべていた。

 

(御坂さんでも勝てない相手を私が一発で操ったら、御坂さんどんな顔をするのかしらぁ?)

 

 操折の本当の目的は御坂をギャフンと言わせる為にツナを操るというものだった。操折は学園都市に7人しかいないレベル5の一人であり学園都市最高の精神系能力者なのである。能力名は心理掌握(メンタルアウト)。ミクロレベルの水分操作で、体内の水分の繊細な制御、主として脳内物質の分泌、血液・髄液などの配分により間接的に精神に干渉するというものである。人を操作するだけでなく記憶の読心、人格の洗脳、念話、想いの消去、意志の増幅、思考の再現、感情の移植など精神に関する事ならなんでもできるのである。

 

(これで彼は私の支配下……後は証拠の為の写真を……)

 

 操折はツナにリモコンを向けるとリモコンのスイッチを押した。

 

「それで? どんな能力なんだ?」

 

(効いてない!? どうして!?)

 

 完全にツナを操作したと思った操折であったが、ツナには全く効果はなかった。操折はなぜ自分の能力が効かないことに驚きを隠せないでいた。操折はこの後、何度もリモコンを押すがツナには何の効果はなかった。

 

(どうして……どうして私の操作力が効かないわけぇ!?)

 

 自分の能力が効かないことがわからず操折は動揺してしまっていた。ツナに精神系の攻撃や毒物による攻撃は通じない。なぜなら大空の死ぬ気の炎の特徴は調和だからである。調和とは矛盾や綻びがない状態。つまり操折の能力は調和を乱しているからである。

 

(ま、まさか()と同じっていう訳ぇ!? で、でも彼と違って体のどこにも触れていない……どういうことなのぉ!?)

 

 操折は動揺すると同時に、脳裏にある人物が浮かんでいた。

 

「どうした? 能力を見せてくれるんじゃないのか?」

 

「な、なんかリモコンの調子が悪くってぇー。能力が見せられないみたいなのよねぇー」

 

「リモコンで能力が使えるのか? 変わってるな」

 

 操折は正直に能力が効かなかったとは言えずリモコンの調子が悪いと言って、誤魔化した。ツナは操折の発言に対して何も疑問を抱いていなかった。

 

「じゃあ私は用事があるからそろそろ帰るわぁ。また機会があったら会いましょう」

 

 目的が果たせないと判断した操折は、そのまま立ち去って行った。

 

「なんか掴みどころのない人だったな……」

 

 ツナは(ハイパー)死ぬ気モードを解いて、通常モードに戻る。去っていく操折の姿を見ながらそう呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 




はい。いかがだったでしょうか?正直、この話は操折の能力がツナに通じないというシーンを書きたかっただけなんです。だから(ハイパー)死ぬ気モードの状態のままで話を進めたんです。でもノーマル状態でも操折の能力って通じなかったんじゃないかって思ったんですけど、どうなんだろう…?後は操折がツナの心の中を覗いて、操折にツナが異世界の人間だと知るみたいな展開にしたかったんですけど、それって調和を乱してね?と思ってボツにしました。
でもリボーンキャラには操折に操作されるなんてことは無さそう…特に獄寺、雲雀、ベルフェゴール、スクアーロ辺りは。了平は気合いで打ち破りそう…


ちなみに操折の死ぬ気の炎の属性は大空か晴だと僕は思っています。

次は佐天とツナのデート回かな?その前に美琴の反省文を書される話をやろうか…


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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

  • 1対1の一騎討ち
  • ツナと天草十字正教が協力して戦う

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