とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)21 機嫌と罰

 

 

 操折が去った後、壊れた運動場の整備を終えるとツナは支部に戻る。風紀委員(ジャッジメント)の仕事を終えるとツナは佐天の家に帰る。

 

「ただいまー」

 

「お帰りなさいツナさん」

 

 家に帰るとエプロン姿の佐天がツナを迎える。

 

「もうご飯できてますよ」

 

「え……? 今日俺、ご飯抜きなんじゃ……」

 

「何、言ってるんですか。冗談に決まってるじゃないですか♪」

 

「そ、そうなの……?」

 

 今日は晩御飯は食べられないと思っていたツナであったが、晩御飯が用意されていると知って戸惑う。一方で佐天は妙に機嫌が良かった。

 

(妙に機嫌がいいな……何かいいことでもあったのかな?)

 

 佐天の機嫌がいいことに気づいてはいたが、なぜ機嫌がいいのかはわからなかった。しかし機嫌が悪いよりはいいと思った為、ツナは靴を脱いで家の中に上がる。

 

「え?」

 

 リビングに入り、いつもご飯を食べる為に使っているテーブルにはいつもとは比べものにならないぐらいの量の料理が用意されていた。

 

「ど、どうしたの佐天……? なんかすっごい豪華なんだけど……?」

 

「なんか気合いが入っちゃいまして。つい」

 

「そ、そう……」

 

 ツナがあまりの多い料理に戸惑ってしまう一方で佐天はこれぐらい普通ですよと言わんばかりの顔でそう言う。ツナは戸惑いつつも食べることにする。

 

「そういえばツナさん。映画に行く日、いつにします?」

 

「映画……?」

 

「何、言ってるんですか。ツナさんが一緒に行こうって誘ってくれたんじゃないですか」

 

「それは覚えてるんだけど……本当に行くの?」

 

「もしかして嘘だったんですか……?」

 

「う、嘘じゃないよ! ただ俺と一緒でいいのかと思って!」

 

 機嫌の良かった佐天が急にシュンとしてしまう。ツナはまさかそんなに楽しみにしていたとは思ってもみなかった為、慌てて嘘じゃないと否定する。ツナの言葉を聞いて佐天はパァッと顔を明るくした。

 

「そういえば美琴、大丈夫かな……?」

 

「御坂さんがどうしたんですか?」

 

「いやー。今頃、寮監に連れて行かれて正座で反省文を書かされてるはずだからさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ツナが美琴のことを心配しているその頃。美琴と黒子の寮では。

 

「も、もう膝が限界……」

 

「何を言っている。まだ半分しか書いていないだろう」

 

 ツナの言う通り美琴はずっと床で正座させられながら反省文を書かされていた。美琴の横では寮監が仁王立ちしてい美琴の様子を見守っていた。黒子はベッドの上で携帯をいじっていた。

 

「本来であれば反省文20枚に寮の掃除を1週間、一人でやらせるつもりだったんだからな」

 

「珍しいですわね。寮監様が罰を軽減させるだなんて」

 

「軽減させるつもりなどなかったさ。ただ彼のたっての希望だったからな」

 

「沢田さんが?」

 

「できれば酷いことはしないで欲しい。これでも美琴は俺の大事な友達なんだって言ってな。御坂のことを心配していたぞ」

 

「え……!?」

 

 自分のことを心配し、さらに罰を軽減するよう寮監に嘆願してくれたと知って驚きを隠せないでいた。

 

「御坂の被害者である彼がそう言うのに、聞き入れないわけにはいかないからな」

 

「被害者って……そこまで言わなくても……」

 

「寮監様の言う通りですわ。沢田さんはお姉様の攻撃でボロボロになった運動場をあの後、一人で整備したのですよ」

 

「……」

 

 自分の攻撃のせいで運動場がボロボロになったにも関わらず、ツナが一人で運動場の整備をしたと知って美琴は黙ってしまう。

 

「これに懲りたらもう沢田さんに勝負を挑むのは止めて欲しいですの。まぁ超電磁砲(レールガン)を避けられた時点でもう敗北したと言ってもいいですし。もう挑むなんてことはないでしょうけど」

 

「ま、負けてなんかないわよ! いつか絶対に鼻を明かしてやるんだから!」

 

「いい度胸だな御坂。反省文を書いている奴の台詞とは到底、思えないな」

 

「い、今のは違います! 言葉の綾というか!」

 

 自分が現在、反省文を書かされているのにも関わらずツナを負かせることを宣言する。しかし寮監は美琴の言葉を聞き逃すことはなかった。

 

「にしても彼は何者なんだ? 御坂よりも強いのになぜ、それにあの凍らされた砂鉄の剣……多重能力者(デュアルスキル)は理論上不可能なはず……なのに学園都市のランキングに入っていないんだ?」

 

「「そ、それは……」」

 

 寮監にツナの正体について尋ねられるが、黒子と美琴は答えることはできなかった。この後、誤魔化すのに相当苦労したそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び佐天の家

 

「そういえば佐天。その眉毛のことなんだけど……」

 

「……」

 

「さ、佐天!?」

 

 ツナが眉毛のことについて聞いた途端、先程まで機嫌が良くニコニコしていた佐天の顔が絶望に変わる。そんな佐天の顔を見てツナは驚きを隠せないでいた。

 

「初春から聞いたんですけど……あのペン……実は試供品らしくって……1週間は取れないらしくて……」

 

「いや……そうじゃなくって。もしかしたら消せるかもしれないんだ」

 

「え!? ほ、本当ですか!?」

 

 眉毛を今すぐに消せるということを聞いて、佐天の顔をパァッっと明るくする。

 

「うん。俺の炎の力なら」

 

「い、嫌ですよ! そんなことしたら私の眉毛が燃えちゃうじゃないですか!」

 

 そう言うとツナはリングに炎を灯した。まさかこんな荒療治とは思ってもみなかったので佐天は驚きの声を上げる。

 

「大丈夫だよ。俺の炎なら落書きの眉毛だけ消せるから」

 

「そ、そんなことできるんですか!?」

 

「俺の炎の特徴は調和だからさ。できると思うよ。別に嫌なら無理にとは言わないけど」

 

「そ、それなら……お願いします……」

 

 佐天はツナを信じることにした。しかし怖いのか目を瞑っていた。ツナは炎の灯ったリングを落書きの眉毛に近づけていく。

 

(あれ? 熱くない……というか温かい……)

 

 炎に当たっているのに熱いという感覚はなく、むしろ心が安らぐような温かさを佐天は感じていた。

 

「はい。終わったよ」

 

 ツナがそう言うと佐天はゆっくりと目を開けると、目の前にはツナが手鏡を持っていた。そこには黒いペンによって書かれた眉毛が綺麗に消えており、何の異常もなくなっていた。

 

「ほ、本当に消えてる……!?」

 

 鏡に映っている自分の姿を見て佐天は感動に打ち震えていた。

 

「ありがとうございますツナさん! 大好きです!」

 

「え……!?」

 

「あ、あああああ!! ///」

 

 あまりの嬉しさにとんでも発言してしまう佐天。だがすぐに自分の言ったことに気づいて顔を真っ赤にしてしまう。

 

 この後、佐天が気絶したのは言うまでもない。

 

 

 

 




次は佐天のデート回やります。なんか幻想御手(レベルアッパー)篇なのに日常回とは…ちょっと複雑です。


高評価を下さった坂本龍馬さん、洛西浩蔵さん、雷公さん。ありがとうございます!



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ツナとアックアの戦い。どんな形がいい?

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