「ランチアは7年前、北イタリアにあるマフィアに所属していたんだ。元々、ランチアはみなし児だった。そんなランチアをファミリーは温かく迎えた。ランチアにとって自分を拾ってくれたファミリーは命。その恩に報う為に強くなり北イタリア最強と恐れられるようになったんだ」
「凄い……」
ファミリーに報いたいというただそれだけの想いで北イタリア最強と恐れられるまでに至ったランチアの凄さに美琴は驚いていた。
「そしてある時、ランチアたちのファミリーのボスがみなし児を拾って来た。ボス曰く野望に満ちた目が気に入ったらしい。ランチアはその子供の面倒を任された。ランチアはファミリーに自分にしてくれたようにその子供も可愛がった」
「いいファミリーね」
マフィアではあるもののランチアの所属していたファミリーはとてもいい人たちなのであるということを美琴は理解する。
「だがそれから間もなくして事件が起きた。ランチアがアジトに戻るとファミリーの連中が皆殺しにされていたんだ」
「え……!?」
まさかここでランチアのファミリーが皆殺しにされるという展開になるとは思っていなかった為、美琴は驚きを禁じえなかった。
「勿論、ランチアは怒りに燃え犯人を探した。そしてついにランチアは犯人を突き止めた。だがその犯人は意外な人物だった」
「意外な人物?」
「ファミリーを皆殺したのはランチアだったんだ」
「は……!?」
美琴はわからなかった。なぜここでランチアの名前が出てきたのかということに。
「な、何でそうなるのよ!? だってファミリーのみんなが殺されて怒りを覚えてたんでしょ! 意味がわかんないわよ!」
「普通ならな。だがそこからランチアは目を覚ます度に身に覚えのない屍の前に立っているという出来事が何度も起こったんだ。ランチアは自分がおかしくなったと思い自殺することを決意した。だがランチアは自殺することができなかった。自分が面倒を見た子供……六道骸にランチアは操られていたんだ」
「そ、そんな……」
ランチアのあまりにも悲惨過ぎる過去に美琴はショックを受けてしまっていた。
「で、でも操るって言ったってあんな強い人を子供が操るなんて……」
美琴はランチアの強さを目の当たりにしている。あれ程の強さを持った男を子供が操ることができるとは到底思えなかった。
「ただの子供ならな。だが骸はとある特殊弾を持っていた」
「特殊弾って……嘆き弾やあんたが佐天さんに撃った弾のこと?」
「そうだ。そして骸が使ったのはエストラーネオファミリーが作ったとされる禁弾の特殊弾。憑依弾だ」
「憑依弾って……まさか……!?」
「お前の想像通りだ。憑依弾は文字通り相手の精神を乗っ取る弾だ。だがあまりにも使用法がムゴかった為に製造法も闇に葬られたがな」
「じゃあランチアさんはその弾のせいで……!?」
「ああ。骸はこいつを使ってランチアの精神を乗っ取りランチアのファミリーを皆殺しにしたんだ」
「なんてことを……!?」
リボーンの言葉を聞いて恩を仇で返すとはまさしくこのことなのだということを美琴は理解する。
「と、というか何でその骸って奴はそんな物を持ってるのよ……そいつはまだ子供だったんでしょ……!?」
「骸は憑依弾を作ったエストラーネオファミリーの生き残りだったんだ」
「生き残り?」
「エストラーネオファミリーは憑依弾を作ったことでろくでなしのレッテルを張られ多くのファミリーから狙われることになった。そこでエストラーネオファミリーの上層部はマフィア界での地位を再び獲得する為にファミリーの子供を使って人体実験に拍車をかけた。しかしその実験によって力に目覚めた骸はファミリー上層部を皆殺しにしてファミリーを壊滅させたんだ。そして同時にマフィア界への復讐を誓った」
「じゃあ……」
美琴は理解する。ランチアのファミリーが殺されたのは骸の復讐心によるものだということを。
「憑依されたランチアは殺戮マシーンと化し、ランチアは偽の六道骸と呼ばれるようになったんだ」
「……」
美琴はランチアの悲惨過ぎる人生に言葉を失ってしまっていた。
「そして2年前に骸たちが日本にやって来た。骸の目的はボンゴレ10代目であるツナの体を乗っ取りマフィアを殲滅。そして世界中の要人の体を乗っ取り世界大戦を起こす為にな」
「イカれてるわ……!?」
骸のマフィアの殲滅及び世界大戦を起こすというあまりにもぶっ飛びすぎた計画に美琴は畏怖の念を感じていた。
「この時にフゥ太が人質に取られ俺たちは骸のアジトに乗り込んだ。俺たちはなんとか骸を倒すことに成功した。そして骸を倒したことでランチアを骸の呪縛から解放されたんだ。そこからランチアは殺されたファミリーの家族を訪れて償いの旅をしている。自分の一生をかけてな」
「全部、骸って奴のせいじゃない……本当ならそんなことする必要ないのに……」
せっかく骸の呪縛から解放され自由の身になれたのにも関わらず、残りの人生を償いの為に使わなければならなくなってしまった。そのことに美琴は憤りを感じてしまっていた。
「これがランチアの過去だ。次はXANXUSのことだな」
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