ツナが自分のことよりも海原のことを肩に持ったことに腹を立てた美琴は走り去ってしまった。そしてしばらくすると後ろ振り返った。
(いない……)
だが後ろを振り返っても美琴の視界にツナの姿はどこにもなかった。ツナが追いかけてもくれないと知って美琴は余計に腹を当ててしまう。
(私なりに頑張ったのに……なのに……)
佐天やミサのように自分は素直になれないのはわかっている。それでも自分なり一生懸命頑張った。だがツナは自分のことを見てはいなかった。
(帰ろう……)
怒りと悲しみが渦巻く中で何をしても意味がないと悟った美琴は寮へと帰ることを決める。
一方、その頃。ツナは。
「美琴……急にどうしちゃったんだろう……」
今、美琴に追いかけて美琴に話したところで聞き入れてくれないだろうと思い、一先ずパトロールに戻ることにした。しかし美琴が急に涙を浮かべながら怒ったのか考えるがツナはわからずにいた。
(俺はどうすればいいんだろう……?)
ツナは俯きながらこれから美琴になんていう言葉をかければいいのかわからないでいた。しかし美ツナは琴が怒った原因すらわかっていないので、必死に考えたところでわかるはずもなかった。
その時だった
「いでっ!」
ツナは俯いた状態で考え事をしていた為、ツナは反対側から走って来た青年に気づかずぶつかってしまい尻餅をついてしまう。青年もツナと同じく尻餅をついてしまう。
「す、すいません! 大丈夫ですか!?」
「こっちこそすいません。余所見してて…あ」
青年は慌てて立ち上がりツナに手を差しのべた。ツナは謝罪の言葉を述べると同時に目を開いた。手を差しのべたのは海原であった。
「さっきは勝手に帰っちゃってすいません。それと美琴のことなんですけど……」
「美琴って……もしかして御坂さんのご友人の方ですか!?」
ツナは海原に美琴が今、怒っているということを伝えようとする。だが美琴とという単語を聞いた瞬間、海原は血相を変えた。
「え……さっき言いましたよね……?」
ツナはさっき海原が聞いてきたことを再び聞いてきた為、不思議そうな顔をしていた。
「違います! 自分はあなたとは
「な、何言って……!?」
「あなたが会ったのは自分に成り済ましている偽物なんです! 自分は先程まで捕まっていたんです!」
「そ、そんなことを言われても……」
海原は必死に伝えるが、急に成り済ましていると言われてもツナは信じられずツナは戸惑ってしまう。
(あれ?)
信じられないツナであったが、ここであることに気づいた。それは前に海原に話した際に感じた違和感が、今目の前にいる海原から全く感じられないことに。
(もしかしてこの人が言っていることは本当なのかも……!?)
ツナは違和感を感じた理由が見た目と中身が違うということだったのだと理解する。
「このままだと御坂さんが危ないんです! 彼は御坂さんを狙っているんです!」
「何だって!?」
海原から偽物の海原の目的が明かされる。偽物の海原の目的を知ってツナは血相を変える。
「とにかくこのことを早く御坂さんに伝えないと! 二手に別れて御坂さんを捜しましょう!」
「あ! ちょっと!」
ツナの制止を聞かずに海原は美琴を捜しに行ってしまう。仕方がないのでツナも美琴を捜す為に走っていく。
美琴を捜す為に奔走するツナ。
(でも一体、何で……!?)
走りながらツナは考えていた。あの海原からは悪い感じがせず美琴のことを大事に想っていたのが凄く伝わってきた。そんな男が美琴に害を成そうとしていることが今でも信じられなかった。
(とにかく早く捜さないと!)
美琴に別れたのはほんの少し前。故にまだそう遠くには行っていないと判断したツナ。
その時だった
「おや? あなたは先程の……」
(こ、こんな時に……!?)
ここでタイミング良く偽物の海原が登場してしまう。ツナは本物の海原から感じられなかった違和感を感じ、目の前にいる男が本物の海原ではないと理解すると同時に慌ててしまっていた。
「どうされたんですか? 何やら慌てているようですが」
「い、いや……あの……!?」
ツナの
「もしかして御坂さんに何かあったのですか!?」
(ま、まずい! このままじゃ!)
海原はツナの慌てた表情から何があったのかを推理する。ツナは目的がバレそうになってしまい窮地に陥った。
その時だった
(あ、あれは!?)
ツナたちのいる反対側の歩道。そこにはゆっくりとした歩幅で歩いている美琴がいた。美琴は落ち込んでいっぱいいっぱいなのかツナたちには気づいていない様子であった。
(このままじゃ美琴が……!?)
このまま美琴を海原と接触させてしまえば、海原の魔の手が美琴に及ぶかもしれないとツナは咄嗟に判断した。
そして
「美琴を狙ってるって本当ですか?」
「っ!?」
ツナは美琴を護る為に自分に敵意を向けさせる。ツナの言葉を聞いた瞬間、海原は驚きの表情を見せたがすぐに笑顔になった。
「勿論。先程も言った通り、自分は御坂さん一筋ですから。本心が聞けるまで彼女を狙うつもりですよ」
「誤魔化さないで下さい。もう知っています。あなたが偽物だってことも。全部、本物のあなたから聞いています」
「自分が偽物? 一体何の冗談ですか?」
ツナは先程、知った事実を正直に話した。海原はそれでもシラを切っていた。
「あなたと出会ってからずっと違和感を感じてたんです。それが本物のあなたからは感じられなかった。でもさっき本物の出会って違和感の正体がわかりました。それはあなたの見た目と中身が違うから」
「あなたの仰っている意味がわかりなせんね……それよりも御坂さんに何かあったのでしょう? 早く彼女の元へ向かい……」
「行かせませんよ」
ツナはいつまでもとぼけて誤魔化そうとする海原の言葉を遮るようにそう言った。
「正直、あなたが悪い人だとは思えないし、戦いたくもない。でも本当に美琴に手を出すっていうなら俺は何が何でもあなたをここで引き止めます」
ツナはかつて美琴と約束した。美琴が笑える未来を作ると。もし美琴の未来を奪う者が現れるのであれば戦う覚悟もできている。
「やれやれ……まさかあの拘束から抜け出すとは……」
「それは認めたってことでいいんですか?」
「ええ。本物の自分とあなたが会ってる以上、隠す意味もありませんしね」
これ以上は隠し通せないと判断した海原は正直に自分が偽物だということを素直に白状した。
「それに自分の秘密を知られた以上、あなたを生かしておく理由もない」
すると海原は懐からナイフの形をした黒曜石を取り出した。
(ここから離れないと!)
ツナは黒曜石のナイフを見た途端、背を向けて慌てて走り出した。ここで戦えば周囲の人たちを巻き込んでしまうからである。
(とりあえず人気のない所へ!)
誰も巻き込まずに戦える場所へ移動する為にツナは咄嗟に路地を曲がった。海原もツナに着いていく。
ツナが逃げ込んだ先は建設中の工事現場であった。幸い工事の関係者はいなかった。
「いない?」
ツナを追いかけて来た海原。しかし周囲を見渡してもツナの姿はどこにもなかった。
(確かにここに逃げたはず……まさか光学系の能力者?)
確実に追いかけて来たのにもツナの姿がどこにもなかった。海原はツナが光学系の能力であり、姿を消しているのではないかと推測する。
「どこを見ている?」
「っ!?」
すると海原の上の方から声が聞こえる。海原が上を向くとそこには鉄骨の上に佇み、額と両手に装着しているグローブに炎を灯しているツナがいた。
「お前の相手はここにいるぜ」
次回はいよいよ魔術の登場です。
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